更新日:令和3年7月20日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
登録の公示(登録番号第28号)
下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。
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前沢牛
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登録番号
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第28号 | ||||
2 | 登録年月日 | 平成29年3月3日 | ||||
3 | 登録の申請の番号 | 第76号 | ||||
4 | 登録の申請の年月日 | 平成28年7月14日 | ||||
5 | 登録生産者団体の名称 | 岩手ふるさと農業協同組合 | ||||
6 | 登録生産者団体の住所 | 岩手県奥州市胆沢区小山字菅谷地131番地1 | ||||
7 | 登録生産者団体の代表者の氏名 | 代表理事理事長 菊地 義孝 | ||||
8 | 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス | http://www.jafurusato.or.jp【外部リンク】 | ||||
9 | 特定農林水産物等の区分 | 第6類 生鮮肉類 牛肉 | ||||
10 | 特定農林水産物等の名称 | 前沢牛(マエサワギュウ)、MAESAWA BEEF | ||||
11 | 特定農林水産物等の生産地 | 岩手県奥州市前沢区 | ||||
12 | 特定農林水産物等の特性 | |||||
岩手県奥州市前沢区では、西に奥羽山脈、東に北上山地が聳え、そこから流れ出るきれいな雪解け水をはじめとした、自然環境に恵まれた大地で育った良質な稲わら、干し草や穀類を飼料として与えるとともに、生産者の愛情を1頭1頭に注ぎ、ストレスをかけず、牛にとって優良な環境で肉用牛の肥育を行ってきた。地域で作った良質の稲わらを粗飼料及び敷料に使用し、たい肥を水田や畑に還元するという自然循環型の肥育スタイルをとっており、稲わらを吟味し、良質かつ清潔なものを給餌するために、稲わらの収穫と確保には最大限の努力をしてきた。 肥育素牛には、黒毛和種の去勢牛を主に活用する事で、他産地との競合を避け優秀な素牛を確保するとともに、他産地との差別化を図り、生産者の手取りを増やすことを目指してきた。1戸あたり平均25頭前後という小頭数の肥育経営を中心に、サシを入れる為の技術を要する去勢牛の品質を高めるため、農家の飼養スタイルごとに、一頭一頭こまめな管理を行ってきた。 「前沢牛」として出荷されるのは、公益社団法人日本食肉格付協会の定める歩留等級が「A」又は「B」で、かつ、肉質等級が「4」以上の牛肉だけである。 「前沢牛」は上質できめ細やかな霜降りで、しっとりし、料理人をうならせるほどの肉質であり、その脂はしつこくなく、食すと上質な香りが口の中に広がり、肉が溶けるように感じられる極上の牛肉である。焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキなど、どんな料理でも最高の味わいを与えてくれるが、特に絶妙な加減で炙って供される「前沢牛のにぎり」は、十分に熟成させた肉の甘みや、柔らかな肉質を最大限に引き出し、「陸のトロ」と呼ばれている。 昭和40年代に黒毛和種の肥育を始めた当初は、「岩手のガリ牛」と酷評を受けたが、「前沢牛が全国の共進会でトップをとる」という目標のもと、地域が一丸となって生産技術の向上に取り組み続けた結果、昭和53年には東京食肉市場で当時の最高販売価格を更新した。また、昭和61年に全国肉用牛枝肉共励会で名誉賞(農林水産大臣賞)を受賞したことを皮切りに、その後も全国規模の各種共進会・共励会等で最優秀賞の受賞を重ね、平成26年度の全国肉用牛枝肉共進会において、全国最多となる通算6度目の名誉賞(農林水産大臣賞)を受賞している。「前沢牛」は、このような地域の取組による数々の受賞歴を背景に、東の横綱「前沢牛」として全国的な知名度を有している。 【受賞歴】 (ア) 全国肉用牛枝肉共励会で名誉賞(農林水産大臣賞)を通算6回受賞 (イ) 全畜連肉用牛枝肉共進会での最優秀賞(農林水産大臣賞)も通算5回受賞 他 「別添資料 受賞歴一覧表参照(PDF : 147KB)」 |
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13 | 特定農林水産物等の生産の方法 | |||||
(1)品種 黒毛和種であり、全国和牛登録協会発行の子牛登記証明書またはこれに準ずる証明書を有するもの。 (2)生産地における飼養期間及び最終飼養地 岩手県奥州市前沢区における飼養期間が最長かつ最終飼養地であること。 (3)飼養管理 牛一頭一頭の成長段階や体調等にあわせ、必要に応じて飼料を自家配合して給餌するなど、繊細な飼養管理を行う。 (4) 枝肉基準 公益社団法人日本食肉格付協会の定める肉質等級が「4」以上で、歩留等級が「A」または「B」であるもの。 (5)最終製品としての形態 前沢牛の最終製品としての形態は、牛肉である。 |
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14 | 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 | |||||
岩手県奥州市前沢区は、北上盆地の南部に位置し、中心部に北上川が流れており、奥羽山脈、北上山地から流れ出でる豊富な雪解け水、そして肥沃な大地が米づくりに適しており、良質かつ清潔な稲わらの供給が可能である。 当地では、それまで馬の産地であった地域性を活かして、昭和30年代に岡山県や島根県から繁殖雌牛を導入し、黒毛和種の子牛の生産を開始した。その頃は、まだ和牛肥育を行っておらず、生産された子牛は地元からの引き合いがなく価格が低かったため、昭和40年に地域内の5農協が合併して前沢町農協が発足すると、肥育専門部会を設立し、黒毛和種の肥育が開始された。昭和46年には、地域の生産技術や生産意欲の向上を図る目的で、地域内の優秀な肥育牛を表彰する第1回前沢牛枝肉共進会が開催され、現在に至るまで継続して開催されている。 昭和53年には、前沢町農協が管内の6地区から畜産推進員を1名ずつ任命し、肥育経営・技術の先駆的役割を担うリーダーを育成する取組を開始した。畜産推進員は、先進地研修等に参加するなど、高度な肥育技術の習得に努め、そのノウハウを地区内の生産者に伝達・浸透させてきた。「前沢牛」を共進会等に出品する際には、畜産推進員が生産者を訪問し、牛の発育状況を確認した上で出品牛を選出している。 また、昭和55年頃から、生産者を対象として、専門講師を招いての飼養管理研修や購買者、買参人等を招いての懇談会等を開催し、地域全体の生産技術向上に取り組んできた。 これらの取組により、肥育牛の生産が軌道に乗り、出荷された肥育牛の枝肉情報が繁殖農家に還元されるようになったことから、繁殖農家は『地域の肥育農家が望む血統の子牛を生産する』という、前沢牛を子牛から肥育牛まで地域内で一貫生産する体制が構築されてきた。このことも、前沢牛銘柄が確立した要因の一つと考えられる。 平成8年からは、肥育農家の後継者が「牛好会」を組織し、視察研修や月1回の勉強会に加え、毎年9月には「牛好会枝肉研究会」を開くなど、日頃の肥育技術の向上に取り組んでいる。 このように、産地が一丸となって生産技術向上の取組を継続してきた結果、昭和61年から現在に至るまで様々な品評会で最高賞を受賞し、銘柄牛肉「前沢牛」として、全国的な評価を受けるに至ったのである。 |
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15 | 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績 | |||||
昭和40年代に黒毛和種の肥育を開始し、昭和46年の第1回前沢牛枝肉共進会において、初めて「前沢牛」の名称を使用した。昭和48年には、産地を証明する目的で牛枝肉に前沢牛印の押印を開始し、昭和55年からは当時の格付け「中」(現在格付「B4」)以上の枝肉のみに押印して販売するようになった。また、「前沢牛」の銘柄名の認知度が高まったことに伴い、平成2年には前沢牛銘柄の図形商標を登録し、「前沢牛」の文字についても、平成9年に商標登録をしている。 昭和60年、前沢町制施行30周年を契機に、前沢牛の消費拡大として「前沢牛まつり」が開かれ、毎回3万人を超える来場客で賑わいを見せており、平成28年で32回を数えるに至っている。町の看板、橋の欄干、街灯やマンホールに、牛のモニュメントを作成し町のシンボルとしての「前沢牛」をアピールするなど、地域おこしの旗印として町全体が「牛の町」として全国的に有名である。 また、奥州市牛の博物館は、我が国唯一の牛専門の登録博物館として平成7年4月に開館した。「牛と人との共生を探り生命・自然・人間を知る」を基本理念として、牛の里前沢町(現在前沢区)を特徴づける博物館として誕生し多くの来館者に情報を提供しているところである。 |
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16 | 法第13条第1項第4号ロの該当の有無 | 該当する | ||||
商標権者の氏名又は名称 | 岩手ふるさと農業協同組合 | |||||
登録商標 | 前沢牛 | |||||
指定商品又は指定役務 | 牛肉 | |||||
商標登録の登録番号 | 第4076636号 | |||||
商標権の設定の登録(更新登録があったときは、更新登録も含む。)の年月日 | 1)設定の登録 平成9年10月31日 2)更新登録 平成19年9月25日 |
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専用使用権者の氏名又は名称 | - | |||||
商標権者等の承諾の年月日 | - | |||||
17 | (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容 | - | ||||
18 | 特定農林水産物等の写真 | ![]() |
登録簿(PDF : 380KB) | 明細書(PDF : 307KB) | 生産行程管理業務規程(PDF : 658KB) |
お問合せ先
輸出・国際局 知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX:03-3502-5301