更新日:平成30年4月9日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
登録の公示(登録番号第60号)
下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。
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松館しぼり大根
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登録番号
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第60号 | ||||
2 | 登録年月日 | 平成30年4月9日 | ||||
3 | 登録の申請の番号 | 第46号 | ||||
4 | 登録の申請の年月日 | 平成27年10月2日 | ||||
5 | 登録生産者団体の名称 | 松館しぼり大根栽培組合 | ||||
6 | 登録生産者団体の住所 | 秋田県鹿角市八幡平字松館28番地 | ||||
7 | 登録生産者団体の代表者の氏名 | 組合長 山崎 道博 | ||||
8 | 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス | - | ||||
9 | 特定農林水産物等の区分 | 第2類 野菜類 だいこん | ||||
10 | 特定農林水産物等の名称 | 松館しぼり大根(マツダテシボリダイコン) | ||||
11 | 特定農林水産物等の生産地 | 秋田県鹿角市八幡平字松館地区(資料:(PDF : 673KB)) | ||||
12 | 特定農林水産物等の特性 | |||||
「松館しぼり大根」は鹿角市八幡平字松館地区で栽培されている地方在来種の辛み大根である。基本的な形状は、やや丸みを帯びたくさび形をしており、辛み大根としては大型の品種である。 また、水分が少なく、肉質が硬い特徴を持ち、この特性により長期間在圃しても収穫時の割れが少ない。さらに貯蔵性も良く、通常10月中旬から11月にかけて収穫されるが、貯蔵しながら3月末頃まで出荷できる。 伝統的な食べ方として、皮ごとすり下ろし、布等で包んで絞った絞り汁を薬味・つけダレ等として利用する。その利用範囲は蕎麦やうどん、湯豆腐やかやき(貝焼き)等の鍋物、刺身など多様な料理に及ぶ。 絞り汁は濃い白色をしており、大根らしい味と共に強烈な辛みを持ち、その辛さは全国の在来の辛み大根の中でも1、2の辛さとなっている。 また、「松館しぼり大根」は、強い辛さを持つだけでは無く、ショ糖含量が他の辛み大根に比べ高いため、絞り汁にショ糖由来の甘みが感じられ、これが他の辛み大根には無い、独特な風味をもたらしている。 市場からは『「松館しぼり大根は他に無い食味を持つ」として、継続的に安定した取引を求める顧客がおり、今後も継続した取引を望む』と評価され、この評価が主たる出荷先の秋田市場で一般的な大根の平均単価を大幅に上回る価格につながっている。さらに、近年報道などで取り上げられる機会が増えたことも有り、地域特産品として評価も高まっている。 |
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13 | 特定農林水産物等の生産の方法 | |||||
(1)品種 在来系統から選抜した「あきたおにしぼり」を用いる。 (2)栽培の方法 生産地(秋田県鹿角市八幡平字松館地区)において栽培する。 (3)最終製品としての形態 「松館しぼり大根」の最終製品としての形態は、青果(だいこん)である。 |
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14 | 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 | |||||
「松館しぼり大根」は、暑さに弱く気温の日較差が大きいほど風味が増すとされており、生産地である「鹿角市八幡平字松館地区」は、山に囲まれている丘陵地帯である。その地形的特徴から冷涼で、昼夜の気温の変化が大きく、根茎肥大期である10月の平均気温は、最高気温18℃、最低気温5℃と、その較差が10℃以上あり、収穫の最盛期となる11月でも最高気温10℃、最低気温0℃となっているなど、「松館しぼり大根」の生産適地となっている。 さらに「松館しぼり大根」は辛いだけでなく、ショ糖含量も高く大型であるが、これは周囲の山々から吹き下ろされる寒風と、霜の降る時期も早いという地形・気象的な条件の下、低温・凍結に強くまた長い栽培期間でも割れにくい系統が選抜されてきたために獲得された形質と考えられる。 松館地区以外の土地で作ると辛みが無くなるなどという話も伝わっていて、今も昔も八幡平の松館地区という極く限られた地域で作られるのみであり、周辺地域への栽培の広がりはほぼ見られない。 また、すり下ろした大根の絞り汁を利用するという伝統的な使い方は、辛み大根の中でも稀であり、それが名前の由来となっているのは、他の辛み大根では見られない「松館しぼり大根」だけの特徴となっている。 |
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15 | 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績 | |||||
鹿角市が行った地域農家への聞き取り調査記録によれば、「松館しぼり大根」は寒冷地において冬季に利用可能な貴重な野菜として、また鉱山地帯の冬場の換金作物として、100年以上前から作られてきたとされており、このことから明治時代中頃には栽培されていたと推察される。 鹿角市史編纂時の調査資料(調査資料鹿角市史民俗調査報告書第五集(平成三年度調査)花輪・尾去沢の民俗(上))や文献資料(日本の食生活全集5 聞き書 秋田の食事 昭和61年2月15日発行)では、「松館しぼり大根」の利用法は皮ごとすり下ろした大根をさらし等の布に包んで絞った絞り汁を使うのが主流であったようで、絞り汁の利用法として、ソバやモチ、湯豆腐、イカやサメの刺身の薬味として使った例や、キリタンポやかやき(貝焼き)のつけダレ、漬け物や納豆にかけて食べるなど、ワサビや辛子のように使った記録が残っている。 また、古くから地域の著名な鉱山であった尾去沢鉱山で働いていた人たち、特に肉好きな人や酒飲みな人からは酔い覚まし、消化促進といった効果があるとして好まれたとの話が記録されていることから、本産品が昔から地域の食文化とつながりの深い食材であったことがうかがえる。 地域限定の野菜として生産量は少なく、利用もほぼ地域内にとどまってきたため、ほとんど世に知られることは無かったが、昭和55年に松館しぼり大根生産グループ(現、松館しぼり大根栽培組合)が結成され、特産品としての生産販売を目指した取組が開始されて以降、地域外にも知られるようになった。 これまで生産地での自家採種によって種苗が維持されてきたが、在来種の持つ特性を安定して発現させるため、平成6年から秋田県農業試験場が生産地で栽培されている辛み大根から在来種の特性を色濃く残している系統を選抜し、その系統を原種苗とした品種「あきたおにしぼり」を作出したことで、在来系統の特徴を保持したまま、形状等の品質の揃いが改善された。 |
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16 | 法第13条第1項第4号ロの該当の有無 | 該当しない | ||||
商標権者の氏名又は名称 | - | |||||
登録商標 | - | |||||
指定商品又は指定役務 | - | |||||
商標登録の登録番号 | - | |||||
商標権の設定の登録(更新登録があったときは、更新登録も含む。)の年月日 | - | |||||
専用使用権者の氏名又は名称 | - | |||||
商標権者等の承諾の年月日 | - | |||||
17 | (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容 | - | ||||
18 | 特定農林水産物等の写真 | ![]() |
登録簿(PDF : 1,875KB) | 明細書(PDF : 1,658KB) | 生産行程管理業務規程(PDF : 1,329KB) |
お問合せ先
輸出・国際局 知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX:03-3502-5301