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農林水産省

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登録の公示(登録番号第98号)

更新日:令和2年8月19日
担当:食料産業局 知的財産課

富山干柿

1
登録番号
 第98号
2 登録年月日  令和2年8月19日
3 登録の申請の番号  第170号
4 登録の申請の年月日  平成30年3月23日
5 登録生産者団体の名称  農事組合法人富山干柿出荷組合連合会 
6 登録生産者団体の住所  富山県南砺市高宮1248
7 登録生産者団体の代表者の氏名  会長 北島 健一
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス  https://www.hosigaki.jp/[外部リンク]
9 特定農林水産物等の区分  第5類 農産加工品類 果実加工品類(干柿)   
10 特定農林水産物等の名称  富山干柿(トヤマホシガキ)、Toyama Hoshigki
11 特定農林水産物等の生産地  平成16年10月31日時点における行政区画名としての富山県西砺波郡福光町及び東砺波郡城端町(現在の富山県南砺市内の一部)
12 特定農林水産物等の特性
 「富山干柿」は、現在の富山県南砺市内にある旧福光町及び旧城端町で約300年以上前から栽培している産地固有品種の柿である「三社」を原料とした干柿であり、飴色で砲弾型のずしりとする大きさといった外観上の特徴のほか、強い甘みと歯ごたえをもった味と食感を有しているのが最大の特徴である。
 「富山干柿」は、100gを超える大玉で流通する干柿もあり、一個当たりの平均重量は70g以上で、他産地の干柿用品種に比べ果重で約2~3倍の重量がある。さらに、「三社」は渋みであるタンニン含量が多いとされる品種であるが、ブドウ糖をはじめとした糖質含量が高いことから甘みが強く、乾燥、休乾を繰り返す行程を経ることによって干柿にするとその甘みがより凝縮され、より甘みある干柿になるといった特徴がある。
 また、「富山干柿」の肉質は、糖度が高いことからペクチンが可溶化し、2回の「手もみ」を行うことで全体がもちもちとした粘質で歯ごたえがある干柿となり、さらには、仕上げ乾燥は厳重に管理され古くから行われている練炭乾燥を行うことで、二酸化硫黄ガスによる酸化防止作用及び相対湿度が低く保持され、褐変化は少なくなり飴色に仕上がる。

 富山県からは、「富山干柿」が、300年以上前から富山県南砺地方で郷土の特産として親しまれている高品質な商品であること、品質の安定、衛生的な製品づくりに取り組み徹底した品質管理を行っていることや、干柿専用種「三社」の優良系統を選定し、穂木の採取と苗木の増殖事業に取り組む等により人気が高く、市場性、将来性が認められること等を評価され、「富山県ふるさと認証食品(2001年)」、「とやまブランド(2011年)」に認定されている。

 このような特性に加え、各産地が天日で乾燥を行う中、全国でいち早く乾燥機を導入し、早期出荷や安定生産を可能にした。関東市場、関西市場からも、他産地の干柿に比べて圧倒的に大きく贈答用としても自家消費用としても売れ筋商品、贈答用として需要が高く5倍程度の増産を期待する市場もあるなどと年末年始の必需品として評価を受けている。(別紙(PDF : 509KB)) 
13 特定農林水産物等の生産の方法
 「富山干柿」の生産の方法は、以下のとおりである。
 (1) 品種
 「三社」から収穫した柿とする。
 収穫は、カラーチャート3.0~3.5により適期収穫を行う。皮がごわごわとなって、甘味が出ずに硬くて黄色に仕上がる青い柿は収穫しない。
 また、ヘタ割れ、ヘタすき、カイガラムシ被害、病害の柿は、ほ場に捨てる。

 (2) 干柿の加工方法
 ア 前処理
 剥皮は、縦むきとすると縦すじが強く出ることから、横むきとする。
 剥皮直後にタンニンの酸化褐変を防ぎ鮮明な果色を得るとともに、腐敗を防ぐため硫黄燻蒸を必ず行う。
 イ 初期乾燥
 収穫した柿は、機械乾燥または天日乾燥を行い、柿渋が抜け、皮むき後の乾燥割合が45%以下になるまで、乾燥、休乾を複数回行う。
 ウ 手もみ<一回目>
 初期乾燥終了後に行う。柿の内側と外側の水分を均一化して「富山干柿」本来の発色を促し、水分を柿全体に行き渡らせ、飴色で軟らかい食感とするために行う。
 エ 練炭乾燥(練炭乾燥については、同等の効果が現れる手法も可。以下、同じ。)
 乾燥、休乾を3~4回程度行い、中まで均一な柔らかさの状態になるまで干す。
 オ 手もみ<二回目>
 硬くなりやすいヘタ周辺や中心部の芯を先端へ押し出すようにしっかりと行い、柿全体の硬さを調整するとともに、「富山干柿」特有の砲弾型の形状となるよう形を整える。
 カ 練炭(仕上げ)乾燥
 休乾を行い、皮むき後の乾燥割合がおおむね30%以下を目安とする。

 (3) 出荷規格
 生産者は、以下のア、イを基準として自己検査を行い、「富山干柿」を階級別に分けて検査場に出荷する。
 農事組合法人富山干柿出荷組合連合会(以下「富山干柿出荷組合」という。)は以下のア、イ、ウを基準として検査・格付けを行う。
 ア 異物(柿の皮、ヘタくず、ゴミ)等の付着物がなく、異臭等のない正常な干柿とすることとし、乾燥の程度別に出荷規格を示した検査基準
 イ 大きさ、量目及び通い箱への入り数別に出荷規格を示した階級基準
 ウ 色、形状、硬さ別に出荷規格を示した三社柿目揃い表(検査員向け)

 (4) 最終製品としての形態
「富山干柿」の最終製品としての形態は加工品(干柿)である。
14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 「富山干柿」の原料柿である「三社」は、産地固有品種であって、1955年以来、富山県農試砺波園芸分場によって優良系統の探索が行われ、大果性、干柿の歩どまり、肉質のよさの点で優れる系統が選抜されており、現在では、この優良系から得た穂木で苗木がつくられている(出典:農業技術体系)。その苗木は富山干柿出荷組合が、必要な苗木数について組合員から注文を受け、穂木を種苗業者に送付、接木育苗して苗木を供給している。他産地への穂木及び苗木の供給は行っていないことから、生産地のみで栽培されている。
 生産地では昭和40年代までは稲刈を終えた水田に藁で屋根をした柿架を建て、南砺市の西側にそびえる医王山から吹き降ろす強い西風(医王おろし)により、乾燥を行っていた。柿の収穫最盛期の天候急変時には雨よけが大変な作業であったが、昭和50年代から、鉄骨ガラス張りの天日乾燥棟の建設により、カビの発生対策はもとより、作業の軽労化と天候に左右されにくい干柿生産の安定化につながった。
 また、「三社」の柿は、渋が極めて強く、一般的な渋柿品種で行われるアルコールや炭酸ガス処理で脱渋する「さわし柿」にならないほどであり、そのため、乾燥期間中に低温が続く年には渋残りが問題となることがあった。また、市場からの贈答用需要に応えるべく早期出荷が課題であったことから、昭和50年代後半からは電気乾燥機の開発・普及が進んだ。
 それまでは干柿の加工技術は自然乾燥であったことから、各農家それぞれの手法によるものであったが、乾燥機の普及とともに徐々にマニュアル化され、技術の統一、高位平準化を進めている。
 また、「三社」は土壌に窒素成分が多いと発病しやすい「たんそ病」に極めて弱い特徴がある。このため、他の地域では栽培に適さない品種の一つとされているが、生産地は、鉄が酸化した土壌であり、赤土で肥沃でないことで栽培が盛んとなった。さらに、樹勢が喬木性(上に伸びる性質が強い)であることから、高い位置で主枝が発生し、多雪地帯である当地方においても、枝の欠損等の雪害を受けにくいことから、栽培が続けられている。

 高品質な干柿生産にかかる取り組みとして、毎年、各地域で摘果講習会、加工講習会、剪定講習会・加工反省会を行い、組合員の技術向上に努めている。また、生産者からの要望に応じ、干柿生産の担い手となる経験の浅い生産者を対象とした講習会も開催している。 
15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績
 干柿の製法は美濃の国(現在の岐阜県)から福光に伝えられたといわれている。加賀藩三代藩主・前田利常(1594~1658)が福光で作られた干柿の味を気に入り、生産を奨励したことで、干柿づくりはこの地の生業として根付いた。
 伝承によると、「つるし柿」(干柿の呼称)は、慶長年間(1596~1615年)が起源とされている。文献による初見は、1691~1693年「元禄中 農隙所作村々帳」であり、「串柿仕候、中勘壱連二付壱匁三分計、勿論多少年二より申候 苗嶋次郎左衛門与下 西勝寺村」とある。西勝寺村は、旧福光町内に含まれる集落(現在の南砺市)で、ここでの串柿生産から始まり、その後、津るし柿(現在の干柿)として、技術発達・増産された。
 1738年、「加賀藩産物帳」には「津るし柿 白柿 九月頃出来但志ぶがき」との記載がある(つるし柿、白柿は干柿の呼称)。また、1811年、現在の金沢市三社町の商人につるし柿をつり糸のついたまま販売し、それを商人が「三社柿」として市場へ出荷した(出典:所方産業之品書上帳)。

 「富山干柿」の名称で販売を開始したのは1935年からである。
 1939年、隔年結果等による豊凶作により、販売が困難となることから、地域全体の共同出荷による有利販売を目的に干柿生産農家からなる「富山干柿出荷組合連合会」を設立し、農家自らが集荷、選果、販売を行う体制が確立した。同年、関西市場へ出荷開始、1946年、関東市場へ出荷開始、2016年産は北陸市場4社、東海市場5社、関西市場6社、関東市場10社の各市場へ出荷している。
 「富山干柿」の出荷量は、約380トン(1986年度)、約370トン(1996年度)、約324トン(2006年度)と年間約300~400トンの推移で出荷されている状況である。
1995年には、市場等からの要望に答えるため、それまでのセロファン包装から、気密性があり、鮮度保持剤を自動で封入し干柿を1個ごとに包装する自動包装用機械が全国で始めて導入され、長期間にわたり、鮮度が保持でき、しかも短時間での包装作業が可能となった。これにより「富山干柿」の出荷量・単価が安定した。
 また、富山干柿出荷組合の下部組織には干柿青壮年部があり、毎年、先進地視察研修を行い、干柿生産にかかる知見を深めるとともに、約30aの柿園の管理を行い、見本園・試験園として、他の生産者に展示している。
 干柿を地域の宝として守るための活動として、恒例行事である「柿フェスティバル」の開催や産地内の2小学校で生産者が講師となって干柿作り体験授業を実施するなど、富山干柿を地域の財産として再認識させるとともに、干柿と身近に触れ合える場づくりに心がけている。
16 法第13条第1項第4号ロの該当の有無  該当しない 
商標権者の氏名又は名称  - 
登録商標  - 
指定商品又は指定役務  -
商標登録の登録番号  - 
商標権の設定の登録及び存続期間の満了の年月日(当該商標権の存続期間の更新登録があったときは、当該商標権の存続期間の更新登録及びその存続期間の満了の年月日についても記載する。)  -
専用使用権者の氏名又は名称  - 
商標権者等の承諾の年月日  - 
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  -
18 特定農林水産物等の写真  富山干柿

登録簿(PDF : 665KB) 明細書(PDF : 669KB) 生産行程管理業務規程(PDF : 164KB)



お問合せ先

食料産業局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX:03-3502-5301

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