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農林水産省

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3 米飯給食の一層の普及・定着に向けた取組


米飯給食は、伝統的な食生活の根幹である米飯に関する望ましい食習慣を子供に身に付けさせることや、地域の食文化を通じて郷土への関心を深めるなどの教育的意義を持つものです。平成26(2014)年度には、完全給食を実施している学校のほぼ100%にあたる30,051校で米飯給食が行われており、約933万人(完全給食を受けている全幼児・児童・生徒数のほぼ100%)の子供が米飯給食を食べています。また、週当たりの米飯給食の回数は平成26(2014)年度では3.4回となっています(図表-51)。

なお、米飯給食の推進については、平成21(2009)年3月に通知を発出し、米飯給食の実施回数が週3回未満の地域・学校については週3回程度、週3回以上の地域・学校については週4回程度など新たな目標を設定し、実施回数の増加を図ることを促すなど、国としては週3回以上を目標として推進しています。

また、農林水産省では米の消費拡大を図り、子供たちに米飯を中心とした日本型食生活やその味覚を伝承してもらうため、米飯学校給食のより一層の推進を図っています。

平成27(2015)年度は、昨年度に引き続き米飯給食の拡大に向けた取組への支援として、各学校が米飯給食の実施回数を増加させる場合に、政府備蓄米の無償交付の支援を実施しました。


栄養教諭による食に関する指導
栄養教諭による食に関する指導
学校給食の様子
学校給食の様子
 
 
図表-51 米飯給食実施状況(国公私立)
データ(エクセル:11KB / CSV:1KB


 

事例:スーパー食育スクール事業
「体に良い食事・運動で健康に!」~肥満傾向児出現率の低下を目指した取組~

青森県東通(ひがしどおり)村立東通小学校

本校は、平成17(2005)年に旧小学校11校が統合された後、平成21(2009)年に5校が東通小学校に統合され、村で唯一の小学校になりました。学区は、東西に約15km、南北に約30km、面積は約300km2と大変広いため、児童は中学生と共に14台のバスを利用して通学しています。

青森県は、全国一の短命県となっており、肥満傾向児の割合も全国平均を上回る状況が続いています。健康長寿県を目指すためには、子供の頃からの生活習慣の改善が喫緊の課題となっており、特に、学校給食を含めた、個に応じた食事処方のアプローチが必要であると捉え、前年度から引き続き、平成27(2015)年度もスーパー食育スクール事業の指定校として、肥満傾向児の出現率の低下を目指す取組を行っています。

1 給食の時間における指導

(1)基準量を明確にし、配膳の仕方を統一


和食を中心とした給食
和食を中心とした給食
咀嚼計活用の様子
咀嚼計活用の様子
  • 栄養管理システムを活用し、推定エネルギー必要量の1/3(中学年で653kcal)を提供する目標量として設定し、各学年に応じて主食である御飯の量(基準値)を決めています。

*高学年は体格差が大きくなるため、主食の量を3段階に設定しています。

  • 和食を中心に食塩相当量と野菜摂取に配慮した献立とし、地元食材を活用した給食を提供しています。
 

(2)8(歯)の付く日に噛みごたえのある給食の提供


カロリースケール活用の様子
カロリースケール活用の様子
  • よく噛んで食べる習慣付けのため、「8の付く日はカミカミデー」として、給食に噛みごたえのあるメニューを出しています。咀嚼計を活用することで、これまで噛む回数が少なかったことに気付き、よく噛むことを意識するようになり、食事の時間が長くなりました。
 

(3)カロリースケール・塩分計の活用


塩分計活用の様子
塩分計活用の様子
  • 食事量やカロリーを数値で意識できるように、カロリースケールを各クラスに設置し、御飯の量や料理のエネルギー量を計測することで、カロリーを意識し、おやつの取り方を考える機会にもしています。
  • 昨年度調査の結果、塩分の取り過ぎが課題であることから、各クラスに塩分計を設置し、汁ものの塩分を毎日計測することで、適正な塩分を味覚として覚えるようにしています。
 

2 食・健康に関する授業

外部講師(TT)による食に関する授業
外部講師(TT)による
食に関する授業
  • 学級活動として2時間、栄養教諭が系統的・計画的にティームティーチングの形で進めています。外部講師(保健師等地域の人材)の協力を得ながら、家庭への啓発に向けて、1時間を参観日に実施しています。
  • 5・6年生には、外部講師により生活習慣病予防の学習も実施しています。
 

3 食・健康に関する調査

  • 食に関するアンケート
  • おやつのとり方や、食事の量に関する調査
  • 食習慣質問票を活用した調査

*アンケートを含め、結果に基づき学級での指導を継続しています。

*保護者の啓発にも役立っています。

4 運動の推進・体重計測

体重計測の様子
体重計測の様子
  • 4~6年生は月2回の体重計測
  • 手動身長計付き体組成計の活用
  • 活動量計の活用(4~6年生全員が、常時着用)
  • 栄養管理システムの活用(大学との連携)
  • 毎日の活動(学校でのマラソン、お手伝いの推奨)
 
*取組により、肥満傾向児出現率、肥満度平均が低下しました。
運動イベント
運動イベント
 

5 イベント・体験学習

おやつ作り体験
おやつ作り体験
田植え体験
田植え体験
  • 食育セミナー(外部講師)
  • 祖父母対象給食試食会(ミニ学習会実施)
  • 運動イベント(冬季間の運動量の不足の
    解消のため)
  • 田植え・稲刈り体験(地元団体の協力)
  • 体によいおやつ作り(地元の伝統を学ぶ)
 

継続的な体重計測と分析、食事量と運動の関係、活動量計、カロリースケール、咀嚼計、塩分計など器具の有効的活用、食に関する指導や健康に関する指導、体験活動や食育セミナー、運動イベント等の実践により、肥満傾向児の出現率と肥満度が低下しました。しかし、低学年(1~3年生)は肥満傾向児の肥満度が上がり、肥満傾向児の出現率も高くなっています。発達段階的には自己管理ができにくい学年ではあります。更なる保護者への啓発と、体重計測の機会を増やすなどの具体的対策を講じながら児童に意識させていくことで改善をめざし、継続した取組をしていくことにしています。


 

事例:スーパー食育スクール事業
食と健康~食生活を見直し、健康な体をつくる~

兵庫県加古郡稲美町立稲美中学校

食育実践プログラム

稲美町は、兵庫県の南部に位置し、神戸市、明石市、加古川市などに囲まれた都市近郊農村地帯で、今年度、町制60周年を迎えました。学校給食は、昭和30(1955)年から小学校で開始し、地産地消に取り組み、平成26(2014)年度からは、中学校においても開始しました。この機会に、本校はスーパー食育スクール事業の指定を受け、食育の取組を進めてきました。そして、平成27(2015)年度はその成果と課題を踏まえた上で、学校教育活動全体を通して組織的・計画的・継続的に食育に取り組み、「食育実践プログラム」を作成しました。

1 自己管理能力を育成・定着

自己管理能力の育成に向けては、自分に必要な食事量や食事バランスについての理解が基礎になると考え、生徒の目に留まりやすい場所に、給食に関する掲示をしたり、食事量等が分かりやすいフードモデルを展示したりしています。また、朝のホームルーム、給食の時間、放課後の部活動の時間などの機会を捉えて、『栄養教諭による食育指導』を実施し、『食育知っときタイム』として、給食時間中に食に関する情報提供を校内放送で行っています。

「お弁当の日」の手作り弁当
「お弁当の日」の手作り弁当

さらに、10月には『自分で作るお弁当の日』を設け、生徒が食事バランスを考えながら、自作のお弁当を持参するといった取組を行いました。これらに加え、毎月末に『食生活チェックリスト』により、「主食・主菜・副菜を確認して食事をしているか」といった項目を確認することで、自らの食生活を中心とした生活習慣の改善を図りました。

【1日の必要食事量を知る生徒13.6%→44.8%へ上昇】

 

2 生活習慣を改善

栄養教諭による食育指導
栄養教諭による食育指導

「全ての生徒が朝食を食べる」という生活習慣の改善に向けて、『栄養教諭による食育指導』『大学の准教授による講演会』『給食だよりによる啓発活動』を行い、朝食の重要性について学習する機会を設けました。

【朝食喫食の生徒5点満点中(1回目)4.6点→(7回目)4.8点へ上昇】

 

3 家庭との連携

栄養教諭、養護教諭と学級担任が家庭との連携を図り、栄養バランスや生活習慣の改善を目指し、肥満傾向生徒への『個別指導』を実施しました。

【該当生徒7名中3名の肥満度が改善】

4 学校給食を生きた教材として活用した食育の実践

上記1~3の課題解決に加え、栄養教諭を中心に学校教育活動全体を通して取り組みました。また、『ちょこっと食育』として、教科学習の中に、「ちょこっと」だけ食育の内容を盛り込み、生徒の関心・意欲を高めました。さらに、学年委員会において学年全体の身近な食生活の課題を見つけ、生徒たち自身で課題の解決を図る『生徒の主体的活動』を実施しました。

『ちょこっと食育』を実施した学年・教科

1年……理科

2年……国語、社会、数学、理科、英語、美術、保健体育、家庭

個別学級……自立活動

ちょこっと食育(社会)
ちょこっと食育(社会)
ちょこっと食育(英語)
ちょこっと食育(英語)
 

生徒の主体的活動の取組の一部

学年委員会での呼びかけ
学年委員会での呼びかけ
  • 今日の献立における「主食・主菜・副菜」の確認の呼びかけ
  • 給食の残量減少への調査、呼びかけ
  • 集会での手洗いの呼びかけ
 
※『』囲みは、食育実践プログラム名
 
生徒の食生活への意識の変容を促した「食生活チェックリスト」
生徒の食生活への意識の変容を促した
「食生活チェックリスト」
稲美町のHPにて事業内容を周知(本校のHPよりリンク可)
稲美町のHPにて事業内容を周知
(本校のHPよりリンク可)
 


 

事例:スーパー食育スクール事業
食育を通して体力の向上を図り、未来を担う活力ある人材を地域とともに育成する

花咲徳栄高等学校(埼玉県)

1 本校の概要

在籍生徒数1,735人(普通科1,504人・食育実践科231人)、教職員数150人、校地面積125,000m2、運動部1クラブ1施設と大規模であり、かつ充実した環境が整っています。本事業で取り組んでいる食育指導が功を奏してか今年度は野球で初の甲子園夏春連続出場をはじめ、全国大会に10部が出場しました。普通科は近年進学校として実績をあげており、食育実践科は、調理師養成施設校として食育のリーダー育成を目指すとともに、スーパー食育スクール事業に深く関わり、食育指導の推進母体となっています。

2 目的

平成26(2014)年より、「食とスポーツ」をテーマとして食育が体力向上に資する科学的根拠(エビデンス)の立証を目的に本事業に取り組んでいます。

3 実践内容

(1)新体力テスト(年2回)…食育指導による新体力テスト評価の変化を検証します。

(2)生活習慣アンケート調査(年2回)…全在校生徒(63項目)、全保護者(42項目)を対象とした悉皆調査を実施し、意識や行動の変化を検証します。

(3)骨密度・ヘモグロビンの測定(年2回)…食育指導による数値の変化を検証します。

(4)食育講演会(年2回)…「朝食と運動パフォーマンスの関係」と「スポーツ医学からみた発育期の食育の重要性」について、保護者を対象に実施しました。

(5)スーパー食育スクール(SSS)通信…食や健康に関する内容で、食育指導を目的として生徒・保護者向けに毎月発行しています。

(6)食育指導「アスメシ」&「スタメシ」

本事業で最も力を入れている本校独自の取組です。献立は栄養教諭が考案し、食育実践科の生徒が校内インターンシップとして本校にある集団給食施設において、毎回150~170食程度の食事を提供しています。


    <1>「アスリートメシ(略称:アスメシ)」

全運動部員対象に、アスリートに必要な低脂肪・高タンパク質、カルシウム、鉄分の摂取を考慮した食事を提供しています。食事前に資料を用い、運動能力向上のための栄養摂取に関する食育指導を実施し、食べることを学びながら体づくりができる力を身につけさせています。また、部員同士が共食することで一体感も生まれています。(写真-1・2)


(写真-1)アスメシ献立
(写真-2)アスメシ食事風景
 

    <2>「スタディメシ(略称:スタメシ)」

希望生徒対象で、集中力や記憶力をアップすると言われるDHAやレシチン、カルシウム、鉄分の摂取を考慮した食事を提供しています。料理は、旬の食材を活用し、野菜を多く使用することを意識して、食育実践科の生徒がすべて手作りしています。また、食事は最低20分かけてよく噛んで食べるなどの指導を行っています。(写真-3・4)


(写真-3)スタメシ献立
(写真-4)食育実践科校内インターンの様子

 


(7)生徒による食育指導(学科間連携)&「CaFeメシ(カフェメシ)」


(写真-5)生徒による食育指導の様子

食育実践科の生徒が普通科生徒へカルシウムと鉄分についての食育指導を実施しました。1日に必要な摂取量、豊富に含まれている食材、効率良く摂取する方法などを説明しました。データ解析によれば、生徒によるプレゼンテーションが効果的であることが確かめられました。(写真-5)

 
(写真-6)CaFeメシ献立

CaFeメシは、元素記号のCa(カルシウム)とFe(鉄分)からつけた名称です。成長期に不足しがちなカルシウムと鉄分が主食、小鉢3品、デザートに豊富に含まれた献立となっています。名称や献立は食育実践科の生徒が考案しました。ほうれんそうやきくらげ、海藻、小松菜などの食材を豊富に使用しています。(写真-6)





(8)幼小中の連携授業(出張授業)


(写真-7)地元産食材を使った調理実習

地元産小麦粉を使ったパン作り(幼稚園)、食育の紙芝居(小学校)、地元産食材を使った調理実習(小学校と中学校)等、食を通した異年齢交流を行ってきました。人に教えることで改めて食育の大切さを実感する機会となりました。(写真-7)

 

4 まとめ

調査項目63の選択数延べ252についてクロス集計も含める膨大なデータ解析となりました。その結果、食育指導の重点実施期間には意識が上昇する傾向があり、指導の継続性、指導内容の絞り込み、生徒の主体性の確保が生徒の認知・意識・実践度向上に向けて重要であることが解析できました。また、保護者の認知・意識・実践度が高いほど、生徒の認知・意識・実践度が高く、保護者の協力が不可欠であることが明らかとなりました。生徒を中心に学校と家庭、地域の連携をどう向上させていくかが重要です。今後は食育の観点から生徒に直接影響を与える学校力を一層充実させるとともに、「家庭力」への働きかけに取り組んでいきたいと思います。


 

コラム:小学生用食育教材「たのしい食事 つながる食育」

楽しい食事つながる食育

子供たちが生涯にわたって健全な食生活を営むことができるよう、食に関する正しい知識を習得し、自ら判断する力を身に付け、望ましい食習慣の定着につなげていくことが大切です。

文部科学省では、学校における食育が充実するよう、平成27(2015)年度、様々な教科等に散在している食育に関する内容を集約し、「小学生用食育教材『たのしい食事 つながる食育』」を作成しました。

この教材では、子供が毎日元気に過ごすために、授業、給食の時間、学級活動で食事の重要性や望ましい生活習慣の必要性などを学ぶことができるよう、子供の発達段階に応じて、食事のマナーや楽しく食事をすることの大切さといった基本的な内容や、食品の生産・加工・流通、食事と健康の関係、我が国の食文化といった食生活に関連する内容など「食」に関して多様な内容が盛り込まれています。

また、学級担任が、授業の時間に食に関する指導を効果的に行うことができるよう、指導上のポイント等をまとめた指導者用資料も付属しています。

「たのしい食事 つながる食育」が、学校の教育活動の中で活用されることによって、文字通り全ての子供が食に興味・関心をもち、考えて行動する力を身に付けるとともに、全ての教職員がそれぞれの地域や学校に合わせて工夫しながら食育を効果的に展開していくことが期待されます。


児童用教材
児童用教材
指導者用資料
指導者用資料
 




お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課
担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974