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農林水産省

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3 子供の発育・発達を支援する食事の提供



(1)保育所における食事の提供

近年は、保護者の就労形態の変化に伴い、保育所で過ごす時間が長期化している子供も多くみられるようになりました。家庭と共に保育所も、子供のための大切な生活の場となっています。

そのため、保育所で提供される食事は乳幼児の心身の成長・発達にとって大きな役割を担っています。厚生労働省では、平成24(2012)年3月に「保育所における食事の提供ガイドライン」を策定しました。

これらの事を踏まえ、保育所という集団の場であっても、家庭での食の営みとかけ離れ過ぎないように努め、集団給食でありながら、家庭同様温かみのある食事作りが求められています。

子供が豊かな人間性を育み、生きる力を身につけていくために、また、子供の健康支援のために食事は重要と位置付けています。乳幼児期における望ましい食生活の定着及び食を通じた人間性の形成・家族関係づくりによる心身の健全育成を図るため、保育所では食事に関する取組を積極的に進めていくことが求められています。

また、提供された食事を食べるだけでなく、子供達が食に興味を持ち、食に関わる工夫、食事を作ってくれる人や生産者などの顔が見える食事を目指し、食事で使用される食材への興味を子供達が持つ工夫も取り入れた取組が行われています。このように日々の取組により、子供達が食事を通して心と身体を育む食育が行われています。


(2)食物アレルギーに対応した食事の提供

保育所での食事を安全に提供することは食物アレルギーを持つ子供が保育所での食事を安全に、楽しむことができ、保護者も安心することができます。アレルギー疾患を有する子供は年々増加傾向にあり、保育所での対応に苦慮していることから、厚生労働省においては、保育所職員が保育所での具体的な対応方法や取組を共通理解するとともに、保護者も含め、保育所を取り巻く関係機関が連携しながら組織的に取り組むことができるよう、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を平成23(2011)年3月に作成し各保育所に配布しています。食物アレルギーを持つ子供への食事の提供については、同ガイドラインに基づき、食物アレルギーの「生活管理指導表」を活用し、除去食材を完全除去することを基本としています。

また、献立作り、調理、配膳、除去食提供方法など、各プロセスの単純化が重要であり、個々のプロセスにおける留意事項を具体的に明示し、職員が共有することが求められます。具体的には、食物アレルギー症状を誘発するリスクの高い食物の少ない献立の作成、除去食の調理や盛り付け場所の確保、専用調理道具の確保など調理過程における安全確保、個別容器やトレイ、食札の使用といった誤配防止の取組が行われています。

また、アレルゲン物質を含まない献立にすることで、食物アレルギーを持つ子供も、同じ給食を食べる機会を増やす取組なども展開されています。献立例として、ハンバーグに使う乳や卵等のつなぎをすり下ろしたジャガイモや豆腐にすることで、除去を必要とする対象者が減少すると期待されています。

様々な取組の工夫により、誤配や誤食のリスクを無くすことはできると考えられます。


親子でランチ
親子でランチ
地域の保護者への離乳食講座
地域の保護者への離乳食講座


 

事例:「うちら~かき保のリトルシェフ」

社会福祉法人かきのき保育所(島根県)

かき保のリトルシェフ
かき保のリトルシェフ

かきのき保育所は、島根県の西の端吉賀町柿木村にあります。

柿木村は有機野菜・米作りが盛んで、近隣では有機の里として知られ、給食は、もちろん有機野菜や有機米を使用しています。

保育所でも野菜の栽培などをしてきましたが、保育所の土は固くてなかなか野菜も育たなかったため、5年前から、年長児を中心に毎日毎日、給食室から出る野菜くずにぼかしを加えて発酵させ、土に混ぜ込む活動を続け、昨年頃からやっと元気な土になり、元気な野菜が育つようになりました。

そこで、今年は、子供たちが地域の方々の力を借りながら育てた野菜やお米を使って、給食の一品を作る取組をしました。

 

ねらい

安全な野菜やお米の命が、自分たちの身体をつくってくれていることを知る。

みんなのために給食を作ることの苦労や喜びを知り、やがては自分でも作ってみようとする心を育む。

「野菜会議」で、みんなで決める

畑に野菜や田んぼにお米ができた時は「野菜会議」を開き、その野菜を給食にどう取り入れるか、年長児4名が調理員の先生、担任の先生、所長先生などと話し合って決めます。子供たちからは、「たまねぎは、カレーやシチューにも入っているね」「みそ汁を作ってみたい」「これなら、みんな好きだよ」など、いろいろな意見がでました。


「野菜会議」で、みんなで決める
 

調理員の先生に教えてもらいながら、作ってみる

みんなで決めた料理を作るために、畑に収穫に行ったり、調理員の先生に教えてもらいながら、野菜を切ったり、出汁をとったり、お米をといだり、子供たちは一生懸命です。スナップえんどうに塩を入れて茹でるときれいな色になること、たまねぎを切ると涙が出ること、出汁をとるといい香りがすることなどを体験し、様々な気づきにつながりました。


調理員の先生に教えてもらいながら、作ってみるの写真1
調理員の先生に教えてもらいながら、作ってみるの写真2
調理員の先生に教えてもらいながら、作ってみるの写真3
 

みんなで一緒に食べる

作った料理は、年下のクラスの子供たちも一緒に食べます。自分たちが作った料理をみんなが「おかわり~」と美味しそうに食べてくれると、がんばった甲斐があります。見学にきていた保護者にも、食べてもらったりしました。


みんなで一緒に食べるの写真1
みんなで一緒に食べるの写真2
 

子供たちの普段の生活につなぐ

取組を通して、お友達や家族から、「おいしかったよ~。ありがとう。」の言葉をもらうことで、作る喜びや役に立ったという気持ちを味わい、活動の度に意欲が高まりました。

そして、保育所で作った料理を、家に帰るとすぐ家族のために作ってあげていた子。いつもお鍋の番をしているうちに、アク取り名人になった子。家庭でも、お米とぎが毎日の日課になった子。たまねぎを切る大変さを知り、料理を作ってくれる人への感謝が深まった子。

この取組を繰り返す中で、子供たちは色々な物事に対して考える力、工夫する力、我慢をする力、集中する力が高まり、それぞれの心の育ちが感じられました。

 

コラム:認定こども園

認定こども園とは、就学前の子供を保育の必要の有無に関わらず受け入れ、教育と保育を一体的に提供する、いわば幼稚園と保育所の両方の機能をあわせ持ち、保護者や地域に対する子育て支援も行う施設です。


認定こども園の種類


認定こども園の種類

 

「学校教育法」(昭和22年法律第26号)第23条幼稚園における教育(中略)次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

一 健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。

二 集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や身近な人への信頼感を深め、自主、自律及び協同の精神並びに規範意識の芽生えを養うこと。

三 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。

四 日常の会話や、絵本、童話等に親しむことを通じて、言葉の使い方を正しく導くとともに、相手の話を理解しようとする態度を養うこと。

五 音楽、身体による表現、造形等に親しむことを通じて、豊かな感性と表現力の芽生えを養うこと。

 

認定こども園の食育について

認定こども園では、幼保連携型認定こども園教育・保育要領に基づき、各園において食育計画を策定し、教育・保育活動の一環として計画的に食育を行うこととしています。

また、子育て支援活動の一環として、認定こども園の栄養教諭や調理員等がその専門性を活かして、地域や家庭における食育に関する支援を行っている園もあります。

 

認定こども園での食育取組事例~学校法人やまもも学園の取組~

学校法人やまもも学園は、桜井幼稚園と芸術学園幼稚園という2つの幼保連携型認定こども園を運営しており、給食への無農薬食材の使用、園専用の無農薬栽培田んぼの契約、その田んぼでの園児の田植・稲刈り体験、園児や地域の子育て世帯の保護者へ向けての食育講演会や料理教室などの、食育や地産地消の取組を実施しています。

平成28(2016)年度には法人に食育推進室を設置し、給食に利用する食材の精選、無農薬野菜を提供してもらえる地元農家との連携拡大、食材等の手作り体験、ホームページでの給食の報告などをしていきます。


無農薬の玄米給食
無農薬の玄米給食
食育講演会
食育講演会
稲刈り体験
稲刈り体験



 

お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課
担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974