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農林水産省

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第6節 食品関連事業者等による食育推進






食育の推進に当たっては、教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者等の関係者間の連携と、各分野における積極的な取組が不可欠です。食品関連事業者等は消費者と接する機会が多いことから、食育の推進に占める役割は大きく、様々な体験活動の機会の提供や健康に配慮した商品・メニューの提供、食に関する情報や知識の提供が求められています。

近年、食品製造業、小売業、外食産業をはじめとした食品関連事業者等による食育活動は、CSR(企業の社会的責任)活動の一環など様々な位置付けで取り組まれています。

具体的な取組内容としては、工場・店舗の見学、製造・調理体験、農林漁業体験、料理教室の開催といったもののほか、店舗での食育体験教室の開催、出前授業、食生活に関する情報提供など、幅広いものとなっています。

農林水産省では、消費者に日本型食生活など健全な食生活の実践を促す取組や、食や農林水産業への理解を深めるための体験活動などの取組を、消費者の様々なライフスタイルの特性・ニーズに対応した食育メニューを関係者の連携の下体系的に提供するモデル的な取組への支援を行いました。具体的には、<1>食や農林水産業に関する意識・実態調査の実施、<2>農林漁業体験や加工・流通体験、健全な食生活の実践を促すための講習会、食文化の継承・発展活動の推進等フードチェーンを通じた食育活動の実践、<3>事業の効果を測定するため、事業実施前後の食への意識・行動の変化や、食や農林水産業への理解度の変化を把握するための調査等を実施しています。生産現場に出向いた収穫・加工・調理体験、小売りの場を活用した栄養バランスや食の安全・食品表示講習会の開催など、全国18団体で取り組まれました。

また、意識調査では、「生産者の努力が分かり、心が動かされた。これまで以上に生産者の思いや食材を大切にしていきたい」、「体験でいただいた農家料理を通じて、改めて日本人の伝統的な食文化のすばらしさを感じた」、「朝ごはんを食べると調子が良いので続けている」等、食や農林水産業に対する意識・行動の変化がみられました。

近年、食の外部化率(外食率に惣菜・調理食品の支出割合を加えたもの)が高まっていることもあり(図表-64)、厚生労働省では、栄養バランスのとれた食事を実践するためには、中食や外食においてもバランスのとれた食事が提供される必要があることから、日本人の長寿を支える「健康な食事」について検討を行い平成26(2014)年に取りまとめた報告書を踏まえ、平成27(2015)年9月に通知を発出しました。健康な食事の考え方を整理したリーフレットを作成し、栄養バランスの確保のため、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の推奨を図るためにシンボルマークを作成しました。また、生活習慣病予防や健康増進の観点から、事業者等による栄養バランスのとれた食事の提供のために、主食・主菜・副菜ごとの目安を提示しました。


 

事例:「食でつなぐ、ひと・もの・こころ」
~地域住民の食を支える食品スーパーマーケットの取組~

株式会社マルイ(岡山県)

生産者と消費者をつなぐ農業体験
生産者と消費者をつなぐ農業体験

株式会社マルイは、地域住民の毎日の食を支える食品スーパーマーケットの立場から、食に関する情報や体験活動を提供する取組を行っています。平成18(2006)年、社内に「食育推進室」を設置し、「食でつなぐ、ひと・もの・こころ」をテーマに、地域の生産者、企業、学校、行政等と幅広く連携しながら、平成26(2014)年には計234回、延べ約23,000人が参加する体験活動等を実施しました。

毎月19日の「食育の日」には、店舗内で旬の食材を活用した料理提案を行うほか、イートインコーナーで定期的に料理教室も開催しています。食品製造事業者との連携により、例えば食酢メーカーとの共催で酢を活用した減塩メニューを提案するなど、消費者の興味を引き出す情報発信を行うことで、毎回キャンセル待ちが出るほどの好評を博しています。また、参加した地域住民どうしが交流を深める機会にもなっています。

 
店舗イートインコーナーでの料理教室
店舗イートインコーナーでの料理教室

学校との連携では、高等学校との協働で考案した地産地消レシピの紹介や、大学と協働開発した弁当の販売などを行っています。また、平成21(2009)年から毎年主催しているイベント「MARUIフードフェスタ」では、物販や試食だけでなく、参加型企画やワークショップにより、食に対する新たな発見や気づき、世代間・地域間交流の場を提供しており、平成26(2014)年には2日間で延べ約18,000人が参加しました。

このように、株式会社マルイでは、地域住民に身近な存在である食品スーパーマーケットを、地域住民と生産者、企業、学校、行政等の多様な主体とをつなぐ拠点として位置付けながら、また、企業としての事業活動とうまく調和させることにより、持続的かつ発展的な食育活動を行っています。

 

[第3回 食と農林水産業の食育優良活動表彰 消費・安全局長賞(企業部門)受賞]

 

事例:減塩食品の積極的紹介による減塩化の推進:
JSH減塩食品リストとJSH減塩食品アワード

日本高血圧学会 減塩委員会

みそ・しょうゆなどの調味料を含む加工食品からの食塩摂取は国民の摂取食塩量の大半を占めています。しかし、現在の食環境を考えると、加工食品を避けて食事をするのは個人の大きな努力が必要で、とくに健常人においては現実的ではありません。一方、加工食品の食塩相当量を減じた減塩食品が減塩推進の一助となると考えられますが、まだ普及しているとはいえない状況です。最近では技術の進歩に伴い減塩食品の味も対照品と比べて遜色のないものになってきていますが、消費者にそのことが理解されていません。このような現状を鑑みて、日本高血圧学会減塩委員会では優良な減塩食品をホームページで紹介する試みを平成25(2013)年6月から始めました。その条件は<1>食品衛生法などの関連法規を遵守していることはもとより、<2>対照品より20%以上食塩相当量を減じていること、<3>栄養表示基準に掲載された分析法で測定したナトリウム量、カリウム量と食塩相当量を表示していること、<4>美味しい、すなわち対照品と同等に近い味であることなどです。とくに<4>については官能評価による審査も行っています。年に2回の申請の機会を設けていますが、平成27(2015)年10月にはリストに掲載された減塩食品の総数は105品種(22企業)となりました。またリストに掲載された減塩食品は販売実績の報告が義務付けられており、平成26(2014)年度の小売ベースの販売金額は243億円(販売数量25,400トン)で相対的減塩量(リストに掲載された減塩食品による減塩効果)は572トンでした。また平成27(2015)年5月にはJSH減塩食品アワードを創設し、リストに掲載された減塩食品のなかでも減塩化の推進に貢献している減塩食品18品目(10社)にアワードを授与しました。今後もJSH減塩食品リストへの継続的な募集を行い、掲載品の充実を図りつつ、加工食品の減塩化を通じて日本人の食事の減塩化に繋げていきたいと考えています。

 
減塩食品の普及による国民の減塩化の推進
 




お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課
担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974