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農林水産省

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2 食品リサイクルの推進と食品ロスの削減


世界の食料生産量の1/3にあたる13億トンの食料が毎年廃棄され、世界の穀物需給が逼迫する中、食品ロスの削減は世界的に大きな課題となっています。

我が国では、環境負荷の少ない、循環を基調とした経済社会システムを構築するため、食品リサイクル法に基づき、食品の売れ残りや食べ残し及び食品の製造過程において発生している食品廃棄物等について、発生抑制と減量化により廃棄物として排出される量を減少させるとともに、飼料や肥料等の原材料とするリサイクル等を推進しています。

この結果、食品関連事業者の再生利用等実施率は、平成25(2013)年度には85%になりました。また、食品リサイクル法に基づく再生利用事業計画(食品リサイクル・ループ)については、平成28(2016)年3月末現在で52の計画を認定しました。

平成27(2015)年度においては、食品ロス削減の取組を進めていくため、いわゆる1/3ルール等の商慣習見直しに向けて、引き続き飲料及び賞味期間180日以上の菓子について納品期限緩和を促進したほか、フードバンク活動を支援するなど食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSS PROJECT)を展開しました。食品小売業や外食産業など食品流通の川下の食品リサイクル率を向上するため、メタン発酵消化液による食品リサイクルループの構築に向けた取組を促進しました。

情報発信の一環として、食育推進全国大会や3R(*1)推進全国大会、各種セミナー等において、食品リサイクルと食品ロスの削減について普及啓発活動を行いました。

1 3RReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つの英語の頭文字を表し、その意味は次のとおり
Reduce(リデュース)は、使用済みになったものが、なるべくごみとして廃棄されることが少なくなるように、ものを製造・加工・販売すること
Reuse(リユース)は、使用済みになっても、その中でもう一度使えるものはごみとして廃棄しないで再使用すること
Recycle(リサイクル)は、再使用ができずにまたは再使用された後に廃棄されたものでも、再生資源として再生利用すること

そのうち、平成27(2015)年11月に福井県で開催した3R推進全国大会において、国の食品ロス削減・食品リサイクルの施策と各地における食品ロス削減の先駆的な取組を参加者に紹介するパネルディスカッション「全国食べきりサミット」を実施し、自治体間のネットワーク形成と取組の拡大を促進しました(図表-68)。

 
図表-68 「全国食べきりサミット」のイメージ


 

食品リサイクルループ認定制度については、地方環境事務所、地方農政局等による食品関連事業者、再生利用事業者、農林漁業者、地方自治体のマッチングの強化や、地方自治体の理解促進等により食品リサイクルループの形成に向けた主体間の連携を促すことが必要である旨が「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」(平成27年財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省告示第1号)に示されました。これを受けて環境省では平成27(2015)年度「食品リサイクル推進マッチングセミナー」を開催しました(全国4か所)。

学校給食における再生利用等の取組を促進するため、学校給食の実施に伴い発生する廃棄物の3R促進に関するモデル事業を平成27(2015)年度から開始し、市町村からの提案を受けて平成27(2015)年度の実施地域として3市(札幌市、松本市、恵那市)を採択しました(コラム:学校給食における食品ロス 参照)。

食品ロスの削減に係る取組の効果を数値化すること等により国民に対して幅広くその取組の実施を働きかけるため、小売事業者や家庭による3R行動による環境負荷低減効果を便宜的に計算できる、「3R行動見える化ツール」を改修し、新たに食品廃棄物の項目を追加しました。

「3R行動見える化ツール〈食品廃棄物編〉」(https://www.env.go.jp/press/101731.html)(外部リンク)

また、地方公共団体が作成した「食材を無駄にしないレシピ」を料理レシピサイトへ掲載し、食材を使いきる、料理をリメイクする等家庭の食品ロスを減らす料理法の普及啓発を引き続き行っています。

食育推進全国大会では、プログラムの一つとして「食育と環境を考える~もったいない!年800万トンの食品ロスを減らそう!~」をテーマに、事業者、地方公共団体、学生を含む一般消費者等様々なステークホルダーの方が参加した交流セッションを開催しました。

食品ロスの削減については、関連する関係府省庁等の連携を図り、消費者自らが食品ロスの削減を意識した消費行動等を実践する自覚を形成するための普及啓発方策について、検討・協議する場である「食品ロス削減関係省庁等連絡会議」(内閣府、消費者庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省、環境省)において、平成27(2015)年度の取組状況等について情報共有及び意見交換を行いました。


 
図表-69 食品廃棄物等の利用状況等(平成24年度推計)


 

コラム:学校給食における食品ロス

○学校給食から発生する食品ロス等の状況に関する調査結果

図表-70 児童・生徒1人当たり年間の食品廃棄物発生量
データ(エクセル:26KB / CSV:1KB

学校給食から発生する食品ロスの削減等のリデュースや食品廃棄物のリサイクルに関する取組の実施状況等を把握するため、平成27(2015)年1月に全国の市区町村を対象としたアンケート調査を実施し、その結果を取りまとめました(*1)。

回答があった各市区町村の小・中学校における学校給食からの食品廃棄物の年間発生量を基に、児童・生徒1人当たりの年間の食品廃棄物の発生量を推計したところ、平成25(2013)年度で、児童・生徒1人当たり約 17.2kgの食品廃棄物が発生しているとの結果になりました(図表-70)。また、残食率(*2)を約3割の市区町村で把握しており、その平均値は約6.9%でした。

○学校給食の実施に伴い発生する廃棄物の3R(*3)促進モデル事業

学校給食における再生利用等の取組を促進するため、学校給食の実施に伴い発生する廃棄物の3R(*3)促進に関するモデル事業を平成27(2015)年度から開始し、市町村からの提案を受けて平成27(2015)年度の実施地域として3市(札幌市、松本市、恵那市)を採択しました。


1 学校給食から発生する食品ロス等の状況に関する調査結果について(お知らせ)
https://www.env.go.jp/press/100941.html)(外部リンク)
*2 「残食率」とは、出席した人数分の学校給食の提供量に対する、食べられずに残された給食の量の割合です。
*3 脚注参照
 

事例:食育・環境教育実施前に比べて給食食べ残し量は17%~34%削減

長野県松本市

松本市においては、平成24(2012)年度から実施している保育園・幼稚園の園児を対象とした参加型食育・環境教育で得られた知見を活用し、平成27(2015)年度に小学校の児童に対する食育・環境教育を実施しました。我が国の食料自給率や海外での食料不足事情、食品循環について授業で学んだ後の給食食べ残し量は、食育・環境教育を実施する前に比べて17%~34%削減し、環境教育について児童が家庭で話題にした割合も全児童の66.3%に上がるなど、食育・環境教育は食品ロスや食品リサイクルについての意識の醸成に大きな効果がありました。

 
図表-71 松本市における環境教育(食育)プログラムの内容と食べ残し量調査
 
 

事例:「さっぽろ学校給食フードリサイクル」を中核とした食育・環境教育の充実

北海道札幌市

栄養教諭と担任による小学校3年生を対象とした「特別活動」
栄養教諭と担任による小学校3年生を対象とした「特別活動」
~フードリサイクルについて考えよう~の授業風景

札幌市においては、平成18(2006)年度から学校給食の調理くずや残食ごみなどを生ごみとして分別し、その生ごみからできた堆肥(フードリサイクル堆肥)を活用して栽培した作物を学校給食に取り入れるという食物の循環に取り組んでいます。また、このリサイクル堆肥を活用した栽培活動等の体験活動にも取り組んでいます。モデル事業では、この取組を活用し、さらに食に係る循環の仕組みや再利用、廃棄物抑制の重要性について理解を深めることを目途とした食育・環境教育の指導教材や啓発教材の作成及び教材を活用した取組を通じ、児童・生徒への食育・環境教育の充実を図るとともに、保護者や市民に事業の啓発を行いました。

 
 

事例:食品ロス削減事業「残さず食べよう!30(さんまる)・10(いちまる)運動」の推進

長野県松本市

長野県松本市では“もったいない”をキーワードとした3R(リデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再資源化))施策を講じ、特にリデュースに資する食品ロスの削減を推進しています。中でも重点的に取組を行っているのが「残さず食べよう!30・10運動」であり、宴会の後に残されてしまう食べ物が非常にもったいないという市長の思いから始まった取組です。

「残さず食べよう!30・10運動」は、会話やお酒に集中してしまいがちな会食や宴席での食べ残しを減らすため、乾杯後の30分間とお開き前の10分間は席について料理を楽しもうという取組です。啓発グッズには、周知のためのポケットティッシュ、チラシ、ポスターや、実践につなげるためのコースターを作成しています。イベント等で配布、掲示するほか、松本旅料飲食団体協議会を通じて市内の各飲食店やホテル等に協力を仰ぎ、現場への配布を行って、運動の啓発、実践につなげています。また、飲食店等には意見を聞きながら運動を実施しています。

取組を行った効果として、モデル的に30・10運動に取り組んだ店舗においては、“食べ残しが半分程度に減少した”、“片付けが楽になった”という報告があります。また、運動が徐々に広がりを見せてきており、飲食店から“コースターを使いたい”という声も増えてきています。さらに、消費者庁が平成25(2013)年度に開催した「食品ロス削減に関する意見交換会」に参画してこの事例を発表したことなどを機に、塩尻市、山形村などの近隣市村をはじめ、佐賀県佐賀市、鹿児島県指宿市など全国にもこの取組が波及しているところです。

市内において「残さず食べよう!30・10運動」等が一層推進されるよう、協力店制度を検討中です。30・10運動の周知や食べ残しの持ち帰りに協力してもらえる飲食店を登録するほか、事業所の宴会等においても同様の実践が図られるような仕組みも目指しています。登録により、飲食店や事業所の意見を聞き、適正な事業評価を行っていく方針です。

 
コースター
ポケットティッシュ
チラシ内の「30・10運動」解説
 
左からコースター、ポケットティッシュ、チラシ内の「30・10運動」解説。
簡単に取り組むことができるため他の自治体にも普及しています。
 

事例:消費者と生産者が共に気づき、学び、考える「食と環境」の取組
~“つながり”で考える

生活協同組合コープこうべ

漁師体験プログラム
漁師体験プログラム

生活協同組合コープこうべは、大正13(1924)年に組合員の自主組織による活動を開始して以来、組合員が料理会や学習会を自ら企画・開催する食育活動に長年取り組んできました。近年では、生産者と消費者の交流にも力を入れ、酪農、農業、漁業などの体験活動も実施しており、平成26(2014)年度には、年間1,000回を超えるプログラムに、延べ70,033人が参加しました。これらの活動を通じて、自分たちの普段の食や暮らしが、食べ物を生み出す農林水産業や、それを取り巻く自然環境と密接につながっていることに、気づき、学び、考える取組を進めています。

また、コープこうべの店舗から排出される野菜くず等の生ごみを「コープ土づくりセンター」で堆肥化し、地元農家とともに設立した「みずほ協同農園」での野菜づくりに活用する「環境共生型農園エコファーム」の取組も行っています。平成26(2014)年度には、36店舗から排出された生ごみの47%に当たる595トンを堆肥化しました。この農園では、店舗で販売する野菜の生産とあわせて、農業体験や新規就農者研修の受け入れを行っており、食育活動と農業の人材育成の拠点としても機能しています。

現在、地元食材を取り入れた日本型食生活の実践や食文化への関心を高める活動にも積極的に取り組んでいるところです。

 
地元の漁業協同組合女性部との交流
地元の漁業協同組合女性部との交流
エコファームでの「はじめての菜園づくり講座」
エコファームでの「はじめての菜園づくり講座」
 

[第3回 食と農林水産業の食育優良活動表彰 農林水産大臣賞(企業部門)受賞]




お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課
担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974