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農林水産省

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2 健康寿命と栄養・食生活に関する現状と取組


(我が国の平均寿命は今後も延伸)

我が国の平均寿命は、年々伸びており、平成28(2016)年は男性80.98年、女性87.14年でした。2065年には、男性84.95年、女性91.35年となることが見込まれています(図表1-1)。

(平均寿命の増加分より健康寿命の増加分が上回る)

健康寿命は、平成28(2016)年は男性72.14年、女性74.79年で、平均寿命とともに健康寿命も延伸していました。平成22(2010)年より平成28(2016)年の方が、平均寿命と健康寿命の差が小さくなっており、男女とも、健康寿命の方が増加していることが分かります(図表1-2)。

厚生労働省では、平成25(2013)年4月から、生活習慣病を予防し、健康寿命の延伸を図ることを目的とした「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))(*1)」を開始し、健全な食生活、健康づくりのための身体活動の実践につながる取組を推進しています。開始5年目に当たる平成29(2017)年度から中間評価を行い、平成30(2018)年9月に「健康日本21(第二次)」中間評価報告書を取りまとめました(コラム:「健康日本21(第二次)」の中間評価について 参照)。

「健康日本21(第二次)」のほか、「健康・医療戦略(平成26(2014)年7月22日閣議決定、平成29(2017)年2月17日一部変更)」においても、令和2(2020)年までの達成目標として「国民の健康寿命を1歳以上延伸」を掲げるなど、政府一体となって健康寿命の延伸に取り組んでいます。

*1 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成24年厚生労働省告示第430号)
第2部第3章第2節1 健康寿命の延伸につながる食育の推進 参照)

コラム:「健康日本21(第二次)」の中間評価について

〇「健康日本21(第二次)」について

図表1 健康日本21(第二次)の概念図

厚生労働省では、平成25(2013)年4月から、10年後の日本の目指す姿を「全ての国民が共に支え合い、健康で幸せに暮らせる社会」とし、「目指す姿」の実現に向けて、「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次)」を開始しました。

「健康日本21(第二次)」は、平成25(2013)年度から令和4(2022)年度までを運動期間とし、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」、「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCDの予防)」、「社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上」、「健康を支え、守るための社会環境の整備」、「栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善」の5つの基本的な方向を定めました。また、この基本的な方向性に基づいた具体的な目標53項目をおおむね10年間を目途に設定しました。

〇中間評価について

目標の現時点での達成状況や関連する取組の状況を評価し、目標達成のための促進・阻害要因等を検討することで今後の課題を明らかにすることを目的に、開始5年目に当たる平成29(2017)年度から中間評価を行い、平成30(2018)年9月に「健康日本21(第二次)」中間評価報告書を取りまとめました。中間評価に当たっては、目標に対する実績や取組の評価を行うとともに、その評価を通して値の動きや特徴的な取組について“見える化・魅せる化”する工夫を行いました。また、これらの評価結果を踏まえ、今後の社会状況の変化等も見据え、重点的に取り組むべき課題を検討しました。

具体的な目標全53項目について、その達成状況を評価・分析した結果は、図表2のとおりです。

以下、健康寿命の延伸や栄養・食生活に関する中間評価について、主なものを紹介します。

(1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標

〈目標の達成状況〉

目標 評価
<1> 健康寿命の延伸(日常生活に制限のない期間の平均の延伸) a 改善している
<2> 健康格差の縮小(日常生活に制限のない期間の平均の都道府県格差の縮小) a 改善している

〈今後の課題・対策〉

生活習慣を改善することは健康寿命の延伸に寄与することが示されているため、都道府県・市町村においては、住民の生活習慣改善を目指し、社会全体で予防・健康づくりを進める環境づくりに努めていく必要があります。

(2)栄養・食生活に関する目標

〈目標の達成状況〉

目標 評価
<1> 適正体重を維持している者の増加(肥満(BMI 25以上)、やせ(BMI 18.5未満)の減少) b 変わらない
<2> 適切な量と質の食事をとる者の増加
ア 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者の割合の増加
イ 食塩摂取量の減少
ウ 野菜と果物の摂取量の増加
b 変わらない
<3> 共食の増加(食事を1人で食べる子どもの割合の減少) b 変わらない
<4> 食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業及び飲食店の登録数の増加 a 改善している
<5> 利用者に応じた食事の計画、調理及び栄養の評価、改善を実施している特定給食施設の割合の増加 a 改善している(*)

* ただし、現状のままでは最終評価までに目標達成が危ぶまれる

〈今後の課題・対策〉

図表3 栄養バランスのとれた食事を入手しやすい環境づくりの推進に向けた取組

・主食・主菜・副菜を組み合わせた食事に関する状況は悪化しており、特に20歳代及び30歳代ではこれらを組み合わせた食事を食べている割合は低くなっていました。「平成27年国民健康・栄養調査」の結果において、20歳代及び30歳代の女性では、たんぱく質、カルシウム、食物繊維及びカリウム等の摂取量が60歳代よりも少ない傾向が明らかになっていることから、全国に約300校ある管理栄養士・栄養士養成施設の学生による同世代の人たちへの啓発活動や、学生食堂やコンビニエンスストアなど食事や食品を選択する機会を捉えた情報提供など、自立した食生活につながるような若い世代へのアプローチを強化していく必要があります。

・野菜の摂取量、果物の摂取量は変化がみられません。所得や経済的ゆとりなどとの関連により摂取量に差がみられることから、社会経済的な格差を考慮した取組が必要です。

・食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業や飲食店の登録数については増加しており、特に、減塩に関する企業の取組、それを支援する学会等の取組は充実してきています。今後は、主食・主菜・副菜のそろう食事の実践に向けて、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、飲食店、社員食堂や学生食堂など様々な場面で栄養バランスのとれた食事の提供が促進されることが望まれます。

今回、全ての目標項目の指標の中間実績値を踏まえ、現時点での「健康日本21(第二次)」の進捗状況の評価を行い、今後の目標達成に向け取り組むべき課題を整理しました。今後も全ての目標達成に向けた不断の努力が必要です。国、都道府県、市区町村、保険者、保健医療関係団体、産業界といった関係者が総力を挙げ、健康増進に向けた対策が充実強化されることにより、最終評価までにより一層の推進を図ることとしています。

(栄養バランスに配慮した食生活の実践状況)

生涯にわたって心身の健康を確保しながら、健全な食生活を実践するためには、国民一人一人が栄養バランスに配慮した食事を習慣的にとることが必要です。このため、第3次基本計画では、国民にとっても分かりやすく、食事全体における栄養バランスを表している「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事」を栄養バランスに配慮した食事の目安とし、そのような食生活を実践する国民を増やすことを目標としています。

平成27(2015)年度に57.7%だった「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている国民の割合」を令和2(2020)年度までに70%以上とすることを目指しており、平成30(2018)年度は58.6%でした(図表1-3)。

図表1-3 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べている国民の割合(年齢階級別)

コラム:「食育」ってどんないいことがあるの?
~エビデンス(根拠)に基づいて分かったこと~Part2

パンフレット「「食育」ってどんないいことがあるの?Part2」

パンフレット「「食育」ってどんないい
ことがあるの?Part2」

農林水産省では、食育推進に資するエビデンス(根拠)を国民へ分かりやすく広報することを目的として、平成29(2017)年度に、第3次基本計画に掲げられている3つの目標「朝食を欠食する国民を減らす」、「栄養バランスに配慮した食生活を実践する国民を増やす」、「農林漁業体験を経験した国民を増やす」を取り上げ、それぞれの取組がなぜ大切なのか、取り組むことでどのようなメリットがあるのかをエビデンス(根拠)に基づき整理したパンフレット「「食育」ってどんないいことがあるの?~エビデンス(根拠)に基づいて分かったこと~」を作成しました。また、平成30(2018)年度には、新たに共食に関するエビデンス(根拠)を対象とするとともに、農林漁業体験に関するエビデンス(根拠)は、平成29(2017)年度の内容を更に充実させ、第2弾となるパンフレットを取りまとめました。これらのパンフレットでは、各テーマについて、例えば、「共食をすることは、健康な食生活と関係しています」といったエビデンス(根拠)を踏まえたメッセージとともに、論文を分かりやすく紹介した研究ノートを掲載し、ホームページでは、エビデンス(根拠)の一覧も公表しています(*1)。

今後、食育に関心のある方や食育の取組を実践している方々に活用していただき、エビデンス(根拠)に基づいたメッセージが、広く国民の皆様に届くよう、発信していく予定です。

パンフレット(一部抜粋)

パンフレット(一部抜粋)

パンフレット(Part2)(一部抜粋)

パンフレット(Part2)(一部抜粋)

* 「食育」ってどんないいことがあるの?~エビデンス(根拠)に基づいて分かったこと~Part2(農林水産省):http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/index.html

主食・主菜・副菜のうち、組み合わせて食べられないものを尋ねたところ、男女ともに副菜(野菜類、海藻類、きのこ類を主材料とした料理)と回答した人の割合が最も高く、その割合は7割を超えています(図表1-4)。

実際の摂取量でみると、1日当たりの野菜類摂取量の平均値は288.2gで、「健康日本21(第二次)」において目標とされている350gを達成していませんでした(図表1-5)。また、1日当たりの果実類摂取量の平均値は108.7gで、「毎日くだもの200グラム運動」で推奨している量の約半分でした(図表1-7)。一方、生活習慣病の予防や改善のために、「野菜をたくさん食べるようにすること」を実践していると回答した人の割合は約8割(図表1-6)、「果物を食べること」を実践していると回答した人の割合は約6割でした(図表1-8)。

また、年齢階級別にみると、いずれも若い世代で低い傾向がみられました。

*1 「平成29年国民健康・栄養調査」は、11月中の日曜日及び祝祭日を除く任意の1日に栄養摂取状況調査を実施

事例:住んでいるだけでおのずと健康になれるまちづくり
「あだち ベジタベライフ ~そうだ、野菜を食べよう~」

足立区(あだちく)(東京都)

ベジタベライフ協力店募集ポスター

ベジタベライフ協力店募集ポスター

“ちょいサラ”グランプリでグランプリを受賞した「農家直送野菜のチーズフォンデュ」

“ちょいサラ”グランプリでグランプリを受
賞した「農家直送野菜のチーズフォンデュ」

足立区(あだちく)では、健康寿命(平成22(2010)年平均自立期間)が東京都の平均より約2歳短く、平成24(2012)年国保被保険者1人当たりの糖尿病の医療費が東京23区で最も高いことが明らかになりました。そのため、平成25(2013)年度から、糖尿病を始めとした生活習慣病を予防し、区民の健康寿命の延伸とQOL(生活の質)を高めることを目的として、保育所、学校、飲食店、八百屋、民間企業、JAを始めとした団体等と連携し、「足立区糖尿病対策アクションプラン「あだちベジタベライフ ~そうだ、野菜を食べよう~」」を開始しました。

野菜を食べやすい環境を整えるため、「ベジタベライフ協力店」として、<1>野菜・野菜の惣菜を販売している店舗、<2>野菜たっぷりメニュー(1食当たり野菜120g以上)やベジ・ファーストメニュー(食前ミニサラダ等)を提供している店舗等の登録を進めています。地元スーパーでは、のぼり旗の設置に協力していただきました。協力店は730店舗まで拡大し(平成30(2018)年11月30日現在)、区民の健康づくりに貢献しています。

6月の食育月間には、「ちょい増し野菜」をテーマに、協力店における野菜を使った期間限定特別メニューや野菜のちょい増し・プラスワンメニューの提供や、スティック野菜などの歯ごたえのある野菜メニューによる“ちょいサラ”グランプリの開催等に取り組みました。

また、子供の頃から野菜を食べることが当然という良い生活習慣を身に付けられるよう、幼稚園・保育所、小・中学校で「ひと口目は野菜から」の声掛け運動を実施しているほか、月に1回、小・中学校等で旬の野菜を使った「野菜の日」給食を実施しています。

これらの取組により、子供や子育て世代である30歳代男性の野菜摂取量が平成26(2014)年から年々増加しています。また、区民の健康寿命(平成27(2015)年平均自立期間)が延伸し、東京都平均との差を約1.5歳まで縮めることができました。

地元スーパーとの連携

地元スーパーとの連携

「ひと口目は野菜から」ポスター

「ひと口目は野菜から」ポスター

(生活習慣病の予防や改善のための食育の実践状況)

生活習慣病の予防や改善には、日常から望ましい食生活を意識し、実践することが重要です。しかし、エネルギーや食塩の過剰摂取等に代表されるような栄養等の偏り、朝食欠食等の食習慣の乱れ、それに起因する肥満ややせ・低栄養等、生活習慣病につながる課題はいまだ改善するまでには至っていません。

このため、第3次基本計画では、ふだんから適正体重の維持や減塩等に気をつけた食生活を実践する国民を増やすことを目標としています。

平成27(2015)年度に69.4%だった「生活習慣病の予防や改善のために、ふだんから適正体重の維持や減塩等に気をつけた食生活を実践する国民の割合」を令和2(2020)年度までに75%以上とすることを目指しており、平成30(2018)年度は67.7%でした(図表1-9)。

図表1-9 生活習慣病の予防や改善のために、ふだんから適正体重の維持や減塩等に気をつけた食生活を実践する国民の割合(年齢階級別)

実際の摂取量でみてみると、1日当たりの食塩摂取量の平均値は9.9gで、「健康日本21(第二次)」で目標としている8gを達成していませんでした(図表1-10)。

一方、生活習慣病の予防や改善のために、「塩分を取り過ぎないようにする(減塩をする)こと」を実践していると回答した人の割合は、6割を超えていました。70歳以上では約8割が実践していると回答していた一方で、20歳代では4割を下回っていました(図表1-11)。

第3次基本計画では、国民の健全な食生活の実践に寄与する食環境整備の観点から、食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業の増加についても目標を定めています。具体的には、食品中の食塩や脂肪の低減に取り組み、スマート・ライフ・プロジェクト(*2)に登録された食品企業数について、令和2(2020)年度までに100社以上とすることを目指しており、平成28(2016)年度は103社となり、目標を達成しました(図表1-12)。

*2 「健康寿命をのばしましょう。」をスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とした厚生労働省の国民運動

事例:スーパーマーケットの店頭から「おいしく減塩」を発信

ユニー株式会社(愛知県)

ユニー株式会社は、愛知県に本社を置き、19県1府に店舗を展開する総合小売業を営んでいます。食品売場では、健康的な食生活のサポートができる売場の実現を目的として、プライベートブランドの減塩商品の開発・販売等を行いました。

減塩商品の開発を始めた当初、減塩は食生活において最も解決すべき課題である一方、「おいしく減塩」されている商品は少なく、消費者が減塩に配慮した食生活を継続することが難しい状況でした。そのため、取引先の食品企業とともにおいしい減塩商品の開発を進め、平成26(2014)年の鍋つゆを始めとして、平成30(2018)年9月までに、開発商品は61品目、累計の販売数量は約1千万個、販売金額は約16億4千万円、減塩により使わずに済んだ食塩の量(相対的減塩量)は約18.5トン(平成26(2014)年9月~平成29(2017)年8月)に達しました。開発商品は、平成27(2015)年に始まった特定非営利活動法人日本高血圧学会(JSH)主催の「JSH減塩食品アワード」において、4年連続で金賞を受賞し、特に減塩に貢献している商品として評価され、上記のうち、55品目がJSH減塩食品(*1)に登録されています。

売場では、毎月開催しているシニア対応企画(ハッピーデー)として健康企画に取り組んだほか、毎月17日の「減塩の日」に合わせ、店頭に減塩商品を集めたコーナーを設け、塩分を抑えた料理を提案するなど、多くのお客様に減塩を啓発し、また、従業員への取組として、健康診断での減塩啓発や、特定保健指導での自社減塩商品を活用した食事指導等を実施しました。

自社減塩商品を集めた売場

自社減塩商品を集めた売場

減塩食品パンフレット

減塩食品パンフレット

*1 適正でおいしい減塩食品の普及を目的として、特定非営利活動法人日本高血圧学会が作成する「減塩食品リスト」に掲載されている減塩食品。通常品等と比較した食塩相当量の減少率・おいしさ等についての基準等をクリアした食品を掲載



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FAX番号:03-6744-1974

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