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議事録(「食品に関するリスクコミュニケーション ~健康食品との付き合い方を考える~」)

1. 開会

2. 基調講演「健康食品の安全性と有効性について」

3. 情報提供「健康食品の表示・広告の見方」

4. パネルディスカッション

5. 会場との意見交換

6. 閉会


議事録(印刷用)(PDF : 869KB)


議事

1.開会

司会(消費者庁・藤田)

皆さん、こんにちは。お待たせいたしました。ただいまから「食品に関するリスクコミュニケーション~健康食品との付き合い方を考える~」を開催いたします。私は、司会を務めます消費者庁消費者安全課の藤田と申します。よろしくお願いいたします。

本日は、日曜日のお忙しい中、また、大変寒くなっておりますけれども、多数お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。本日、会場が満席となっておりまして、ちょっと狭くなっております。ご不便をおかけして申しわけございません。ちょっと隣と触れ合ってしまうかもしれないんですけれども、なるべくメモなんかもとりながら聞いていただければと思います。よろしくお願いいたします。会の開催に当たりまして、まず初めに、今日の意見交換会の目的を説明させていただきます。消費者庁では、食品安全に関してさまざまなテーマ、スタイルでリスクコミュニケーションというものに取り組んでまいりました。ここでは、消費者への正確な情報発信ですとか、消費者の皆様からのご意見の収集ですとか、また、皆様との意見交換に努めております。こうした取り組みの一環といたしまして、今日は、関係省庁と連携いたしまして、徳島県で健康食品をテーマとした意見交換会を開催する運びとなりました。

皆さんご存じと思いますけれども、健康食品は現在多くの消費者の方に広く利用されております。さまざまな種類が流通しております。市場規模も拡大傾向にございます。このような中、全国の消費生活センターには健康食品に関するさまざまな相談が寄せられております。こうした背景のもと、本日の意見交換では、消費者の方々が多種多様な健康食品の中から、みずからのライフスタイルですとか健康状態に合わせて健康食品と上手に付き合っていく、そのためにはどうしたらいいのかということについて、健康食品の安全性ですとか有効性、それから、表示の見方などの基本的な知識を皆様と共有したいと思っております。それをもちまして、健康食品と付き合い方を皆様に考えていただきたい。そして、皆様の懸念ですとかご希望を伺いまして、今後の施策を立案するときの参考とさせていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、まず初めに、本日の配付資料を確認します。封筒でお渡ししていると思いますが、これをあけていただきますと、中に、一番上に議事次第が入ってございます。次に、アンケートですね。ご参加いただいた皆様へというものが入っております。そして、寄せられた意見・質問が入ってございます。次に、資料1、資料2、それから、小さいリーフレットが入っておりまして、その後ろにリーフレットに関するアンケートが入ってございます。次に、参考資料といたしまして、消費者の皆様へといったチラシ、それから、冊子が4冊入ってございます。「機能性表示食品って何?」「『機能性表示食品制度』がはじまります!」、それから、「栄養成分表示が義務化されました!」。それから、もう1個入っていた。「食の安全安心情報ポータルサイト」「食品安全エクスプレス」「健康食品の正しい利用法」という参考資料が入ってございます。足りない資料がございましたら手を挙げていただけますでしょうか。大丈夫ですか。途中で資料の不足ですとかページ乱丁等に気づかれた方がございましたら、休憩のときに受付のほうにいらしていただければ差し上げることができます。また、余分が欲しいという方も、余分があります限り配付することができますので、受付のほうにおいでください。

次に、次第をごらんください。今の資料の一番上に入っていたと思います。前半は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所情報センター長の梅垣敬三先生による基調講演と、それから、消費者庁の担当者による情報提供となっております。ここで10分間の休憩をいただきまして、その後、パネルディスカッション、会場の皆様との意見交換を行います。本会は16時終了を予定としております。円滑な議事進行へのご協力をお願いいたします。また、この会は、本会場に参加できない方にも広く情報提供する目的から、説明内容と意見交換の様子を議事録にまとめまして、後日、関係府省庁のホームページで公開いたします。意見交換の際に、ご所属、お名前を言っていただくんですけれども、それが公開されることに不都合がある方は、これはちょっと非公開で言っていただければ、そのようにいたします。

それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでといたします。写真及び動画等の撮影をされている方は、ここで終了してください。また、撮影のみの方はご退席をお願いいたします。大丈夫ですね。なお、主催者による撮影は引き続き継続させていただきます。

 

(報道関係者退室)

 

司会(消費者庁・藤田)

それでは、議題の(2)基調講演、「健康食品の安全性と有効性について」と題しまして、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所情報センター長、梅垣敬三先生にお願いいたします。よろしくお願いいたします。


2.基調講演「健康食品の安全性と有効性について」

梅垣氏(国立健康・栄養研究所)

〔スライド1〕

皆さん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました国立健康・栄養研究所の梅垣と申します。今日は、皆さんがインターネットとかテレビを見ていると毎日健康食品のコマーシャルとか出てきますが、それについてご紹介したいと思います。この中で健康食品をとってらっしゃる方はどれぐらいいらっしゃいますか。日本人の半分以上はとっているという報告があります。

今日、健康食品のお話ししますけども、理解していただきたいポイントを2つご紹介します。まず、薬ではありません。健康食品はあくまでも食品で、その品質は食品のレベルとしてしかつくられていません。これをまず理解してください。2つ目は、利用するとしても、必ず生活習慣の改善につながるような利用をしてください。これをとったら寝そべっていてもいいし何を食べてもいいというものはありません。もし使うのであれば、必ず生活習慣の改善につながる、普段の食生活を見直す使い方、それから、もっと運動しなきゃいけないという意識改革につながるような利用にしてください。それができない人は、私は利用しないほうがいいと思います。お金の無駄です。この2つのポイントをぜひ今日は理解していただきたいと思います。

〔スライド2〕

それでは、今日お話しする内容です。お手元にほとんどスライドのコピーがあります。先ず健康食品の全体像ですね。どういうものが健康食品というかです。2つ目は、先ほど言いました健康食品と医薬品の違い。健康食品はあくまでも食品です。病気が治るとか治療できるという効果はありません。そこを理解してください。3つ目は、安全性・有効性のエビデンス。どういう根拠で健康食品がいいとか危ないとかというデータが出ているかをご紹介します。4つ目は、安全かつ効果的に利用する方法。利用しないほうがいいですよと言っても、テレビを見ていたらどうしても使いたくなるんです。じゃ、使うときはどういう点に注意をすればいいかをお話しします。消費者の自己判断で利用するというのが健康食品になっていますから、表示を見るということと、自分が何をとったかというメモをとるということです。メモがあれば、例えば本当に自分に効果があるのかという実感が明確にできますし、何か都合が悪いような状況が出たときに、本当にとっている健康食品が原因かどうか推定できるんです。そのメモをとっていただきたいということ、効果的な利用方法、生活習慣の改善につながるという利用法、ここが健康食品の利用の重要なポイントだと思います。

最後に、食品の機能性で考慮すべきこと。食品は私たちが食べないと生きていけないものです。必須のものです。その中で私たちが何を食べるかということです。味があっておいしさがあってということ、これが多分食品だと思うんですよね。そういうものが本来の食品だということです。錠剤とかカプセルの製品が食品のカテゴリーで流通していますけれども、これは普通の食品ではない。もし使うんだったら、味が合って香りがあって、容積、かさがある食品をとってください、ということを強調したいと思います。この5項目の話をしたいと思います。

〔スライド3〕

健康食品と私たちが言っているものは、実はいろんなものが該当します。ヨーグルトとかお茶とかキノコとか、こういう錠剤・カプセルのもの。最近、錠剤・カプセルのものが多いです。ここで注意していただきたいのは、この錠剤・カプセルのものです。特定の成分が濃縮されているとうたっています。濃縮されているということは、効率的に特定成分が摂取できて効果があるかもしれないけれども、有害な影響が出やすいということもあるんです。でも、ヨーグルトとかお茶とか、普通の食品だとおなかがいっぱいになりますから、過剰に何かをとるということはまずありません。そういうことを考えていただくと、健康食品の中でも注意しなきゃいけないのは錠剤・カプセルだということが理解できると思います。この健康食品またはサプリメントという言葉には、法令上の定義は何らありません。いろんなものが健康食品とかサプリメントと言われています。

〔スライド4〕

これは先ほどの説明を文書にしたものです。健康食品というのは明確な定義がなくて、健康の保持増進に関係するような食品全般が関係する。それから、サプリメントというのは、アメリカのダイエタリーサプリメントというものから由来し、錠剤・カプセル等の濃縮物が該当すると思われています。でも、日本ではその言葉に法令上の明確な定義はありません。日本で健康食品と呼ばれているものは、かなりの部分が錠剤・カプセルのものです。サプリメントと健康食品というのは明確な定義はありませんけれども、同じようなものと解釈していただいていいと思います。

〔スライド5〕

テレビなんかを見ていますと、何がいい、何がいいと言って出ています。例えばこういう実験系でデータが出されています。大学とかいろんなところで研究が行われています。その研究結果を利用して製造業者の人が製品をつくって、それを消費者の人が利用しています。この中で試験管の中の実験だけで効果があるというのは、これは全く信用できないです。まだまだ、いろんな試験をしなきゃいけない。今話題の酵素というのがありますけれども、酵素はたんぱく質ですから、私たちが口からとったらほとんど分解してしまうんです。だから、酵素を口から摂取してもその活性はなくなり、効果は多分ないと思います。そのような信用できない情報もあります。

では、動物実験はどうかというと、動物の実験はものすごく過大な量を、毎日毎日食べさせています。私たちヒトはいろんなものを食べますよね。そうすると、動物で行った実験結果が本当に私たちに適用できるかどうかわからない。だから、最終的にはヒトの試験をしなきゃいけない。ヒトの試験が最終的には必要です。少しややこしいんですけれども、無作為化比較試験(RCT)と言っているものがあります。これはかなり信頼できる試験で、後でお話ししますが、特定保健用食品は全てこの試験が義務づけられています。こういう様々な試験で食品の効果などが検討されているんですが、私たちが購入する製品が、どういう根拠で製造されているか、私たちは知りたいです。ここでいろんな表示がされていると困ります。違法な表示とかいいかげんな表示をしては困るので、法律による表示の規制というのができているわけです。

健康食品とその問題点の全体像は、こういう図になります。不確かな情報の氾濫。健康にいいという情報がインターネットとかテレビで出ています。これは雨のように降り注いでいます。それから、根本的に食生活の乱れや運動不足等の生活習慣の問題があります。私たちはわかっていても、偏った食事をしたり、たばこを吸ったり、運動不足になったりします。何とかしたい。その何とかしたいという受け皿に健康食品が出てきている。この健康食品はいいものもあれば悪いものもある。どうやって見分けるかというのに関して、国の制度で食品に表示するときの規制が出きているということです。

〔スライド6〕

ちょっとわかりにくいかもしれませんけれども、日本では私たちが口の中に入れるもので、医薬品以外のものは、全て食品になっています。そして普通の食品に対して効能・機能の表示はできません。なぜかというと、普通の食品が何とか病に効くとかと言って販売されると、自分勝手に何かをとって病気を治そうとか治療しようとかという行動をしやすいですよね。要するに、私たちが適切な医療を受けられなくなる。普通の食品には効能・機能の表示はできないですが、ここに示しました特別用途食品、これは特別の用途に使うという食品です。乳児用の粉乳、粉ミルク、高齢者用の嚥下困難者用食品もあります。それから、それ以外に保健機能食品というのがあります。この中に特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品というのがあって、これらはが国がそれなりに機能等の表示を認めているものです。特別用途食品というのは、医師とか管理栄養士の管理下で利用するものです。消費者の自己判断で利用するものではありません。そういう意味で、消費者の自己判断で利用できるものはここに示した枠の中のものです。その中に先ほど言いました保健機能食品があって、一般の食品がある。これらの食品がどういう意味や特徴を持っているか、我々が理解しておかないと、全く表示の意味がなくなります。特定保健用食品はトクホと呼ばれるもので、これは国の審査があります。こういうマークがついている。栄養機能食品は、ビタミン、ミネラルとか、栄養素と定義されるものだけで、栄養成分の機能表示ができるものです。これらの栄養成分の機能は明確ですから、国の審査は必要なく、製造業者の自己認証で表示できるものです。一昨年から出てきました機能性表示食品というのは、特定保健食品と同じような表示ができるんですけれども、国への届け出をすればよくて、企業の責任、事業者の責任で表示ができるものです。事業者が勝手に表示をしてもよいというのですが、ガイドラインというのがあって、その基準を満たしていれば表示をしてもいいというものです。これらの3つの食品については、後で詳しくご紹介します。

〔スライド7〕

健康食品ということにちょっと戻ります。健康食品は食品の中の1つです。これは2つに分けられます。国が制度をつくって表示を許可しているもの、それが先ほど言いました保健機能食品というもので、ここに特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品があります。保健機能食品に該当しないものは、行政ではいわゆる健康食品と言っていて、これには機能の表示ができないんです。じゃあ、どうやって売っているかというと、体験談で使って売っているわけです。こういう食品をとったら病気が治ったとかと言っているものがあります。それらはほとんど表示の根拠がありません。そういう食品の名前って、どのようなものがあるかというと、機能性食品、サプリメント、栄養補助食品、健康補助食品、こういう名称のものです。

ここの中でちょっと皆さん方、混乱されると思うのは、ここに機能性食品というのがありますね。そしてこちらに機能性表示食品というものがあります。これは全く違うものと考えていいです。機能性表示食品というのは、国のルールに基づいて表示された食品で、こちらの機能性食品というのは、何らそのルールがなくて表示ができないものです。両者は違うものです。非常にわかりにくいと思いますけれども、機能性食品と機能性表示食品は違うんだというのを理解してください。いわゆる健康食品の中に、がんが治るとか、糖尿病が治るとかっいって病気の治療効果をうたったもの、それからステロイドなどの医薬品成分を入れたものがあります。これは無承認・無許可医薬品といって、行政の取り締まりの対象になっています。でも、国が取り締まりをしなければ普通の食品として流通していて、それを摂取して健康被害を受ける人が出てくる可能性があります。

〔スライド8〕

ちょっと細かいですけれども、原材料の情報と製品の情報は違うという点についてです。製品を買うときに、皆さん製品の原材料を見ますね。添加物のことをよく見る人もいます。その表示の中にビタミンとかミネラルとかが入っていると、これはいいんだと思って皆さん買われますけれども、実はこの原材料の情報と製品の情報は一致しないんです。製品をつくるときには、安くつくって高く売るとビジネスとして成り立ちやすいです。ですから、非常に汚い原材料を使っているものもあります。それから、特別な原材料が入っていると言っていながら、ほとんど意味のない量しか入ってない製品もあります。

ですから、製品を買うとき、最終製品がどうかということに注目していただきたいと思います。ここの最終製品に加えられた原材料の有効成分の量と純度、品質、これが非常に重要です。これが有効性とか安全性に影響する。この原材料の情報と製品の情報が違うということをまず認識していただいて、次に、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品を詳しく見ていこうと思います。

〔スライド9〕

特定保健用食品は個別許可型で、最終製品、私たちがスーパーとかで購入するその製品として有効性・安全性が評価されていて、ヒトの試験が必ず義務づけられています。有効性と安全性を国が審査・許可している。そしてこういうマークがついている。もうひとつの特徴としては、現状ではほとんどが明らかな食品形態です。ヨーグルトとかお茶とかです。そういう形状だと過剰に摂取しませんね。頑張ってもなかなか多量にはとれないです。これが1つのポイントです。トクホの情報は最終製品の情報だから、それなりに信頼できる製品ということです。ただし、あくまでも食品で、薬ではありません。

〔スライド10

栄養機能食品はというと、これは規格基準型の食品です。これもわかりにくいですけども、要するに栄養成分の補給・補完、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分に対して、これをとれば補給できますよという意味でできた製品です。表示の文言が決められています。鉄は赤血球をつくる栄養素です、といった文言は決められています。この文言は変えてはいけないというルールになっています。1つの重要なところは、これはあくまでも成分の情報なんです。ビタミンとかミネラルとかそういう栄養成分の情報で、製品の情報になるとは限らない。

例えば、栄養機能食品と表示した製品でビタミンCが入っています。でも、植物エキスとか、何か安全性がわからないようなものも同時に入れた製品も結構出回っているんです。ビタミンという成分についてはそれなりに有効性や安全性の根拠があります。でも、その中に含まれているほかの成分については本当に根拠があるかどうかわからないんです。ですから、栄養機能食品は、栄養成分以外に、何が入っているかというのを注目しなきゃいけない点があるということです。

〔スライド11

機能性表示食品はというと、これは届け出制で、一昨年に出てきた食品です。一定の科学的根拠に基づき、事業者の責任で特定保健用食品と同じ表示ができるものです。消費者庁長官のところに販売60日前までに届け出る。ただし、消費者庁長官による個別審査は得ていない。要するに事業者の責任。だから、何か問題が起こったときには事業者が責任をとらなきゃいけないということです。対象としないのは、疾病に罹患している者、つまり病気の人は対象としない。「病気の人を対象にした食品は保健機能食品の中にはありません。ここのとこは重要です。それから、未成年、妊婦、授乳婦、こういう人も対象とはしません。この食品は研究レビューといって、該当製品と関係ない人が論文を出したら、それも使って製品の機能をアピールできるというものです。サプリメント形状が多くて、事業者の考え方の影響が大きい。事業者がみんな同じ考え方を持っているわけではなくて、それぞれ違う考え方で対応しているという問題があります。そこのところが注意したいポイントです。

〔スライド12

ここでぜひ見ていただきたい点があります。機能性表示食品の表示を見られると、2つパターンの表示があるんです。先ず最終製品を用いて臨床試験を行った食品があります。この表示は、商品のパッケージに「何とかの機能があります」としっかり書けるんです。その製品で実験をしていますから。

一方、研究レビューといって、他人がやった研究論文を集めてきて、こういう機能性があるとした食品は、「何とかの機能があると報告されています」と表示されています。「報告されています」というのは、必ずしもその製品で臨床試験を行ったわけではないということです。これは、非常にわかりにくいですね。専門職でも結構誤解している人もいます。表示をここまで見られると、何を根拠に表示しているかという違いがわかります。

〔スライド13

機能性表示食品とトクホって非常にわかりにくいです。そこで比較してみます。こちらはトクホ、こちらが機能性表示食品ですね。企業の負担はトクホは非常に大きいです。時間もかかるしお金もかかる。だから、もっと簡単に表示できるものが欲しいということで、機能性表示食品というのができたわけです。悪い言い方をすれば、トクホにならないようなものの受け皿が機能性表示食品であると、考えてもいいと思います。

トクホはある程度の限定された機能しか表示ができないようになっています。なぜかというと、評価方法が定まってないものに評価は認められないからです。でも、機能性表示食品はある程度根拠があればそれなりに表示ができるというシステムです。肌の水分とか目の機能とかとうたっているのもがそれに該当すると思います。それから、トクホは国が審査・許可をしますから、審査はかなり厳しくやっています。だから時間がかかるわけです。一方、機能性表示食品は事業者の責任でやります。それから、機能性表示食品は既存の論文のレビューを根拠としても表示が可能ということですね。消費者の視点からすれば、時間もお金もかかったほうが私はいいと思うんですよね。それがトクホです。時間もお金もあまりかかってないのは機能性表示食品です。ただ、機能性表示食品が悪いということまでは言えないんですね。なぜかというと、もっとめちゃくちゃな製品が結構あるんです。それに比べれば、機能性表示食品はそれなりに評価すべきだという考えになると思います。

〔スライド14

これはぜひ理解してください。誰が、何を、どのような目的で、どのように利用するかによって、製品はいい場合もあるし悪い場合もあります。

特定保健用食品は病気の人を対象にはしていません。それから、栄養機能食品は、栄養素の補給・補完が必要な人です。機能性表示食品は、疾病に罹患している者とか未成年、こういう人は対象としない。全部に共通するのは、「病気の人を対象にした製品です」というのは言ってはいないんです。ここが重要なところです。テレビのコマーシャルなんか見ていると、体調が悪い人にどうぞという意味で広告していますけども、そういう人では有効性も安全性も試験はしていないし、そういう人がとるべきですよということは何も言っていない。その点を理解していただければ製品は安全に使うことができると思います。

〔スライド1516

次に、健康食品と医薬品の違いを説明します。医薬品は、皆さんがお医者さんにかかって薬剤師が渡すという利用環境ができていて、チェック機能があります。でも、サプリメントとか健康食品は、消費者の自己判断でスーパーで買えるようなものなんですね。消費者の自己判断で利用するときに何が頼りになるかといったら、表示なんです。だから、ぜひ製品の表示を見ていただきたいと思います。

〔スライド17

健康食品と医薬品は明確に区別する必要があります。なぜかというと、例えば健康食品を病気の治療に使うと病状が当然悪化します。健康食品でそんな効果があるものがあったら、それは危ないことになります。健康食品を利用して治療放棄してしまうと困るし、薬との飲み合わせがいい、悪いというのもあります。この飲み合わせはほとんどわからないですね。健康食品と薬の飲み合わせがいい、悪いなんていうのはわからない。健康食品はメーカーによって使う原材料が違います。原材料の量も品質も違います。それらを複数いれた個々の製品で薬との飲み合わせがいい、悪いなんて判断はできないんですよね。こういう状態で、もし消費者の人が健康食品を安易に使うと、適切な医療環境が保持できなくなる。医師とか薬剤師、医療関係の人もちゃんとした医療が提供できない。患者さんも適切な医療が受けられなくなる。両方にとって不幸なことになる。ですから、健康食品と医薬品とは明確に区別してほしい。

〔スライド18

これは時間がないので簡単に説明します。医薬品と健康食品の違いは3つあります。

まず、製品の品質は、医薬品はしっかりしていますが、健康食品は企業によってばらばらです。それから、医薬品は病気の人を対象にして設計されていますけれども、健康食品は健康な人が対象なんです。病気の人がとったら何が起こるかわからない部分がある。それから、医薬品は、医師、薬剤師の管理下で使われている。副作用が起こるということは、効果も出やすいということなんです。ですから、副作用がでないように、ちゃんと使えるように、医師、薬剤師が関係しています。一方、健康食品は選択・利用が消費者の自由です。ここがポイントなんです。最近、医師の方がサプリメントとか健康食品を勧める場合があります。これは医師の方の裁量でやっていて、何か問題が起こったときに、摂取をやめてくださいというアドバイスがすぐできる状態です。だから、同じものを使っていても、医師の管理下で使うというのは、まあまあ安全だと思います。医師だけじゃなくて、薬剤師とか医療に詳しい人でも良いと思います。でも、消費者の人が自己判断で同じように使えるかというと、わからないです。摂取していて本当に体調が悪くなったのは健康食品が原因だったかどうかというのはわからない。そこのところが非常に問題になっているということです。

〔スライド20

実際にサプリメントの具体的な問題事例があります。アメリカの事例ですけれども、サプリメントを医療に使って未熟児が死んだという事例です。アメリカでプロバイオティクスという商品が出回って、これは乳児・小児向けに販売されていたんです。ですから、乳児・小児がとっても問題はないということですけれども、病気の子供ではないんですね。それが未熟児に投与されたことによって、感染症を起こして亡くなったという事例です。

要するに、サプリメント等は医薬品のように徹底した製造管理、品質管理がされているわけじゃないんです。医薬品は有害物質が入っていないかきっちりチェックされているんです。でも、医薬品以外のものはそれなりのチェックしかされていないということです。だから、病気の治療とか治癒を目的にサプリメントとか健康食品を利用するのは非常に危ないということですね。

〔スライド21

これは、いろんな国の表示の制度についてです。日本はトクホとか、栄養機能食品がありますね。見ていただきたいのはここです。病気の治療・予防をする目的の表示というのは、どこの国も医薬品以外のものには認めていないんです。日本だけじゃないです。なぜかというと、医薬品以外のものが医薬品のように使われてしまうと、まともな医療ができなくなる。それから、我々一般の人もまともな医療が受けられなくなるからです。従って、病気の治療などという表示は、医薬品以外には一切認められていないということです。

最近、アメリカのダイエタリーサプリメントは進んでいるということをよく言う人はいますけれども、アメリカのダイエタリーサプリメントでも病気の治療とか予防をする表示は認められていません。ここのところはぜひ理解してください。

〔スライド22

食薬区分というのがあって、日本では、我々の体に対して強い作用を及ぼすものは食品には使ってはいけないとなっています。例えばセンナというのは緩下剤で、便秘の人にいいというのはあります。医薬品は品質がしっかりしていなきゃいけないので、センノシドという成分が多い葉っぱとか、こういうとこしか使ってはいけないとなっています。でも、健康食品の場合は茎を使っていいのです。なぜかというと、茎の中にはその活性成分があんまりないんです。ですから、皆さん方が健康食品でセンナ茎と書いてあるのを摂取しても、あまり効果は期待できない。ちょっと悲しいことになるかもしれませんけれども、これは医薬品との違いです。

作用が強い原材料・成分は危ない。インターネットで見て、「効果がある、効果がある」と宣伝しているのがあります。でも、効果があるということは有害な影響が起こりやすいことの裏返しなんです。ですから、どういう有害な影響、望まない効果があるのかというのをぜひチェックするか、見るようにしてください。それがわかっていて使うのと、わからないで使うのとは全然違います。

〔スライド2324

ちょっと早口でお話しして申しわけないんですが、安全性と有効性のエビデンスについてです。健康食品が関係した被害というのは2つあります。1つは経済被害、もう1つは健康被害です。健康被害は非常に注目されていますけれども、実は健康被害が健康食品の被害の9割以上ですね。高いものを買ってしまった、無駄に使ったというのが多いです。健康被害というのはどういう状況で起こるかというと、製品がいいかげんにつくられたものとか、医薬品と間違えて使った、薬と一緒にとった、体質に合わない、こういうのがあります。

〔スライド25

全ての人に安全な製品はありません。使う人によって問題を起こす場合があります。病気の人とか高齢者、妊婦、小児が使うと問題を起こす事例があります。

注意したいことは、錠剤・カプセルの製品です。こういう方を対象にして安全性の試験をしたデータはありません。例えば、自分の子供に健康食品の安全性を調べたいから被験者として参加してくださいと言われたときに、同意する親なんてどこにもいないんですよね。妊婦さんもそうです。ですから、妊婦とか小児が使う、錠剤・カプセルのものの安全性は注意が必要です。今までとっていた普通の食品は関係ないんです。錠剤・カプセルのもので妊婦、小児がとるというのは危ない可能性があるということを理解してください。

〔スライド26

何とかがいいという情報がよく出ています。それらは野菜とか果物をとったときの情報がほとんどなんです。そこにはそれなりに根拠があります。でも、野菜とか果物をとったときに何が効いているかは、実はほとんどわかっていないんです。

がんになりにくい人は緑黄色野菜をとっているというデータがあったんです。その中の成分というのはβ-カロテン、β-カロチンとも言います。それが効いているんだと思っていたんですけれど、実際にβ-カロテンを濃縮物のサプリメントとして摂取させると、たばこを吸う人とかアスベストに曝露されたような人ではもっと肺がんを起こしやすいという結果になったんですよね。全く違う効果になったのです。

たばこを吸う人は肺がんとかいろんながんになりやすいから、何とかしようと、ビタミンをとったり、いろいろ試されるけれども、一番安上がりなのは禁煙なんです。当たり前のことです。当たり前だけど私たちはできませんね。それをやっぱり何とか改善しなきゃいけないということです。有効性の根拠はこちらの緑黄色野菜にある。だから、普通の緑黄色野菜、普通のものを食べるというのが、一番有効性の根拠があり安全だと考えていただければいいと思います。

〔スライド27

消化吸収というのを全く無視して考えている情報があります。例えば酵素というのがありますね。酵素は先ほど言いましたが、たんぱく質ですから、胃腸の中で全部分解されてアミノ酸になります。だから、口から摂取した酵素がそのまま血液中に移行することはありません。この点が全く無視されて、いろんな情報が流されている。経口摂取したものは消化吸収のことも考えなきゃいけない。

〔スライド28

それから、特定の成分と摂取量の関係を考えなきゃいけない。私たちは食品を考えるときに、ちょっととっても効果があると思ったり、いっぱいとっても食品だから安全だと思いますけれども、そういうことはありません。

例えば、この図でここら辺だと有効な反応はほとんど起こらないですよね。でも、多くとると有害な影響が出てきます。効果があるか、効果がないか、有害かというのは量に依存するんです。どれぐらいの量をとるかということ、そこをぜひ理解してください。いっぱい成分が入っていますという健康食品がありますけども、ほとんどそれらは意味ないと考えてもいいものがあります。

いっぱいとってもいいというわけではない事例を紹介します。例えばビタミンC。この図は、横軸は摂取量で縦軸が体に対する影響なんです。摂取していくと体の中に保持されます。でも、この図のように、頭打ちになってしまいますね。ビタミンCは200ミリグラムから400ミリグラムとると、ほとんど体の中は飽和して、尿中に全部出ちゃうんです。だから、1グラムのビタミンCをとっていいということを言っている人がいますけども、ほとんど尿中に出していますから無意味とも言えます。本当に意味があるのはここら辺の摂取量なんですね。要するに1日30ミリグラム、60ミリグラムとか、少ない人がとればとるほど体の中に入って保持される。だから、栄養素というのは必要な量とればいいので、必要以上にとってもほとんど意味がないということもあるということですね。

海外でいい情報があると言われていますけども、実際に海外では食べているものは我々と違います。これはセレンの事例です。セレンは非常に重要なミネラルなんですけれども、その必要性のデータが出てきたのは、海外でセレンの摂取量が少ない人にセレンをサプリメントとして与えたときの情報なんですね。日本人は食べ物が違うのでどうかというと、日本人は必要量をはるかに上回ってセレンを摂取しています。なぜかというと、日本人は海産物を多く食べていて、海産物の中にセレンが多いんです。だから、日本人がセレンのサプリメントをもしとったとしたら、過剰症を起こすことになります。ですから、何でも不足している人がとるのはいいんです。でも、不足していない人がとるのは危ないし、全く無意味な場合があるということです。

〔スライド29

これは食事摂取基準の説明図です。いろんな基準ができていますが、通常の食材からとる量はこの辺です。推奨量とか目安量というのはここら辺です。これ以上とったら危ないという量、耐容上限量は、実は普通の食材からはとれないレベルです。なぜかというと、通常の食品には容積があるし、私たちは、毎日同じものを食べない、食べたくないですから。この耐容上限量はサプリメントからとったときの影響を考えた量なんです。普通の食べ物を普通にバランスよく食べていたら、この耐容上限量、過剰量という心配は全くないと思います。ただし、偏食をしたらだめですけれども。

もう1つ、この基準は習慣的な摂取量であることを理解する必要があります。サプリメントを推奨している人が毎日これぐらい栄養素を摂取しなきゃいけないと言っていますけれども、毎日毎日一定量を食べられませんね。実はこれは習慣的な摂取量を誤解している可能性があります。というのは、今日、例えばビタミンCが少なかったら、明日か明後日補えばいいんです。一日の摂取量は1カ月ぐらいで帳尻が合えばいいという考え方だと理解してください。

〔スライド30

それからサプリメントの中に、妊婦さんに葉酸のサプリメントというのがあります。葉酸のサプリメントは妊婦さんにいいというのは、神経管閉鎖障害のリスク低減効果があるということで、それが認められている。ですが、妊娠の1カ月くらい前からとらないといけないんですね。なぜかといったら、妊娠に気づいたときには神経管というのはもうできちゃっているんです。だから、摂取するタイミングが遅過ぎる。サプリメントというのがいいんだけれども、私たちは効果的な使い方ができていない。こういうこともぜひ理解していただきたいと思います。

〔スライド31

安全かつ効果的な利用ということですが、いろんな健康食品で監視をやっています。でも監視だけではやはり十分ではない。何が重要かというと、例えばこの図は水泳の話なんですが、監視も重要ですが泳ぎ方を教えてあげないと溺れる人はいる。健康食品の場合も、正しく使い方を皆さん方が理解されれば、いいものはうまく使える、悪いものは使わない。ですから、使い方、利用方法も大事だということです。

〔スライド32

本当に不足している成分ならば補給する意味があるということです。これはその留意点です。時間がないので、後で読んでおいてください。

〔スライド33

私たちは不足しているかどうかというのを把握しなきゃいけないです。そのときに必要なのは栄養成分表示なんです。食品には成分表示がしてあります。例えばカルシウムが必要だったら、いろんな食品のカルシウムの表示を利用するのです。これを足していくんです。足していくと、自分が必要量に達しているかどうか把握できます。足りなければ同じような食品を追加するか、もしくは健康食品を利用することも選択肢になります。これをやらないで健康食品をとるというのは非常に危ないし、無駄な利用をすることになります。

〔スライド34

商品には栄養成分表示があります。ぜひここを見ていただきたいと思います。ここを注目ですね。皆さん方は、何とかのサポートという文言に注目されるようですが、これはキャッチコピーで、あんまり意味がありません。ここの表示、枠の中のところを見てください。

〔スライド35

保健機能食品でもその効果は限定的です。必ず生活習慣の改善につながるようにしてください。

これは血圧への効果を期待させるトクホの例です。トクホは正常血圧の人がとってもほとんど影響ない。だから安全です。正常血圧の人の血圧が下がったら、これは危ない。若干高い人がとったら、それなりに効果があります。もう少し高い人がとったらもう少し効果が出てきます。しかし問題は、こういう高血圧の高い人が健康食品をとると、まともな医療にアクセスできなくなるんです。だから、病気なのに自分の判断で健康食品とかトクホをとるというのは間違いだということです。トクホをとるとしても、必ず医療関係の人に伝えて使ってください。

これは難消化性デキストリンといって、血糖値を上げ難くすると言うトクホです。何もとらない、炭水化物をとらないと血糖値は変わらない。炭水化物をとると血糖値は上がってきます。この図のように上がりやすい人と上がりにくい人がいる。ほとんど効かない人がいます、炭水化物をとっても半分ぐらい効果のない人がいるんですね。ややこしいですけど、みんなに効果が期待できるわけではないということです。これはちょっと飛ばします。

〔スライド36

結局、サプリメント等の利用において最も考慮すべきことは、生活習慣の改善です。生活習慣の改善につながる利用を必ずしていただきたいと思います。そうすると、摂取する意味はそれなりに出てくる。製品が効かなくても、生活習慣を改善するということが、非常に大きく影響してくるということです。

〔スライド37

それから、利用のメモをとることが重要です。いつ何をどれだけの量でとったかという、メモをとってください。これは消費者自身がしなければならないことです。

〔スライド39

最後にちょっと駆け足ですけども、入手されている情報についてお話します。皆さんが入手されている情報は事業者から提供されている。ほとんどいいことしか書いてありません。でも、物事はいいことがあれば悪いこともあるかもしれない。どういう不都合があるかというのをぜひ調べるようにしていただきたいと思います。これが重要なところです。

〔スライド40

情報を冷静に判断することも重要です。誰が、何を、どれだけの量とってどうなったかという具体的なことに注目するようにしてください。摂取する人が変われば影響も変わりますし、摂取するものが変われば当然、その影響も変わります。

〔スライド41

これは、我々の研究所のホームページです。こういう情報も出していますので参照していただきたいと思います。

〔スライド42

これもちょっと時間がないので飛ばします。

〔スライド43

最後に是非理解していただきたい点をお話しします。食品の機能には3つあると言われていいます。1次機能が栄養、2次機能は味覚・感覚、3次機能が体調調節です。皆さん方は、体調調節ばかりに注目されていますけれども、本当の食品って、味とか香りとかあって、食べておいしかったという満足感が得られること、これがやっぱり重要なんです。心も和む。元気が出てきます。これが本来の食品だということ。例えばこれは野菜の写真ですけれども、皆さん、これ白黒ですよね。これがカラ―になると全然イメージが変わるんです。気持ちが変わってきます。これが食品だと私は理解したほうがいいと思います。

〔スライド44

この図は、横軸が摂取量で縦軸が生体影響です。これはレバーの絵です。レバーの中にはビタミンAが多い。毎日毎日レバーをとればビタミンAの過剰症を起こします。けれども、普通のレバーを食べてビタミンAの過剰症を起こす人はいません。理由は、通常の食品形態であれば、体積、味、香りがあり、人の嗜好性があるために、特定成分を過剰に摂取しない。これは食経験があるから安全ということに関係しています。

じゃあ、錠剤・カプセルが悪いというわけではない。よく製品を理解して摂取することは否定はできない。そこのところも理解していただきたい。木を見て森を見ずというのがありますけれども、大体皆さん方、私もそうですけども、何かテレビコマーシャルでアピールされると、それに注目してしまいます。けれども、やはり何事も全体を見る必要がある。森全体を見るということですよね。

〔スライド45

これが健康食品の分野にも言えると思います。健全な食生活、運動、休養、これが森ですよね。じゃあ、食品はどうかというと、その中の1つなんです。さらに、健康食品なんてほんのわずかなものです。わずかなものを非常に大きく私たちは考えていますけれども、全体像を理解して対応していかなきゃいけない。もし健康食品を利用するにしても、必ず運動したり休養したりバランスのいい食事をする。それができれば健康食品を使う意味はあります。それができない人は、私は費用対効果の関係から考えると、摂取しないほうがいいと思います。お金が余っている人はそれは使ったほうがいいかもしれませんけれども、そんな人は多くはいません。この健康という全体像を考えていただきたいと思います。

以上です。

 

司会(消費者庁・藤田)

梅垣先生、どうもありがとうございました。

私を含め、健康食品を使いたいという人にとって大変ためになるお話と、一部耳の痛いようなお話もあったかと思います。

続きまして、「健康食品の表示・広告の見方」と題しまして、消費者庁表示対策課食品表示対策室食品表示調査官の田中誠さんから情報提供していただきたいと思います。では、田中さん、よろしくお願いいたします。


3.情報提供「健康食品の表示・広告の見方」

田中氏(消費者庁)

〔スライド1〕

消費者庁で健康食品の表示・広告の取り締まりを行っている田中と申します。本日はよろしくお願いいたします。

先ほど梅垣先生のお話にもありましたけれども、本日のテーマである健康食品ですが、その広告、新聞やテレビ、インターネットなどで目にしない日はないのではないかというぐらい私たちの生活の中にあふれているものかと思います。また、そういったメディアの広告だけではなくて、ドラッグストアなんかでも、店頭にあるポップですとか、もしくはそのパッケージ上の表示でもいろいろな魅力的なキャッチコピーが書かれていて、思わず買ってみたいな、使ってみたいなと思ってしまうようなものが並んでいるかと思います。しかし、そんな中にも効果の裏づけがなかったり、むしろ安易に使って健康を害してしまうと、そういった場合もあるようです。

〔スライド2〕

本日は、そんな健康食品の表示や広告、そういったものを見る際に、実際の違反事例なんかも交えながら簡単にご紹介をしていきたいと思っております。

〔スライド3〕

スライドの3つ目になりますけれども、先ほど梅垣先生がご紹介していたように、一口に健康食品と言っても、トクホのように国の制度に則って効果があるものと、そうでないものがあるということです。ここはマークのついているトクホ、栄養機能食品、機能性表示食品、こういったのが国の制度に則った制度です。

〔スライド4〕

そういった国の制度に則ったトクホなどの健康食品のパッケージには、例えばその効果・効能だけではなくて、1日の摂取目安量ですとか、あとは、摂取する上での注意事項、そういった健康食品を安全かつ有効に使用する上で非常に大切な情報がパッケージ上に書かれる、書くことをこれは義務づけられています。ですので、皆さん、こういう健康食品を利用する際には、こういったある程度制度に則ったものを選ぶというのが1つの目安になるかと思います。

〔スライド5〕

一方で、テレビやインターネット上の広告では、ある意味その効果が実証されていないにもかかわらず、これさえ飲めば痩せますといった非常に魅力的なキャッチコピーで消費者の皆さんを引きつける。結果的にはその期待を裏切るような広告も見られます。そういった広告という、いわゆる人を著しく誤認させたり、もしくは全くのうそである、そういった広告が、ここにちょっと書いてありますけれども、景品表示法とか健康増進法という法律でそういう広告を行うことが禁止をされています。

なので、私ども国や地方自治体の皆さんは、テレビや新聞、あと、インターネット、それと、チラシとか、店頭広告もそうですけれども、パッケージの表示、そういったさまざまな広告の取り締まりをこういった法律に基づいて行っているということなんですけれども、そういった監視の中で実際に違反になった事例を皆さんにお示ししながら、その実例をちょっとご紹介していきたいと思います。

〔スライド6〕

これは、夜寝る前にこれさえ飲めば、特段の運動や食事制限することなく痩せますよという、トマトのリコピンという成分が含まれていますと言ってダイエットサプリメントとして売られていたものです。これで何キロも痩せられるという夢のようなお話なんですけども、消費者庁が調査をしたところ、実際にはそんな効果、根拠を持っていなかったというものになります。

これで景品表示法違反として措置されたものなんですけれども、一応専門家の科学的見解といいましょうか、そういったものでは、一応そういった方々にもお伺いすると、摂取したカロリーを消費カロリーが超えない限りは痩せることがありませんよということです。ですので、これさえ飲めば寝ているだけで痩せるなんてことは通常科学的にはないという形で違反になった。ちょっとご覧になったりもしくは買われた方もいるかもしれませんけども、これが平成2512月に違反としてなされている事例です。

〔スライド7〕

次に、これは有名なタレントさんや、これ、管理栄養士さんなんですけれども、そういった方々のコメントを載せて、これもやはりこれさえ飲めば痩せますという広告を行っていたものです。こちらもやはり根拠がないとして違反になった事例です。

ちなみに、6キロも減ったと書いてありますけれども、これ、実際にこのタレントさんが6キロ減ったわけではなくて、広告を見ていくと、お友達が6キロ痩せたというのをこのように書いていると。それで、あたかもこのタレントさんが痩せたかのように広告がなされていたというものになります。

〔スライド8〕

次に、こちらは、プラチナナノコロイドというものを含むミネラルウオーターで、がんを予防しますとか老化を予防します、そういった広告を行っていたものです。先ほど梅垣先生のお話にもありましたけども、当然薬ではありませんので、そんな効果はなく、景品表示法違反として措置された事例になります。

〔スライド9〕

こちら、昨年の3月の違反事例になりますけれども、こちらはトクホの製品になります。当然トクホでも許可を受けた表示の内容を超えて広告をすれば違反となるんですが、それはまさにその許可を受けた内容を超えて広告を行っていたという事例です。

トクホはあくまでも健常人の方、健康な方を対象とした商品です。これは血圧に着目したものですけれども、対象者というのは血圧でいえば140より下の方が対象になります。この広告では薬に頼らず血圧を改善したいとか、驚きの血圧低下作用、こういった60代、70代、80代とか高齢者の方を対象に広告を行っていたものです。

大体この年代の方々というのは4割を超えて、もう140以上の高血圧の方々がいらっしゃるんですけれども、そういった方々にも、これを飲めばそういった高血圧症が改善するかのような誤認を与える広告を行っていたと。当然それによって、医師の治療や薬の投薬というのが本来必要な高血圧症ですから、そういった診療の機会を逸してしまう。あるいは、これを信じて薬を飲むのをやめてしまったり医者に行くのをやめてしまったりなんてことがあってはならないわけなので、そういったことを誘引するような広告になっているのはけしからんということで、消費者庁から健康増進法違反と問われた事例になります。

やはりトクホといえども薬ではありませんので、病気を予防したり改善したりというのは当然ないということを改めて強調させていただきたいと思います。

〔スライド10

最後になりますけれども、健康食品を選ぶ際の3つポイントをお話しして終わりにしたいと思います。

1つ目は、健康食品はあくまでも食品なので、病気の治療や予防といった薬のような効果を期待してはいけないということです。もし、先ほど広告がありましたけども、これさえ飲めば病気が治るとか予防できますといった健康食品があるのであれば、まずは疑ってかかっていただくということですね。それが1つ目です。

次にどうすればいいかということですけれども、その食品にどのような成分が入っているかということを確認して、必ず公的機関の信頼できる情報源、ここで本日パンフレットをおつけしていますけれども、こういった公的機関がいろんな食品の健康成分で第三者的な立場で評価をしたデータを公表しています。ですので、そういったところで安全性や有効性についての情報を確認するようにしてください。

そこで1つポイントになるのが、ヒトを対象とした試験でしっかりとした確認が行われているかどうか、その効果についてもしくは安全性についてということですね。動物の実験だけとか試験管でこういう効果ですよというのでは足りないということを先ほど梅垣先生もお話しされていましたが、そこが1つのポイントになります。

最後の3つ目ですけれども、病気の治療を受けている方やいわゆる薬を飲んでいらっしゃる方というのは、もし健康食品を使いたいと思うのであれば、必ず医師や薬剤師、そういった専門家の方々にご相談をしてから使うようにしてください。中には、今は便利な世界ですから、インターネットで調べて、そういったもので確認をされるという方もいらっしゃるかもしれないんですが、インターネット、必ずしも正確な情報が載っているわけではなくて、不確かな情報というのも当然散見されています。そういった意味では、必ず専門家の方にご相談をしてから使うということをお勧めしたいと思います。

〔スライド11

最後になりますけども、やはり健康食品というのはあくまでも補助的なものと据え置いていただいて、食生活や生活習慣を見直して皆様に元気な毎日を送っていただければと思います。

私からのお願いも含めて、以上になります。ありがとうございました。

 

司会(消費者庁・藤田)

ありがとうございました。

具体的な事例などを見せていただいて、こんなのはよく見て、ちょっと買いたくなるななんて思っていたようなのもあったりして、大変ためになったと思います。

ここで10分間の休憩とさせていただきます。場面を転換しますので、しばらくお待ちください。再開は2時35分からといたします。

ちなみに、資料の中にアンケートが2種類入っております。最初のものは全体版なんですけれども、この「健康食品を利用する前に」の後ろに入っていたアンケートですが、これは、先ほどお話しいただいた梅垣先生のところで作っているものでして、その改善に関するアンケートですので、もしよろしければ、この時間を利用してこちらのほうのアンケートを書いていただければと思います。全体版はまた最後に書いていただければと思います。皆様のご意見を反映してよりよいリーフレットとさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、休憩に入りますので、よろしくお願いいたします。

 

(休憩)


4.パネルディスカッション 

司会(消費者庁・藤田)

では、時間となりましたので、プログラムを再開いたします。

ここからは、パネルディスカッション及び会場の皆様との意見交換会となります。ちょっとステージが狭くて、皆さん、名前が読めないと思いますけれども、議事次第のところにコーディネーター、パネリスト、質疑応答者の名前が書いてございます。向かって左から順に並んでおりますので、そのようにお考えいただければと思います。

では、ここからの進行は、徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床薬学実務教育学分野教授の川添和義先生にお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。

川添氏(徳島大学大学院)

それでは、皆様、こんにちは。本日コーディネーターを務めさせていただきます徳島大学大学院の川添と申します。本日は、パネリストの皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

本日は、健康食品というテーマでリスクコミュニケーションを徳島で開催するということで、健康食品に非常に関心の高い皆様にお集まりいただいております。今日は専門家の先生並びに関係の方々に集まっていただきまして、健康食品について皆さんと一緒に考えていきたいと考えています。我々消費者が多様で豊かに消費生活を送る上で、みずからのライフスタイル、健康状態に合わせまして健康食品をどのようにとって、どのように付き合っていくのがいいのかということ、これらについて、また今日は考える機会にしていただきたいと思っている次第でございます。このパネルディスカッション、最初はパネリスト同士でお話をさせていただきます。その後、会場の皆様のほうからお時間の許す限りご質問をお受けしたいと思いますので、まず初め、パネリストのほうから紹介をさせていただきたいと思います。

まず、私、自己紹介をさせていただきます。今ご紹介いただきました徳島大学大学院の川添と申します。薬学部のほうで教鞭をとっておりまして、私自身も薬剤師でございます。現在は薬学教育のほうに当たっておりますが、専門が天然物とか生薬学とかそういった漢方とかの専門ですので、こういう健康食品とかの相談とかをお受けすることはよくあります。いろんな相談を受けている中で私自身が感じるところ、非常に徳島県の皆さんの健康食品に対する関心は高い方が多いです。薬草を使っているとか、こういうのを飲んでいます、これ、どうですかというお話をしていただくんですけども、どうもいざ健康食品、サプリメントになりますと、薬との区別、これをしっかりされている方はかなり少ないです。実を言いますと、先ほどの講演でもありましたように、薬ではありませんとはっきりおっしゃっていただきましたが、どこまでそれが理解されているかというのは、我々専門の薬剤師から見ても、甚だ疑問なところがたくさんあるわけですね。これはやはりこの境界線が曖昧だというところで問題があるのかもしれません。そういったあたり、今日も専門家の先生を含めましてお話をさせていただいて、皆様に理解していただこうかなと考える次第です。

それでは、次、ここからご参加いただきますパネリストの皆様の自己紹介をしていただきたいと思います。その場で結構ですので、お一人ずつ順番にお願いいたします。

それでは、最初、菱田さんのほうからお願いします。

菱田氏(国民生活センター)

皆さん、こんにちは。国民生活センター商品テスト部から参りました菱田と申します。よろしくお願いいたします。

国民生活センターってどういうところなんだろうということを、あまりご存じでない方も多いかと思うんですけれども、時々報道発表とかしますと新聞に載ったり、テレビに出たりということがございます。商品ですとかさまざまなサービスに関して、消費者の方から各地消費生活センターで相談を受けておりまして、そのデータが私どものほうに集まってまいりまして、それを解析等して情報提供するということをしております。例えば最近、こんな契約や商品のトラブルが多いといった情報が集まってきますので、そういった情報を元に、皆様へお伝えしたり、注意喚起をしたり、ということをしている機関でございます。

情報が入ってくるツールとしましては、PIO-NETというデータベースがございまして、そちらに入ってくるんですけども、年間90万件から100万件程度の情報が入ってきます。その中には健康食品に関しましても入ってきまして、最近の傾向を見てみますと、健康被害、健康食品を摂って何らかの身体的な影響といいますか、悪い影響があったということが2014年度に600件程度、2015年度が900件程度と若干増えているんですけども、2016年度については12月ぐらいまでの統計なんですけれども、1,300件程度ということで、かなり増えている状況でございます。

それで、中身を見てみますと、多いのが、やはりもともと多いんですけれども、便通改善ですとか痩身、いわゆるダイエット、そういったものに関するものが多く、あと、最近では美肌、美白とか、先ほどの梅垣先生のお話にもありましたけれども、酵素食品というものに関しての相談が多いという傾向が見られます。被害を受けた方の年齢なんですけれども、以前は60代から80代と比較的ご高齢な方の相談が多かったんですけれども、最近は30代から60代前後の方というのが結構多く入ってきています。だんだん若年層にシフトしているという傾向がございます。性別で見てみますと、8割程度が女性となっています。

症状で見てみますと、やはりこれはずっと多いんですけども、例えば下痢とか嘔吐といった消化器系統の、「消化器障害」と呼んでいるんですけれども、こちらのご相談といいますか、そういった危害が多いということがございます。それに次いで皮膚障害、例えばかゆみが出たとか湿疹が出たとか、そういったことが多くなっております。そのほかは、例えば目まいですとか、頭痛ですとか、だるくなったとか、気分が悪くなった、こういった「その他の傷病」、こういったものが多くなっております。

部位に関しましては、先ほど消化器障害というのがありましたので多いんですけれども、腹部、その次が、かゆいとか湿疹ということもありましたように全身に出る症状というのが多いです。それで、治療期間、医師にかかった期間を見てみますと、ほぼ半数が医師にかかっていないということで、飲むのを止めて、ほぼすぐ治っているというのが多くなっております。1週間未満医師にかかったというのが1割程度あり、酷い方というか、死亡にまで至ってしまうケースもありますので、お気をつけいただきたいと思います。

こういったものの原因となっている健康食品をどのように購入されたかということですが、ネットとかテレビの通販、そういったものが多いということで、こういったもので、かなり多く、そのような事故といいますか、危害が起こっているという傾向がございます。

私からは以上でございます。

兼子氏(大塚製薬株式会社)

皆様、こんにちは。大塚製薬生産本部品質管理部より参りました兼子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

大塚製薬は、病気の方の治療のための医薬品と、健康な方がより健康になっていただく健康を増進するための食品の製造を行っております。本日は、私ども、医薬品の製造のルールを社内で適用いたしました食品の品質管理といった点を実行しながら、皆様に安心できる食品を届けております。製造の立場から品質として情報を共有させていただいて、一緒にディスカッションさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

三谷氏(三谷薬局)

皆様、こんにちは。徳島市内で薬局をさせていただいております三谷薬局の三谷和子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

薬局といえば、最近、処方箋を扱う調剤薬局のイメージのほうが強くなりまして、昔ながらの一般販売ですとか健康食品などを扱って販売をやっている部門が少なくなっている薬局さんが多くなっている中で、ずっとそこにこだわり続けて、販売業のほうも併用しながら営業をさせていただいております。ですので、昔でいうよろず屋のような、町の皆様の何かご相談がありましたら窓口として相談を受けさせていただけるという形で存在させていただけたらありがたいなという毎日です。

最近健康寿命を延ばす重要性が増してきている中で、ご自身の健康はやはりご自身で守らなければいけないというところが多くなってきているのではないかと思いますが、その反面、たくさんの情報が飛び交う中、どれを選んでいけばいいのかということに迷っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃると思います。そういう意味で、私たち薬局、まちの薬局の薬剤師が皆様の体をトータルで見させていただいた中で何がどのように必要なのかという判断をご一緒に考えさせていただけることができればと思って、日々お仕事をさせていただいておりますので、今日も何かお役に立てるようなお話ができましたらと思ってこさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございました。

前半で基調講演いただきました梅垣先生にもご登壇いただいております。それから、本日、会場の皆様からのご質問の対応といたしまして、行政の担当者の方にもおいでいただいておりまして、先ほどお話しいただきました消費者庁の田中さんと、あと、ちょっと自己紹介をしていただきたいんですけど、よろしいでしょうか。

小野澤氏(厚生労働省)

皆様、こんにちは。厚生労働省から参りました小野澤と申します。

少し業務を一、二分ご紹介してもよろしいでしょうか。

川添氏(徳島大学)

はい。

小野澤氏(厚生労働省)

厚生労働省では、健康食品の安全性、いわゆる有効性にばかり皆さんの注目を浴びているですけれども、安全性をどのように確保したらいいかという取り組みを行っております。皆様の生活にやはり密着した業務としては、健康被害、皆様から情報収集、あとは、こういうものを召し上がるとこういう健康被害がありましたよという注意喚起、そういう取り組みが皆様の生活に一番密着しているのではないかなと思います。

具体的に健康被害の情報収集をするといったときに、幾つか我々は取り組みしておりますけれども、一番大きいのはやっぱり皆様からの生のお声というのが大事でございまして、健康食品を召し上がったときに何か具合が悪いなとか、湿疹が出たなとか、下痢が出たなと思ったとしても、なかなか皆様はお医者様とか保健所の方にご相談することはないのではないかと思いますけれども、先ほど梅垣先生の話もあったように、その健康被害が誰にでも起こり得るものなのか、行政として広く大きく注意喚起をするべきなのかと、そういう評価をするためには、やはり、皆様方が保健所やお医者様の方にご相談いただいて、その情報が正しく厚生労働省のほうへ上がってくるというのが一番重要なスキームになっています。

そのほかの情報収集としては、いろいろ縦割り行政というご批判はありますけれども、今日ご登壇いただいております消費者庁さんであったりとか、国民生活センターの皆様、あとは、医薬部門からの情報収集と共有していくということをここ近年強化しております。

情報を収集した後に、皆様に注意喚起という形でアラートを出す際には、やはり幾つかのスキームがありまして、先ほど先生からもお話があったように、やはり摂取の記録、どういう目的で摂取したのかとか、お医者様に相談して診断の経過があるような方は、どれぐらいの期間飲んだのかとか、どれぐらいの量飲んだのかと、そういう情報も非常に重要になります。そういう情報と、健康被害が複数日本全国で起きているのか、あとは、やはり医師や専門の方のご意見をいただきながら、行政として注意喚起を出すかというところの判断をさせていただいております。主な取り組みとしては以上となります。

今日はどうぞよろしくお願いいたします。

米倉氏(農林水産省)

皆様、こんにちは。農林水産省から参りました米倉と申します。

本日は食育担当という立場でこちらに来させていただきました。皆様、食育という言葉はご存じでしょうか。食育は、平成17年に食育基本法が成立して今年までで約11年がたっております。平成17年当時から大きなことは変わっておりませんが、本日こちらに一緒に出席しております消費者庁の皆様、厚生労働省、農林水産省もそうです。あと、今日この場にはおりませんが、文部科学省ですとか環境省、そういった多くの省庁が皆さん協力をして食育を進めていきましょうということで現在も運動を進めております。

食育に関しましては、さまざまな経験を通じて食に関する知識と食を選択する力、こういったものを習得して健全な食生活をいかに実践していけるか、こういう方たちを育てていく、そんな形で食育を取り組みましょうという話で現在も進めております。

私どもは、なかなか食育ということでこういう近い立場で意見交換会等参加させていただくことがなかったので、非常に楽しみにして参りました。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

山根氏(徳島県)

徳島県安全衛生課の山根でございます。我々安全衛生課につきましては、食品表示、食品衛生を担当している課でございます。

本日はこの先駆的な取り組みということで、消費者庁、今年7月ですか、オフィスが開設になるんですけど、それを踏まえた中で消費者庁さん、厚生労働省さん、それから、農林水産省さんと共催できまして、非常に私もうれしく思っているところでございます。今後ともよろしくお願いしたいと考えております。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。本日はこのようなメンバーで健康食品について考えてまいりたいと思います。

それでは、ここから今までお話しいただきました内容を踏まえまして、健康食品の上手な付き合い方ですね。どのように付き合ったらいいのかということについて、ポイントを絞ってこれからディスカッションをしていきたいと思います。

それで、まず、私たち健康食品というのは非常に耳なれた、また、しょっちゅう目にするものではあるんですけども、そういうものと付き合っていく前提といたしまして、消費者のほうがまず気をつけなければいけないこと、これについてちょっとディスカッションをしていきたいと考えております。冒頭、講演を聞いていただきましたけども、梅垣先生に、食生活は主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスをということにつきまして、もう一度ちょっと簡単にお話しいただければと思います。

梅垣氏(国立健康・栄養研究所)

先ほど早口でお話ししてわかりにくいところがあったかもしれませんが、基本的に食品というのはいろんなものを食べていろんな成分がとれるという非常に重要なところがあるんですね。その中で、健康食品はというと、大きく2つに別れるんです。1つは、錠剤・カプセルとか粉末のような形態のもの、もう1つは、今まで昔から食べてきた野菜とか果物とか通常の食形態のものです。

バランスをとるというのは、やはり普通の今まで食べてきたもの、いろんなものを食べるというのが一番安全で、過剰摂取の心配はありません。食品で一番重要なのは、安全性です。そのことを考えると、通常のものをなるべく食べるようにしていただきたい。そのほうが費用対効果がいいということです。

もし錠剤・カプセルのものを使うのであれば、必ず専門職の人に相談していただきたいと思います。そうすると、何か問題が起こるかというのが大体想定できます。そういう上手な使い方は、製品自体を理解して使うということだと考えています。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

健康食品の形というか、今お話しいただきましたように食品の形であるものと、いわゆる錠剤・カプセル、お薬に似たようなものですね。こういったものがあると。それによって使い方というんですかね。当然、人間ですので、薬の形をしていれば薬のような使い方をどうしてもしたくなる、過剰摂取につながる。そういうリスクをはらんでいますということでありました。

この食生活はということですので、ここは農林水産省の方からも一言コメントをいただければと思います。いかがでしょうか。

米倉氏(農林水産省)

食育という観点から食生活について国としてどう今まで見てきているかというところでございますが、食育にとっては大きな目的というものが、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成、こういったことを達成するために健全な食生活を実践していきたいと常に言っております。おそらく本日は前者の健康維持・増進というところのほうが主になってくるかと思われますけれども、その中で私たちは、メッセージ性を持ってお伝えしているのが「主食、主菜、副菜をとる」ということで、多くの省庁がそれぞれの目的の中で皆様に発信していることと思います。

例えば、皆様ご存じかどうかちょっとわからないんですが、「食育ガイド」というものであったり「食事バランスガイド」、あとは「日本型食生活」など、日本においてはこのような大きなメッセージ性のある指針であったり食べ方ということをいろいろなところでお伝えしております。おそらく皆様、近くに保健センターですとかそういったところで、こういう食べ方をするといいよと伝えられているかと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

食育というのは最近非常に耳にする言葉なんですけども、具体的には学校とかそういったところでの教育というのはどうなされているんでしょうか。

米倉氏(農林水産省)

学校におきましては、いろいろな省庁が取り組む中でも、やはり指導要領の中にしっかりと書き込まれているということから、平成17年よりも前からしっかり食教育がなされているところです。特に学校におきましては、学校の中で食に対する教育というのがなされているほか、多くの学校の中で学校給食が生きた教材として出されて、何をどんなふうに食べていけばいいのかということが、情報だけではなく、実際に学校給食を食べる、また、食べ続けるということから実体験ができるようになっております。

川添氏(徳島大学大学院)

食品という観点からこの健康食品を見たときにどういう問題点があるかということなんですが、やはり私たちは食生活というのが中心になっているということで、それをサポートしてくれる形というのが健康食品のスタンスだと。ここら辺は、多分、皆様方もうお使いいただいているので何となくわかっているようでわかってないところもあるかもしれませんが、もしできたらですけども、三谷さんにちょっとお伺いしたいんですけども、販売される側として、こういう健康食品を売るときに、こういった食品であるということをきちんと消費者側にお伝えするというスタンスというのはあるんでしょうか。それとも、やはり売る側としてはどういう形で売っておられるのかなというのは、ちょっと知りたいところではあるんですけど。

三谷氏(三谷薬局)

意外と、医療を受けられて、それであんまり満足ができてない方が店頭にお越しになられて、何か医療で得られなかったミラクルのようなものを健康食品に求められるという感じの方がわりと多いようです。ですので、魔法のようなことはないですよということをまずしっかり理解していただいた上で、先ほどから出ていますように、やはりバランスのとれた食事であったりとか、十分な睡眠であったりとか、あと、適度な運動等を行った上でのプラスアルファの部分としてとっていただくというところのご説明は十分にさせていただいているつもりですが。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

食品ではあるんですけども、今お話がありましたように、何か病気であった方が治らないからといってとるということもあるということですが、そのあたり、厚生労働省の側として少し何かご意見あったらいただきたいんですけど。

小野澤氏(厚生労働省)

使う際の注意点については梅垣先生や田中さんからご説明したと思いますけれども、今日お渡しした資料の中に「健康食品の正しい利用法」というのを皆様にお配りさせていただきました。こちらは消費者向けのパンフレットになっておりますけれども、今日お話しした内容が比較的わかりやすく書いております。

例えば1枚おめくりいただきますと、選択編、選ぶ前にというところで、本当に必要かどうか考えてみましょうというところであるとか、あとは、気をつけたい表示内容、これは消費者庁からのご説明があったものもあります。特に使用編のところが今日のテーマになっていると思いますが、目次の目録を見るだけでも大体のポイントが書いてあります。薬のような使い方はしないでとか、薬と併用しない、もしくはお医者様に相談しましょうとか、たくさん製品を同時に摂取しないとか。あとは、意外と皆さん、お薬はお医者様の言ったとおりにその用量とか量を守って飲まれますが、健康食品の場合は、本当は適切な食べ方が書いてあるのですが、なかなか皆さんそれを読んでいただけないところがあるので、もしどうしても健康食品をとられるのであれば、普段からそういった摂取の方法のメモを取っていただいて、ここにもあるとおり、異常が生じたら速やかに中止をしてお医者様や保健所に行ってくださいという記載があります。行政側から出しているパンフレットになりますけれども、なかなかご自宅にお戻りになってこれをお読みになる方はないかと思うんですが、この目次の中に大体の行政側からのメッセージは入れさせていただいているかなと思います。よろしくお願いいたします。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

今日、先ほど梅垣先生の講演にありましたとおり、いわゆる健康食品というのは生活習慣を是正していくものであると。そのために一番のポイントになるのは食品の摂取、きちんと食べ物をとるということ、これが中心になるんだというお話でしたけども、厚生労働省の立場としましてもそういうことで進められているということがご理解いただけたと思います。

私のほうから、少しこの件に関しまして気がつくことって幾つかあるんですけども、私も学生の面倒を見ている立場ですので、学生さんって非常にサプリメントが大好きなんですね。何やかんやでサプリもとっているんですけども、最近の学生さん、亜鉛のサプリをよくとっている。亜鉛って、何でそんなものをとるんですかと聞くんですけども、体にいいからとか言っているんですが、ただ、売られているサプリメント、非常に含有量が多いんですね。おそらく十何ミリか5ミリぐらい入っているようなものだと思うんですけども、1粒か2粒飲んで1日オーケーみたいなことで、学生さん、毎日飲んでいるんですが、それ、あんた、もし食べ物でとろうと思ったらどれくらい食べたらいいと思ってますのと聞いても、それは知らないんですね。亜鉛の入っているものなんてわからない。

前ちょっと換算をしてみたんです。煮干し、亜鉛が多いですね。あれで換算すると、1日200グラムとらないといけない。そんな食べますか、毎日と言うんですけども、やはり何かほかのことを期待して使っているところがあるのかもしれませんが、そのリスクですね。やはりそういうところで食生活のバランスが崩れてしまったりするというのはかえってよろしくないということで、注意喚起を時々はするんですけども、やはりこういった機会でぜひ知っていただくということが大事かなと思います。普通に食べると大丈夫と。サプリメントになるととり過ぎるということはよくあることだと思っております。この食育に関しまして、ほか、パネリストの先生のほうからは何かお話等ございましたら。よろしいでしょうか。

それでは、ちょっと次のお話に移っていきたいと思います。次は、健康食品、先ほどの講演にもありましたけども、誰が何をどのように使う、これが非常に大事だというお話でした。健康食品を一体何に対して使うのか。先ほど私、亜鉛の話をしましたが、これも学生さんは何に期待しているのかよくわからないんですね。これ、こういうとり方は果たしていいのかです。決していいわけじゃない。じゃ、どうすればよろしいのでしょうかということですね。

サプリメントというのはいろんな会社がいろんなところでつくって供給しているわけですけども、その品質とかそういうことに関しては、先ほどお話ありましたが、非常に問題のあるところもある。ただ、何か目的がはっきりしていれば、使い方というのもはっきりするのではないかと思いますけども、そのあたり、どういうことに期待をしてサプリメント、健康食品、これを使っていけばよろしいのかということですね。

これ、まず、製造する立場として、どういう場面で期待しているのを想定しているのかとか、そのあたりについて、少し大塚の兼子さんからお話しいただければと思います。

兼子氏(大塚製薬株式会社)

大塚製薬での製造におきましては、主に医薬品と食品という2つの分野なんですね。病気の方は医薬品を、健康な方が増進のために使うものを食品と考えております。ですので、食品の中には本当に食べ物のようなクッキーみたいなものから、先ほどご紹介のありました機能性表示食品もございます。まずは、やはり私どもも、大豆が嫌いな方は大豆を食べやすくする食品という形で大豆のバーであるとか、また、食品の繊維をとりたい方には麦をたくさんとっていただくための麦の入った食品という形で食品を提供するのが私たちの使命と考えております。

ただ、そういった形でもとりづらい、もしくは日常の食事に少しプラスアルファをしたいというときに使っていただくのがサプリメントかなと私たちは考えて、提供させていただいております。

私どもの提供しているサプリメントは、本国アメリカで製造されております。、アメリカは製造のルールが当局で決まっております。その高品質を保ったそのものを日本で確認して販売するという形をとっておりまして、医薬品、食品ともに同様に決められた社内のルールで管理するするというのが私どもの品質の管理でございます。

やはり皆様の食生活の中には、病気の方、それから、健康な方、生活を営んでいく上でたくさんの皆さんの体のコンディションがあると思います。でも、病気じゃない方、健康な方は健康増進という目的、その目的で使っていただくというのが私どもつくっているメーカーとしての本来の役割かなと思っております。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

今ちょっとお話が出ていましたけども、アメリカではサプリメントの製造に関しては非常に厳しい基準があるということでしたが、日本ではどうなんでしょうか。製造業者の方から見たサプリメント、今流通しているのがたくさんありますけども、品質とか、その製造に関する規定であるとか、そういったことに関しては、何かご意見とかありましたら教えていただければと思います。

兼子氏(大塚製薬株式会社)

製造業者としましては、一般的に考えますと必ず製造管理のルールは守ってつくるということが第一でございます。ルールというのは何かというと、表示されているものが表示されている分きちんと含まれているということ、それから、表示されていないものは含まれていないという、例えばアレルギー性の物質であるとか、そういったものは含まれていてはならないというという、そういった基本的なルールを守るわけですけれども、それが自社で決めたルールとなりますと、若干会社によって差が出るということもあるかと思います。

その中でも、やはりさまざまな外的機関の認証ですとか、それから、食品GMPといったものを認証機関でとっているメーカーさん、そういったものによって担保するという方法があるかと思いますが、食品に関しては自社基準による部分が大きいと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

先ほど田中さんのほうからお話しいただきましたけども、広告の違反であるとか、こういったことが実際に起こっているということですね。となりますと、やはりメーカー側のモラルというか、それが非常に問われるのではないかと思うのですが、そのあたりは、田中さんから何かご意見とかありましたらいただきたいと思います。

田中氏(消費者庁)

私、ああいった先ほど健康食品の広告、さまざまな取り締まりを行っているんですけども、正直、取り締まりが及んでいないで、インターネットを皆さん検索すれば、これ、本当かなと思うような広告がありふれているというのは実情かと思います。それは確かに私どもの取り締まりの手が追いついてないという部分があるというのは認めざるを得ないんですけども、なぜそういった事業者の方々がそういった広告をするかといえば、例えば薬とかトクホとか、ああいったのは厳しく広告も規定されているけども、いわゆる健康食品という世界は、例えば体験談を使って、そこに個人の感想ですとか、もしくは効果を保証するものではありませんということを書いておけば、それはあくまでも本当にその使った人がそう言っていたんだからうそを言っているわけではありませんという理屈をつけて、そういう広告をされている方が多くいらっしゃいます。

実際のところは、個人の感想ですとか効果を保証するものではありませんと書いたとしても、それを見た消費者の方々がそれを信じて買った場合には、私どもの法律でそれは規制する対象の広告となり得るというのが実情で、そういった規制のあり方をご存じないそういった事業者の方々がああいうさまざまな広告をインターネットとかいろんなところでやっているというのが実情になっています。まさにそういったことも厳しくやっていこうということで頑張ってはいるんですけども、なかなかなくならないというというのが実情かと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

医薬品と違って食品であるということで、言ってみりゃルーズな面があるといったところだと思います。ただ、今お話しいただきました大きなメーカーであるとかこういったところは、確かにこういったきちんとしたルールを守ってやっているところがほとんどだろうとは思いますけども、健康食品という意味でいいますと、徳島県だと特にそうなんですけど、たくさんの方がいろんな薬草であるとか、民間薬であるとか、そういったものを使っておられます。これはお薬として使っているのはいいんですけども、食品として実際にとられている方もおられるし、それを売っておられる方も多いのではないかなと思うわけですね。

この中にはもちろん売っておられる方、売ろうと考えられている方もおられると思いますけども、そういう上で注意をしないといけないとか、そういうことがあると思うんですけども、そのあたりはいかがでしょうか。田中さんと梅垣先生、ちょっとお話、それぞれいただきたいと思いますけども。

じゃ、梅垣先生。

梅垣氏(国立健康・栄養研究所)

売るときにやはり製造元の責任があると思うんです。何か起こったときには責任をとらなきゃいけないというのを前提にされないと、問題になると思います。私が過去に知っている事例で、健康被害を起こして、それは意図しない使い方をされたことが原因ですけれども、そこの会社は、多分なくなったと思います。そういう事態にもなるので、売る側も安全性がやはり一番重要なので、安全性をきっちり確保できている状況で売らなきゃいけない。全ての人に安全なものはない。例えばアレルギーを起こす事例があるかもしれないので、症状が出たらすぐにやめてくださいとか、体質に合わないときは一旦中止してください、というメッセージを出しながら商品を売らないといけない。問題が起こったときに摂取した人も困るし、売ったほうも困ると思うんです。そういう配慮が私は必要だと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

田中さんから何かありましたら。

田中氏(消費者庁)

実は景品表示法という法律の中には、ちょっと聞きなれない言葉なんですが、不実証広告規制、実証されていない不実と書くんですけども、不実証広告規制という規制がありまして、科学的に合理的な根拠がない効果・効能を表示したり広告をしたような場合は、それは違反として問われるわけですね。ですので、それが消費者庁に非常に強い権限があって、この健康食品はこういう効果がありますという広告を行っている場合には、じゃ、それについて根拠を出しなさいという形で消費者庁が求めると、15日以内にその証拠が提出されなければ、それだけで景品取引法違反になるという強い規制がありまして、先ほどのダイエットでこれさえ飲めば痩せるなんていうものも、そういった規制で、本当に寝ているだけで痩せるのであればその証拠を出しなさいということを消費者庁が命令したときに、そういったものが出てこない、根拠として出てこないという実情があります。ですので、実際にはそういう科学的根拠を持っていないにもかかわらず、ああやって体験談をもとに広告しているものが非常にあるという実情をまずご理解いただければと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

県内でも売られている方というのは、例えば道の駅とか小さなお店でこういうのにいいですよみたいなことをちょっと書いて売っているというケースがよく見られるわけですね。そういったケースは地方に行くとよくあるとは思うんですけども、そこら辺はどういう見解があるでしょうか。

田中氏(消費者庁)

厳密に言えば、ちゃんとその商品でその効果が確認されていなければ本来そういう表示をすべきではないというところがあります。よく根拠を出しなさいと言った際に、インターネットにこう書いてありましたという話をする事業者もいるんですが、それは根拠になりませんということで指導を行ったりしています。

川添氏(徳島大学大学院)

ということですので、もし売られている方がおられましたら、ぜひお気をつけいただければと思います。こういったところって、やっぱり何げなく道の駅とかで置いてみたりとか、農産市で置いてみたりとかいうのがありますよね。こういったことがどこまで根拠があるかと問われたときにどういう答えをするのか。また、被害があったときにどうすればいいかということですね。また後で被害についてはお話をしますけども、正しく使っていただくための誤解を与えないような方法で売るということは非常に大事かなと思います。

それで、今少しアレルギーの話が出ておりました。アレルギーというのは我々薬を扱う人間にとっても非常にいろいろ悩むところではあるんですけども、特に食品関係のアレルギーというのは問題になるかと思います。そのあたりは薬の場合はいろいろ厚労省のほうで出しているわけです。厚労省としてはこういう食品に関するものは出されているんでしょうか。

小野澤氏(厚生労働省)

健康食品のアレルギーに関してということですが健康食品に限定したそういうフォーカスではなくて、食品全般に対してアレルギーというものはありますので、消費者庁さんの表示に関してもありますし、もしアレルギーに関する食中毒や健康被害等があれば、健康食品も食品も同じような規制の中に入ってくるかとは思います。

川添氏(徳島大学大学院)

これはとる側の問題もあるんですけども、やはり気をつけていただきたいというところがあるかとは思います。それで、このあたりは徳島県として何か指導されているかどうかというのをちょっと山根さんから少しお話しいただければと思います。

山根氏(徳島県)

まさしく徳島県でもそのあたり、課題であるということで、実は平成27年に食品表示の適正化等に関する条例を策定しまして、サプリメント等栄養補助食品の製造事業者に対しても届け出制ということで、食品衛生法に基づく許可業者、例えば飲食店とかいろんな製造業者さん、それ以外の農産物加工業者、そういうものに対しても全て届け出制度で、要するに行政の網にかけたわけです。その中にそれぞれの事業者の方に食品表示責任者を置きまして、事業者責任でしっかりとやっていただきたいということ、そういう取り組みを実は徳島県はやっているところでございます。

川添氏(徳島大学大学院)

きちんと行政としても取り組みをしているということでありますが、実際はやはり売られる側のモラル等々が問われるところではあるかと思いますので、ぜひともそのあたり、注意していただければと思います。

ただ、徳島県としては非常に自然の多い県なので、いろんな食品素材を売ることができる、これは1つの大きな自慢になるわけなんですけども、これがひいては地域の振興につながるということになれば、あまり規制されるというのもつらいということではあるわけですね。

そのあたりについて、農水省のほうでちょっとお伺いしたいのは、こういった地域で食品として扱っているものを健康食品として売るという形ですね。こういうのが将来は多分そういう地域振興につながっていくんじゃないかなと思うんですけども、そういったあたりというのはどうなんですかね。推進する立場なのか、ちょっとどう農水省としてはお考えですか。

米倉氏(農林水産省)

申しわけありません。食育という立場ではそういったことを取り扱っておりません。ただ、農林水産省としては、6次産業化だとか、幾つかそういった部署もございます。ちょっと私どもはそちらの領域ではないので、この情報については、十分なお答えができません。申しわけありません。

川添氏(徳島大学大学院)

例えば徳島県でも6次産業を進めているものが幾つかあるんですけども、例えば食品としていろんな種類のもの、具体例を挙げますと、キクイモであるとかああいったものも何かの効能・効果があるのではないかという形で研究をしたりとか、道の駅で売ったりとかしているわけですね。これがひいては農産物の振興にもつながるという形で皆さんされているところなんですけども、そのあたり、農水省としては直接そういうあれはないということですね、関与というのは。

米倉氏(農林水産省)

本来であれば、農林水産省として、食料産業局など振興する立場の局がやっていますが、私どもは本日食育という立場で、消費者の安全という観点からどう農林水産省で業務を進めていきましょうかという観点で参りました。間違ったことを言ってしまうと皆様を混乱させてしまいますので、そのあたりは必要に応じて、情報提供等させていただきたいと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

わかりました。ちょっと見方を変えまして、どう使ったらいいかというのを、今度、薬局さんの話を三谷さんから、お勧めする場面であるとか、どういうときにどういう人にという具体例がもしありましたら、ご紹介いただければと思います。

三谷氏(三谷薬局)

実際にあった例とかでよろしいですか。60歳代の男性の方で心臓にステントを入れられていたんですが、検診で糖尿の気があるよということで初めて言われまして、それで、病院さんのほうからお薬をいただいてはいたんですが、この方、海外出張等もありまして、非常にお忙しい毎日の中で食事をきちんと自分で管理ができないという状況がありまして、ただ、日々の生活とかお仕事にできるだけ変えずにスタイルを保ちながら何かお薬以外で自分の食事のスタイルを改善するものはないかということでご相談においでました。

ただ、この方はそれまでにいろいろ健康食品は確かに試されていまして、よくよく聞くと、病院でもらっていたお薬で実は非常におなかが張ってガスがたまって非常に不快な思いをして困っていたんだと。そのお薬を一旦やめられたという状況の中で、選択されている健康食品自体がそれにもよく似た作用で、糖分の吸収をちょっとカットするというものを飲まれていまして、それを先ほど田中さんおっしゃってらしたみたいに、飲まれた方の経験談だとかそういうものをお読みになって、これだというのでいろいろ変えてこられていたんですけど、結局同じようなものをずっと選択されていたので、おなかの不快感のようなものはやっぱりあって満足できないというところで、私どものほうからは、糖分のカットではなくて、それの消費をさせてエネルギーに変えるというタイプのものを少しご提案させていただきまして、ただ、今回はお薬も飲まれています。ですので、ドクターともご相談をしながら約2カ月続けていただきまして、少しずつ数値の改善ができたというところで、実際の糖尿病に関する治療は、当然お医者様のほうとご相談しながらのお薬も併用されながら、健康食品も食事をとるという面でのバランスをとる中で必要なものをということで、ちょうどいい例としてうまくいった感じで、治療を今も続けられながら、いい感じで数値が下がってきているというお話をいただいております。

川添氏(徳島大学大学院)

なるほどね。有効であったということですね。

今お話ありましたように、私も薬剤師という立場からお話をさせていただきますと、やはり健康食品と薬との相互作用の関係というのがよくわかってないところが実際に多いんです。もし使われることがありましたら、お薬を飲まれている方はぜひその主治医の先生に必ずご相談いただくということを私のほうはいつも申しておりまして、病院の中でも、病棟の入院されている方でも健康食品をとられている方はもちろんおられるんですけども、やはり相談をしてください。そうでないと、意外な数値が上がってきましたと、何でかわからないって、健康食品でしたということがこれまでに何回もありました。ですので、薬を飲まれている方、治療中の方はぜひ気をつけていただくということでよろしくおりますね。

それで、次に、健康被害について少しお話を進めていきたいと思います。健康食品による健康被害、これまでも幾つかお話が出てまいりましたけども、どのような情報を私たちは知ればいいのかということです。どういうところを注意しながら選べばいいのかとか、もし不安とか異常があったときにどうすればいいのかということ、このあたり、国民生活センターの菱田さんからお話しいただければと思います。

菱田氏(国民生活センター)

最近、PIO-NETに入ってきた事例で気になった事例がございまして、それは、何かの疾病でお医者さんにかかられて、薬を飲んでいらっしゃる方がいらっしゃいまして、それで、ある健康食品がさらに自分の健康増進とか、症状の緩和にいいんじゃないかということで、摂ってみようということになったようなんですけれども、そこで、これは摂っていいものだろうかというのをお医者さんとかに聞けばよかったんですけども、健康食品の事業者さんに聞いて、返ってきた答えが「食品だから大丈夫です。」と言われたと。それで、摂ったら危害に遭ってしまったという事例がございました。そういうときは、薬剤師さん、医師、サプリメントのアドバイザーの方がいらっしゃいますので、是非そういった方、できれば複数の方にご相談いただいたほうが良いのではないかと思っております。

あと、よく「ダイエット」、いわゆる痩せるということで、かなり危害が多いんですけども、実際は、例えば消化不良を起こす、下痢を起こす、それで消化を阻害して痩せるという、かなり不健全なやり方のものがあります。それを何だかすごくいいとか、痩せるという、目をとられてしまう部分が広告には出ていますので。決して、下痢して痩せますなんて言って売れるものではないですから、そういった裏側といいますか、どうして痩せるのかということをよくよく考えてみると、そういったこともありますので、気をつけていただきたいと思います。

先ほどGMPといった、製造のほうでちゃんとつくられているんだということもあるんですけれども、これには若干の問題がありまして、製品として品質のばらつきがない、均質なものができるということの保証であって、決して安全かどうかというところに直結するものではない場合もありますので、その辺のところは知識として知っておいていただいて、気をつけていただきたいと思います。

これは決してGMPが良くないということではなくて、選ぶのであればGMPで製造されたものほうがより良いということではあるんですけれども、決してGMPでつくられていれば安全なものだということではないと。個人差というものもありますので、その成分が、その方に合わないということもありますので、異常を感じたら、できるだけ早い時期に止めるなり、医師の判断を仰ぐといったことをしていただいたほうが良いかと思います。

先ほどPIO-NETの事例でもお話をさせていただいたんですけども、危害が女性に多いということがございます。私どもで、カラーコンタクトレンズですとか、まつげエクステンションについて公表したことがあるんですけれども、これらは女性の方の危害が多いんですけれども、女性は、美しくありたいとか、若くありたいという願望が非常に強い方が多いのか、健康でありたいということよりも優先させてしまうということもあるようですので、まず健康であるということの上で、さらに美しくあるためにどうしたら良いのかということでお考えいただくというか、冷静になっていただくと言ったら変なんですけども。どうしても美しくありたいという気持ちの方が強くなってしまって、広告を見て、不都合なことが注意書きとしてあっても、これは軽いんじゃないかとか、勝手に判断してしまったりすることもあるようですので、是非とも多角的に情報収集していただいた上で、ご判断していただくとよろしいんじゃないかと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

やはり健康であるということ、それと、それをさらに高めるということですね。そのために使っていく。ベースは、健康であることがやはりベースだということであります。

今少し製造者のお話も出てまいりましたが、ちょっと兼子さんのほうにお伺いしたいのは、つくる側ですね。やはりいろいろな消費者側からの声が来ると思いますけども、どんな声が来てどういう対応をされているのかという、もし具体例があったら簡単で結構なんですけども、教えていただけますか。

兼子氏(大塚製薬株式会社)

私どものほうには、製造部門ですので、例えば容器のふたがあきにくいですとか、製造に関連する内容となりますが、会社全体で考えますと、安全にかかわることと、それと、もう1つは、使用するための使い勝手にかかわることという大きく2種類に分類できます。

安全にかかわることというのは、やはり病気の方が病気の薬を飲みながら何かをより健康になるであろうと思って摂取されることによる不安であったり、それから、たくさんとったほうがいいであろうというご自身でのご判断などの質問もございます。やはり私ども、製造、つくる上での品質としては、表示どおりきちんと健康な方が飲んでいただくということを前提につくっておりますので、守っていただけるのが、私たちつくっている側としては、その商品をより活用いただけるのではないかと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

こういった健康被害、これを起こさないためにも、こういった正しい知識を知っていただく必要がある。こういった機会があれば皆さんにお知らせする機会もあるわけなんですけども、今後、行政とかが正しい知識をどう伝えればいいのかということに関して、再度少し梅垣先生からお話しいただければと思います。

梅垣氏(国立健康・栄養研究所)

私のところに消費者の方から電話があるんです。消費者の方は効くか効かないか、安全か危険かという、両極端で判断される。けれども、どんなものでも誰がどうやって使うかによっていい場合もあるし悪い場合もある。その細かなところをやはり伝えようとするとなかなか難しい。我々の研究所のホームページには、ちょっと細かく書いてあるんです。誰が、何をとって、どうなったかという具体的な内容です。そういう安全性のところは、見ていただいて、もしわかりにくければ、近くの、例えば医師、薬剤師、管理栄養士とか、保健師とか、そういう保健医療の知識がある人にぜひ聞いていただきたいと思います。

ひどい話ですが、多分売っている方があまり知識がない方だと思うんですけれども、効果がないと利用者が言ったら、10倍飲んだら効果がありますよというアドバイスをして売る方もいらっしゃる。そういう人は多分保健医療の知識がないと思うんです。ですから、聞くとき、アドバイスを求める時は、ちゃんとした国家資格がある人のほうが私はいいと思います。もし何か問題が起こったときには責任をとらなきゃいけないですから、そういう意味で国家資格がある人に聞いていただくというのが良いと思います。

天然、自然は皆さん安全だと思われていますけれども、これは間違いです。天然の毒素って結構いっぱいあります。その点を知っていただきたい。もう1つは、作用があるということは都合が悪いことが起こり得るということ。作用がないというのは何もないから安全。作用があるということは、何らかの望まない作用が起こり得るということを知ってほしいと思います。

じゃあ、何が起こるかというのを知りたいということで、買うときには、何か都合が悪いことが起こるんですか、ということを事業者に質問していただくのもいいと思います。それで、まともに答えられないところからは、買わないほうがいいと思います。それが情報提供のところの重要なところだと考えています。


5.会場との意見交換

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございました。

正しい情報を正しいところから聞く、得るということが非常に大事だということがおわかりいただけたと思います。

それで、ここからは会場の皆様方からのご質問等をお受けしたいと思います。皆様から事前にご質問をお受けしているわけですけども、これも今日席上で配付をさせていただいていると思います。ここに書いてある内容であっても、先ほどディスカッションを今までしておりますけども、この内容でありましても結構でございますので、ご質問のある方は手を挙げていただければと思うわけなんですけども、私のほうで指名をさせていただきますので、係の人がマイクを持っていきますのでね。そしたらお話をいただければと思います。

ただ、先ほど案内にもありましたけども、本日ご参加いただけなかった方を含めて広く情報提供させていただくということを目的に、今回の講演内容と意見交換の内容、この様子は議事録として関係省庁のホームページに後日公開をいたします。議事録にご所属、お名前を掲載させていただくことに不都合がある方は、その旨、最初ちょっと言っていただければと思います。

また、できるだけ多くの方にご意見いただくためにも、ご発言は要点をまとめて短くお願いしたいと思います。もしほかの質問者がおられる場合は、お一人様1回の質問ということにさせていただいて、終わりましたらまたご質問をお受けしたいと思います。

もしご質問ある方は、今手を挙げていただければと思います。いかがでしょうか。どなたかございませんか。どんな内容でも結構です。今、質問内容が入っていますよね。これを踏まえてでも結構ですし、前で十分お話しできなかった内容でも結構ですし、ちょっと聞きたいなということがありましたら。

どうぞ。ちょっとマイクを持っていきますので、お待ちくださいね。

質問者A

私は本年76歳でございます。そういうことで、ここ20年余り病気したことがございません。医者にも内的な病気にはかかったこともございません。そのためには、どういう生きざまをしていたら、食生活を変えていったらいいかということで、自分なりに判断して今食事をしております。

その1つの中で、ある資料で、今日、梅垣先生がおいでております研究所のほうで梅を、梅の汁をエキスにして、それを私、毎日いただいております。それが果たしてどれだけの効果になっておるかと。

それと、もう1つは、これは製造工程のほうで違法かもわかりませんが、メーカーのヨーグルト菌を生かしていただいて、それを我が牧場でつくった牛乳にまぜて温度を上げてヨーグルトをつくって、毎日腹いっぱい食べております。

この2つで果たして健康につながっておるのか、この点についてご説明いただけたらありがたいと思っております。よろしくお願いします。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

梅を徳島県の方、とられている方がわりとおられるんですね。梅エキスであるとか、梅の産地でもありますので、梅関係が多いんですけども。ヨーグルトの話も含めまして、もし梅垣先生から何かありましたら、コメントをいただければと思います。

梅垣氏(国立健康・栄養研究所)

何を誰がとるかによって、いい場合もあるし、悪い場合もあるということを私は言いました。今おっしゃったのは、多分ご自身に合っているんだと思います。ですから、それはそのまま続けられ、ただし、メモをとっていただくのがよい。例えば薬を飲んでいるとか、体調がちょっとすぐれないときは一旦それをやめていただいたほうがいいと思います。健康食品とかそういうものの影響はやめたらすぐ改善します。安心して利用するためにも、メモ、簡単なメモですね。いっぱいかかなくてもいいから、今日は調子いいとか、そういうメモだけでいい。それでご自身には合っているかどうかがわかります。

お願いしたいのは、自分がいいから、あなたにもどうぞ、というのが困るんですね。というのは、勧めたられた人が例えばアレルギーを起こしたとか、その人に合わない場合というのは結構あるんですね。だから、そのときは安易に勧めないようにしていただきたいと思います。自分はいいけど、ひょっとしたらという風に伝えてほしいです。あまりにも強く勧められると、皆さんそれを信じて実践します。そこだけ注意していただきたいと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

ご自分に合っているというのは非常に大事なポイントでありまして、合っていれば、続けると健康増進につながると。ただ、合わない人に無理やり勧めてしまうと、これはちょっとつらい。これ、お薬の事例でもたまにあるんですけど、私の飲んでいるお薬、いいんだ、あなたも飲んでみという方がたまにおられます。あれ、非常に困ります。絶対にやめていただければと思います。食品の場合ですが、そこまでというのはないかもしれませんけども、やはり合わない人というのは必ずいると思います。

今のお話で何かほかにありますか。いかがですか。よろしいですか。合っているということなので、お使いいただければと思います。ぜひこれからも長生きをしていただければと思います。

それでは、ほかに何か。

じゃ、前の方。

質問者B

森本薬局の森本といいます。今日はわかりやすくありがとうございます。

それで、健康食品っていったら、説明でもあったように、本当ピンキリがあると思うんですね。薬もコンビニで置かれるような時代になってきましたので、もっと薬剤師とか、私、薬剤師なんですけど、薬剤師とか、勉強した薬の専門家にどんどんと相談してほしいということのアピールをしてもらえたらいいと思うんですね。

トクホの胡麻麦茶ですか、ああいうのは、血圧の高い人が飲んだら血圧がよくなるよみたいなイメージの広告であるとか、インターネットの過激なものとかいっぱいあると思うんですね。だから、本当、三谷先生とか、町の生き残った地域密着型の健康相談薬局にどんどんと相談に来るようにしてくれたらいいなと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

先ほどちょっとパネルの中でお話をさせていただきましたけども、どういう形で消費者の皆さんに伝えていくかと、非常に大事なところであります。このあたりについて、ちょっと菱田さんと田中さんから一言ずつお願いできればと思います。

菱田氏(国民生活センター)

かなり問題と思われるのが、PIO-NETの情報を見てみますと、医者にかかっているんだけれども、健康食品を摂っていることをかかりつけ医に相談していないとか、そういった自己判断で摂取されている方もいらっしゃいますので、是非とも薬局で迷われている方がいらっしゃったら、薬局の方からお声をかけていただく、そういうところから始めていただくと、また少し変わってくるかなということもあります。どうしたらいいかというのはなかなか難しいんですけれども、消費者の心理といいますか、どうしてもやはり自分のことや、やっていることは秘匿しておきたいとか、逆に、これが良かったから、という人もいますが、なかなかそういうことをご相談されるというか、ちょっと何かあったときに周りにそういうことが気軽に聞ける方がいらっしゃらないか、どうかはわからないんですけども、隠してしまうといったこともあります。また、こんなことが起こってしまったというのも消費生活センターとか、保健所のほうに情報提供していただいて。吸い上げられたものから一般の人にも知っておいていただいたほうが良いこともあるかなと思っています。

田中氏(消費者庁)

私からのお願いとしましては、先ほど申し上げましたように、私ども、確かに取り締まりを頑張っているんですが、先ほどお話があったように、そういう過激な広告というのはどうしてもやはり世の中にあるというのは実情です。

そういった過激な広告に誘引されないようにしていただきたいというのはあるんですが、もう一方で、私ども、取り締まるだけではなくて、皆さんにやはり正しい情報をお伝えして、皆さんが事業者が言っていることだけではなくて第三者の方が言っていることも理解をしながら選択をしていただけるようにするということも、取り締まりとあわせて両輪で必要だと思っています。

ちょっと先ほど私がお話ししたこの資料の一番後ろについている資料、お手元にあったらごらんいただきたいんですけれども、「健康食品に関する信頼できる情報源の提供について」という資料をつけさせていただいております。実はこれ、運営自体が梅垣先生のところにお願いしているもので、私や厚生労働省が予算を出して何をやっているかと申しますと、健康食品で使われているさまざまな素材について、いわゆる専門家の方々、事業者と利害関係のない専門家の方々に純粋に今現在で得られている科学的情報を精査していただいて、その成分が果たして本当にどうなのかというところを情報としてまとめていただいています。

ここでポイントなのが、載っている情報が、まず一般の方向けの情報と、いわゆる薬剤師さんとか医師の方であるとかアドバイザリースタッフの方であるとか、そういった専門家の方の使っていただく情報と2つ切り分けて掲載をしています。ですので、消費者の方からすれば、そこを見ると、これは人に対して確からしい、効くというちゃんとした証拠は今のところ得られていませんよということがちゃんと書いてあります。一方で、薬の飲み合わせとか科学的知見で何かわかっていることがあれば、そういった情報を載せるようになっています。

ですので、こういったことを活用していただきながら、ですので、私どもも取り締まりも頑張りますけれども、消費者の皆さんにもこういう情報をちょっと勉強していただいて、事業者の言いなりになるのではなくて、みずから選択できる知識も少し身につけていただければと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

この件に関しまして、いろいろ行政のほうで取り組んでいるということであります。

もし徳島県のほうで何かありましたら。山根さんは何かございませんか。

山根氏(徳島県)

まさしくこれ、健康食品等に対する皆さん方の評価能力の向上ということで、それと同時に説明責任の部分もございます。そういう中で、私ども、先ほど言いましたように事業者がみずからしっかりと情報発信すべきと。こういう、例えば皆さん方消費者の方々と行政のつながり、一方で、消費者と事業者とのつながり、これが重要であると徳島県としては考えることで、この事業者の方々がしっかりと発信していただくと。要するに事業者の方がリスコミを行っていくと、こういうところを今年から動かしているところでございます。このハウツーについて、ぜひとも我々としてもしっかりと発信していきたいと考えています。

川添氏(徳島大学大学院)

消費者庁も徳島ということで、これから消費者に向けた行政ということをしっかりと徳島県にもお願いしたいというところであります。

よろしいでしょうか。ほかに。

じゃ、後ろのほうで手を挙げている方、どうぞ。

質問者C

大変有意義な勉強会だと私は今日初めて知りました。この資料といいますか、健康食品の表示の見方、4ページ。これ、非常によくできたといいますか、逆に私たち一般の消費者にとってみたら、消費者も多分1から10というようなレベルといいますか、人間あらゆるところでそういうことがあるわけですけど。

川添氏(徳島大学大学院)

マイクを口元に持っていっていただけますか。済みません。

質問者C

どうもこういう表示は、一般の人がなかなか、記憶に残るといいますかね、非常に。これは現在のこういう表示の見方になっておると。一見すばらしいように思うんですよ。しかし、先ほど前段に言ったように、我々は単なる素人なんですよ、はっきり言って。プロと違うんですよ。関心の度合いも能力も、みんなそれぞれの環境によって皆違うわけ。こういうことが定着するには大変なことなんです、これね、こういう認識というか理解は。とういうことで、ぱっとひらめいたのが、もう少しポイントだけをつかまえたシンプルなランクづけといいますかね、ABCランクでないけども、この一番下の表示も含めて、もう少し一般の消費者がわかりやすいなという表示がいかがですかというふうに、ぱっとこういうふうに感じたんです。ご意見、あくまで意見です、それに対して。

以上でございます。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。貴重なご意見いただきました。

田中さんのほうから少し何かコメントをいただければと思うんですけど。

田中氏(消費者庁)

ありがとうございます。ご指摘のとおり、パッケージ、表示、非常に小さいですね。実は、ポイント数、これの文字よりも大きくしなさいという決まりはあるんですけれども、実際にはやはりいろんな消費者の方から、この情報も欲しい、あの情報も欲しいという要望があるので、そういうのを義務づけていくと、どうしても小さくなってしまう。一方で、おっしゃるとおり、この小さい文字を一生懸命読めるのかというと、なかなか難しい部分もあると思います。

今日お話しする結論としては、やはり何かよさそうなものがあるなと思って、なかなか自分では判断できないなとお感じになったら、まさに身近にいる薬局の方でもいいですし、ふだん自分が行っている病院の先生でもいいと思うんですけども、そういった専門家の方に、これ、どうかねというのを一言聞く習慣をつけていただければと思います。

表示を見やすくしなければいけないというのは消費者庁の大命題ですので、今後また引き続き考えていきたいと思っています。

川添氏(徳島大学大学院)

私も今のご質問の方と全く意見は同じでして、こんなに見にくい表示をどうしてつけるんだろうというのはかねがね思っておりました。私自身が買うときに、特にご高齢の方にとって、あんな小さい字、見えんだろう、こんなものという字で書かれていますよね。それをもって書かれていると後で言われても、そんなん知らんわということになってしまいます。やっぱりそこら辺は行政の責任だと私も思っております。今後どこか改善されていくであろうとは考えております。請うご期待であります。

ほかによろしいでしょうか。何かございますか。まだ少しお時間ありますけども、いかがでしょうか。

ちょっと先ほど梅垣先生のお話にもありましたけども、機能性表示食品というものがおととしから出てまいりまして、これに関してはちょっと誤解がかなりされているという、今日お話しいただきましたから、きちっとおわかりいただいていると思いますけども、今までのトクホと何が違うんだろうとか、そう思っておられた方は多いと思います。あそこはたしかインターネットで調べれば根拠が出てくるようになっていると伺っているんですけども、ちょっとその点のあたり、もう少しお話しいただければと。

梅垣氏(国立健康・栄養研究所)

機能性表示食品は、事業者の責任で表示をしてもいいというものですけれども、どういう根拠で表示をしているかという内容を消費者庁に届け出て、それを公開するようになっています。消費者庁のホームページにどういう製品がどういう根拠で、というのは書いてあるんです。けれども、実は私が見ても非常にわかりにくいと思っています。消費者の方には、いろんな方がいらっしゃる。薬剤師とか医師とかそういう専門職の人に、わからなかったら相談していただくというのがいいと思っています。

一般的に健康食品の表示でも、使うときに病気の人は医師にご相談くださいと書いてあります。私の知っている医師は、こんな無責任な表示なんかないと言われていました。それは聞かれたって資料がない状況だからです。現状はまさにそうなんです。機能性表示食品の場合は、インターネットで公開されている情報を専門職が見れば、どういう根拠で表示をしているか、それから、安全性の面でどういう問題があるかというのが一応はわかります。機能性表示食品は、ほかのいわゆる健康食品よりはましだと考えていただいて、ぜひ専門職を介して細かな情報を聞くようにしていただきたいと思っています。表示とかはなかなか読みにくいし、理解し難いです。そこのところを専門職の方に聞いていただければ、専門職とコミュニケーションができます。そうすると、医薬品との飲み合わせで問題になる事例というのも今後わかってくるようになると思っています。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。専門職に聞くという、非常に大事なことですね。

これから薬局、私も薬剤師と言いましたけども、かかりつけ薬局というのもできておりますし、健康サポート薬局というのもこれから広がってまいります。薬局はいろんなことを対応できるようなスタンスで皆様方の健康を守るという立場になるわけです。ですので、それも積極的に利用していただくということが非常に大事かなと思います。

いよいよ終了時間は近づいてまいりましたけども、最後にお一人だけでもご意見、ご質問お受けしたいと思いますけども、よろしいでしょうか。何かございませんか。今日のお話も含めて、何か今までわからなかったことでもいいです。疑問に思ったことでも結構です。何かありましたら、どうぞ手を挙げていただければと思います。いかがですか。

多分、日ごろ健康食品、今日は関心のある方が多いと思いますので、いろいろ疑問に思っておられる方、なかなかこういう場ではお話ししにくいなという方もおられるかもしれません。先ほど何回も出てきておりますけども、インターネットとかで正しい情報をたくさん発信しております。こういったサイト、今日はいっぱいご紹介しておりますので、それを見ていただくというのが非常に大事なことです。

もしわからないときは、本当に自分だけで何とかしようとせずに、いろんな方に相談をする。特に医療者ですね。我々みたいな薬剤師、医師、そういった人たちに相談をしてみてから自分でまた考えるという形で検討して使っていただくということになろうかと思います。

そろそろ、じゃ、時間になりましたので、最後に梅垣先生と私からまとめ、一言お伝えしたいと思います。

まず、梅垣先生から少しまとめていただければと思います。

梅垣氏(国立健康・栄養研究所)

あちこちでバランスのいい食事とか言われています。よくこう会場に来ると、じゃあ、バランスのいいってどういうことなんですか、という質問を受けるんです。そこで私がお答えしているのは、いろんなものを食べるというのがバランスがいいということで、特定のものだけを食べるというわけじゃない、と答えています。

いろんな食品の研究がされています。今のところわからない未知のいい成分がいろんな食品に入っている可能性もあります。今までいろんなものを食べてきたので、これがいいというそれだけ食べるんじゃなくて、いろんなものを食べてほしいというのがまず1点です。それが基礎編です。

健康食品の中の錠剤・カプセルの製品は応用編として使うべきだと考えてもらった方がいいと思います。基礎ができていない人が応用をすぐやるというのはやっぱりうまくできない。あくまでも健康食品は応用編です。

ではどういう製品があるかということです。特に錠剤・カプセルはどうやって使うか、どうやって安全に使うかということを調べ、本当に自分に合うものであれば、とにかく利用のメモをとったほうがいいです。健康食品は実は健康な人はとらない。体調がすぐれない方がとってみようかなと思われます。そこでとにかくメモをとっていけば、本当に合うものはそのまま使えるし、合わないものはそこですぐやめるという判断もできます。そういう賢い使い方というんですか、安全な使い方をしていただきたいと思います。

川添氏(徳島大学大学院)

ありがとうございます。

最後ですけども、私のほうからですね。いつも私、講演とかさせていただいて健康の話をさせていただくときに、健康というのは病気であることとは違うんだというお話をいつもさせていただいています。皆さん病気になったら病気になったなと思うかもしれませんけども、実は病気になるまでの間、健康状態はどんどん悪くなっていっているわけですね。ある意味、突然何か病気になったようですけども、そうではないんですね。健康状態というのは常に変わっていると。いいときもあれば悪いときもある。ちょっと下がってきたなと思ったときに、じゃ、薬を飲むんですか。それは薬ではないですね。そのときに利用できるのが健康食品なのではないかなと私はちょっと思っております。もちろんそれをとるだけではなくて、とったらそれで終わりではなくて、日ごろの生活を見直すんですね。生活習慣を見直す。いつもこんな食べ物の食べ方、お酒の飲み方、こういったところから見直していくということがやはり健康を守る第一歩であると私はいつもお話をさせていただきます。

今日は健康食品のお話で、実際に物としてとるものではありますけども、それだけに頼るわけではなくて、ご自身の健康はご自身でいろんな方面からサポートしていただくということが最終的にはすばらしい健康を勝ち取るという秘訣ではないかと私は思っています。

それでは、長時間にわたってありがとうございました。以上をもちまして、パネルディスカッション、意見交換を終わらせていただきます。会場の皆さん、パネリストの皆さんは、どうも今日は活発なご意見、ご討論、ありがとうございました。

それでは、司会にお返しいたします。


6.閉会

司会(消費者庁・藤田)

どうも熱心なご討議、ありがとうございました。

私自身、自己責任で買っている健康食品について、医師とか薬剤師に相談したらいかんのではないかと実は思っていたんですけれども、そんなことはないんだなと分かりました。今度から臆せずちょっと聞いてみたいと思います。

本日、会場の皆様の中で時間の都合上ご発言いただかなかった方、いらっしゃいましたら大変申しわけございませんでした。最後にアンケート等に書いていただければ、こちらで読みますので、よろしくお願いいたします。

それでは、最後に主催者を代表いたしまして、徳島県危機管理部県民くらし安全局局長の石本寛子様より閉会のご挨拶をいただきたいと思います。では、石本局長、よろしくお願いいたします。

石本氏(徳島県)

ただ今ご紹介いただきました徳島県の県民くらし安全局の石本でございます。閉会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

本日は、「食品に関するリスクコミュニケーション~健康食品との付き合い方を考える~」を開催いたしましたところ、このように多数の皆様に最後まで熱心にご参加をいただきまして、まことにありがとうございました。

また、ご講演をいただきました梅垣先生をはじめ、コーディネーターの労をとっていただきました川添先生、本日ご登壇いただきました皆様方におかれましては、貴重なお話、ご意見をいただき、大変有意義な会となりましたことに対しまして心から御礼を申し上げます。

健康食品につきましては、昨今、消費者の皆様方の関心が非常に高まっているところでございますが、本日は、その安全性や有効性、表示の見方や上手な付き合い方につきまして、フロアの皆様からのご意見をいただきながら幅広く意見交換を行うことができました。こうした食品に関するリスクコミュニケーションの取り組みにつきましては、本県でも積極的に推進しているところでございますが、ご存じのように7月には県庁10階に消費者庁の消費者行政新未来創造オフィスが開設されますことから、今後より一層消費者庁をはじめ各省庁と連携を図りながら、消費者、事業者、行政との相互理解を深めてまいりたいと考えております。

結びになりますが、本日のリスクコミュニケーションを通じまして皆様の食品への理解が進みますこと、さらに、このことが本県をはじめ全国における消費者行政のさらなる推進と発展につながりますことを祈念いたしまして、閉会のご挨拶とさせていただきます。

本日は本当にありがとうございました。

司会(消費者庁・藤田)

ありがとうございました。

以上をもちまして、本日のプログラムを終了とさせていただきます。本日の議論を踏まえ、皆様が健康食品とよりよいお付き合いができることを願っております。

また、いただきましたご意見とご質問等は、議事録として関係省庁の担当者で共有をいたしまして、今後の施策の企画立案の際の参考とさせていただきます。本当に円滑な進行にご協力いただきまして、ありがとうございました。

アンケート、我々が次のリスコミとかその他施策を考えるときに皆様のアンケートが大変参考になります。貴重なものですので、皆さん書いていただいたものを各府省の担当者に回しましてみんなが読みます。なので、言い足りなかったこと、聞きたかったこと、今後のその他行政に関するご意見など、何でも結構ですので、アンケートにご記入の上、回収箱に入れていっていただければと思います。

それでは、しばらく時間をとって書いていただいても結構ですので、これで終わりたいと思います。本当にありがとうございました。

お問合せ先

消費・安全局消費者行政・食育課
 担当者:リスクコミュニケーション推進班
 代表:03-3502-8111