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農林水産省

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第56回コーデックス連絡協議会

 議事概要

厚生労働省と農林水産省は、平成26年3月12日(水曜日)に、「第56回 コーデックス連絡協議会」を霞ヶ関中央合同庁舎5号館専用第18 - 20会議室において開催しました。主な質疑応答事項及び意見は以下のとおりです。 

1.経緯


(1) 厚生労働省及び農林水産省は、コーデックス委員会の活動及び同委員会での我が国の活動状況を、消費者をはじめとする関係者に対して情報提供するとともに、検討議題に関する意見交換を行うためコーデックス連絡協議会を開催しています。
(2) 今回は、本年2月に開催されたスパイス・料理用ハーブ部会及び魚類・水産製品部会の報告、本年3月以降に開催される食品汚染物質部会、食品添加物部会、一般原則部会及び残留農薬部会の主な検討議題の説明、前回の連絡協議会で委員から質問のあった必須栄養素の製造についての国際基準について説明を行い、意見交換を行いました。 

2.質疑応答及び意見交換の主な内容


(1) 第1回スパイス・料理用ハーブ部会


議題4「スパイス・料理用ハーブ部会における作業管理の枠組み」の(4)について、グルーピングとは何か、またグルーピングを行う意味は何かとの質問がありました。これについて、グルーピングとは部位ごと(例えば果実、葉など)にグループ分けするとの提案であり、具体的な分類については今後議論されること、グルーピングを行うことで今後の作業効率が向上するとの考えにより提案されている旨回答しました。また、スパイスとハーブの違いについて質問がありました。これについて、部会内で特段この議論は行われていない旨回答しました。


同じく議題4の(2)について、一回の部会で議論する規格数を最大4品目とした理由について質問がありました。これについて、事前に範囲を限定し、効率的に作業を進めるとの趣旨である旨回答しました。

議題6「新規作業提案」について、単品のスパイス及びハーブが対象となっているが、複数の原料がミックスされているものについても作業範囲に含まれるのかについて質問がありました。これについて、今回の部会では議論されなかったが、今後議論される可能性がある旨回答しました。


議題6について、スパイス及びハーブの数及び全部のスパイス及びハーブについて今後議論を行う予定なのか、また全体の枠組みについての質問がありました。これについて、スパイスは350~500種、ハーブは1万以上の種類が存在するという情報があること及び今回提案されたものは、加盟国からの提案があったものである旨回答しました。また、コーデックスの手続きマニュアルに含まれている作業の優先度設定のためのクライテリアに基づき考えることになっているため、すべての種類について作業を行うのではなく、貿易量や消費者の保護等を考慮した上で検討する優先度に沿って作業を行う旨回答しました。

本部会について、日本は輸入国であることを念頭に置いて、適切な規格を策定することが重要との意見を頂きました。

(2) 第33回魚類・水産製品部会


議題3「生及び活二枚貝の規格におけるバイオトキシンの参照法及び確認法の性能基準原案」について、サキシトキシンの分析法はどのようなものか質問がありました。これについて、規格で基準値が定められているため、基準値への適合を確認する、定量的な分析法である旨回答しました。

議題5「急速冷凍ホタテ貝柱の規格原案」の表示について、日本の方針及び加水の際に添加される物質は具体的に何か質問がありました。これについて、正確な情報が提供されるよう、加水された商品については表示されるべきとの考えである旨回答しました。また、添加される物質については、保水を目的とした食品添加物としてポリリン酸があり、最大濃度についても規格がある旨回答しました。

 
(3) 第8回食品汚染物質部会


仮議題4「その他の国際機関からの関心事項」について、IAEA(国際原子力機関)からの報告については情報収集だけでなく、日本からも現状について情報発信を行うべきとの意見を頂きました。


仮議題6「コメ(玄米及び精米)中のヒ素の最大基準値(ML)原案」について、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)に暴露評価を依頼した場合、JECFAの評価が終了するまでステップ8 に進めないこととなり、MLの最終採択までに非常に時間がかかるのではとの質問がありました。これについて、現在ステップ4であるため、例えば今次部会でステップ5に進めることに合意され、来年2月頃のJECFAで評価が行われれば、最短で来年の総会で最終採択することも可能であると考えられること、また、今次部会においてこの評価の必要性も含めて議論される予定である旨回答しました。 

同じく仮議題6に関連して、コメ中のヒ素の低減については、主食でもあり日本の実態に合った形で是非積極的に進めて欲しい旨要望がありました。これについて、国内対策の重要性については認識しており、土壌、玄米等について大規模な調査を行い、それらの結果に基づいて必要な対策を行う予定である旨回答しました。 

同じく仮議題6について、玄米と精米で異なるML原案が提案されているが、玄米が高いのはヒ素が表皮部分に局在するからなのかとの質問がありました。これについて、玄米の表皮は濃度が高く、精米を行うことで数値が下がること、従って、玄米及び精米それぞれのヒ素の濃度分布データに基づき、ML原案が提案されている旨回答しました。 

仮議題13「コメのヒ素汚染の防止及び低減に関する実施規範の作成に関する討議文書」について、工場排水などの汚染源対策についても検討すべきであることと、生産段階での具体的対策について質問がありました。これらについて、汚染源対策については討議文書内でも実行可能な対策の一つとして議論されていること、生産段階での具体的対策については、例えば水の管理が重要である旨回答しました。 

同じく仮議題13について、作物吸着などによる低減技術の開発は進んでいるのか質問がありました。これについて、農林水産省では、作物浄化に限らず様々な低減技術の開発を研究プロジェクトで実施しているところであり、技術が確立されれば、国際的な規範に反映できるところについては情報提供していきたい旨回答しました。 

仮議題15「穀類中のアフラトキシンに関する討議文書」について、国内でも消費者から問い合わせがあるためコメ中のアフラトキシンの発生原因については関心があり、情報があれば提供して欲しい旨要望がありました。

仮議題16「魚類及び捕食性魚類のメチル水銀のガイドライン値の見直しに関する討議文書」の摂食指導について、具体的な注意喚起等の方法についても検討に含まれるのか質問がありました。これについて、作業部会では具体的な方法までは議論されなかったものの、摂食指導のようなガイドライン値以外のリスク管理措置の必要性については、今次部会で改めて議論される予定である旨回答しました。


(4) 第46回食品添加物部会


前回、様々な食品に添加される必須栄養素の製造に関する国際的な規格や基準の有無について質問がありました。これについて、コーデックスでは食品添加物に分類されないため国際規格はないが、国内で流通される製品には食品衛生法に基づく規格が適用される旨回答しました。 

仮議題5(f) 「食品分類8.0「家禽肉及び猟鳥獣肉を含む食肉及び食肉製品」におけるナイシン(INS 234)の食品添加物条項の提案」について、ナイシンの使用範囲の拡大については慎重に対応してもらいたいとの意見がありました。

仮議題5(g) 「選択された甘味料の食品添加物条項への注釈161の使用に関する討議文書」の甘味料について、環境への影響等の問題点について議論をおこなって欲しい旨意見がありました。 

(5) 第28回一般原則部会


仮議題3「各部会におけるリスクアナリシス文書の再検討」について、コーデックスの役割はリスク管理で、JECFA等の専門家会合はリスク評価という認識でよいか、また各部会において様式をつくるということを意味するのかという質問がありました。これについて、コーデックスは各部会において、JECFA等の専門家会合で出された評価を元に基準や文書等について策定する旨回答しました。また、この議題では各部会で策定された文書について様式や内容について統一性をCCGPでレビューすることになっている旨回答しました。

仮議題5「経済的影響に関するステートメントに関する問題」及び6「一般原則部会の付託事項の修正案」について、経済的な問題が前面に出て、食品の安全性が損なわれることのないように規格を策定すべきとの意見がありました。

同じく仮議題5及び6について、規格設定を行う段階で、どのように経済的影響を考慮するのか教えて欲しい旨質問がありました。これについては、コーデックスの目的としては食品の安全の確保と公正な貿易の確保があり、各規格が議論される際に貿易への影響について議論がおこなわれていること及び経済的影響については各部会で議論されるものであり、特段CCGPで話し合うべきでないとの考えで対応する予定である旨回答しました。 

仮議題7「コーデックスと国際獣疫事務局(OIE)の協調」について、OIEとコーデックスは規格策定の手順が異なっており、透明性の確保などコーデックスの方が進んでいる面が多いため、OIEをコーデックスに近づけるように進めていくべきである旨意見がありました。 

仮議題11「コーデックスの作業管理」について、2002年の評価書の実施状況を見直すのか、それとも前回同様にコーデックスそのものについて再度評価を行うのかについて質問がありました。これについては、今回の部会において、予算なども考慮の上、具体的な方法や範囲も含めて議論される旨回答しました。 

仮議題11について、新たにコーデックスについてレビューする場合、各規格が策定された後、社会一般に与える影響についても項目にいれるべき旨意見がありました。

(6) 第46回残留農薬部会

仮議題6(a)「食品又は飼料中の農薬最大残留基準値(MRL)案及び原案」について、ネオニコチノイド系農薬の使用が拡大しているが、浸透性があるため、これまでの農薬とは違った慎重な評価が必要である旨意見がありました。これについて、ネオニコチノイド系に限らず、農薬の浸透性が作物への残留に与える影響は、作物残留データに反映されているため、既に考慮されている旨回答しました。 

仮議題9「CCPRが適用するリスクアナリシスの原則の改訂」について、当初データを提出した農薬メーカーが存在しなくなった場合、どのようにデータを確保するのか質問がありました。これについて、当初農薬を開発したメーカーが他のメーカーに権利を譲渡する際に、関連データも含めて移管している場合があること、また、作物残留データについては政府等が主体となって作成することがある旨回答しました。 

仮議題12「その他の事項及び今後の作業:かんきつ類に対するグループMRLのきんかんへの適用可能性に関する討議文書(※議題番号は未定)」について、どのような観点から検討が行われているか質問がありました。これについて、きんかん以外のかんきつは、皮を除いた果肉中の農薬の残留データを用いて摂取量評価を行うが、きんかんは皮ごと食するため、皮を含む果実全体の残留のデータを用いて摂取量評価を行い、健康影響を判断することが重要であるという方向で議論が進んでいる旨回答しました。

資料1 議事次第

資料2 委員名簿

資料3 会場配置図

(最近検討された議題について)
資料4第1回 スパイス・料理用ハーブ部会

資料5 第33回 魚類・水産製品部会

(今後検討される議題について)

資料6 第8回 食品汚染物質部会

資料7 第46回 食品添加物部会

資料8第28回 一般原則部会

資料9第46回 残留農薬部会

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課国際基準室

代表:03-3502-8111(内線4471)
ダイヤルイン:03-3502-8732

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