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農林水産省

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第67回コーデックス連絡協議会

資料・議事概要

  ・ 資料(PDF:1,928KB)

  ・ 議事概要(PDF:302KB)

 

   消費者庁、厚生労働省及び農林水産省は、平成28年1月29日(金曜日)に、「第67回 コーデックス連絡協議会」を大手町サンスカイルームにおいて開催しました。主な質疑応答事項及び意見は以下のとおりです。

 

1.経緯

(1) 消費者庁、厚生労働省及び農林水産省は、コーデックス委員会の活動及び同委員会での我が国の活動状況を、消費者をはじめとする関係者に対して情報提供するとともに、検討議題に関する意見交換を行うためコーデックス連絡協議会を開催しています。

(2) 今回は、平成27年10月に開催された第34回魚類・水産製品部会、11月に開催された第47回食品衛生部会、第37回栄養・特殊用途食品部会の報告を行い、平成28年2月に開催される第22回食品輸出入検査・認証制度部会、第37回分析・サンプリング法部会、平成28年3月に開催される第48回食品添加物部会の主な検討議題について説明し、意見交換を行いました。

 

2.質疑応答及び意見交換の主な内容

(1) 第34回魚類・水産製品部会

・議題4「急速冷凍ホタテの実施規範原案」について、日本が関心のあった日帰り操業の際の温度管理に関する規定について、どのような理由で不要と判断したのか質問がありました。これについて、日本が提案したのは、日帰り操業は収穫から陸揚げまでの時間が短いことから、温度管理をしなくても鮮度が保てるので、特段の温度管理に関する規定は不要であるとこれまで主張してきた旨回答しました。

・議題7「窒素係数に関する討議文書」に関連し、急速冷凍フィッシュスティックの含量の分析に窒素係数を使うのか質問がありました。これについて、製品中の魚の含有割合を知るには、魚由来のタンパク質の割合を指標とできることから、窒素係数を用いる分析法について分析・サンプリング法部会の承認を求めている旨回答しました。

・議題9「ヒスタミンに関する討議文書」について、日本はヒスタミンの基準値や実施規範がなく、国内対策が遅れているのではないか質問がありました。これについて、ヒスタミンは加工原料や生産現場ですでに生成が始まっていることもあり、厚生労働省だけでの対策は難しく、農林水産省、水産庁と一連した対策が必要である旨回答しました。

・同じく、議題9について、ヒスタミンはどのような基準値の見直しが提案されていたのか質問がありました。これについて、現行のガイドラインでは、200 mg/kgを超えてはならないことになっており、200 mg/kgから100 mg/kgに下げても問題ないか、基準値の見直しが行われていたが、アフリカ諸国のように気温が高い国では温度管理が難しく、100 mg/kgに下げると貿易上不利になることから、現行の基準値で良いのではという意見が多く、結局、基準値は現行どおりということになった旨回答しました。

・同じく、議題9について、ヒスタミンは味噌などの発酵食品でもアレルギーを発症する原因となることがあり、国内の基準値がないので、ガイドラインなどで対応してほしいというご意見がありました。これについて、味噌などの発酵食品でも、確かにヒスタミンが高い値で検出されるが喫食量は魚よりもずっと低いので魚に対する対策の優先順位のほうが高い。また、アレルギーの発症は個人差によるものが大きい上、ヒスタミンの分布はロット間のばらつきが大きく、膨大なサンプリング量となり現実的でないことから、規格基準の設定が難しい。まずは、温度管理の徹底等のガイドラインを作り、事業者に徹底してもらうなど早急に対応していきたい旨回答しました。さらに、消費者への呼びかけについて、厚生労働省では、腸炎ビブリオなどの微生物の管理だけでなくヒスタミンについても広く周知していきたい旨、農林水産省では、消費者を含む様々な関係者への情報提供として、食品安全に関するリスクプロファイルを作成してホームページで公開している旨回答しました。

 

(2) 第47回食品衛生部会

・議題5「食品媒介寄生虫の管理を行うための食品衛生の一般原則の適用に関するガイドライン原案」について、寄生虫の範囲は定義されているのか質問がありました。これについて、FAO/WHO専門家会合の報告書でリスクが高いと判断されたもので、現在24種類の寄生虫が含まれている旨回答しました。

・議題9「その他の事項及び今後の作業」について、食品衛生の一般原則(CAC/RCP 1-1969)及びHACCPに関する付属文書の改正作業のスケジュールを教えてほしいという質問がありました。これについて、現在示されている今後の作業スケジュール案によると、2019年に予備採択、2021年に最終採択とされているが、議論の進み具合にもよる旨回答しました。

・同じく、議題9について、ベロ毒素産生大腸菌(VTEC)/志賀毒素産生大腸菌 (STEC)の議論の優先順位が遅れている理由について質問がありました。これについて、食品事業者等の努力により一定の対策が進んできたという側面はあると思うが、依然として重要な問題であることに変わりはないので、日本としてもFAO/WHOが実施するリスク評価に積極的に貢献していきたい旨、回答しました。

 

(3) 第37回栄養・特殊用途食品部会

・議題4「コーデックス栄養表示ガイドラインにおける表示を目的とした栄養参照量の追加/改訂原案」について、年長乳幼児(生後6~12ヶ月)、年少幼児(生後12~36ヶ月)の必要量に基づく栄養参照量(NRV-R)の必要性について議論がまとまらなかったようだが、日本としてどのように考えているか質問がありました。これについて、NRV-Rは表示、強調表示の基準となるが、このような年代に基準を設定する必要はあまりないと思われる旨回答しました。

・同じく、議題4について、電子作業部会の議長国が決まらなかったが、各国はこの議題に関心がなかったのか質問がありました。これについて、どの国もこの議題の落としどころが見えておらず、そのため、どの国も議長国に立候補しなかったと思われる旨回答しました。

・同じく、議題4について、フッ素はNRV-Rを設定しないが、虫歯防止の作用があるので推奨される一方で、健康影響への懸念もあるので、情報共有はなされているのか質問がありました。これについて、歯に塗布するものとして効果を発揮することは知られているが、食品として摂取することでの効果については、国内には知見がないので、国内の食事摂取基準も設定していない旨回答しました。

・議題5「フォローアップフォーミュラのコーデックス規格(CODEX STAN 156-1987)の見直し」について、年少幼児(生後12~36ヶ月)の規格については今後どのように進めて行くのか質問がありました。これについて、次回の部会で議論する予定である旨回答しました。

・同じく、議題5について、たんぱく質についてはコンセンサスが得られなかったとあるが、具体的にどんな議論があったのか質問がありました。これについて、物理的作業部会において、最小値と最大値ともに、当初示されていた数値案より小さい数値を設定すべきとの意見や、たんぱく質の量を減らすことは炭水化物や脂質の量を増やすことにつながるので、バランスを考えると問題が出るのではないかという意見が出され、本会議でも、結局議論が収束しなかった旨回答しました。

・同じく、議題5について、乳児・幼児用ミルクに使用される大豆たんぱく質の窒素換算係数として5.71が適切かどうか分析・サンプリング法部会(CCMAS)に照会することとなったとあるが、国内での乳製品などで用いられる6.25、6.38という係数については何か議論がされたのか質問がありました。これについて、特に議論はされていない旨回答しました。

・議題6「Biofortificationに関する定義原案」について、Biofortificationに遺伝子組み換え作物も対象とするかどうかについて、国内ではどのような整備をしているのか質問がありました。これについて、今後関係機関と検討したい旨回答しました。

・議題9「トランス脂肪酸フリー強調表示の討議文書」について、天然由来のトランス脂肪酸だけが対象なのか、あるいは水素添加のトランス脂肪酸も対象なのか質問がありました。これについて、現在の技術では天然由来と加工によるものかの区別ができないので両方が対象であり、測定方法について検討している旨回答しました。

・議題10「食品添加物リスト(CODEX STAN 72-1981)の改訂原案」について、リン酸塩でどのような議論がなされているのか質問がありました。これについて、CODEX STAN 72-1981中の食品添加物リストにリン酸塩を載せるかどうかの議論があった旨回答しました。

・同じく、議題10について、カラギーナンはどのような議論があったのか質問がありました。これについて、いくつかの国で、FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議(JECFA)に評価を依頼する添加物リスト(ウィッシュリスト)に含めるかどうかの議論があり、リストに含めるべきとの意見がある一方で、食品添加物部会(CCFA)ですでに承認されているのでリストに載せる必要はないという意見もあり、結果、リストからは削除することとなった旨回答しました。

 

(4) 第22回食品輸出入検査・認証制度部会

・議題4「食品の輸出入を支持する国間の情報交換(質問票を含む)のための原則及び/又はガイドライン原案」について、TPP合意を受けて今後輸入量が増えることも想定されると思われるので、本ガイドラインが、輸入国である日本として輸出国と適切な情報交換を行うためのガイドラインとなることを望むとのご意見がありました。

・同じく、議題4について、そもそも情報交換の目的が何かという質問がありました。これに対して、消費者の保護や公正な国際貿易確保のために情報交換が必要となる様々なケースがあり、例として新規輸入開始時に製品が日本の基準を満たしているかどうかの質問票のやりとり等を含む旨回答しました。

・議題6「食品安全の緊急事態における情報交換に関する原則及びガイドライン(CAC/GL19-1995)の改訂原案」について、既存のFAO/WHOのガイダンスがあるので、それを活用した方が良いとのご意見がありました。これについて、いただいたご意見を踏まえて対応したい旨回答しました。

 

(5) 第37回分析・サンプリング法部会

・議題2「コーデックス総会及びその他の部会からの付託事項」について、サンプリングのガイドライン(CAC/GL50-2003)が難しいので使いやすいように改良するよう魚類・水産製品部会(CCFFP)が求めているとあるが、改良した場合、CCFFP用の情報提供資料として取り扱うということなのか質問がありました。これについて、CAC/GL50-2003は特定の品目に限らず使えるものであり、また、CAC/GL50-2003はわかりにくいという指摘はよくあるが、長い時間をかけて議論し策定された経緯を踏まえると、新しいガイドラインを一から作るのには膨大な作業量と時間がかかる上、既存の内容以上のものを策定するのは難しいと考える旨回答しました。さらに、当該ガイドラインを改訂するという議論はあるのかという質問について、これまでのところ変えない方向で議論されている旨回答しました。

・議題7「分析・サンプリング法規格(STAN 234-1999)における分析法の点検及びアップデートについての討議文書」について、「分析法の齟齬」には、分析法が緊急時に使えない問題や分析法の正確性に問題があるなどの問題が関わっているのかどうか質問がありました。これについて、緊急時に使えるかどうかや分析法の正確性は本議題とあまり関係がない旨、本議題は、STAN 234-1999には個別食品規格において承認されている各種成分の分析法をリストで記載されており、例えば、1) 記載されている分析法が記載された分析対象に適用できないケース、2) Type I及びType II分析法は1つの成分・食品に1つの分析法しか承認されないにもかかわらず複数の分析法がリストに掲載されているケース、3)複数の分析法が記載されているが同等の性能かわからないケースがあるので、そのような当該ガイドラインに掲載されているリスト自体の齟齬を解消することが目的である旨回答しました。

・同じく、議題7について、定性的な分析は酵素免疫測定法(ELISA法)などの簡易検査法を導入していくということか質問がありました。これについて、簡易検査法の導入については個別部会で議論されることもあるが本議題の対象ではないこと、本議題では、過去承認されている分析法を記載しているCODEX STAN 234-1999の内容に明らかな間違いがあるので、それを直していくものである旨回答しました。さらに、基本的に分析は定量分析法で行うのかという質問について、規格基準など数値が決まっているものは定量分析法で行い、品質規格では、見た目で欠陥を判断する検査もある旨回答しました。

 

(6) 第48回食品添加物部会

・議題5c「食品分類14.1.4中のキラヤ抽出物((INS 999(i), 999 (ii))の規格原案」について、キラヤ抽出物とは何か質問がありました。これについて、界面活性作用の強いサポニンを含有しており、カプチーノの泡立ちの維持などに使用される旨回答しました。

・議題5g「ブドウ酒の製造における特定の食品添加物の使用に関する討議文書」について、ブドウ酒の同一性(wine identity)とは何か質問がありました。これについて、ブドウ酒は、原料のブドウの生産地や気候の違いなどにより特性が大きく異なり、必要な食品添加物の量も変わってくるため、最大使用量を定めるべきではないと主張する国がある一方で、一定の品質のワインを製造するのが重要であるので最大使用量を設定すべきと主張する国もあり、議論となっている旨回答しました。

・議題4(b)「個別食品規格の食品添加物条項とGSFA(食品添加物に関する一般規格)の関連条項の整合」について、CCFFPの議題6「魚類及び水産製品に関する規格における食品添加物条項案」ではソルビン酸ナトリウムなどの添加物が議論され、CCFAに助言を求めることとされているが、CCFAではどのような議論がなされているのか質問がありました。これについて、個別食品規格の食品添加物条項を策定するときは、通常、個別食品部会からCCFAに対し食品添加物の使用の安全性について規格策定前に照会し、承認をうけることになっていることを説明しました。また、GSFAに掲載される食品添加物は、国際的なリスク評価機関(JECFA)によってADI(一日摂取許容量)が設定されたものであって、コーデックス委員会によって食品添加物の同一性及び純度の規格が設定されている必要があることを説明しました。ソルビン酸ナトリウムについてはCCFFPの個別食品規格で使用を認めているにも関わらず、食品添加物の同一性及び純度に関する規格が策定されていないという矛盾が生じており、現在CCFAからソルビン酸ナトリウムの使用実態を各国に照会している状況であり、使用していると回答した国は食品添加物の同一性及び純度に関する規格を策定するのに十分なデータを提供する必要がある旨回答しました。

・コーデックス委員会は、食品添加物の同一性及び純度に関する規格に合致していない食品添加物の使用を認めていないが、我が国は輸入時に実際に製造方法や不純物等を確認しているのか質問がありました。これについて、日本でも食品添加物ごとに成分規格を定めており、輸入時に確認している旨回答しました。さらに、輸入者が、輸出国側の政府から情報をもらうのかという質問について、基本的には輸入する事業者が責任をもって書類を作成し、検疫所に提出する旨回答しました。

 

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お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課国際基準室

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