このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

第90回コーデックス連絡協議会

資料・議事概要

消費者庁、厚生労働省及び農林水産省は、令和元年10月28日(月曜日)に、「第90回 コーデックス連絡協議会」を中央合同庁舎4号館において開催しました。主な質疑応答事項及び意見は以下のとおりです。
資料(全体版)(PDF : 2,297KB)
(分割版1)(PDF : 816KB)
(分割版2)(PDF : 1,688KB)
概要(PDF : 310KB)

1.経緯

(1) 消費者庁、厚生労働省及び農林水産省は、コーデックス委員会の活動及び同委員会での我が国の活動状況を、消費者をはじめとする関係者に対して情報提供するとともに、検討議題に関する意見交換を行うためコーデックス連絡協議会を開催しています。

(2) 今回は、令和元年9月に開催された第21回アジア地域調整部会(CCASIA)の報告を行うとともに、令和元年11月に開催される第51回食品衛生部会(CCFH)、第41回栄養・特殊用途食品部会(CCNFSDU)、令和元年12月に開催される第7回薬剤耐性(AMR)に関する特別部会(TFAMR)の主な検討議題の説明及び意見交換を行いました。

2.質疑応答及び意見交換の主な内容

(1) 第21回アジア地域調整部会(CCASIA)

  • 議題9「コメを原料とした低アルコール飲料(にごりタイプ)の地域規格の策定に関する討議文書・プロジェクトドキュメント」について、韓国が本議題の検討の中止を提案したのは規格の策定に反対していたWHOの影響によるものか、それとも情報不足によるものか質問がありました。これについて、前回部会において非公式の電子作業部会が設置されたが、意見が集まっている様子はなかったので、必要となる情報が不足していたからだと思われる旨回答しました。
  • 議題10「バチルス属(Bacillus species)を使って発酵させた大豆製品の地域規格の策定に関する討議文書・プロジェクトドキュメント」について、過去に行われた地域規格の策定の状況からすると、相当な準備をして戦略的に対応しないと困難な面があると思うが、今後どのような体制・スケジューリングで対応していくのか質問がありました。これについて、包括的な規格の策定作業を開始することになったが、元々提案していた納豆が国内の商品の特徴を踏まえて規格の中にきちんと位置付けられるよう、今後関連の業界団体と連携してしっかり準備をしていく旨回答しました。
  • 議題11「急速冷凍餃子(Jiaozi)の地域規格の策定に関する討議文書・プロジェクトドキュメント」及び議題12「ちまき(Zongzi)の地域規格/実施規範の策定に関する討議文書・プロジェクトドキュメント」について、中国が冷凍餃子やちまきの地域規格の策定を提案した背景として、中国独自の基準を反映した規格を作ろうとしているからか質問がありました。これについて、現時点ではわからないが、将来的に地域規格から国際規格への変更が提案される可能性があることも踏まえ、今後の策定作業の過程ではよく気を付けて対応していきたい旨回答しました。
  • 地域規格の策定について、コーデックス手続きマニュアルの「作業の優先順位付けのための規準」において要求される事項を厳格に精査するようにして、規格にする個別食品を絞るべきではないかとのご意見をいただきました。
  • 地域規格の策定について、アジアの国々には、村落単位で独特の大豆発酵食品があり、また餃子やちまきの類似製品も作られていると思うが、地域規格の策定によりこのような村落いじめにならないよう、CCASIAで一度真摯に議論すべきではないかとのご意見をいただきました。
  • CCASIAへの参加国が段々少なくなっており、アジア地域メンバーのコーデックスへの対応が鈍っているのではないかと懸念しているが、この点について何か議論は行われたか質問がありました。今次部会への参加国が少ない点に関する直接的な議論は行われなかったが、コーデックス活動への参加の観点での議論は行われた旨回答しました。

(2) 第51回食品衛生部会(CCFH)

  • 仮議題5「食品事業者向け食品アレルゲン管理に関する実施規範案」について、案に対する米国や豪州のコメントが適切と考えるが、日本からはコメント提出を予定しているのか質問がありました。これについて、予定していない旨回答しました。委員より、日本の場合、may contain は使わないものの、洗浄等を徹底しても可能性が排除できない場合に同じ製造工場内で使用している等の表示を推奨しており、このような制度を国際会議で伝えてはどうかとのご意見をいただきました。
  • 同じく仮議題5について、食品表示部会(CCFL)に助言を求めている事項は、来年9月に開催されるFAO/WHO専門家会議の助言を踏まえてその1か月後の来年10月に開催される第46回CCFLで議論されることは可能なのか、スケジュールについて質問がありました。これについて、FAO/WHOから何らかの報告がなされる可能性はあるが、報告書が公表されなければ議論は次回に持ち越しになるのではないかとの旨回答しました。
  • 仮議題6「食品衛生の一般原則(CXC 1-1969)及びHACCPに関する付属文書の改訂原案」について、日本国内ではHACCPの制度化に伴い各施設で準備しているところだが、本改訂作業により影響を受けることはあるのか質問がありました。これについて、コーデックスの改訂原案では、例えば自身でハザード分析を行うことのできない食品事業者は政府や業界団体が作成したガイダンス文書等を利用してもよいという記載がある等、日本の制度と齟齬がない内容になっており、影響はない旨回答しました。
  • 同じく仮議題6について、輸出促進につながるような改訂になれば事業者にとってありがたいが、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理は国際的にHACCPと呼んでもいいのか質問がありました。これについて、「HACCPの考え方を取り入れた」とは、日本が食品衛生法の改正時にわかりやすさの観点で用いたもので、輸出に際してはあくまでも二国間の問題となる旨回答しました。
  • 仮議題8「牛肉、未殺菌乳、未殺菌乳から製造されたチーズ、葉物野菜及びスプラウト類における志賀毒素産生性大腸菌(Shiga toxin-producing Escherichia coli: STEC)の管理のためのガイドライン原案」について、ANNEX 1(牛肉の管理措置)にプロバイオティクスやβ作動薬等に関する文献の記載があり、記載そのものに懸念を示す国があるのではないかと考えるがどのように対応するのか質問がありました。これについて、現在は電子作業部会で各国から出されたコメントを整理した段階で、今後専門家会合の結果を踏まえて再整理すると考えられ、今次部会でANNEXに関して細かい議論が行われる可能性は低いと思うが、科学的助言を踏まえて検討することが望ましいとの方向で対応したい旨回答しました。委員より、日本において農場段階でうまくいった事例等を用意する等して、無駄に時間を費やすような議論にならないよう対応してほしい旨ご意見をいただきました。

(3) 第41回栄養・特殊用途食品部会(CCNFSDU)

  • 仮議題4a「年長乳児向けフォローアップフォーミュラの範囲、記述及び表示」について、クロスプロモーションの禁止の対象をlabelまたはlabellingのどちらにするのか方針を教えてほしいとの質問がありました。これについて、日本としては消費者が誤使用をしないことが重要と考えており、製品の誤使用を助長するようなものはlabelであってもlabellingであっても認められないが、議論をよく聴取して慎重に対応したいと考えている旨回答しました。
  • 同じく仮議題6について、工業的に製造されたトランス脂肪酸が問題になっているが、これに関する日本の考えについて質問がありました。これについて、事業者が低減措置に取組んでいるところであるが、低減させると飽和脂肪酸の量が上がるということなので、脂質の摂取として全体的にトランス脂肪酸も飽和脂肪酸も増やさないようにしていくことが重要である旨回答しました。
  • 仮議題9a「食品添加物の技術的正当性を検討するためのメカニズムや枠組み」について、対処方針案にある「技術的必要性が適切に評価される」の意味を具体的に教えてほしいとの質問がありました。これについて、本議題では食品添加物の必要性を評価するための質問事項が議論されており、これまでに使用目的や技術的な機能などに関する質問事項には合意しているが、今次部会では、同様の目的・機能を有する食品添加物が既に認められているかなどに関する質問事項案が議論される予定である旨回答しました。
  • 仮議題11「食品及びダイエタリーサプリメントに用いるプロバイオティクスのガイドライン(討議文書)」について、日本国内でプロバイオティックスの用語を表示に使用している製品があるが、新規作業を支持する方針か質問がありました。これについて、今後の作業により定義が定まっていくことに異論はないが、議論をよく聴取して慎重に対応したいと考えている旨回答しました。
  • 仮議題12「栄養プロファイル設定のための一般ガイドライン(討議文書)」について、本新規作業提案に関する具体的な考えについて質問がありました。これについて、日本では来年4月に栄養成分表示が完全に義務化するところで、前面表示はまだその先という状況にあり、前面表示に関する他国の考えに関心はあるが、本作業の必要性についてはよく見極める必要があると考えている旨回答しました。委員より、栄養成分表示をきちんと消費者に認知してもらうためには前面表示も必要であり、完全義務化に移行した次のことを戦略的に考えてほしい、またそのような検討の場をぜひ設けてほしい旨ご意見をいただきました。

(4) 第7回薬剤耐性に関する特別部会(TFAMR)

  • 仮議題5「AMRの最小化及び抑制のための実施規範改定原案」について、国際獣疫事務局(OIE)の勧告事項の「リスクアナリシス無しでの抗菌剤の食用動物への成長促進目的での使用は、抗菌剤の慎重使用とは解されない」の解釈について質問がありました。これについて、リスクアナリシスをしてリスクがないと結論が出た抗菌剤は使用してもよいが、リスクアナリシスをせずに使用することはやめるべきという意味である旨回答しました。
  • 同じく仮議題5について、主要論点として「抗菌剤の成長促進目的での使用」とあるが、抗菌剤の使用は体重増加につながるのか質問がありました。これについて、例えば若い豚は下痢をしやすいが、抗菌剤の整腸作用により下痢になりにくくなり、飼料の栄養をしっかり吸収できるため成長促進につながる旨回答しました。
  • 同じく仮議題5について、「原案が維持されるよう又は国際獣疫事務局(OIE)の関連規定と一致させるよう適宜対処したい」とあるが、それにより国内の生産現場には何か影響が出るのか質問がありました。これについて、日本ではOIEの勧告事項3点は既に対応済みであり、生産現場への影響はない旨回答しました。
  • 同じく仮議題5について、TFAMRは時限的な開催だが、水産養殖についての議論はなされているのか質問がありました。これについて、畜産での成長促進目的での使用などの論点が議論の中心となっているが、水産養殖の議論は特に問題なく進んでいる旨回答しました。
  • 仮議題6「AMR の統合的なサーベイランスに関する指針原案」について、ヨーロッパでは抗菌剤を使用した畜産物の糞尿を有機農業に使用することは許可されていないが日本は使用できると聞いたが、今後このような問題点は改善されていくのか質問がありました。これについて、指針原案には生産環境に残る耐性菌のサーベイランスもした方がよいと記載されており、今後各国で取組まれていくだろうし、農林水産省でも環境中の抗菌剤や耐性菌の汚染について知見を集めているところである旨回答しました。
  • 電子作業部会の検討結果に基づいて物理的作業部会においてさらに検討するとのことだが、改訂作業は今次部会で終わりそうなのか次回にも続きそうなのか質問がありました。これについて、現在の状況からすると、次回まで検討が続く可能性が高い旨回答しました。
  • 「薬剤耐性対策アクションプラン」では抗微生物剤の使用量の指標を2013年比で2020年までに33%低減させるという目標を設定しているが、畜産においてこの目標指標が成り立つのか質問がありました。これについて、33%低減の目標はヒトの分野であり、農業分野では、使用量の削減を掲げて少量で効果の高いヒトで重要な抗菌剤にシフトしてしまうと意味がないこと、また使用量は家畜数にも影響を受けることから、使用量の指標ではなく耐性率を下げることを目標として設定している旨回答しました。
  • 委員より、水産養殖分野では、抗菌剤使用によるイメージダウンを防ぐため、抗菌剤の使用低減に早くから取組んでいるところが多いと聞いたとのご指摘がありました。これについて、委員ご指摘のとおりであり、昨年のAMR対策普及啓発活動表彰において、農林水産大臣賞を表彰したのは水産分野である旨説明しました。

(5) その他

  • コーデックス規格は業界への影響が大きいため、コーデックスへの対応は官民連携して取組んでほしいとのご意見をいただきました。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課国際基準室

代表:03-3502-8111(内線4471)
ダイヤルイン:03-3502-8732

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader