カルタヘナ法とは
(更新:令和4年3月)
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カルタヘナ法の概要
カルタヘナ法の目的は、遺伝子組換え生物等を使用等する際の規制措置を講じることで、生物多様性への悪影響の未然防止等を図ることです。
カルタヘナ法では、遺伝子組換え生物等を用いて行うあらゆる行為のことを「使用等」とし、使用形態に応じて「第一種使用等」と「第二種使用等」とに分け、それぞれの使用に応じて、とるべき措置を定めています。
例えば、遺伝子組換えトウモロコシの輸入、流通、栽培など、遺伝子組換え生物等の環境放出を伴う行為は第一種使用等です。第一種使用等をする際には、使用に先立ち、遺伝子組換え生物の種類ごとに、予定している使用によって生物多様性に影響が生じないか否かについて審査を受ける必要があります。審査の結果、問題が無いと評価された場合のみ承認を受けることができ、使用が可能となります。
一方、第二種使用等とは、遺伝子組換え生物等を、環境への放出が生じない空間(これを達成するための設備や使用方法全体を「拡散防止措置」といいます)で使用することです。第二種使用等についても、使用に先立ち、拡散防止措置が適切なものとなっているか確認を受ける必要があります。
カルタヘナ議定書とカルタヘナ法
2000(平成12)年1月に、生物多様性条約特別締約国会議再開会合において「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書(カルタヘナ議定書)」が採択され、2003(平成15)年11月に締結されました。
この議定書は、遺伝⼦組換え⽣物の国境を越える移動に焦点を当て、⽣物多様性の保全及び持続可能な利⽤に悪影響を及ぼさないよう、安全な移送、取扱い及び利⽤について、⼗分な保護を確保するための措置を規定したものです。
この議定書を日本で実施するため、2003(平成15)年6月に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」が公布され、カルタヘナ議定書が日本に効力を生じる2004(平成16)年2月に施行されました。
また、カルタヘナ議定書では、遺伝子組換え生物等の国境を越える移動により損害が生じる場合の対応について、引き続き議論することになっていました。そして2010(平成22)年10月、カルタヘナ議定書第5回締約国会合において「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書(補足議定書)」が採択されました。
この補足議定書は、遺伝子組換え生物等の国境を越える移動により損害(生物多様性への著しい悪影響)が生ずる場合に、生物多様性の復元等の対応措置をとること等を締約国に求めるものです。
この補足議定書を日本で実施するため、2017(平成29)年4月21日に、カルタヘナ法を改正する法律が公布され、補足議定書が発効する2018(平成30)年3月5日に施行されました。
カルタヘナ法の改正の詳細については、「カルタヘナ法の改正について」をご覧ください。
- カルタヘナ議定書の概要(PDF : 226KB)
- カルタへナ議定書の締約国一覧(令和3年10月1日時点)(PDF : 56KB)
- 補足議定書の概要等
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ila/st/page23_001941.html(外務省)[外部リンク] - 補足議定書の締約国一覧(令和3年10月1日時点)(PDF : 77KB)
カルタヘナ法関係法令・通知
カルタヘナ法の関係法令や通知等を掲載しています。承認や確認の申請をご予定の方は、詳しくご覧ください。
学識経験者名簿
農林水産省は、第一種使用規程の承認や、第二種使用等における拡散防止措置の確認に際し、生物多様性影響に関し専門の学識経験を有する者の意見を聴いています。当該学識経験者の名簿は以下のとおりです。
- 学識経験者名簿(第一種使用等)(PDF : 162KB)(最終更新日:令和4年6月13日)
- 学識経験者名簿(第二種使用等)(PDF : 127KB)(最終更新日:令和4年6月13日)
遺伝子組換え農作物のカルタヘナ法に基づく審査・管理に係る標準手順書(SOP)
標準手順書の目的
遺伝子組換え農作物を輸入、流通、栽培等するためには、その予定者はカルタヘナ法に基づき事前に申請を行い、科学的見地から評価を受け、生物多様性上、問題がないものとして承認を受ける必要があります。
平成22年8月31日、より透明性の高い、一貫性のある審査やモニタリング等の実施に役立てることを目的として、承認の際の審査・管理の標準的な作業手順に加えて、未承認の遺伝子組換え農作物の混入が疑われる場合における評価や管理措置の手順を定めた、「遺伝子組換え農作物のカルタヘナ法に基づく審査・管理に係る標準手順書(標準手順書:SOP)」を公表しました。
標準手順書の概要
第1章 基本的事項(序文、用語の定義、一般原則)
本手順書は、より透明性の高い、一貫性のある審査やモニタリング等の実施に役立てることを目的に策定しました。また、審査制度など安全を確保するための仕組みの分かりにくさや、情報発信不足を改善する一環として策定しました。
第2章 使用規程の承認申請・審査
- 予備的情報収集
組み換える前の農作物の特性や、組換え技術で与えられる性質などをあらかじめ整理し、申請に備えます。 - 審査
承認したことのない作物種や性質の組換え農作物を審査する場合、新しい評価項目が必要かどうかチェックします。審査の結果は審査報告書として、広く情報提供します。 - リスク管理措置等の見直し
承認後は、生物多様性に影響が生じていないかのモニタリングなど管理措置を講じ、一定期間後に、管理措置を見直します。
第3章 未承認遺伝子組換え農作物の混入への対応
- 初期作業
我が国で安全性未確認の組換え農作物が、海外でどの程度、開発・栽培されているか情報収集し、リスク評価を行います。 - リスク管理措置の検討・実施
安全性未確認の組換え農作物が混入する可能性が高い場合、水際検査などの管理措置を実施します。 - リスク管理措置等の見直し
一定期間後に、国内外の管理措置の実施状況などを踏まえ、管理措置の追加・継続・中止を判断します。
- 「遺伝子組換え農作物のカルタヘナ法に基づく審査・管理に係る標準手順書」本文(PDF:254KB)
- 「遺伝子組換え農作物のカルタヘナ法に基づく審査・管理に係る標準手順書」概要(フローチャート)(PDF:157KB)
- Standard Operating Procedures Regarding Environmental Risk Assessment and Management of Genetically Modified Plants (英文)
お問合せ先
消費・安全局農産安全管理課
担当者:組換え体企画班・組換え体管理指導班
代表:03-3502-8111(内線4510)
ダイヤルイン:03-6744-2102