このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(3)女性農業者の参画の推進

(農業経営や農業労働力の面で重要性を増す女性農業者)

女性農業者は、基幹的農業従事者の45.8%(17年)を占めるなど、我が国の農業において重要な役割を果たしている。

しかしながら、認定農業者や農業委員に占める女性の割合は増加傾向にあるものの(*1)、依然として低い水準にある(表2-2)。

*1 農林水産省調べ。女性の認定農業者と農業委員は、11年がそれぞれ2,168人、977人(全体に占める割合は1.6%、1.6%)、14年が3,149人、2,261人(同1.9%、3.9%)、17年が4,125人、1,879人(同2.2%、4.1%)となっている。

(農業法人で活躍する女性農業者)

農業法人の代表者に女性が就いている割合は2.3%と低いが(*2)、女性農業者が経営する法人のなかには先進的な農業経営に取り組み、経営の発展を図っている例がみられる。

*2 (社)日本農業法人協会調べ。18年10月末現在、協会会員企業1,707社のうち、女性農業者が代表を務めている企業は39社となっている。なお、農林水産省調べによると、農村女性による起業数は年々増加傾向にあり、17年度は、個人経営・グループ経営の合計で9,050件であった。データ(エクセル:18KB)

事例:かんきつの有機栽培を支える女性経営者のこだわり

若手社員への指導

熊本県芦北町(旧田浦町)

熊本県芦北町(あしきたまち)(旧田浦町(たのうらまち))は、中山間地域であり、甘夏みかんの産地として有名である。この町の農業法人の女性経営者は、昭和48年に、明治時代からかんきつを栽培する篤農家に非農家から嫁ぎ、土壌微生物の働きを利用した土づくりが病害虫を減少させ、人の健康に良いビタミン類をふやすとの考えで、かんきつの有機栽培を行っていた。やがて、夫が有機農業の普及や有機農産物の販売事業を始めてからは、果樹園の実質的な代表として経営を守り、6年には法人化を行った。現在、栽培品種の多様化により販売期間の長期化(9月~翌年5月)を実現している。

また、次代を担う子どもに本物の味を知ってもらいたいという考えから、東京や大阪の学校給食への出荷をふやしており、くちコミで広がった顧客への宅配便による直販も拡大している。

さらに、雇用者の福利厚生の向上を図り、都会からの若者も積極的に受け入れ、そのうち2人が中堅社員として活躍している。

今後、この女性経営者は、研修生と体験農園用の宿泊施設を作り、ここでの生活のなかで本物の食べ物の大切さを学んで欲しいと考えている。また、町の農業の発展を図るため、中山間地農業のモデルを示すことを目標としている。

(家族経営協定は経営者とその配偶者間のものが半数)

農家のなかには、女性を含めた農業経営に携わる構成員の役割、就業条件等を明確化し、農業経営の近代化を図る観点から、家族経営協定(*1)を締結する事例がみられる。家族経営協定の始まりは、昭和30年代後半に農業後継者対策として各地に導入された家族協定であり、当時の協定の対象者は、経営主と後継者が中心であった。現在では、経営者とその配偶者間の協定が半数を占めており、経営者とその配偶者に加え、経営者の父母や後継者、後継者の配偶者等の世帯員を含んだものとなっている(*2)。

*1 [用語の解説]を参照。

*2 農林水産省調べ。データ(エクセル:17KB)

(地域間のばらつきがみられる家族経営協定の締結状況)

主業農家における家族経営協定の締結状況については、いずれの地域も増加傾向にあるが、地域間でばらつきがあり(表2-3)、締結割合が10%を超えているのは、北海道と九州・沖縄であり、多くの農家で締結されているとは言い難い状況である。

(農業経営に関する取り決めが多い家族経営協定の内容)

経営内容、家族構成等により、家族経営協定の内容は千差万別である。具体的には、農業経営の方針や農作業の分担、労働時間・労働報酬に関する取り決めの記載が多い一方、介護、育児、資産の相続といった内容は少ない(図2-13)。

(家族経営協定を十分理解する必要)

家族経営協定については、締結に肯定的な農家(29.9%)より否定的な農家(42.4%)の方が多く、協定をよく知らない、特に考えがないといった農家(25.5%)も少なくない。各農家が家族経営協定を十分理解したうえで、その必要性を考えることが重要である(図2-14)。

(家事・育児等の支援を必要とする女性農業者)

男女共同参画に関する調査によると、女性農業者に対して必要な支援は、家族による家事・育児の分担、女性のための研修やセミナーの開催等となっている。特に、家事・育児の分担を支持する割合は、女性の方が高く、生活面での家族の支援が重要である(図2-15)。

(求められる女性の活躍できる社会の形成)

このようななか、農作業に従事する女性のうち、給与や報酬を受け取っている者は5割にとどまっており(*1)、今後、女性の役割が適正に評価されるとともに、男性の協力を得ることで女性の農業への参画が一層促進されることが期待される。

*1 農林水産省「農業構造動態調査地域就業等構造調査-女性の就業構造・経営参画状況調査-」(15年10月公表)データ(エクセル:30KB)

お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883