このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

1 食料自給率向上に向けて重点的に取り組むべき事項


食料自給率向上協議会において、「平成19年度食料自給率向上に向けた行動計画」の取組実績等を踏まえつつ、20年度の行動計画を策定し、食料自給率向上に向け、関係者が一体となった計画的な取組を推進する。また、食料自給率への影響の大きい米、飼料作物、油脂類、野菜の4つの品目に着目し、19年度より取り組んでいる 1.食料自給率に関する戦略的広報の実施、2.米の消費拡大、3.飼料自給率の向上、4.油脂類の過剰摂取の抑制等、5.野菜の生産拡大、6.食育の推進の集中重点事項の取組を着実に推進する。

(1)食料消費

ア わかりやすく実践的な「食育」と「地産地消」の全国展開

(ア)生産、流通、消費の各段階を通じた食育の推進

「食育推進基本計画」に基づき、生産、流通、消費の各段階において、「食事バランスガイド」の活用を通じ、米を中心とした「日本型食生活」の普及・啓発等の取組を促進する。

また、「教育ファーム」の取組を推進し、自然の恩恵のうえに食生活が成り立っていることへの理解を深める。

a
食育に熱心に取り組もうとしている地区を全国から選定し、関係者の連携のもと、外食・小売等の店舗、交通機関、公共施設等の場を利用して、集中的・重点的に「食事バランスガイド」を活用した活動を展開し、「日本型食生活」を効率的・効果的に普及・啓発する。
b
望ましい食料消費の水準に達していない米、野菜、果物、牛乳等の品目別の消費拡大対策の取組として、「食事バランスガイド」等を活用しながら、重要品目を中心に消費量等の目標を設定し、外食産業、小売業及び教育現場等における普及・啓発を通じて朝ごはんの定着化、野菜嫌いの解消、農産物への理解を進める出前授業等を推進し消費改善を促進する。
c
「食事バランスガイド」を活用した「日本型食生活」の効果を科学的に検証する。
d
ポスター、パンフレットやマスメディア等の多様な媒体を活用し、「食事バランスガイド」を活用した「日本型食生活」の理解の促進を図る。
e
「食育月間」(20年6月)を中心に、「日本型食生活」や「教育ファーム」等をテーマとしたシンポジウム、イベント、優良事例の表彰等を行う。
f
「教育ファーム」を全国で幅広く継続的に展開するため、「教育ファーム」の効果的な実施手法を検証するためのモデル事業、実施主体に対する研修の実施やマニュアル作成を推進する。
g
地域における「食事バランスガイド」の普及・活用の取組や「教育ファーム」の取組を支援する。

(イ)地産地消の推進

消費者ニーズに対応した農産物の供給を促進するとともに、消費者の食に対する信頼の確保や生産者と消費者等の「顔が見え、話ができる」関係づくりを進めるため、各地域における地産地消の実践的な計画の策定を促すとともに、これに基づく取組を促進する。

a
農業、給食、商工、観光業等が一丸となった地域全体での地産地消の取組を推進する。
b
直売所等を中心として高齢者・小規模農家が活躍できるモデル的な生産・流通体制づくりを支援する。
c
地産地消の拠点となる直売所等の施設整備を支援する。
d
地産地消に取り組む際に参考となる情報・ノウハウの提供を行うとともに、農業と給食、商工、観光業等の地産地消関係者を結び付けるコーディネーターを育成する。

イ 国産農産物の消費拡大の促進

(ア)
(再掲 1.1(1)ア(ア)b(230頁)を参照のこと)
(イ)
米の消費拡大のため、食育の取組の一環として、生産者団体、関係業界等と連携し、米の消費が期待される「朝ごはんビジネス」の支援、国民の消費動向に対応した消費拡大対策を実施するとともに、米消費拡大事業の見直しを実施する。
(ウ)
米の新規需要の開拓等を推進する。

ウ 国産農産物に対する消費者の信頼の確保

国産農産物が一層消費者から選択されるものとなるよう、生産者・事業者による食品の安全性向上に向けた取組を促進するとともに、消費者に対して国産農産物に関する情報提供を充実するため、以下の取組を推進する。

(ア)GAP(ギャップ)(*1)手法の導入・推進

「21世紀新農政2007」で掲げられた23年度までにおおむねすべての主要な産地(2,000産地)でGAP手法の導入を目指すという目標の達成に向けて、GAP手法の普及を推進する。特にGAP手法の取組による農業経営の改善等の効果を明らかにしつつ、GAP手法の取組事例を紹介するとともに、生産から加工または流通まで一貫した工程管理体制のモデル産地的な取組の構築等を通じて、取組の推進を図る。
*1 Good Agricultural Practiceの略。食品の安全確保、環境の保全等様々な目的を達成するため、農業者・産地自らが、1.農作業の計画を立て、点検項目を決定し、2.点検項目に従い農作業を行い、記録し、3.記録を点検・評価し、改善点を見出し、4.次回の作付けに活用するという一連の「農業生産工程管理手法」をいう。

(イ)トレーサビリティの確立

食品事故発生時の原因究明や食品回収の迅速化、消費者への情報提供の充実を図るため、食品の流通経路情報を活用して食品を追跡・遡及できるトレーサビリティに関し、以下の取組を推進する。

a
国産牛肉
「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」に基づき、制度が適正に実施されるよう監視活動を行う。
b
国産牛肉以外の品目
取組が遅れている中小事業者等に重点を置いて、入出荷やロット管理に関する情報の記録・保管の方法等を調査分析し、中小事業者においても容易に取り組める具体的手法の普及に活用する。

(ウ)食品表示・日本農林規格(JAS規格)の適正化の推進

a
食品表示の監視・指導体制の強化
JAS法に基づく品質表示基準に従った適正な食品表示がなされるよう、監視・指導体制を強化するなど、食品に対する消費者の信頼回復に努める。
(a)
監視体制の人員強化
食品表示に関して広域で重大な違反事案が発生した際に、機動的に調査を実施する専門チーム「食品表示特別Gメン」を新設するなど、農林水産本省や地方農政事務所における人員を強化する。
(b)
地方農政局等の監視体制の整備等
全国の地方農政局、地方農政事務所等の職員が日常的に小売店舗等を巡回することに加え、「食品表示110番」への情報提供に基づいて必要な調査等を行うことにより、表示状況や表示根拠の確認、必要に応じて納入業者への遡及調査を行うなど、徹底した監視・指導を実施する。さらに、行政の監視活動への消費者の協力として、委嘱している食品表示ウォッチャー制度を活用し情報収集に努める。
(c)
食品表示の科学的な検証技術の確立及び活用
(独)農林水産消費安全技術センターにおいて、DNA分析技術を活用した食品表示の科学的検証を実施する。また、DNA分析技術等を活用した食品表示の科学的検証技術に関する実証研究を行う。
(d)
関係行政機関との連携の強化
都道府県のJAS担当部局やその他の食品表示担当部局等と地方農政事務所との間で定期的な情報交換を行うための場を設けるよう働きかけるとともに、農林水産省、厚生労働省、公正取引委員会、警察庁の間の連携を一層強化する。
b
すべての加工食品の業者間取引における品質表示の義務化
消費者の表示に対する信頼の向上を図るため、すべての加工食品の業者間取引を品質表示義務の対象とするよう品質表示基準を改正、施行する。また、業者間取引を担う事業者に対する食品表示制度の啓発を実施する。
c
わかりやすい食品表示の実現
消費者の立場に立ったわかりやすい食品表示を実現するため、「食品の表示に関する共同会議」において調査・審議を行う。また、消費者に対し、ポスターやフォーラム等を通じ、食品表示制度を啓発する。
d
JAS規格の見直し
JAS法において5年ごとにすべてのJAS規格を見直すこととされていることを踏まえ、消費者の関心や国際的な規格の動向等を勘案し、必要な見直しを行う。また、規格ごとに規格項目や定義に関する分析の妥当性確認等を行い、規格の信頼性を高める。
e
特色あるJAS規格の検討・普及
消費者ニーズ等を的確に反映したJAS規格制定のための調査・検討、消費者と製造業者等の交流会の開催等によるJAS規格の総合的な普及・啓発を実施する。

(エ)食品産業事業者の意欲的な取組を適正に評価・推奨するための環境整備

食品の安全や消費者の信頼確保に向けた意欲的な事業者の取組を促すため、民間の多様な主体がこれら事業者の取組を適正に評価・奨励するための枠組みづくりを推進する。

(オ)原料の原産地表示に関するガイドラインの普及・啓発の推進

「外食における原産地表示に関するガイドライン」に基づき、外食事業者における原産地表示への取組が適切に行われるよう、優良事例を活用した外食事業者の業種・業態ごとのパンフレットの作成等、ガイドラインのより一層の普及・啓発を図る。また、「豆腐・納豆の原料大豆原産地表示に関するガイドライン」に基づき、製造業者等における豆腐・納豆の原料大豆の原産地表示の推進に向けた普及・啓発を行う。

(カ)消費者への情報提供

a
健全な食生活を送れるよう、食品安全や「食生活と健康」について、親しみやすいホームページを作成する。
b
消費者相談の窓口である「消費者の部屋」等において、消費者からの農林水産業や食生活に関する相談に効率的に対応するとともに、消費者に対し、農林水産行政の情報提供及び啓発を行う。特に子どもに対しては、農林水産本省における子ども相談電話による対応を行うとともに、社会見学等のグループ学習を積極的に受け入れる。
c
食品の価格の安定に資するため、小売価格の動向にあわせ、機動的な巡回調査を行う。

(2)農業生産

ア 経営感覚に優れた担い手による需要に即した生産の促進

(ア)担い手の明確化

a
地域の実情に応じた担い手の育成・確保
地域の話合いと合意に基づき、将来にわたって地域農業を担う、意欲ある担い手の育成・確保に向けた運動を強力に展開する。
具体的には、水田・畑作経営所得安定対策や、野菜、果樹、畜産等の経営安定対策に基づき、行政及び農業団体が一体となって、これらの対策の対象者要件を満たす担い手の育成・確保に一層取り組む。
b
認定農業者制度の適切な運用
認定農業者の認定及び認定後の指導等の促進を図るため、「認定農業者制度の運用改善のためのガイドライン」を踏まえた市町村等の取組状況の把握を行い、認定農業者制度の適切な運用を図る。

(イ)担い手への支援の集中化・重点化

農政の抜本的改革に当たり、19年度から21年度までの3年間を「集中改革期間」として、従来の発想を超えた斬新な手法で、担い手のニーズに即した支援を集中的・重点的に実施する。

a
意欲ある担い手の育成・確保に向けた総合的な支援
各地域の「担い手育成総合支援協議会」に、担い手支援のためのワンストップ窓口を設置し、経営相談・技術指導・法人化支援・農地の利用調整・担い手の組織化支援・再スタート支援等、あらゆる担い手向けのサポート活動を一元的に実施する。
b
担い手に対する金融上のメリット措置の継続
認定農業者が借り受けるスーパーL資金等の無利子化措置等を着実に実践し、担い手の育成・確保を金融面から強力に支援する。
c
融資主体型補助の拡充
関係者の合意形成を図り、地域一体として構造改革に取り組む地区を対象に、担い手による、融資を主体とした農業用機械・施設等の導入に際して、融資残の自己負担部分への補助や追加的な信用供与による総合的な支援を実施する。また、新たな面的集積の仕組みをモデル的に実施する地域への支援を行う。
d
経営者組織の横断的な連携と民間ノウハウを活用した高度経営支援
意欲ある農業経営者の団体・組織がお互いの強みを発揮する新たな横断的連携体制の構築、民間ノウハウを活用した高度な経営課題への対応等新たな経営発展に資する支援を総合的に実施する。
e
水田・畑作経営所得安定対策加入者のさらなる経営発展の促進
規模拡大等を図る担い手に対し、麦・大豆等の作付拡大に必要な経費を助成するほか、大規模土地利用型農業にふさわしい革新的技術の導入・普及のための現地実証を実施する。また、先進的な小麦・てん菜の主産地の担い手に対し、これら作物を安定的に生産し得るよう支援する。

(ウ)集落営農への総合的な支援

a
集落営農への参加の促進
小規模農家や高齢者等の不安や誤解を払拭し、集落営農の組織化を推進するため、「担い手育成総合支援協議会」や集落リーダー等で構成する集落営農組織の立ち上げ推進チームによる農家の意向把握や組織化経験者を招いた研修等、組織の立ち上げまでの活動を支援する。
b
組織の運営や経営の改善
水田・畑作経営所得安定対策に加入した集落営農組織の運営や経営の改善を図るため、経理、法人化等、組織の状況に応じた課題の解決に必要な相談・助言活動や専門家によるコンサルティング活動を支援する。
c
多角化・複合化による経営の発展
1.新規作物・新品種の導入、2.野菜等の農産物直売、3.農産物の加工・販売等、農業経営の多角化や複合化による収益向上にチャレンジする集落営農組織に対して、試験的な事業実施や集落リーダー等の活動を支援する。
d
農業用機械・施設等の整備への支援
集落営農組織の生産コストや初期投資の負担を低減するため、農作業の共同化や省力化等に必要な農業用機械・施設のリース料を助成する。また、農協等が交付金で整備した農業用機械・施設を集落営農組織にリースする手法を導入する。
e
集落営農組織に対する金融支援措置の強化
集落営農組織が借り受ける農業近代化資金の金利負担を軽減する。

(エ)多様な経営発展の取組の推進

認定農業者等担い手の多様な経営発展を支援するため、「担い手育成総合支援協議会」が行う消費者ニーズの把握のための市場調査、高付加価値作物の導入に向けた実践活動、特産品加工技術の習得活動、販路開拓のための商談会の開催等の取組に対する支援を実施する。また、新商品や農業経営の新技術等に関する研究開発、経営アグリビジネススクールの開催及び農業気象災害の発生の可能性を予測するシステムの開発等への支援を実施する。

イ 食品産業と農業の連携の強化

(ア)
食料産業クラスターの形成(食品産業・農業・関連産業による連携構築)を促し、国産農林水産物を活用した新商品の開発、販路拡大等の取組に対する支援を行う。また、加工・外食用需要に対応するため、国産農産物を安定供給できる体制整備を推進し、食品産業と農業の連携を促進する。
(イ)
生産者と食品産業等の実需者が都道府県域を越えて連携して農産物を安定供給・確保する取組、複数の都道府県にわたる生産者が連携して生産・加工・販売施設等を整備する取組等の広域的なアグリビジネスの取組について、全国的な視点から支援を行い、競争力のある担い手を育成する。

ウ 効率的な農地利用の推進

(ア)農地情報のデータベース化の推進

a
農地に関する情報を関係機関が共有できるよう、農地に関する情報と地図情報を結合した農地情報図を共通のデータベースとして整備し、相互活用できるよう支援する。
b
新規参入者等に必要な貸出農地の情報、賃借料等の情報について、全国どこからでもアクセスできる体制を整備する。

(イ)農地の面的集積の促進

担い手を効率的かつ安定的な農業経営へと発展させるため、集落における合意形成等を通じ、担い手の真のコストダウンにつながる面的なまとまりのある形での農地利用集積を促進する。同時に、「農地政策の展開方向について」(19年11月6日)に基づき、新たな面的集積の仕組みを点検・検証するモデル的な取組を実施する。

a
集落の地権者等で組織する農用地利用改善団体等が、団体内での調整のうえ定めた面的集積促進プランに則して担い手への面的集積を実現した場合、その実績に応じて面的集積促進費を交付する。
b
認定農業者の育成・確保及び担い手の経営改善の促進に向けた農地の利用集積、農地監視活動、農地利用調整活動等を支援する。
c
農地を面としてまとまった形で集積していくため、現場に働きかけ、委任・代理で農地を集めて、再配分する仕組みについて点検・検証すべく、モデル的な取組を支援する。

(ウ)耕作放棄地の発生防止・解消に資する施策

a
農業経営基盤強化促進法に基づく、農業委員会による指導等を活用する、地域の主体的な取組による耕作放棄地の発生防止・解消を促進する。
b
市町村・農業委員会がすべての耕作放棄地を対象に現地調査を実施し、農業的利用を図るべき土地・非農業的利用を図るべき土地に振り分けることを支援する。また、当該現地調査及び「耕作放棄地解消支援ガイドライン」を踏まえ、各地域の状況に応じた解消策を支援する。具体的には、効率的かつ安定的な経営体への農地の利用集積や新規参入の促進、放牧利用等の耕畜連携、「農地・水・環境保全向上対策」等を活用した集落による保全管理等、農業的利用を推進するとともに、長期間遊休化した農地については非農業利用へ誘導する。

(エ)農地の効率的利用のための新規参入の円滑化

農業の担い手が不足し、耕作放棄地の増加が懸念される地域において、農地の効率的利用を促進するため、特定法人貸付事業による農業経営に意欲的な企業等の新規参入を促進する。また、農業参入円滑化のための広報・相談活動、生産技術指導、施設整備等の支援を総合的に実施する。

(オ)優良農地の確保のための計画的な土地利用の推進等

優良農地の確保と有効利用を推進するため、都道府県による「農業振興地域整備基本方針」及び市町村による「農業振興地域整備計画」の改定を促進する。また、農業振興地域制度や農地転用許可制度の適切な運用、効率的かつ安定的な経営体への農地の集積、農業生産基盤の整備等により、農地の保全・有効利用を促進する。

(カ)農業の構造改革の加速化に資する基盤整備の推進

a
担い手への農地の面的集積の加速化や、担い手の育成・確保の契機となるほ場の大区画化等の基盤整備を推進する。
b
特色ある地域の営農ビジョンに即し、水田の汎用化等を推進する。
c
高生産性農業の促進及び農産物流通の効率化を図るため、地域の実情に応じた弾力的な計画・設計への取組を強化しつつ、農道の整備を推進する。
d
農業生産条件が不利な中山間地域において、地域の立地条件に即した農業生産基盤の整備を実施する。
e
飼料基盤に立脚した大家畜経営の安定的発展のため、担い手への草地基盤の利用集積や畜産主産地の再編整備等を通じた畜産の担い手の育成、草地の整備改良、公共牧場の条件整備、中山間地域における未利用地等の畜産的利用を推進する。

(3)集中重点事項の取組

ア 食料自給率に関する戦略的広報の実施

専門家の知見を活用した戦略的な広報体制の構築を目指し、国民意識や消費トレンド等の分析を行い、食料自給率向上のために最も効果的な広報活動を実施する。

イ 米の消費拡大

(再掲 1.1(1)イ(イ)(231頁)を参照のこと)

ウ 飼料自給率の向上

飼料作物作付面積の拡大につながる取組を支援するため、緑肥作物の飼料への転換や耕作放棄地の草地としての有効活用の普及・促進、水田の裏作としての飼料作物の生産・供給に対する新たな助成制度を創設する。また、配合飼料メーカーと食品残さ飼料化業者が連携したエコフィード(*1)の生産拡大の取組等に対する支援を実施する。
*1 食品残さ(食品製造副産物、余剰食品、調理残さ等)を原料にして処理加工された飼料。環境、節約等を意味するエコ(eco)に、飼料を意味するフィード(feed)を合わせた造語。

エ 油脂類の過剰摂取の抑制等

企業、保健所、学校等を通じた適切な脂質の摂取を促す働きかけを行う。また、油脂類の使用を大きく節約できる業務用フライヤーや、劣化しにくい食用油について、食品関連事業者に対し開発・普及に向けた取組を行う。

オ 野菜の生産拡大

野菜の生産拡大のためには、加工・業務用の実需者ニーズに対応した産地の安定供給体制の確立が課題となっており、以下の取組を実施する。

(ア)
国産野菜の供給が不安定な時期がある品目に加え、皮むき等の一次加工が遅れているため輸入品にシェアを奪われている品目について、モデル産地を拡大し、これらモデル産地をはじめ加工・業務用需要に取り組む産地強化計画を策定している産地に対し重点的に支援・指導を行う。
(イ)
産地と食品産業が連携して、積極的に国産野菜の利用を進める取組を表彰する。また、実需者との交流会や契約取引に取り組む産地の人材を育成する研修会を実施する。
(ウ)
皮むき、カット等の一次処理加工を行うための処理加工施設、定時・定量供給体制の構築に向けた集出荷貯蔵施設等の整備を推進する。

カ 食育の推進

(ア)食育実践活動の促進

(再掲 1.1(1)ア(ア)a(230頁)を参照のこと)

(イ)消費拡大対策の取組

(再掲 1.1(1)ア(ア)b(230頁)を参照のこと)

キ その他の取組

(ア)農林水産物・食品の輸出拡大

a
農林水産物・食品の輸出目標(2013年までに輸出額を1兆円規模とする。)を達成するため、「我が国農林水産物・食品の総合的な輸出戦略」に沿って取組を推進する。
b
輸出環境の整備を図るため、検疫協議の早期妥結に向けて相手国政府に働きかけを行うとともに、相手国が求める衛生基準等への対応を行う。
c
日本食・日本食材の魅力を海外に発信するため、外国人オピニオンリーダー等に対し旬の高品質な日本食・日本食材を提供する「WASHOKU-Try Japan’s Good Food」事業、日本食PRイベントの開催、マスメディアを活用した各種広報活動等を展開するとともに、「日本食レストラン推奨計画」の具体化に取り組む。
d
品目別のきめ細かな輸出支援を図るため、民と官が一体となって組み立てた品目ごとの輸出実行プランを普及・充実するとともに、他の農林漁業者等にとって見本となる「輸出ビジネスモデル戦略」を策定する。また、個々の品目にかかる市場実態の調査や海外貿易情報の収集を行う。
e
意欲ある事業者に対する取組段階に応じたサポートを実施するため、国内における輸出先駆者から情報提供を受けられる場や国内外における商談の場を提供する。
f
相手国の安全性等の基準に対応するため、技術的助言を行う専門家の派遣、衛生管理向上のための施設整備への支援を行う。
g
輸出に向けた基盤の強化とブランド戦略を推進するため、GAP手法の普及、果実におけるマークの普及の取組等を推進する。
h
各地方農政局等を事務局とした、管内の関係府省地方支分部局、地方公共団体、業界団体等を構成員とする「地域輸出促進協議会」を通じて、地域における輸出促進の取組を支援する。
i
産地における、海外需要に応じた農畜産物の高品質化・生産量確保に必要な施設等の整備を支援する。
j
輸出を戦略的に進めるため、競争的資金を活用して、産学官連携による農林水産物等の輸出促進に資する技術開発を推進する。
k
(独)日本貿易振興機構(JETRO)による貿易相談業務、海外市場調査、海外展示会への出展支援、地域における輸出への取組に対する支援を通じ、農林水産物等の海外販路開拓を支援する。

(イ)生産者団体、食品産業事業者等の取組の促進

生産者団体、食品産業事業者等の取組にかかる課題等を明確化しながら、食料自給率向上に関する自主的な目標の設定等主体的な取組を促進する。

お問合せ先

お問い合わせ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883