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農林水産省

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(1)農業労働力の現状 ア 農業労働力の動向

(昭和一けた世代のリタイアにより農業労働力のぜい弱化の進行が懸念)

我が国は人口減少社会に入るなか、労働力人口(*1)は1998年の6,793万人をピークに減少局面を迎え、2007年には6,669万人となり、2030年(24年後)には6,180万人になるとの試算も示されている(*2)。農業分野では、現在、農業労働力の主力となる基幹的農業従事者が65歳以上で6割となっており(*3)、近い将来、昭和一けた世代をはじめ我が国農業を支えた高齢者の多くが引退することが見込まれ、農業労働力のぜい弱化の進行が懸念されている。
*1 15歳以上の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたもの
*2 厚生労働省「雇用政策研究会報告」(2007年12月公表)。6,180万人は、各般の雇用対策を講じることで労働市場への参加が進んだ場合の推計値で、そうでない場合には5,584万人になると推計されている。 データ(エクセル:88KB)
*3 農林水産省「農林業センサス」。なお、65歳以上の高齢者は農作業死亡事故件数(農林水産省調べ)に占める割合も高く、2005年は全体で395件のうち、75%に相当する298件を占めている。

(多様な人材が就農しやすい支援措置が重要)

新規就農者数(自営農業に就農した者で新規参入者の数を含む)は7万5千人で、60歳以上が半数を占め、39歳以下の新規就農青年は1万1千人で、そのうち2,480人が新規学卒者となっている(*4)。農業高校等の専門高校が減少し、総合学科の設置等の動きがみられるなど、農業高校、道府県農業大学校は厳しい状況におかれているが、新規学卒就農者の3割が農業高校の卒業生で、4割が道府県農業大学校の卒業生であるなど、今後の農業の担い手の多くを輩出しており、依然重要な役割を担っている。

今後、農業労働力を確保するためには、若者や中高年の活用を図ることも重要であり、フリーターや団塊の世代等に農業の魅力を伝え、農業に対する関心を高めることで、意欲と能力のある多様な人材に農業を職業として選択してもらうことが重要である。しかし、新たに農業経営を開始する場合、営農技術の習得をはじめ、農地や資金の確保といった課題がある(図2-56)。また、農家以外の新規就農者は、就農地域の選択に当たり行政等の受入・支援対策が整備されている点を重視している(図2-57)。

このため、これらの課題に対応した新規就農者への支援措置を実施することが重要である。
*4 農林水産省「新規就農者調査」(2007年12月公表) データ(エクセル:20KB)


(農業法人等が若者を積極的に雇用)

農家の農業後継者が減少する一方、2005年の農業法人等の雇用者数(常雇)は10年前(1995年)より8千人(17%)増加して5万6千人、家族経営の農家における雇用者数(常雇)も10年前より1万8千人(43%)増加して6万1千人となるなど、積極的な雇用の動きがみられる(*1)。2006年に農業法人等に新規に雇用された者は6,510人で、このうち39歳以下が6割を占め(*2)、農業法人等が若い新規就農者にとって重要な就職先となっている。これは、多額の初期投資を必要とせず、働きながら技術習得が可能であることや、受皿となる農業法人が増加していることが主な要因と考えられる。

また、これらの農業法人等における採用経路は、知人の紹介のほか新規就農相談センター(*3)やハローワーク、民間職業紹介事業所、インターネット、農業法人合同説明会等と多様化しており、様々なルートでの情報提供等が必要となっている。
*1 農林水産省「農林業センサス」 データ(エクセル:20KB)
*2 農林水産省「新規就農者調査」(2007年12月公表) データ(エクセル:20KB)
*3 全国及び都道府県に設置されている新規就農者に関する相談窓口で、新規就農者への農地の確保に関する情報といった情報提供等の業務を行っている。

(就農段階に応じた円滑な就農の実現を支援)

新規就農者に対しては、経験がなくても円滑に就農が図られるよう、就農前から就農後の定着の各段階に対応した国による支援が行われている。

具体的には、1.情報提供・相談段階では、全国、都道府県の新規就農相談センターでの就農カウンセリング体制の整備等個別相談の充実、2.体験・研修段階では、学生・社会人を対象としたインターンシップ、フリーターといった若者向けの合宿研修の実施、都会で働きながら就農準備をする就農準備校の開設、3.参入準備段階では、農地のあっせんや就農支援資金の融資のほか、空き家バンクを通じた住宅の確保、個人の農業知識・技術レベルを客観的に評価し、雇用者とのマッチングを図る日本農業技術検定の導入、4.定着段階では、普及指導員等の技術支援等が行われている。一方、地方自治体でも、各地域の実情に応じて、研修制度の創設や借入資金利子助成の支援等の支援が行われている。

事例:新規就農における課題解決を支援する取組
(1)農地や農業機械を提供し、就農希望者の就農の定着に寄与する取組
農業塾での農業機械の研修
農業塾での農業機械の研修
埼玉県宮代町、茨城県つくば市
埼玉県宮代町(みやしろまち)では、ルーキー農業塾を開設し、就農希望者を研修生として受け入れ、2001年に町や農協等が出資して設立した第三セクターで、研修農場や農機、荷さばき場等を提供している。研修農場は、最初3~5aから始まり、徐々に規模拡大をし、研修終了時には、研修生自らが土地所有者から農地を借り受け、町内に定着するケースが多い。町農業委員会では農家以外の新規就農者が農地を借り受けやすいように基準を緩和している。また、地域指導農家等の技術指導をはじめ、研修中には第三セクターが運営する直売所での出荷・販売を通じて経営感覚を磨く取組も行っている。さらに、研修期間中の当面の課題となる所得を確保するため、第三セクターで実施する農作業受託等のオペレーターとしてアルバイト雇用も行っている。

このような取組により5年間で9人が就農しており、地域農業の活性化に結び付いている。
 

(2)研究機関と連携し、世界最高水準の農業者を養成する農業者大学校の取組
農業者大学校
農業者大学校
(独)農業・食品産業技術総合研究機構農業者大学校は、2008年4月に茨城県つくば市(し)の筑波研究学園都市に移転・開校した。

具体的な内容としては、第一線の研究者や各界のトップリーダー、先進的な農業実践者が最高水準の講義を行うとともに、研究機関の研究チームでの実習や先進農業経営体での派遣実習を行い、世界的な視野で考え、地域で行動し、絶えざる経営革新に取り組む農業者の育成を目指している。
 

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