このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(1)農業労働力の現状 イ 女性農業者の参画の推進状況

(認定農業者等に占める女性農業者の割合は低い水準)

女性農業者は、農業就業人口や基幹的農業従事者の半数(2006年)を占めており、農業経営の一部や(*1)、加工、販売等の起業活動を担うなど我が国の農業において重要な役割を果たしている(表2-3)。しかしながら、認定農業者、農業委員等に占める割合は依然低い水準にあり、女性農業者の参画が十分に進んでいない状況にある。

また、認定農業者や農業委員に占める女性農業者の割合をふやすといった女性の参画目標(数値目標)を設定している市町村は、全市町村の3割と前年度から増加している(*2)。都道府県別にみると、全市町村で設定済みの県がある一方、1割未満の市町村しか設定していない都道府県もあるなど、都道府県間に取組の差が見受けられる。
*1 農林水産省「農業構造動態調査地域就業等構造動態調査-女性の就業構造・経営参画状況調査-」(2003年10月公表)
*2 2007年3月末現在(農林水産省調べ)


(農業経営において女性は「出荷・販売」等の中核となる仕事を希望)

農家の男性の6割、女性の4割が女性を経営者または共同経営者として、農業経営の全体または特定の部門を任せるべきと考えている(*3)。一方、実際には農作業に従事する女性のうち、給与や報酬を受け取っている者は5割にとどまっている現状にある(*4)。

また、農業経営のなかで女性に任せたい仕事(男性の意識)、女性が担いたい仕事(女性の意向)では、男性が「簿記・記帳」といった経理部門を任せたい仕事として最も期待している。これに対し、女性は「出荷・販売」といった農業経営の中核となる仕事を担いたいと考えており、考え方に大きな差が見受けられる(図2-58)。

家族農業経営の合理化や発展のためには、女性や後継者等の経営に携わる家族全員の能力が十分に発揮できる環境づくりが重要である。このため、農業経営に携わる構成員の役割、就業条件等を明確化した家族経営協定(*5)を締結する農家が増加しており、2007年は前年より9.3%増加して37,721戸となっている(*6)。家族経営協定を締結する農家では、女性の8割が農業経営の方針決定に関与している。
*3 農林水産省「農家における男女共同参画に関する意向調査」(2005年3月公表)
*4 農林水産省「農業構造動態調査地域就業等構造動態調査-女性の就業構造・経営参画状況調査-」(2003年10月公表)
*5 [用語の解説]を参照
*6 農林水産省「家族経営協定に関する実態調査」(2007年11月公表)


(農村における女性の起業は増加傾向)

農村における女性の起業活動は、2006年には9,444件と年々増加しており、売上金額が300万円未満が6割を占めるなど、小規模な取組が多くみられる(図2-59)。

また、最近では、従来から取組の多い食品加工、直売所等での販売に加え、新たな部門経営を担当することや、農家民宿、農家レストラン等の起業活動が5年前(2001年)に比べ2~3倍に増加している(*1)。このような起業活動が徐々に広がり、農産物加工品が地域特産品となるなど地域の活性化に資する取組がみられる。
*1 農林水産省「農村女性による起業活動実態調査」(2007年11月公表) データ(エクセル:20KB)

 

(農村の活性化につながる女性の参画推進)

女性の役割を適正に評価するとともに、認定農業者、農業委員等への女性の参画促進、起業活動をしやすい環境を整えることで、小規模農家を含め、農村の活性化に向けた取組が一層推進されることが期待される。

事例:子育てママが集まり、こだわり生産、産直、農家レストラン等を運営する取組
わがママ倶楽部のメンバー
わがママ倶楽部のメンバー
岩手県奥州市
岩手県奥州市(おうしゅうし)の稲作兼業農家の女性は、農業改良普及センター主催の欧州研修にともに参加した女性の行動力や、欧州でのグリーンツーリズムの取組に強烈な刺激を受けたことがきっかけとなり、30歳代の女性9人で、子育てをしながらまち(地域)も育てていこうと、「わがママ倶楽部」を1999年に設立した。会員は、非農家や農家であってもこれまで子育てが中心であった女性がほとんどで、技術研修を受けながら花きの共同栽培に取り組むことから始めた。そして、会員との話合いを通じて、みんなが輝いて暮らすための5 年計画を樹立した。

また、個人としては、加工技術やグリーンツーリズムの研修を受け、行政をはじめ関係機関のバックアップを受けながら、2000年からは農家民泊をはじめ、修学旅行生の受入れも行っている。その後、2001年には会員と地域の専業農家の女性たちと産地直売所を開設した。さらに、2004年には会員を中心に農事組合法人を設立して、地元の米や野菜を使った料理を提供する農家レストランを開店し、2005年には菓子製造許可を取得し、加工場を開設している。このように、5年計画を着実に実現している。

このような活動に加え、農業委員や地元のまちづくり審議会委員として、若い農村女性の声を政策に反映させてきた。今後は、規格外農産物からバイオエタノールを生産する取組を行うとともに、農村女性のリーダーだけでなく、地域農業のリーダーとして活動の幅を広げていきたいと考えている。
 

お問合せ先

お問い合わせ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883