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農林水産省

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2 原油価格や穀物・大豆価格の高騰とその影響

食料需要とエネルギー原料需要との競合が大きな問題に

食料の需給をめぐる世界の情勢に、かつてない変化が起こっています。

需要面では、中国等の開発途上国を中心とした人口増加に加えて、所得の向上により、畜産物・油脂類の消費が拡大することに伴い、とうもろこし等の飼料となる穀物や、油糧原料となる大豆やなたね等の需要が増加しています。また、近年の原油価格の高騰と国際的な環境への関心の高まりのなかで、石油代替燃料としてバイオ燃料の生産が拡大することに伴い、原料となるとうもろこしや大豆等の需要が世界的に増加し、食料需要との競合が起こっています。とうもろこしの最大輸出国である米国では、バイオエタノールに対する需要が増加し、原料となるとうもろこしの作付けが増加する一方、大豆の作付けが減少し、大豆需給にも影響を及ぼしています。

こうしたなかで、供給面では、豪州の2年連続の干ばつによる小麦の減産等、食料需要の増加に農業生産が的確に追いつけない状況となっています。このため、国際的な食料需給は近年ひっ迫する傾向で推移し、世界の穀物の在庫は極めて低水準となり、穀物・大豆の国際価格は過去最高の水準にまで高騰しています。

このほかにも、ロシアや中国をはじめ一部の食料輸出国では、自国内への食料供給を優先して、農産物の輸出規制を実施したり、穀物・大豆の市場では、投資や投機的マネーが流入するなどの動きがみられたり、国際価格の高騰に拍車をかけています。

世界の食料需給は中長期的にひっ迫する可能性

このような食料需給をめぐる世界情勢の大きな変化は、一時的なものにとどまらないと予測されています。需要面では、開発途上国を中心とした人口の増加により食料需要のさらなる増加が見込まれています。また、バイオ燃料についても世界全体の需要量が2030年には現在(2004年)の6倍になると予測され(*1)、非食用需要を含めた穀物・大豆需要が一層増加すると見込まれています。一方、供給面では、地球温暖化の進展や水資源の不足等が農業生産に影響を及ぼすと見込まれており、世界の食料需給は中長期的にひっ迫する可能性があります。また、穀物・大豆の国際価格についても、今後、高水準で推移するという指摘もあります(*2)。
*1 国際エネルギー機関(IEA)
*2 OECD-FAO「Agricultural Outlook 2007-2016」

穀物・大豆の国際価格の高騰が、国民生活に様々な影響

穀物・大豆価格の高騰に加えて、原油価格の高騰等により海上輸送運賃や包装資材価格が上昇しています。このため、食料の6割を輸入に依存する我が国においても食料品価格の値上げや国内農業のコスト上昇の形で様々な影響を及ぼしています。食料品については、パン、即席麺、マヨネーズ等の小売価格の値上げが相次いで表明されています。また、国内農業については、主に輸入とうもろこしから製造される飼料の価格が高騰し、畜産経営に大きな打撃を与えています。さらに、生産資材価格も上昇し、大量の燃料や資材を使用する野菜・果実等の施設園芸(ハウス栽培)においても生産費の上昇等大きな打撃を受けています。

原油価格の上昇については、施設園芸の省エネ化に対する支援をはじめ、金融面での措置等の対策が講じられています。また、飼料価格高騰に対しては、配合飼料価格安定制度による補てんのほか、畜産・酪農農家の経営に対する緊急支援対策が行われています。


国民全体で食料問題の認識を共有し、諸課題に一体的に取り組むことが必要

これまでみたような食料をめぐる現状を踏まえると、我が国の食料供給は、輸入に大きく依存することで成り立っているため、海外の影響を極めて受けやすい構造であることを改めて認識する必要があります。その一方で、食生活の乱れや大量の食料廃棄の問題が生じており、また、世界では8億人以上の人々が飢餓に苦しんでいるといった事実にも目を向ける必要があります。

今後とも、食料の安定供給を確保していくためには、国内生産の増大を基本として、これと輸入、備蓄とを適切に組み合わせていくことが必要です。このような方針のもと、国や地方公共団体だけでなく、農業者、食品産業事業者、消費者がそれぞれ、食料をめぐる様々な問題を自分自身の問題として共有したうえで、限られた国内農地を有効に活用して、国内農産物の生産をふやしていくことが重要です。さらに、これを食品産業や消費者が積極的に利用するなど、食料の生産・消費両面にわたる課題に、一体的に取り組む必要があります。
P76参照

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