このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(1)水田のフル活用による食料自給力・自給率の向上

(将来にわたる安定的な食料供給のため、食料自給力の強化が必要)

前節でみてきたように、我が国の食生活や農業経営は、石油等の資源や農産物の国際価格の動向の影響を受けやすくなっている。また、輸入農産物の生産に必要な農地面積は1,245万haと試算され、国内耕地面積の2.7倍を海外に依存した形になっている(*1)(農林水産省試算)。
食料をめぐる国際情勢の変化に対応し、将来にわたって食料を安定的に供給していくためには、食料供給の基本となる国内農業の食料供給力(食料自給力)の強化を図ることが最も重要である。しかしながら、我が国の農業は、農地の減少、耕作放棄地の増加(図1-18)、農業従事者の高齢化が進行しており(図1-19)、農業総産出額(*2)も1984年をピークに減少している。
*1 このほか、東京大学生産技術研究所の沖大幹教授等のグループによると、輸入農産物(穀物5品目、畜産物4品目)の生産を我が国で行った場合に必要となる水(バーチャルウォーター)の量は627億m3と試算されている。これは、国内の農業用水使用量549億m3(国土交通省「平成20年度日本の水資源」)を上回っている。
*2 [用語の解説]を参照

(食料自給力を強化し、その結果として食料自給率が向上)

また、国内の食料消費が国内生産でどの程度賄えているかを示す指標である食料自給率(*3)は、供給熱量ベース(2007年度40%)、生産額ベース(同66%)をはじめ、長期的に低下してきている(図1-20)。将来的に、世界の食料需給のひっ迫傾向が強まると指摘されているなか、供給熱量ベースで6割の食料を海外に依存している我が国としては、国内生産、輸入、備蓄を適切に組み合わせて、国民に対する安定的な食料供給に努める必要がある。
このため、国内農業の食料供給力(食料自給力)を構成する農地・農業用水等の農業資源、担い手、技術を確保して食料自給力(*4)を強化し、その結果としての食料自給率の向上が求められている。
*3、*4 [用語の解説]を参照


(将来の食料輸入に対する国民の不安は高まっている)

内閣府の世論調査(2008年9月実施)によると、現在の食料自給率を「低い」と思っている者の割合は、79.2%であった(図1-21)。また、将来の食料輸入に対して「不安がある」と答えた者の割合は、93.4%で、これらはいずれも過去最高となった。
また、食料の生産・供給の在り方に対する考え方については、「外国産より高くても、食料は生産コストを引き下げながらできるだけ国内でつくる方が良い」と答えた者の割合が51.5%と半数を超え、1987年以降行われた7回の調査のなかで最高となった。その一方、「外国産の方が安い食料については、輸入する方が良い」と答えた者の割合は3.1%と、1987年に行われた調査の19.9%に比べ激減している。
さらに、食料自給率を「高めるべき」、「どちらかというと高めるべき」と答えた者の割合は93.2%と大多数を占めたが、これらの回答者に、食料自給率向上のためにどのような施策が必要か聞いたところ、「消費者のニーズにあわせた国内生産の拡大に向けた取組を図る」と答えた者が53.1%と最も多く、消費面からの取組をあげる者の割合は36.0%となっている。


(持続性に優れた生産装置である水田をフル活用していくことが必要)

このような国民の意識を踏まえ、国内農業の食料供給力(食料自給力)の強化に当たっての重要な取組として、我が国の貴重な食料生産装置である水田のフル活用があげられる(図1-22)。長期的には、人口減少・高齢化等に伴い、主食用の米の需要が減少することが確実と見込まれるなか、主食用の米の需要量に見合った作付けを行う必要があり、水田をフルに活用していくため、自給率の低い麦、大豆、飼料作物等の生産が推進されている。また、これらの生産に適さない地域では、新規需要米(米粉用米、飼料用米等)や稲発酵粗飼料等の生産が促進されている。

図1-22 我が国水田農業の在り方

(産地づくり交付金の使途は麦・大豆・飼料作物に重点化)

産地づくり対策は、地域で使途・単価等を設定できる仕組みとなっており、その活用は麦・大豆・飼料作物に重点化されている。一方、地域の実情に合わせ、地域振興作物(野菜、そば等)への支援も行われている。

(食料自給力を強化するため、水田等の有効活用のための対策を見直し)

2009年産からは、食料自給力向上に向けた効果が一層高まるよう、従来の仕組みを維持しつつ、産地づくり交付金を見直すこととされた。具体的には、調整水田等、作物が作付けされない水田を助成対象から原則除外するなど、その使途を重点化するよう見直された。
また、転作の拡大や調整水田等の不作付地等における大豆、麦、飼料作物、米粉・飼料用米等の食料自給力向上戦略作物の需要に応じた生産の拡大に対し、新たに助成を行うこととされた。
水田等の有効活用のための対策の見直し

○産地づくり対策の見直し
  • 調整水田等不作付地を助成対象から除外するなど、使途を重点化
  • 著しく高い助成単価の是正
○水田・畑への大豆、麦、飼料作物、米粉・飼料用米の生産拡大支援
  • 転作の拡大、調整水田等不作付地への作付拡大に対して助成
    大豆、麦、飼料作物 → 3.5万円/10a
    米粉・飼料用米等 → 5.5万円/10a
    (ただし、水田裏作、畑不作付地への作付拡大は1.5万円/10a、助成期間3年または1年)
  • 水田・畑作経営所得安定対策の対象者については、上記に加え、大豆、麦に経営所得安定対策相当額を助成予定

お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883
FAX:03-3593-9467