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農林水産省

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(2)食料自給力・自給率の向上に向けた取組 ア 食料自給率の現状と目標達成への取組

(2007年度の供給熱量ベース自給率は1ポイント上昇し、40%に)

我が国の総合食料自給率(供給熱量ベース)は、2007年度には前年度より1ポイント上昇して40%となった。その主な要因は、天候に恵まれ小麦の生産量が過去10年で最高となったことや、米の1人1日当たりの消費量が増加したこと等があげられる。
一方、生産額ベースの総合食料自給率は、野菜及び米の価格低下や輸入飼料価格の高騰により2ポイント低下し、66%となった。

(諸外国と比べて低い我が国の食料自給率には、国土条件や人口も影響)

我が国の食料自給率は、主要先進国のなかで最低水準となっている。これには、我が国の国土面積の7割が森林で農地面積が小さいこと、国土面積の割に人口が多いことが影響している。
なお、主要先進国の農地1a当たり国産供給熱量を試算すると、我が国の農地が供給する熱量は他国に比べ非常に大きいことがわかる(表2-1)。


(我が国の食生活は過去40年で、ごはんの代わりに肉や卵、油脂類を使った料理が増加)

我が国では、過去40年あまりで国民所得が大きく増加し、食料需要も広がりをみせた。これに対応して食品産業もめざましく成長したこと等から、我々の食生活は便利で多様なものとなっている。また、1965年度と2007年度の食事の内容を比較すると、ごはんが約半分に減る一方、肉や卵、油脂類を使った料理がふえていることがわかる(図2-22)。

図2-22 1人当たりの食事の内容と食料消費量の変化

(食生活の変化が食料自給率の低下に大きく影響)

供給熱量ベースの総合食料自給率が長期的に低下してきた原因は、主にこのような食生活の変化にある。国内で自給可能な米の消費が減少する一方、国内生産では供給困難な飼料穀物が必要な畜産物や油糧原料を使用する油脂類の消費が増加している(図2-23)。1965年度から2007年度までの間に、供給熱量全体に占める米の割合は44%から23%に、主食用穀物(*1)の供給熱量に占める米の割合も77%から65%に、それぞれ減少している。
また、食の外部化が進展するなか、外食、中食(なかしょく)(*2)や食品加工業等の実需者における加工や業務用需要の高まりに国内生産が十分に対応しきれていないことも、食料自給率が低下してきた要因としてあげられる。
*1 米、小麦、大麦、裸麦
*2 [用語の解説]を参照


(供給熱量ベースの総合食料自給率目標は45%)

食料・農業・農村基本計画(2005年3月閣議決定)においては、望ましい食料消費の姿と生産努力目標の実現により達成される2015年度の食料自給率目標を、将来的に供給熱量の5割以上を国産で賄うことを目指しつつ、計画期間内の実現可能性を考慮して、供給熱量ベースで45%、生産額ベースで76%に設定している。
食料自給率目標の達成に向け、農業生産面に加え、食料消費面の取組も合わせた両面にわたる取組を行うことが重要である。

(食料自給率向上に向けた国民運動がスタート)

食料に関する問題意識を共有し、消費者、企業、団体、地方公共団体といった関係者が一体となって国産農産物の消費拡大等を具体的に推し進めることが重要な課題となっている。このようななか、食料自給率向上に向けた国民運動「FOOD ACTION NIPPON(フード アクション ニッポン)」が2008年10月にスタートした。この国民運動では、個人、企業、団体等の自主的な参画により、国産食材を活用した新商品の開発や、国産食材にポイントを付与する取組をはじめ、国産農産物の消費拡大等に向けた様々な取組が展開されている(図2-24)。

図2-24 食料自給率目標達成に向けた関係者の取組

「FOOD ACTION NIPPON」が訴えること

「FOOD ACTION NIPPON」は、「日本の食を次の世代に残し、創る」ために、日本の食料自給率の向上を目指した国民運動で、より多くの国産農産物を食べることによって食料自給率の向上を図り、食の安全と豊かさを確かなものとして子供たちの世代へ引き継いでいくことを目指しています。また、「食料自給率を高めていくためには、国はもちろん、みんなが力を合わせることが必要」として、次の5項目を提案し、「できることから始めよう」と呼びかけています。

  1. いまが旬」の食べものを選びましょう
    「旬」の農産物は、もっとも適した時期に無理なく作られるので、余分な手間や燃料などを必要としません。味もよく、栄養もたっぷりで、体にも環境にもやさしい食事が実現できます。
  2. 地元でとれる食材を日々の食事に活かしましょう
    私たちが住んでいる土地には、その風土や環境に適した農産物が育ちます。身近でとれた農産物は新鮮です。一人ひとりが地元でとれる食材を選ぶことが、地域の農業を応援することになります。(地元農業の応援はもちろん国産農産物の応援になります ! )
  3. ごはんを中心に、野菜をたっぷり使ったバランスのよい食事を心がけましょう
    油のとりすぎは様々な生活習慣病を引き起こす原因にもなっています。ごはんを中心に、野菜をたっぷり使ったバランスの良い食事を心がけましょう。
  4. 食べ残しを減らしましょう
    開発途上国で飢餓が問題となっている中、日本では食料を大量に輸入して大量に捨てています。この現状を踏まえ、家庭においても、食品の無駄な廃棄、食べ残しを減らしましょう。(食料の無駄を減らすことは、食料輸入を少なくすることにもつながります。)※
  5. 自給率向上を図るさまざまな取組みを知り、試し、応援しましょう
    米粉を使ったパン・麺などの新しいメニュー、国産飼料を使った牛や豚、鶏などの肥育、地産地消地域ブランド、直接契約による生産などのさまざまな試みを知り、試しに味わってみるなど、応援しましょう。
FOOD ACTION NIPPONのホームページ(http://www.syokuryo.jp/)より抜粋
※我が国の食品廃棄量は、500 ~ 900万tに及ぶという試算がある一方、世界の食糧援助量は594万t(2007年)

(ごはんをもう一口食べると食料自給率が1%向上)

供給熱量ベースの食料自給率を1%向上させるために必要な消費の拡大量としては、国民1人当たりにすると、ごはんであれば、一食につきもう一口の消費をふやせば良いという試算がある(図2-25)。同様に、国産小麦100%使用のうどんであれば月にもう3杯、国産大豆100%使用の豆腐であれば月にもう3丁の消費をふやせば、それぞれ1%向上する。

図2-25 食料自給率(供給熱量ベース)を1%向上させるために必要な消費の拡大量(試算)

事例:食料自給率向上に向けて広がりをみせる民間活動

(1)国産の食材を使っていることを緑提灯(ちょうちん)で表す取組
緑提灯
緑提灯
赤提灯といえば居酒屋を指す言葉だが、2005年、北海道小樽市(おたるし)の1軒の飲食店で緑色の提灯が店頭に飾られた。これは、地元の食材を使った料理が食べられる店の目印として緑色の提灯を掲げてはどうかという考えにより民間活動として始められた取組である。「地場産品応援の店」と書かれた提灯には星印が描かれており、店主が自主申告する国産品の使用割合に応じて星の数を付けることになっている。
この取組は徐々に広がりをみせていたが、2008年1月になってマスメディアに取り上げられたことから、緑提灯を掲げる店は急増し、1,800店を超えている(2009年3月現在)。なかにはレストランや精進料理を出す寺、食育活動をしている保育園も参加しており、その取組は居酒屋という枠を超え、確実に広がっている。一方、これらの店は、全国8,100人(同)を超える「緑提灯応援隊」によって応援されている。彼らの義務は、「赤提灯の店と緑提灯の店が並んでいたら、ためらわず緑提灯の店に入ること」だけという。このように、簡素で緩やかな活動が緑提灯の取組の特徴である。
※「緑提灯」ホームページ(http://midori-chouchin.jp/
 
(2)銀座でのイベントを通じ、人と自然の共生を考える取組
ファーム・エイド銀座2008
東京都中央区
東京都中央区(ちゅうおうく)銀座では、2008年7~ 11月までの毎月、「あなたの『おいしい ! 』が日本の地域と食を元気にします」というキーワードで人と自然の共生を考えるイベント「ファーム・エイド銀座2008」が開催された。このイベントは、銀座のビルの屋上でミツバチを飼っている特定非営利活動法人(NPO法人)(*1)が中心となって企画されたものである。その内容は、「お米」や「夏野菜」といった各回のテーマに沿ったシンポジウムや農林水産物・食品の販売(プチ・マルシェ)等で構成されており、銀座への買い物客が立ち寄る姿がみられた。
なかでも「プチ・マルシェ」は、地域の頑張っている人や広く知られていない産品にスポットを当て、それらがもつ物語を都会の人に直接伝えることで地域や産品を正当に評価してもらい、都会と地域が支え合う新たな関係を構築するという目的をもっている。
2009年度もこのイベントは継続される予定であるが、参加者の一層の増加が課題となっている。また、近隣では酒造会社の屋上で酒米が、デパートの屋上で野菜が栽培・収穫されており、このような取組をきっかけとして、都市住民の農業に対する関心が高まることが期待される。
*1 [用語の解説]を参照
 

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