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農林水産省

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1 技術・環境政策等の総合的な推進


最先端技術の産業化、低炭素型の産業構造への転換等を実現するため、中長期的視点、国際競争力の観点も踏まえて政策を立案し、実行します。
また、そのための包括的な戦略を策定し、これに基づき技術・環境政策を総合的・体系的に推進します。あわせて、知的財産の保護や積極的な活用に向けた取組を進めます。

(1)革新的な技術開発の推進

様々な農政の課題に技術面で的確に対応するため、「農林水産研究基本計画」に基づき、以下の施策を推進します。

ア 食料供給力の強化を図る研究開発

(ア)
食用米と識別性のある超多収飼料用米品種、飼料用米の調製・給与技術等の開発、米粉のパン等への利用を拡大するための加工適性に優れた多収品種の選定、米粉パンの品質劣化防止技術等の基盤的技術開発を推進します。
(イ)
パン・中華めん用の小麦やなたね等の高品質品種、大豆、小麦等の湿害回避技術の開発を推進します。
(ウ)
農作業負担を軽減する農業自動化システムや農作業アシストシステムの開発を推進します。

イ 新需要を創出する付加価値の高い農産物、食品、新素材、医薬品等の開発

(ア)
畑作物、野菜、果樹、工芸作物等についての高血圧、脂質代謝異常症等を予防する機能性成分の作用メカニズムの解明と利用技術の開発を進めます。
(イ)
LED等の人工光源や波長等の光質制御が可能な被覆(ひふく)資材等により、野菜の品質向上や花きの生育・開花及び品質をコントロールする技術の開発を推進します。
(ウ)
遺伝子組換えカイコによる人工血管・軟骨再生素材等の医療用素材の動物での安全性・有効性の確認と抗体タンパク質等の検査用試薬の実用化を推進します。
(エ)
完全閉鎖型植物工場を用いて、医薬品原料等の高付加価値物質を生産するための完全人工環境下での植物栽培及び高生産型組換え植物創製にかかる技術開発を実施します。

ウ 地球温暖化等環境問題に対応する技術の開発

(ア)
農林水産分野における温室効果ガスの発生・吸収メカニズムの解明を行うとともに、温室効果ガスの排出を削減させる技術、森林や農地土壌等の吸収機能を向上させる技術の開発を推進します。
(イ)
地球温暖化の進行に適応した農林水産物の収量や品質等を安定させる技術の開発を推進します。
(ウ)
稲わら等作物の非食用部や木質バイオマスから、低コスト・高効率にバイオ燃料を生産する技術開発や、石油化学製品に代替するバイオマスマテリアルの製造技術開発等を推進します。
(エ)
環境保全型農業施策等を効果的に推進するため、天敵等を対象とした生物多様性の指標とその評価手法の開発を推進します。

(2)研究開発から普及・産業化までの一貫支援

研究成果を確実に普及・実用化につなげていくため、民間等の幅広い分野の人材、情報等を活用し、研究マネジメント機能を強化します。
研究段階に応じて人材、研究資金等を機動的かつ一体的に運用する視点に立って、農林水産業・食品産業等におけるイノベーションにつながる革新的な技術シーズを開発するための基礎研究及び開発された技術シーズを実用化に向けて発展させるための研究開発を推進します。
研究開発から産業化までを一貫して支援するため、大学、民間企業等の地域の関係者による技術開発から改良、開発実証試験までの取組を切れ目なく支援するとともに、公的研究機関の開発した新品種・新技術に加え、民間企業における機能性農作物に関する研究結果や、地域特産物等の機能性を活かした新食品・新素材の事業化を推進します。
地域の大学、試験場、企業等に対し、コーディネーターを派遣するとともに、事業化可能性調査、技術交流展示会、人材育成の実施等、地域における産学連携活動を一体的に支援します。
産地においては、普及指導センターと大学、企業、試験研究機関等が連携しつつ、技術指導を核に総合的な支援を展開するなど、研究成果の普及・実用化体制の強化を推進します。

(3)地球環境問題への貢献

ア 地球温暖化対策への貢献

(ア)
農林水産分野における温室効果ガス排出削減を推進するため、農業や食品産業において、省エネ施設・機械の導入や施肥の適正化を推進します。
(イ)
農地の炭素貯留量の増加につながる土壌管理等の営農活動を普及・推進します。
(ウ)
温室効果ガスのさらなる排出削減のため、農林水産分野における排出削減・吸収量(クレジット)の取引制度、排出削減効果や農地土壌の炭素貯留効果の「見える化」等の新たな地球温暖化対策を推進します。
(エ)
農山漁村地域におけるバイオマス等の再生可能エネルギーの利用を推進します。
(オ)
地球温暖化対策研究戦略に基づき、農林水産分野における地球温暖化防止技術・適応技術の開発等を推進します。
(カ)
世界的な温室効果ガスの排出削減や気候変動による影響への適応を進めるため、国際的な研究・技術協力を積極的に実施します。

イ 循環型社会形成への貢献

(ア)
バイオマスの活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、「バイオマス活用推進基本法」(21年9月施行)に基づき、「バイオマス活用推進基本計画」の策定及び同計画に基づいた施策の検討を実施します。
(イ)
バイオマスの効率的な収集・変換等の技術の開発、システムの構築を進めることとし、以下の取組を実施します。
a
国産バイオ燃料の本格的な生産に向け、原料供給から製造、流通まで一体となった取組のほか、食料・飼料供給と両立できる稲わら等のソフトセルロース系原料の収集・運搬からバイオ燃料の製造・利用までの技術を確立する取組を支援します。
b
農林漁業に由来するバイオマスのバイオ燃料向け利用の促進を図り、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を推進するため、「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律」に基づく「製造連携事業計画」により新設されたバイオ燃料製造設備について、固定資産税の軽減措置(21年3月31日新設分まで)を実施します。
c
国産バイオマスエネルギーの生産コストを大幅に低減するため、バイオ燃料製造技術の開発を加速化するとともに、バイオマスマテリアル製造技術の開発、バイオマス循環利用モデルの構築等を推進します。また、新たにCO2の吸収効果が大きいバイオマスの利用技術の開発等を推進します。
d
下水処理場を核としたバイオマスの利活用や、下水道施設を利用した未利用エネルギーの循環等を推進します。また、我が国が全量を輸入に頼るりん資源の安定的確保に向けて、下水汚泥等に含まれるりんの回収・活用を推進するための方策について検討します。
(ウ)
地域に賦存する様々なバイオマスの総合的な利活用を図るバイオマスタウン構想の策定やその実現に向けた取組を支援します。
(エ)
国際機関等におけるバイオマスに関する技術移転、途上国における能力強化支援、バイオ燃料の持続性の基準・指標の策定等の国際的な議論に積極的に参画し、バイオマスの普及と持続可能な利用を促進します。また、東アジアにおけるバイオマスタウン構想の策定等を推進します。

ウ 生物多様性保全への貢献

(ア)
有機農業や冬期湛水(たんすい)管理等、生物多様性保全に効果の高い農業生産活動等を推進します。
(イ)
生物多様性関連施策を効果的に推進するため、農業の営みが生物多様性に与える効果を定量的に把握・評価する指標の開発を推進します。
(ウ)
水田魚道の設置等、生態系に配慮した水田や水路等の整備技術の開発・普及を推進します。
(エ)
生物多様性保全を重視した農林水産業の取組事例について情報提供し、国民の理解の増進を図ります。
また、22年10月に愛知県名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を契機として、我が国の農林水産業の生物多様性保全への貢献を国内外に発信します。
(オ)
COP10と合わせて開催されるカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)に向け、遺伝子組換え生物の国境を越える移動から生ずる損害についての「責任と救済」の議論について、議長国としてリーダーシップを発揮し、遺伝子組換え生物等に対する様々な立場を持つ各国にとって実効性のあるバランスのとれた制度となるよう、積極的に対応します。
(カ)
遺伝子組換え農作物に関する取組については、生物多様性に及ぼす影響についての科学的な評価、安全性未確認の遺伝子組換え農作物に対する水際検査、国内の生産状況等の調査を実施します。

(4)知的財産の保護・活用

技術開発の成果等の実用化を一層効果的に実施していくことを目的に、研究者等を対象とした研修を開催するなど農林水産知的財産ネットワークの活動を充実します。
また、中小経営体による知的財産の活用・管理の手法を検討し、農林水産現場の新しい技術やノウハウの活用を促進します。
さらに技術移転機関(TLO)を活用して農林水産省所管の試験研究独立行政法人が保有する知的財産権の産業界への移転を促進します。
「食と農林水産業の地域ブランド協議会」の活用による地域ブランド化に取り組む主体とそれを支援する者との交流促進、地域段階における地域ブランドの確立に向けた取組に対する支援等、地域ブランド施策を推進します。
地元の食材を核とした伝統料理や新たな創作料理について、食材の生産者、地方行政、料理人、ホテル・旅館等の関係者が連携して、全国的なPRや観光客向けの情報発信を行うとともに、商標・意匠等の知的財産権の取得を目指す取組を支援し、農山漁村の活性化を図ります。
また、技術・技能が卓越し、日本産食材の利用拡大等の農林水産施策に貢献してきた料理人に対する新たな顕彰制度を創設します。
農山漁村の6次産業化支援のためのワンストップサービスの一環として、地方農政局に、知的財産についての総合的な相談に対応できる窓口を設置します。
また、普及指導員等が現場で適切な相談対応を行えるよう、普及指導員等の知的財産に関する知識の向上を図ります。
我が国の植物新品種を海外においても適切に保護するため、植物品種保護制度の整備が遅れている東アジア地域において、制度の共通の基盤づくりを目指し、国際的に調和のとれた制度整備・充実を進めるため「東アジア植物品種保護フォーラム」のもとで引き続き技術協力、人材育成等の協力活動を推進します。
我が国の地名、品種名等の中国等での商標出願・登録について、一元的に監視を実施する「農林水産知的財産保護コンソーシアム」の活動を充実・強化します。
和牛の遺伝資源の保護・活用を図るため、精液の流通管理の強化、和牛の改良・生産体制の強化等を推進します。
篤農家の暗黙知であるノウハウを、農業者等が活用可能な形に置き換える世界最先端のAI(アグリインフォマティクス)システムを開発し、世界に例のない新しい農業の姿を目指します。その際、知的財産としての管理手法等の検討を行います。
決められた産地で生産され、指定された品種、生産方法、生産期間等が適切に管理された農林水産物に対する表示である地理的表示を支える仕組みについて検討します。

お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
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