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農林水産省

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(4)都市と農村の交流・人材の育成


○ 今後の農業・農村へのかかわり方についての都市住民の意識をみると、地域農産物の購入、市民農園での農作業のほか、グリーン・ツーリズム等により農村との積極的な交流を望む者が多数。グリーン・ツーリズムは、平成19年(2007年)に政府全体で策定された「観光立国推進基本計画」でも位置付けられ、関連施設への宿泊数も平成20年(2008年)には800万人を超えているが、今後、関係機関が連携して、受入体制の整備、体験内容の充実等を行っていく必要。

○ 都市と農村の交流を図るうえで、子どもの農業・農村体験の取組も重要。子ども農山漁村交流プロジェクトの受入モデル地区数(平成21年度(2009年度))は、前年度より3県37地域増加し、36道県90地域。このプロジェクトについては、学校側の負担が大きいとの指摘もあり、今後これを軽減するため、コーディネーターの役割を担う組織の育成が重要。


○ 農村の活性化を図るうえで、二地域居住や定住、UJIターン等による人材の確保が重要。移住・交流者を受け入れた地域の住民の意識をみても、人口減少に歯止め、産業・経済やコミュニティの活性化等が良かった点として指摘。今後、地方自治体等による受入体制の整備、交通アクセス、教育等居住面での環境整備、十分な情報発信が重要。

○ 農村地域の活性化・人材育成を目的とした「田舎で働き隊!」事業では、平成20年度(2008年度)、期間1週間程度の研修を42道府県で受け入れ、69の機関で2,479人が研修。これにより、83人(うち39歳以下が59人)が農山漁村に定住し、地域農業団体やNPO等に就職するなどの効果。平成21年度(2009年度)は、最長10か月の長期研修を実施し、さらなる効果が期待。



○ 近年、全国各地で、農業高校による地域産物を活用した加工品の開発・ブランド化の取組とともに、若者を中心とした農業への関心の高まりのなかで、自らの就農、援農等の農村の活性化活動、マーケティング等での農産物販売支援、イベントや雑誌等を通じた農業のPR等、様々な形で農業にかかわる取組が進展。

○ また、各地において、消費者等が応分の負担を行いつつ、農業者・農村を主体的に支えようとする動き。

○ 農業者の減少・高齢化、後継者や若者の不在等、農村では厳しい状況がいわれ続けるなか、「夢と希望のある農業・農村」にしていくために、このような若者や消費者等の取組や支援を一過性のものとせず、全国・地域段階でしっかりしたサポートを行うことにより、継続的に行われるようにしていくことが重要。

事例:様々な農業高校ブランド等
(1)加工品開発等(農業高校ブランド)の取組

愛知県立渥美(あつみ)農業高等学校

外見も種の部分も四角いメロンを生産しています。生徒のアイデアを基に開発し、特許の取得、商標登録も行っています。

愛知県田原市加工品開発等(農業高校ブランド)の取組(愛知県)

沖縄県立北部(ほくぶ)農林高等学校

沖縄在来種の「アグー」と米国系品種「デュロック」をかけ合わせた豚を生産しています。大型で肉の量が多いことが特徴です。

沖縄県名護市加工品開発等(農業高校ブランド)の取組(沖縄県)

山形県立置賜(おきたま)農業高等学校

生徒が育てた米をもち皮に、学校産のかぼちゃと地元産の紅大豆、秘伝豆をあんに使用した和菓子をつくっています。

山形県川西町加工品開発等(農業高校ブランド)の取組(山形県)

茨城県立鉾田(ほこた)農業高等学校

学校の農場で育てた小麦とかぼちゃを使用して、かぼちゃパンを製造しています。

茨城県鉾田市加工品開発等(農業高校ブランド)の取組(茨城県)

熊本県立八代(やつしろ)農業高等学校

生徒が作ったトマトや地元農家が収穫した規格外トマトをピューレにし、規格外の地元産なしやいちご、ぶどう、しょうが、レモン等を配合した万能たれをつくっています。道の駅や学園祭で販売し、人気を得ています。

熊本県八代市加工品開発等(農業高校ブランド)の取組(熊本県)

事例:農業に関心をもち、活動している若者
(1)自ら就農する取組

福井県坂井市(さかいし)

経営コンサルタントをしていた若者が、I農業法人を立ち上げ、ベビーリーフの栽培を行っています。レストラン等に直接販売することで、近年売上げを伸ばしています。

福井県坂井市自ら就農する取組(福井県)
(2)農村におもむき地域の活性化に参加する取組

秋田県大潟村(おおがたむら)

20歳代前半の元会社社長が、若者が食や農業に関心をもつきっかけづくりのため、雑誌モデルたちとともに、秋田県の農業法人と共同で、同県で米の栽培を行い、収穫した米を東京都内等で販売しています。この新しい試みは、「農業するギャル」通称「ノギャルプロジェクト」といわれています。

秋田県大潟村農村におもむき地域の活性化に参加する取組(秋田県)
(3)マーケティング等で農産物の販売を支援する取組

北海道・東京都・島根県

東京の大学生が、団体を立ち上げ、島根県で生産された規格外野菜を販売する露店を東京都内で開いています。規格外野菜を買い取って、料理を提供している島根県の旅館でのインターンシップがきっかけとなりました。また、学生たちは、札幌市にI食品流通・加工会社を設立し、規格外の道産野菜を本州に運ぶ新たな流通網づくりに取り組んでいます。運輸会社や地域のボランティアの協力も得て、採算を確保したいと考えています。

北海道東京都島根県
マーケティング等で農産物の販売を支援する取組(北海道・東京都・島根県)
(4)若手農業者組織が自主的に行う啓蒙活動の取組

北海道浦幌町(うらほろちょう)

十勝地方の若い農業者が、都市と農山漁村の相互補完関係を構築しようと「十勝おやじの背中を超える会」を設立しました。原料作物の一大産地である十勝の役割と価値の発信をテーマにイベント等を実施し、大都市の消費者との交流を通じ、農業や地域の活性化を目指しています。

北海道浦幌町若手農業者組織が自主的に行う啓蒙活動の取組(北海道)
(5)雑誌等を通じて農業・農村の魅力を伝える取組

都会の若者等に向けて、農業に取り組む若い世代のライフスタイル、農業の魅力、農業体験や新規就農に至るまでの情報等を盛り込んだ様々な雑誌等が発売されています。


事例:「農」を支える新たな連携
(1)消費者等が生産者を支える動き
CSA(*1)の取組

北海道長沼町(ながぬまちょう)

地域内の農家と消費者が、農業の恵みとリスクを分かち合う新たな産直システムであるCSAを実践しています。会員(消費者)は、かかる費用の合計を年会費として支払い、5月から約半年間、隔週の決まった曜日に多品種少量の農産物を受け取っています。

北海道長沼町CSA の取組(北海道)

消費者が生産者を応援する取組

岩手県奥州市(おうしゅうし)

JA江刺りんご部会では、平成21年度(2009年度)より、奥州市と連携して江刺りんごをPRするため、「江刺りんごサポーター」事業を立ち上げました。この取組は、サポーターに年数回、広報誌や江刺りんごの代表品種「サンふじ」を発送したり、収穫体験をしてもらったりすることで、りんごについての関心を深めてもらい、消費者・関係者みんなで江刺りんごを支えていくことをねらいとしています。

岩手県奥州市消費者が生産者を応援する取組(岩手県)
(2)生協活動を通じた支援の動き
販売額から農家に支援金を送る取組

鹿児島県鹿児島市(かごしまし)

飼料価格高騰で経営がひっ迫した酪農家を支援するため、平成20年(2008年)6月から平成21年(2009年)2月の間、生協が販売した大隅産牛乳1本当たり2円を県酪農協へ支援金として送っています。

鹿児島県鹿児島市販売額から農家に支援金を送る取組(鹿児島県)

土づくり等を支援する取組

東京都

組合員がお金を出し合い、資金を産地に低利で融資する「土づくり基金」をつくり、たい肥場建設や農業機材の購入等に活用しています。

東京都土づくり等を支援する取組(東京都)
(3)NPO・企業等と連携した動き
企業と連携して耕作放棄地を解消する取組

山梨県北杜市(ほくとし)

特定非営利活動法人「えがおつなげて」は、企業との連携による耕作放棄地活用を行っています。耕作放棄地の貸し手と借り手のマッチング機会の提供や、イベントの開催等により、農村での企業CSR(*2)活動、人材育成、安全・安心な農産物の直接調達も行っています。

山梨県北杜市企業と連携して耕作放棄地を解消する取組(山梨県)

*1 CSA(Community Supported Agriculture)とは、「地域支援型農業」のことであり、特定の消費者が、生産者と農産物の種類、生産量、価格、分配方法等について、代金前払い契約を結ぶ農業のことです。
*2 CSR(Corporate Social Responsibility)とは、「企業の社会的責任」のことです。企業が活動するに当たって、社会的公正や環境等への配慮を組み込み、従業員、投資家、地域社会の利害関係者に対して責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことが求められています。

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