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農林水産省

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平成22年度 食料・農業・農村施策 概要


新たに策定した「食料・農業・農村基本計画」(基本計画)の目標の達成及びその課題等の克服に向けて、食料自給率向上に向けた施策、食料の安定供給の確保に関する施策、農業の持続的な発展に関する施策、農村の振興に関する施策及び食料・農業・農村に横断的に関係する施策等を総合的かつ計画的に展開します。特に、戸別所得補償制度に関するモデル対策の実施、農業・農村の6次産業化等による所得の増大等、以下の諸施策に重点的に取り組むこととしています。


1 食料自給率向上に向けた施策

国際情勢、農業・農村の状況、課題克服のための関係者の最大限の努力を前提として定められた食料自給率目標の達成に向け、水田をはじめとする生産資源を最大限活用することを第一歩として、主要品目ごとの生産数量目標の実現に向けた施策を推進します。


生産面での主な施策

○ 

 水稲直播栽培等の新技術の導入、米粉用米、飼料用米等の低コスト生産に向けた多収性品種の導入、カドミウム吸収抑制対策等を推進します。また、米粉用米、飼料用米増産に対応するため、既存の大規模乾燥調製施設の再編整備を推進します。

○ 

 パン・中華めん用小麦の作付け拡大に資する新品種・新技術の導入や実需者との連携による需要開拓、水田の高度利用(二毛作)等を積極的に推進し、麦の作付け拡大を図ります。

○ 大豆

 単収向上や作柄の安定化に資する大豆300A技術、湿害対策技術の普及や国産大豆の契約栽培による安定的な取引関係の構築や食品製造事業者等による商品開発の取組等により大豆の作付け拡大を推進します。

○ 飼料作物等

 高収量・高品質な稲発酵粗飼料等の利活用の推進や草地改良、放牧の推進、国産粗飼料の広域流通、飼料用米の利活用、飼料生産の組織化・外部化等及び飼料生産組織の経営高度化の取組を推進します。


2 食料の安定供給の確保に関する施策

国民の食生活を支える農林水産物や食品の生産から消費に至るフードチェーン全体において、様々な問題が生じてきているなか、安全な食料を安定供給し、国民が安心を実感できる食生活の実現に向けた政策を確立する必要があり、食の安全と消費者の信頼を確保するため、食品の安全性の向上、フードチェーンにおける取組の拡大、食品に対する消費者の信頼の確保を図る施策を推進します。

また、国産農産物を軸とした食と農の結び付きの強化、食品産業の持続的な発展と新たな展開、総合的な食料安全保障の確立、輸入国としての食料安定供給の重要性を踏まえた国際交渉への対応に向けた施策を推進します。


食の安全と消費者の信頼の確保に向けた主な施策

○ 農業生産工程管理(GAP)の導入・推進

 GAPの導入を支援するとともに、取組内容の高度化を図るため高度な取組内容を含むGAPの共通基盤部分に関するガイドラインを活用した取組を推進します。

○ 危害分析・重要管理点(HACCP)手法の導入

 「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時設置法」による長期低利融資を行うとともに、低コスト導入手法の構築・普及、専門家からの助言・指導が受けられる体制の構築、現場責任者・指導者養成のための実践的な研修の取組の支援を強化します。また、HACCP手法の導入が困難な零細規模層に対して一般的衛生管理を徹底させるための基礎的な研修等の取組を支援します。

○ 輸入に関する取組

 輸出国政府との二国間協議や在外公館を通じた現地調査等の実施、情報等の入手のための関係府省との連携の推進、監視体制の強化等により、輸入食品の安全性の確保を図ります。

○ 流通段階における取組

 食品の移動の追跡・遡及の備えとするトレーサビリティに関し、米穀等については、「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」(22年10月施行)により取引等の際の記録の作成・保存の義務化を内容とするトレーサビリティ制度を導入します。これと併せ、他の飲食料品についても米の制度の導入実態を的確に把握し、入出荷記録の作成・保存の義務付け等について検討を進めます。

○ 原料の原産地表示の推進

 加工食品における原料原産地表示の義務付けを着実に拡大するほか、食品産業のうち、原産地表示のためのガイドラインにより自主的な原料原産地表示を進めようとする業界の事業者をアドバイザーとして育成する等により、食への信頼を確保します。

○ 食品安全庁等についての検討

 リスク評価機関の機能強化や、リスク管理機関を一元化した「食品安全庁」について、関係府省の連携のもと、検討を行います。


3 農業の持続的な発展に関する施策

農業が、国民が求める食料の安定供給等の役割を持続的に果たしていくためには、農業者が希望を持って農業に従事し、収益を上げることができる環境を整えていくことが必要不可欠であり、農産物の販売価格と生産費の差額を国から直接交付金として支払うことを基本とする戸別所得補償制度を創設するとともに、生産・経営関係施策の実施と再整理を推進します。

また、農山漁村において、その地域の特性を活かした農林水産物を生産し、それらを素材として加工することにより付加価値を創出し、それを流通・販売するなど、地域の第1次産業としての農林水産業とこれに関連する第2次・第3次産業に係る事業を融合させることにより、総合的かつ一体的な産業化を進め、これを通じ、農業者の所得の増大を図る農業・農村の6次産業化等を推進します。

さらに、意欲ある多様な農業者による農業経営の推進、優良農地の確保と有効利用の促進、農業災害による損失の補てん、農作業安全対策、農業生産力強化に向けた農業生産基盤整備の抜本見直し及び持続可能な農業生産を支える取組を推進します。


戸別所得補償制度の創設に向けた施策

○ 水田におけるモデル対策の実施

 水田農業の経営を安定させ、自給率向上に取り組む環境をつくっていくため、

(1) 水田を有効活用して、麦・大豆・米粉用米・飼料用米等の戦略作物の生産に対して、主食用米並みの所得を確保し得る額を直接支払いにより交付する水田利活用自給力向上事業

(2) 米の生産数量目標に即した生産を行う販売農家・集落営農に対して、米の所得補償を直接支払いにより交付する米戸別所得補償モデル事業

の2つの対策を一体的に講じます。

○ 戸別所得補償制度の実施

 戸別所得補償制度の本格実施に当たっては、水田におけるモデル対策の実施状況を踏まえて米、麦、大豆等の土地利用型作物を対象に制度設計を行います。また、規模、品質、環境保全の取組等に応じた加算について、他の生産・経営関係施策や地域資源・環境保全のための施策等との関係を整理しつつ、制度上の位置付けを検討します。その他の農畜産物の取扱いについては、現行対策の果たしてきた役割やモデル対策の実施状況等を踏まえ、検討を進めていきます。


4 農村の振興に関する施策

我が国の農村は、意欲ある多様な農業者が営農にいそしむことで、地域経済の活力を支えつつ、地域の環境や伝統文化の保全に貢献する一方、都市部に対しては、食料を安定的に供給することはもちろん、青壮年の労働力の提供や経済不況時における雇用の受け皿としての役割を担うなど、多面的な機能を備えています。こうした農村の有する機能を今後とも十分に発揮していくためには、国と地方の適切な役割分担のもと、これらの地域が抱える不利な農業生産条件を補正し、生活条件の整備を含めた集落機能の維持と生態系や景観を含む農村環境の保全等を支援していくことが必要であり、地域資源を活用した産業の創造やバイオマスを基軸とする新たな産業の振興等による農業・農村の6次産業化を推進します。

また、新たな交流需要の創造等による都市と農村の交流、都市及びその周辺の地域における農業の振興、集落機能の維持と地域資源・環境の保全、農山漁村活性化ビジョンの策定を推進します。


農業・農村の6次産業化に向けた主な施策

○ 「地域資源」を活用した「産業」の創造

 農林水産業を軸とした地場産業を活性化するとともに、技術革新や農商工連携等を通じ、様々な資源活用の可能性を追求します。その際、潜在的な需要を開拓して新たな素材や新商品を開発するとともに、他産業における革新的な活用方法の創出と新たなビジネスモデルの創造を推進します。また、農林水産業・農山漁村に豊富に存在するバイオマス資源と様々な産業の先端技術を結び付けた、新たな産業の創出に向けた戦略を策定するとともに、重点分野や新技術の事業化に向けた市場規模・技術課題等に関する調査を支援します。

○ バイオマスを基軸とする新たな産業の振興

 稲わら、せん定枝等の未利用資源、食品残さ等の廃棄物といったバイオマスを活用し、エネルギーやプラスチック等の製品を生産する地域拠点の整備に向け、そのためのビジネスモデルを検討するとともに、これらの取組に必要とされる技術の開発・実証等を推進します。

○ 農村における再生可能エネルギーの生産・利用の推進

 農山漁村に豊富に存在するバイオマス、小水力、太陽光といった再生可能エネルギーの利活用を推進するため、資源の利用可能性調査や施設整備、制度的な環境整備を推進します。


5 食料・農業・農村に横断的に関係する施策

農業生産コストの低減や6次産業化の基礎となる革新的技術の開発、生産から消費に至るフードチェーン全体における安全性を確保するための技術の開発、バイオテクノロジー等最先端技術の産業化、地球環境問題への貢献や世界の食料問題解決に向けた技術面による国際貢献、低炭素型の産業構造への転換等を実現するためには、中長期的な視点、国際競争力の観点を踏まえた政策を立案し、実行する必要があります。

このため、農林水産分野の変革を実現するための包括的な技術・環境戦略を策定し、これに基づき総合的・体系的に政策を推進します。あわせて、知的財産の保護や積極的な活用に向けた取組を推進します。

また、消費者、生産者、事業者等が主体的に農業・農村を支える「絆」の形成と強化を図るため、「農」を支える多様な連携軸の構築を推進します。


6 団体の再編整備等に関する施策

食料、農業及び農村に関係する農業協同組合系統組織、農業委員会系統組織、農業共済団体、土地改良区等の団体については、国民に対する食料の安定供給や国内の農業生産の増大等の基本計画の基本理念の実現に向けた責務を果たしていくことが求められており、経営の健全化やコンプライアンスの確保に向けた自主的な取組を推進し、必要な場合には法律に基づく指導・監督を適時適切に行いつつ、効率的な再編整備につき所要の施策を講じます。


7 食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

食料・農業・農村に関する施策は、国民生活や経済社会のあり方と深く結びついていることから、効果的・効率的な施策の推進体制の整備を図るとともに、国、地方をはじめとする関係者の適切な役割分担のもと、施策を総合的かつ計画的に推進します。

また、国民の声の把握、科学的・客観的な分析及び施策の進捗管理と政策評価の適切な活用により、国民視点に立った政策決定プロセスの実現を図るとともに、財政措置の効果的かつ重点的な運用により施策の実施を図ります。


お問合せ先

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