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農林水産省

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(1)世界の食料事情と農産物貿易の動向 イ 我が国の農産物貿易の動向

(我が国の平成21年(2009年)の農産物輸入は落着き)

我が国の農産物輸入は、円高の進展や世界的な貿易自由化の流れのなか、食生活の多様化等を背景として、加工食品類が平成14(2002)~平成20年(2008年)にかけて1兆6千億円から2兆3千億円と増加したことをはじめ一貫して増加傾向にあり、平成20年(2008年)では穀物価格の上昇もあって、6兆円程度へと大きく増加しました(図1-17)。なお、平成21年(2009年)の農産物輸入額については、円高ドル安の進行や穀物価格の低下等により前年に比べ2割減少しています。



(我が国は世界一の農産物純輸入国)

主要国の農産物貿易の状況をみると、(1)EU諸国では、域内で様々な農産品・食料品の貿易が多く、輸出入とも多い、(2)米国では、バナナ等の熱帯産品や肉類の輸入が多い一方で、穀物等の輸出が非常に多い、(3)豪州、ブラジルでは、輸入が非常に少ない一方で、穀物等の輸出が非常に多い等となっています(図1-18)。また、中国においては、農業者1人当たりの農地面積が我が国に比べてはるかに小さく、労働集約的な野菜、果物等の輸出も多い一方、人口増や所得増等により、大豆等の輸入が多くなっています。この結果、平成19年(2007年)の中国の農産物輸入額は480億ドルと我が国を超え、世界第4位となっています。

他方、我が国においては、農産物輸出額が非常に少ない一方、輸入額は多いことから、農産物の輸入額から輸出額を差し引いた額は438億ドルと、世界一の農産物純輸入国となっています。



(我が国の農産物輸入は特定国に依存)

我が国の農産物輸入総額を輸入相手国別にみると、米国、EU、中国、豪州、カナダの上位5つの国・地域からの輸入が7割を占めています(図1-19)。また、品目別にみると、とうもろこしでは米国からの輸入が96%、小麦では米国、カナダ、豪州で99%、大豆では米国、ブラジル、カナダで97%、牛肉では豪州と米国で90%を占めるなど、特定国に大きく依存した構造となっています。



コラム:香辛料、食品添加物等も特定国に依存

わたしたちの豊かな食生活は、穀物や野菜といった食材だけでなく、香辛料や食品添加物等にも支えられて成り立っています。しかし、我が国は、農産物のみならず、これらについても大きく輸入に頼っています。

例えば、香辛料の代表格である「こしょう」は熱帯に生育する作物で、我が国では生産できず、マレーシア、インドネシア等から輸入しています。

古くから家庭料理やうどんの薬味として使われてきた「とうがらし」についても、現在、国内の生産量が100t程度である一方、輸入量は1万tを超えており、そのうち8割が中国からの輸入で占められています。「からし」の原料であるからし菜の種は、現在、国内でほとんど生産されておらず、ほぼ全量がカナダからの輸入で賄われています。

酸化防止効果をもつ「ビタミンC」は、食品産業界では欠かすことのできない食品添加物ですが、現在、国内では生産されていません。このため、全量を輸入に頼っており、中国からの輸入が9割程度となっています。

また、生産資材・原料においても海外に大きく依存しています。例えば、我が国の養鶏産業においては、「種鶏」の9割以上を米国・フランス・カナダから輸入しています。

消費者の低価格志向で購入がふえている「もやし」の種子である緑豆は、国内で生産されておらず、中国からの輸入が9割を占めています。


(中国からの農産物輸入に再び増加のきざし)

我が国の農産物輸入額を国別にみると、中国は米国、EUに次いで第3位となっていますが、中国からの輸入額は、平成19年(2007年)末以降に発生した輸入食品による薬物中毒事案もあり、平成20年(2008年)には減少に転じました(図1-20)。また、生鮮・冷蔵野菜では、中国からの輸入が第1位となっています。中国からの輸入は、野菜については残留農薬等のポジティブリスト制度(*1)が施行された平成18年(2006年)以降減少しています(図1-21)。しかし、平成21年(2009年)以降の野菜全体の輸入量は、低温・日照不足による国内産たまねぎの供給不足を補うための輸入がふえたこと等により、再び増加のきざしをみせています。


*1 [用語の解説]を参照



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