このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(4)農産物貿易交渉の動向

(WTO農業交渉の動向)

平成13年(2001年)にカタールのドーハにおいて、貿易を通じた途上国の開発を最重要課題の一つとして、農業、鉱工業、サービスの自由化、ダンピングの防止等のルールの策定、貿易手続きの簡素化等の貿易円滑化等を含んだ包括的な貿易交渉、いわゆるドーハ・ラウンドが開始されました。

このうち、農業交渉は、関税削減等を目指す市場アクセス、貿易に歪曲的な影響を及ぼす施策の実質的な削減を目指す国内支持、輸出の競争力に歪曲的な影響を及ぼす補助金の撤廃を目指す輸出競争の3つの分野で行われ、平成16年(2004年)7月末には交渉の大枠となる「枠組み合意」が成立しました(図1-32)。その後、関税削減等の方式を決めるモダリティ交渉(*1)が行われ、平成20年(2008年)12月には最新の改訂モダリティ案が出されましたが、市場アクセスの分野等における輸出国・輸入国、先進国・開発途上国の意見の相違から、いまだ合意に至っていません(図1-33)。

平成21年(2009年)11月のWTO公式閣僚会議等において、平成22年(2010年)中のドーハ・ラウンド妥結に向けて、関係国が積極的に交渉に取り組んでいくことが改めて確認されました。平成22年(2010年)3月には交渉の進捗状況に関して評価・検証が行われ、WTO事務局長は、依然として各国の立場に開きがあるが、引き続き交渉に取り組むことが必要である旨、総括しました。

我が国としては、ドーハ・ラウンド農業交渉について、各地域の条件に適合した様々な形態の農業が共存するという「多様な農業の共存」を基本理念とし、各国の農業が発展できるような貿易ルールの確立を目指しています。具体的には、特に市場アクセス分野において、重要品目の十分な数とその柔軟な取扱の確保、上限関税の不適用、関税割当ての新設を最重要項目として交渉に臨んでいます。引き続き、食料輸入国としての立場を反映させるべく、食料輸入国で構成するG10諸国(*2)等と連携しつつ、積極的に取り組むこととしています。


*1 国内補助金、関税の具体的な削減率等、各国に共通に適用されるルール(例:重要品目の数は●%、関税割当ての拡大幅は国内消費量の▲%)
*2 日本、スイス、ノルウェー、韓国、台湾、アイスランド、イスラエル、リヒテンシュタイン、モーリシャス

図1-32 WTO農業交渉の流れ

図1-33 農業交渉をめぐる主要国・グループ

(EPA/FTA交渉の取組)

WTO交渉については、加盟国が増加するなかで各国間の意見の調整に時間を要するようになり、貿易自由化の遅れが懸念されています。一方、各国が特定の国・地域間で関税撤廃等を行うEPA/FTA(*1)を貿易促進の手段として活用する動きが広がっており、現在では世界で約230件が発効しているといわれています。

我が国においても、11の国・地域とのEPAが発効しています(図1-34)。また、韓国との交渉再開に向けた実務協議も含め、5つの国・地域と交渉を重ねているところです。

EPA/FTA交渉を進める際には、我が国全体として経済上・外交上の利益を考慮し、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興等を損なうことは行わないことを基本に取り組みます。


*1 [用語の解説]を参照

図1-34 我が国のEPA/FTAをめぐる状況

お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883
FAX:03-3593-9467