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農林水産省

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(1)食料消費と食品産業の動向 ウ 食品産業の動向

(食品産業は食料の安定供給等に重要な役割)

食品製造業、食品流通業、外食産業といった食品産業は、国民生活に欠くことのできない食料を安定的に供給する役割を担っています。また、食品産業全体の生産額は81.7兆円で全産業の8%(*1)、就業者数は全国で775万人を数え、全産業就業者数の13%を占める(*2)など、経済面、雇用面でも大きな役割を果たしています。

全経済活動の総生産に占める農漁業・食品産業の割合を地域別にみると、北海道、東北、九州、沖縄、四国等の農漁業の割合が高い地域において食品産業の割合が高くなっており、農漁業・食品産業が地域経済において重要な地位を占めています(図2-12)。

また、食品製造業が利用する原材料(平成17年(2005年)で7.9兆円)の7割強が国産農林水産物となっているとともに、国産農林水産物(同9.4兆円)の3分の2以上が食品製造業及び外食産業仕向けとなっているなど、食品産業は国産農林水産物の最大の需要先となっています(*3)。


*1 農林水産省「農業・食料関連産業の経済計算」 データ(エクセル:37KB)
*2 総務省「国勢調査」(平成17年(2005年)) データ(エクセル:37KB)
*3 総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算(金額ベース) データ(エクセル:37KB)


(食品製造業は出荷額低迷や消費者の低価格志向に直面)

食品産業のうち食品製造業は、農林水産物を加工して、多種多様な食料品を製造し安定供給するとともに、地域の農産物の販売先となり、地域経済を支えているという点で非常に重要な役割を果たしています。製造業全体のなかで食品製造業は、製造品出荷額では9%(31兆円)、事業所数では14%(4万か所)、従業員数では15%(123万人)を占めています(*1)。

食品製造業の出荷額の動向をみると、近年30兆円前後で推移していますが(*2)、業況感は平成5年(1993年)以降、食品製造業全体で「悪い」とする事業者が「良い」とする事業者を上回る状態が続いており、特に多くを占める中小企業ではその傾向が顕著です(図2-13)。


*1 経済産業省「工業統計調査」(平成20年(2008年))、食料品製造業及び飲料・たばこ・飼料製造業のうち、たばこ製造業、飼料・有機質肥料製造業を除く業種の従業者4人以上の事業所の数値
*2 経済産業省「工業統計調査」、食料品製造業及び飲料・たばこ・飼料製造業のうち、たばこ製造業、飼料・有機質肥料製造業を除く業種の従業者4人以上の事業所の数値データ(エクセル:32KB)


食品製造業者の自社で生産・販売する製品(商品)の志向をみると、安全や低価格なものがいずれも4割と高くなっており、食の安全に対する関心や消費者の節約志向の高まり等を強く意識していることがうかがえます(図2-14)。一方、国産を使用した商品を志向すると回答した企業は、27%から24%へと低下しています。



(食品製造業は地域とのつながりが強いが、中小・零細企業が多数)

食品製造業は、もともと農水産業とのつながりが強く、例えば、地域経済のなかで農水産業の占める割合が高い鹿児島県、北海道等の地域においては、その出荷額も全製造業出荷額の3割以上を占めるなど大きな地位を占めています(図2-15)。



食品製造業の産業細分類別に製造品出荷額が上位の都道府県をみると、例えば、乳製品製造業では北海道、肉製品製造業では鹿児島県、製茶業では静岡県、米菓製造業では新潟県等、地元の農産物に立脚して食品製造業が発展した例も相当数みられます(表2-4)。



このような食品製造業は、各地域で生産される特色ある農林水産物を扱い、製品を大量に生産できないこと等から、従業員300人未満の中小・零細企業が全体の99%を占めるという特徴をもっています(*1)。営業利益率は製造業全体に対して総じて低く(*2)、また、研究開発費が売上高に占める割合も、製造業全体の3.9%に対して1.0%と低いという特徴もみられ、今後、経営基盤の強化に努めていく必要があります(*3)。


*1 経済産業省「工業統計調査」(平成20年(2008年))、食料品製造業、全事業所の数値
*2 財務総合政策研究所「法人企業統計調査」
*3 総務省「科学技術研究調査」(平成21年(2009年))

(食品流通業は売上げが低迷する一方、ネットスーパー等新たな動き)

食品流通業は、国内外の多様な食品を消費者に円滑かつ安定的に供給するとともに、消費者ニーズを食品製造業や生産者に伝える、価格形成機能を担うなど重要な役割を果たしています。食品流通業のうち食品小売業は、店舗数では小売業全体の34%(39万か所)、従業者数では41%(308万人)、年間販売額では30%(41兆円)を占めるなど、大きな地位を占めています(*4)。しかし、平成21年(2009年)6月以降、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアといった小売業の食料品販売額は、いずれも前年実績を下回って推移しており、厳しい経営環境にあります(図2-16)。


*4 経済産業省「平成19年商業統計調査」、従業者数はパート・アルバイト等を含む数値


他方、小売業においては、食料品も含め様々な商品の通信・カタログ販売(インターネット販売を含む)が増加してきています。小売販売額全体に占める割合としては、平成19年(2007年)で3%程度と小さいものの、平成3年(1991年)からみると2倍になり、販売額も4兆円となるなど、他の販売形態に比べて急激に伸びてきています(図2-17)。また、通信・カタログ販売のなかでインターネット販売を行っている小売業の割合は、平成14年(2002年)の2%から平成19年(2007年)には4%にふえています。この結果、飲食料品の販売額は電子商取引の年間商品販売額の27%(1.3兆円)を占めるまでになっています(図2-18)。今後、これらネットスーパー等新たな動きについては、高齢化が進行していくなかで、例えば、買い物の手間が省けることや、買い物に行きにくい交通環境にある人の生活の助けになること等、社会的にも有用性が高まっていくものと考えられます。




コラム:インターネット宅配

インターネットの普及等を背景として、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等がインターネットで顧客の注文を受けて店頭の商品を宅配する「コンビニ・ネットスーパー宅配」の市場規模が急拡大しており、平成20年(2008年)には前年比71.1%増の231億円となっています(*1)。

しかし、我が国において取組が進んでいる大手量販店A社の場合でも、ネットスーパー宅配の売上高は130億円で、売上高全体に占める比率は1%未満にすぎません。一方、英国の大手量販店T社の場合、ネットスーパー宅配の売上高は2,900億円(19億ポンド)となっており、売上高全体に占める割合は5%に達しています。

今後、さらに高齢化が進行するとともに、インターネット利用環境の拡大に伴い、消費者のインターネット宅配に対する期待も高まってくるものと思われます。

*1 (株)矢野経済研究所「2009年版 食品宅配市場の展望と戦略」

なお、近年、景気後退の影響を受けた低価格志向に対応して、プライベートブランド(PB)商品(*1)が多く販売されるようになってきています。平成21年(2009年)の主なPB食品(*2)の市場規模は、前年比22%増の2兆3,380億円となっており、食料品市場の低迷のなかにあって大きな伸びを示しています(*3)。従来は小売店独自のブランドとして販売されてきたPB商品ですが、近年は製造事業者のブランドを表に出すなど、低価格でありながら高品質な商品が開発されているところに特徴がみられます。

また、各自治体と協定を結び、地元食材を積極的に使ったそう菜、弁当等の商品開発・販売を行うことによって他社との差別化や商品の多様化を行う取組が進められており、国内農業との関係においても注目されます。


*1 [用語の解説]を参照
*2 例えば調味料、即席めん・スナックめん等の調味食品、菓子、冷凍食品、チルド飲料・乳製品等
*3 (株)富士経済「PB食品市場の実態総調査」(平成21年(2009年)10月公表)

(食品流通業にはさらなる効率化が求められている状況)

食品は、卸売業者や小売業者等の流通業者を経て消費者に届けられます。流通経費は、卸売業者や小売業者の機能にかかる経費であり、どの程度の水準が適正かは一概にいえるものではありませんが、平成20年(2008年)には、青果物平均では、小売価格に対して集出荷経費20%、卸売経費5%、仲卸経費8%、小売経費25%で合計58%となっています(図2-19)。近年、多様化する消費者ニーズや食の安全への対応が迫られているなかで、例えば、共同配送、受発注・商品管理面での情報通信技術の活用等、流通の効率化に向けた取組がみられます。

しかし、食品小売業の従業員規模をみると、一般食料品店(食料品中心店、食料品専門店)を中心に10人未満の事業所が依然8割近くを占めています(図2-20)。また、一次卸、二次卸等流通が多段階で、多くの事業者が食品流通にかかわっていること等の事情もあり、産地・製造業者による小売業者との直接取引や消費者への直接販売といった流通形態も増加しています。




また、食品流通においては、取引上優越した地位にある大規模小売業者と納入業者(食品製造業者)との間の取引慣行において、納入業者が不当と受け止めている事例が見受けられます。例えば、セールで値引き販売したことを理由に値引き額に相当する額を納入業者に値引きさせるなどの負担の要請、不当な値引きの要求や、近年の食の安全に対応するという名目で、ノウハウにかかわるような仕様書の開示や必要以上の検査実施等を求めるという「過度の情報開示の要求」であると、納入業者が受け止めている事例が指摘されています(図2-21)。

このような食品流通業の構造や取引慣行については、流通コスト増大の一因になっているとも考えられ、今後、さらなる合理化、効率化に向けた改善を図っていく必要があると考えられます。



(卸売市場の機能強化も必要)

卸売市場については、野菜や花きの市場経由率が7~8割を占めるなど(*1)、生鮮食料品等流通の多くの部分を担っており、集荷(品揃え)・分荷機能、価格形成機能、代金決済機能、情報受発信機能等重要な役割を果たしています。特に、食料自給率が低く大量消費地である都市部への生鮮食料品等の供給に大きく寄与しています。

しかし、例えば、一貫したコールドチェーン(*2)体制の整備の遅れによる品質確保の問題や、相対取引の増加により価格形成の透明性が低下していることの問題、取扱数量等の市場間格差の拡大等の問題があげられています。また、近年の食の安全に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化、環境問題への対応の必要性の高まりのなか、輸入農産物の増加や直接取引等の流通の多様化によって市場経由率は低下し続けており、卸・仲卸業者は厳しい経営状況にあります。

このため、今後、品質管理の高度化や取引の透明性の確保や合理化等によって卸売市場の機能強化を図るとともに、経営的視点をもった市場運営の確保、市場の再編や関係事業者の経営体質の強化を推進していく必要があります。


*1 農林水産省「食料需給表」、「青果物卸売市場調査報告」等により農林水産省で推計。卸売市場経由率は、国内で流通した加工品を含む国産及び輸入青果物、水産物、食肉、花きのうち、卸売市場(水産物についてはいわゆる産地市場の取扱量を除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 データ(エクセル:32KB)
*2 [用語の解説]を参照

(外食産業の売上げは低迷し、食材調達に変化のきざし)

外食産業は、食事をとる楽しさや家庭では味わうことが難しい料理を提供すること等によって、豊かな食生活の形成に寄与するとともに、調理時間の節約等の利便性を提供しています。また、国内農産物の需要先としても大きな役割を担っています。このような外食産業の店舗数は42万か所、従業者数は287万人となっています(*3)。また、外食産業の市場規模は、高度成長期以降急速に拡大してきましたが、売上高は平成9年(1997年)の29.1兆円をピークに減少傾向にあり、平成20年(2008年)は24.4兆円となっています(図2-22)。平成21年(2009年)に入ってからは、価格を抑えた居酒屋等の外食業態が多く出現するなど、景気低迷のなかでの低価格志向の影響を大きく受けるようになっており、外食産業全体では客数の増加はあったものの、客単価が低下し、売上げが減少しています(*4)(図2-23)。


*3 総務省「平成18年事業所・企業統計調査」、食事主体の一般飲食店(食堂・レストラン等)の計。料飲主体の遊興飲食店(酒場、ビヤホール等)も合わせると72万か所、412万人。従業者数はパート・アルバイト等を含む数値
*4 (社)日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」 データ(エクセル:33KB)



外食産業は、端境期の食材調達や国内での食材不足等の事情から、国産食材と輸入食材を使い分けていますが、客単価の安いファストフードやファミリーレストラン等の業態では、輸入食材の使用割合が高い状況にあります(図2-24)。しかし、最近では、このような業態も含め、食材を国産に切り替え、メニューで原料原産地の表示に取り組むことによって他社との商品差別化につなげたり、自らが農業参入することにより流通過程におけるコストを縮減したりするなど、様々な取組がみられます。



事例:大手外食企業による国産野菜利用の取組

全国にチェーン展開する外食企業のR社は、約25年前に食材として使用するキャベツを国内の生産農家との契約栽培によって調達することを始め、以降、農家との信頼関係を築きながら、周年で調達できるよう季節ごとの収穫先を確保するなど、日本全国の農家との契約に取り組んできました。

国産野菜を使ったメニュー
国産野菜を使ったメニュー

平成21年(2009年)には、使用する野菜(キャベツ、もやし、たまねぎ、にんじん、青ねぎ、スイートコーン等)について、すべて国産に切り替えました。また、めんに使用する小麦粉についても、すべて国産に切り替えたり、ぎょうざの皮に国産の米粉を使用したりと、国産食材の積極的な利用に取り組んでいます。さらに、「健康日本21」(平成12年(2000年)厚生労働省策定)で健康推進の観点から成人は1日350g以上の野菜を食べることが目標とされていますが、1品で1日に必要とされる以上の野菜が摂取できるようなメニューづくりにも挑戦しています。

国産に切り替えることで、コストが上昇し、商品価格にある程度転嫁せざるを得なかった面もありましたが、「国産だから安心」、「おいしくなった」というお客さんの声が多く、国産野菜を使うことで、新鮮さ、野菜本来の味がたっぷり味わえるところも評価されています。

 

(食品産業による環境面の取組が進展)

食品産業から排出される食品廃棄物等(*1)については、食品リサイクル法(*2)に基づきその発生抑制、有効利用を促進しています。食品廃棄物等の発生量は年間1,100万t程度と横ばいで推移していますが、飼料や肥料等への再生利用等の実施率(*3)は、食品産業全体でみると54%まで着実に向上してきています(*4)。

しかし、食品小売業や外食産業等の食品流通の川下ほど、廃棄物の発生が少量分散型になるなど再生利用等が難しくなることから、再生利用等実施率は食品製造業と比べ、食品卸売業、食品小売業、外食産業と順に低くなっています(図2-25)。

このため、食品リサイクル法が改正(平成19年(2007年)12月施行)され、事業者への指導強化のため食品廃棄物等を年間100t以上排出する事業者に主務大臣への定期報告が義務付けられました。また、食品リサイクル・ループ(*5)を構築する再生利用事業計画の認定を受けた場合には、外食産業等多店舗展開している事業者の食品廃棄物等の収集を容易に行えるようになりました。

現在、この再生利用事業計画の認定制度によるリサイクル・ループの構築が全国各地で進んでおり、再生利用等実施率の向上が期待されています。


*1 食品の製造や調理過程で生じる加工残さで食用に供することができないもの、食品の流通過程や消費段階で生じる売れ残りや食べ残し等
*2 正式名称は「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」
*3 再生利用等実施率=(発生抑制量+再生利用量+熱回収量×0.95+減量量)/(発生抑制量+発生量)×100
*4 農林水産省「食品循環資源の再生利用等実態調査」より算出
*5 [用語の解説]を参照


事例:食品産業における食品循環資源の再生利用の取組
(1)食品製造業(パン製造会社)の取組
愛知県安城市(あんじょうし)

愛知県安城市(あんじょうし)に工場をもつパン製造・販売企業のY社は、飼料製造会社、食品加工会社や養豚農家と連携して、食品循環資源の飼料化によるリサイクル・ループを構築しています。自社工場から出るパンの耳等から製造したエコフィードで肥育された豚肉は、Y社が製造するソーセージパン等の商品の原料となっています。この取組により、Y社や協力会社で発生する食品循環資源をまとめて飼料化することが可能となり、養豚農家では飼料の3割程度をエコフィードで安定的に与えることができるようになりました。

(2)食品小売業(スーパーマーケット)等の取組
新潟県

新潟県の大手スーパーマーケットH社や食品会社P社は、JA津南町と協力し、食品循環資源の肥料化によるリサイクル・ループを構築しています。県下の9市町村で排出される野菜くず等からたい肥が製造され、それを利用して農協組合員が野菜を生産、その野菜をH社が販売したり、地域の食品会社等が引き取り加工・販売したりしています。この取組によって、スーパーマーケット等では、それまで一般廃棄物として焼却処分していた野菜くず等の廃棄物処理費用が大幅に削減されています。また、エコファーマーが大幅に増加するなど、安全を求める消費者ニーズにこたえた農産物の生産、販売が行われるようになりました。

(3)外食産業(中華レストランチェーン)の取組

全国で中華レストランをチェーン展開するO社では、食品循環資源の肥料化によるリサイクル・ループを構築しています。一部の店舗に業務用生ごみ処理機を設置し、店舗で発生する食品残さを一次処理、これをたい肥製造会社が引き取り、このたい肥を使用して農家が野菜を生産し、O社が全量を買い取り、店舗で調理・提供しています。この取組により、O社では、再生利用等実施率が3割となり、さらなる実施率向上のために生ごみ処理機の設置店舗数の拡大を計画しています。


また、食品産業は、その事業活動の過程でエネルギーや資源を使うことによって、CO2を排出するなど環境負荷をかけていることから、実効性のある温室効果ガス(*1)の削減が求められています。食品産業では、平成21年度(2009年度)末時点で19の業界団体が環境自主行動計画を策定し、このなかで、温室効果ガス削減のための数値目標を設定しています。具体的な削減の取組としては、高効率ボイラーやヒートポンプ等の省エネルギー設備の導入、重油から天然ガスへの燃料転換、使用後の植物油(廃食油)等のバイオマス(*2)の活用等、それぞれの業界ごとの製造プロセスの特徴に合わせた取組が進んでいます。


*1、2 [用語の解説]を参照

事例:食品産業の環境負荷軽減への取組
北海道恵庭市(えにわし)
(1)店舗における計測・監視システム導入の取組

全国に洋食店等をチェーン展開する外食企業のA社では、生ごみや廃食油のリサイクル化等、環境に配慮した取組を展開しています。店舗におけるエネルギー使用量を一括して計測・監視するシステム(BEMS(*1))を全国120を超える店舗に導入することにより、平成20年度(2008年度)にはCO2を前年比1.62%削減しています。

 
テーマパークの風景
テーマパークの風景

また、同社では農業生産法人(*2)を立ち上げ、レストランだけではなく羊の放牧や、生ごみのたい肥を利用した野菜の生産等を行う、食・農業・環境のつながりを具現化した1つのテーマパークを北海道恵庭市(えにわし)で運営しています。

*1 BEMSとは、Building and Energy Management System(ビル・エネルギー管理システム)の略で、業務用ビルや工場、地域冷暖房といったエネルギー設備全体の省エネルギー監視・制御を自動化・一元化するシステム
*2 [用語の解説]を参照
(2)客席の照明に発光ダイオード(LED)(*1)を用いた取組
LED 照明を導入した店内
LED 照明を導入した店内

全国にファストフード店をチェーン展開するM社では、客席にLED照明を導入し、CO2削減に取り組んでいます。照明の変更に当たっては、店舗の内装や什(じゅう)器を含めた「暖かみのある店舗」をイメージして、LED照明の特性を活かした店舗設計を行っています。この取組を行った店舗においては、導入前に比べて客席照明のCO2排出量を45.4%削減しています。

*1 [用語の解説]を参照
 

(食品産業には情勢変化を踏まえた新たな展開が必要)

以上みてきたように、今後の人口減少・高齢化局面において、食品産業の国内市場規模のこれ以上の拡大が厳しい一方、消費者の安全・健康、簡便化、低価格志向が続いています。このほか、食品産業においては、原料農産物の調達リスクの高まり、アジア諸国等新興国の市場の拡大、環境問題等への対応のための事業基盤の強化等の必要性も増大してきています。

このような情勢のなかで、平成22年度(2010年度)中に、食品産業全体の将来展望や課題について官民で認識を共有したうえで、それぞれの役割分担を踏まえた対応方向を明らかにする「食品産業の将来方向(仮称)」を策定することとなっています。

その際の検討の主な視点としては、まず、食品産業の基盤となる国内市場について、農林水産物等の地域資源を活用する6次産業化や地域ブランドの活用等を促進するとともに、高齢者が飲食しやすい食品等消費者のニーズに合った新商品・メニューの開発を進める必要があることがあげられます。また、食品産業による国内農業との連携強化や農業への参入促進、国内外からの原料調達の安定化に加え、食品流通の効率化・高度化にかかるフードチェーンの各段階で連携した取組等を進めていく必要があります。さらに、アジア等における日本の食文化の発信の強化と連携した形での事業展開や、企業としての社会的責任を果たすため、温室効果ガスの排出削減、食品廃棄物の削減と資源の有効利用を進めていく必要があるという視点も重要です。


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