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農林水産省

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(3)食の安全と消費者の信頼の確保 ウ 消費者の信頼の確保

(食料供給に携わるすべての者にコンプライアンスの確立が重要)

近年、食の安全を脅かす重大な事件等、食品事業者等によるコンプライアンス(法令の遵守及び倫理の保持等)に対する姿勢が問われる事件が発生し、消費者の食に対する信頼を低下させる一因となっています。

食に対する消費者の信頼を確保するためには、まずは食料の生産、供給に携わるすべての者が、消費者の生命・健康に直接かかわる重要な役割を担っているという認識のもと、自らが果たすべき法令遵守、企業内・社会倫理遵守等のコンプライアンスを確立することが重要です。


(適正な食品表示への消費者の意識の高まり)

食品表示については、消費者が商品を選択するに当たって極めて重要な情報源となるものであり、食品関連事業者にとっては消費者に商品の特性を伝えるための情報手段として重要な役割を果たしています。近年、様々な食品についての不正表示事件が相次いで発生していますが、消費者に対して、食に対する信頼を確保するために今後必要な対策を聞いてみたところ、事業者への抜き打ち検査や検査頻度の引上げ等の「取締りの強化」85%、「罰金の引上げ」65%、「原料原産地表示の範囲の拡大」63%等が多くなっており、食品表示の充実を含めて、さらなる対策が必要だということが指摘されています(図2-45)。



(取締りの強化等に向けた取組)

「取締りの強化」については、食品表示の関係では、食品表示110番(*1)や食品表示ウォッチャー等の消費者による監視や、食品表示Gメン等の行政による監視・指導の体制強化の取組が進んでいます(図2-46)。一方、例えば食品事業者の自主回収数が近年増加傾向にある(*2)とともに、小売段階での生鮮食品の不適正表示割合も減少しているなど、事業者側でも適正な表示に対する意識が高まっているものと考えられます(図2-47)。


*1 [用語の解説]を参照
*2 (独)農林水産消費安全技術センター調べ データ(エクセル:31KB)

なお、「罰金の強化」に関連しては、重大な偽装表示への対応として、平成21年(2009年)5月にJAS法(*1)が改正され、直罰規定(*2)が設けられました。


*1 正式名称は「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」
*2 法律の義務違反に対して、行政処分を行ってからさらに違反した場合に刑罰を科すのではなく、行政処分の前置なく直ちに刑罰を科すものです。

(加工食品の原料原産地表示の充実)

加工食品の原料原産地表示については、平成13年(2001年)から順次拡大し、これまで加工度の低い食品(20食品群+4品目)が表示義務対象品目とされてきました(*3)。また、近年の消費者の関心の高まりを受けて、さらなる原料原産地表示の対象品目拡大のための検討が「食品の表示に関する共同会議(*4)」においてなされ、平成21年(2009年)8月、原料原産地(国名)の表示が難しい場合、大括り表示(「国産」「外国産」の表示や「中間加工地」の表示)を認めることができるなどの報告がされました(図2-48)。

さらに、加工食品の原料調達のグローバル化、加工技術の進歩等によって食品製造工程が複雑化するなか、消費者は一層多様でわかりやすい商品情報を求めており、このようなニーズにこたえるために、食品事業者の自主的な商品表示の取組(企業のウェブサイトでの情報提供等)も進んでいます。

今後は、これらの動きを踏まえつつ、より一層の情報提供のあり方、食品事業者の加工食品の原料原産地表示対象品目拡大や義務付け等について検討していく必要があります。


*3 20食品群とは、乾燥きのこ類・野菜・果実、調味した食肉、塩蔵魚介類・海草類等、品目横断的に選定されたものです。また、4品目とは、農産物漬物、うなぎ加工品、かつお削りぶし、野菜冷凍食品を指します。
*4 平成14年(2002年)、食品衛生法及びJAS法に共通する表示項目、表示方法について検討を行うことを目的に、厚生労働省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会食品表示調査会と、農林水産省農林物資規格調査会表示小委員会の共同で設置された会議です。

図2-48 加工食品の原料原産地表示義務化対象品目の拡大

(遺伝子組換え作物に関する一層の情報提供が必要)

世界の遺伝子組換え作物の作付面積は、米国、南米等を中心に世界的に拡大傾向にあり、平成20年(2008年)には1億2千万haを超えています(*1)。また、その作付面積のうち、大豆ととうもろこしで全体の8割を占めています。

遺伝子組換え食品には、加工後に組み換えられた遺伝子やたんぱく質が残存するものについて表示義務が課せられていますが、この表示規定を知っている消費者は3割程度となっているのが現状です(*2)。また、遺伝子組換え作物に対しては7割が不安感をもっており、そのうち9割が健康への不安、6割強が環境への不安をあげていることから、今後、安全性等に関する一層の情報提供が必要になってくるものと考えられます(*3)。


*1 国際アグリバイオ事業団「Global Status of Commercialized Biotech」 データ(エクセル:32KB)
*2 内閣府「食品表示等に関する意識調査」(平成21年(2009年)7月公表)、全国の国民生活モニター2千人(郵送1,012、電子988)を対象として実施したアンケート調査(回収率90.4%) データ(エクセル:31KB)
*3 農林水産省「遺伝子組換え農作物等に関する意識調査」(平成20年(2008年)3月公表)、全国の男女15,700人を対象として実施したインターネット及び郵送調査(回収率74.5%) データ(エクセル:32KB)

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