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農林水産省

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(1)国内農業生産の動向 ア 農業生産全体の動向

(我が国の農業生産は減少傾向)

我が国の農業総産出額(*1)は、生産量の減少や価格の低下等により、昭和59年(1984年)の11兆7千億円をピークとして、農業純生産(*2)(農業所得に当たるもの)が最大となった平成2年(1990年)には11兆5千億円、平成12年(2000年)には9兆1千億円と減少を続け、平成20年(2008年)には8兆5千億円となりました(図3-1)。品目別にみると、畜産2.6兆円(農業総産出額に占める割合30.5%)、野菜2.1兆円(同24.9%)、米1.9兆円(同22.4%)、果実0.7兆円(同8.7%)の順となっています。


*1 、2 [用語の解説]を参照


平成2年度(1990年度)から平成17年度(2005年度)にかけての減少要因をみると、生産要因が52%、価格要因が48%となっており、品目別には価格低下と生産減少が大きかった米が全体の減少額の3分の1を占め、次いで、野菜、果実等の減少が大きくなっています(図3-2)。



(農産物価格の低下は農業生産に大きな影響を及ぼす一方、消費者に便益)

平成2年(1990年)と平成21年(2009年)との間で生鮮食品を除く総合の消費者物価指数は7.3%上昇しています(*1)。主要食品について、同じ時期での消費者世帯の購入単価の変化をみると、輸入原料に大きく依存している小麦粉、しょうゆ、食用油、食パン等は、平成20年(2008年)の原料価格高騰等により上昇しています。これら品目の購入数量をみると、しょうゆ等減少しているものもある一方、チーズ、食パン等は増加しています。他方、生産者段階で価格が大きく低下した米では、購入単価は平成2年(1990年)の496円/kgから平成21年(2009年)の358円/kgと28%低下し、生鮮野菜、生鮮果物でも10%前後低下しています(図3-3)。また、これら品目の購入数量は、食の外部化(*2)や簡便化等により、総じて減少しています。このような動きは、家計段階での購入価格の低下と購入数量の減少が、国内の農業生産額の減少に大きく影響していることを裏付けています。


*1 総務省「消費者物価指数」 データ(エクセル:30KB)
*2 [用語の解説]を参照

これまでみてきたように、平成2年(1990年)から平成20年(2008年)にかけて国内の農業生産額は3兆円程度減少するとともに、農業所得は全体でほぼ半分、農家1戸当たりで8割強に大きく減少し、農業生産に大きく影響が出ています(*1)。他方、勤労者世帯の可処分所得は平成2年(1990年)と平成21年(2009年)との間をみると2.8%減少し、平均消費性向は75%程度と同水準になっているなかで(*2)、米をはじめとする農産物の価格低下は、食料品を日々購入する消費者に大きな便益をもたらしています。しかし、農産物価格の低迷は、農業者の経営に大きな影響を及ぼすことにより、将来的には、国産農産物の生産減、価格上昇を招く可能性を生じさせます。加えて、食料自給率(*3)の向上や農業・農村のもつ多面的機能(*4)の発揮を脅かし、国民全体が不利益を被るおそれを生じさせます。消費者の方にも、このような農産物価格低迷による影響や自らが受ける便益について、改めて思いを致していただくことにより、国民全体で農業・農村を支えていくようにしていくことが重要と考えられます。


*1 図3-29参照
*2 総務省「家計調査」、二人以上の世帯(農林漁家世帯を除く)のうち勤労者世帯 データ(エクセル:30KB)
*3 、4 [用語の解説]を参照


(都府県の各地域で農業産出額等が大きく減少)

農業産出額の動向を地域別にみると、米が主要部門である東北、北陸、近畿、中国地域では、特に減少率が大きくなっています(表3-1)。他方、畜産や野菜等が主要部門である北海道、九州地域等では、減少率が小さくなっています。また、農業生産を支える販売農家数、基幹的農業従事者数、耕地面積及び耕地利用率については、北海道で耕地面積、耕地利用率が横ばいとなっている以外は、いずれも減少ないし低下しています。さらに、基幹的農業従事者に占める65歳以上の割合は、北海道を除き、いずれも過半を占めています。



なお、都道府県別に米の特化係数と農業産出額の増減率との関係をみると、米に特化しているところほど農業産出額の減少率が大きくなっている傾向がみてとれます(図3-4)。



(平成21年(2009年)における農業生産の動向)

平成21年(2009年)においては、7~8月上旬の全国的な日照不足、8月に2年ぶりとなる台風の上陸等により、農作物全般で生育の遅れ等の被害が発生しました。特に、ばれいしょ、たまねぎ等一部野菜では夏季の低温・日照不足の影響を受け、生産にも大きな影響があったことから、卸売価格が高騰しました。また、10月にも台風第18号が上陸し、被害が特に大きかった愛知県では農業共済(*1)の対象とならない野菜に甚大な被害がでたほか、ビニールハウス等農業用施設の損壊、破損等が発生しました。これらにより、平成21年(2009年)の被害額は、農作物等で184億円、農地、農業用施設等で408億円、計592億円となっています(表3-2)。秋以降は、比較的天候に恵まれ、野菜も含めて全般的には生産は回復しましたが、北海道での生産が大きく減少したこと等から、米は作況指数(*2)98(北海道89)、麦類は収穫量が前年比22%減(北海道26%減)、てんさいは収穫量14%減(北海道)等、生産が相当程度減少した作物もありました。


*1 、2 [用語の解説]を参照


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