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農林水産省

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(2)農業経営の動向と農業生産を支える経営体・農地等をめぐる状況 オ 農業投資・金融の状況

(農業投資は大きく減少傾向)

農業分野での投資動向について、農業総固定資本形成の推移でみると、平成7年度(1995年度)の4兆8,800億円をピークに減少し続け、平成19年度(2007年度)にはピーク時の半分の2兆1,100億円となっています(図3-78)。固定資本の種類別にみると、平成7年度(1995年度)には3兆700億円あった土地改良が平成19年度(2007年度)には1兆900億円で半分以下になったほか、農機具もピーク時から4割減少し7千億円となっています。

農業者の設備投資見込みに関するDI(*1)をみても、平成20年度(2008年度)は農業全体でマイナス2.5ポイントとなっており、引き続き低い状況にあります(図3-79)。


*1 Diffusion Index=動向指数のことです。前年同期と比較して、設備投資(見込み)が「ふえる」の構成比から「減る」の構成比を差し引いたものです。



(農業者の資金調達の円滑化のためには、多様な農業者の特性に応じた金融支援が必要)

農業は、自然条件により生産・収入が不安定となるほか、作物の生産サイクルが長く、収入を得るまでに時間がかかるなど、他の産業にはない特性があるため、一般市中銀行等による融資が低調となっています。このため、農業者が経営に必要な資金を円滑に借りられるよう、様々な制度資金による長期・低利の融資が措置されています。農業生産全体が縮小するなか、農業経営向け融資も減少傾向にありますが、「補助から融資へ」という政策転換の方向もあり、今後はますますその重要性が高まってきます。

農業経営向けの融資残高の総額は、平成20年度(2008年度)末には2兆2千億円となっていますが、そのうち7割の1兆5千億円を制度資金が占めています。

とりわけ、意欲ある担い手の金利負担を軽減し経営発展の取組を支えていく観点から、認定農業者向けに貸し付けられるスーパーL資金(*1)・農業近代化資金(*2)については、実質的な無利子化措置が平成19年度(2007年度)から平成21年度(2009年度)までの間実施されてきました。これに伴い、それまで年間600億円前後で推移していたスーパーL資金の貸付実績は、平成19年度(2007年度)には1,009億円と大きく増加しました(図3-80)。さらに平成20年度(2008年度)には1,410億円に増加しています。また、農業近代化資金についても、平成18年(2006年)171億円だった認定農業者向けの貸付実績は、平成19年(2007年)には312億円、平成20年(2008年)には328億円に増加するなど、無利子化により貸付実績は大きく増加しています。なお、スーパーL資金の貸付実績を営農類型別にみると、畜産54%、稲作15%、施設園芸10%等となっています(図3-81)。


*1 農業経営基盤強化資金の略称。(株)日本政策金融公庫が、認定農業者を対象に農地取得、施設整備等に必要な長期資金を低利で融通する制度資金
*2 農協等の民間金融機関からの融資に、国及び都道府県が利子補給することにより、農機具・農業用施設・長期運転資金等の中長期資金を低利で融通する制度資金


無利子化した制度資金の貸付実績が増加する一方で、農業経営向けの融資全体は減少傾向にありますが、もともと農業融資は物的担保が農地等の特殊なものにならざるを得ないため、銀行等一般市中金融機関は融資に消極的であり、農協系統金融機関が融資の中心となっています。なお、農業生産の規模拡大や6次産業化を進める農業法人等が大口の運転資金を機動的に必要とする場合においては、農協系統金融機関も必ずしも対応しきれていないため、このような資金調達のニーズに十分対応していくことが課題となっています。

農業経営向けの融資残高2兆2千億円を貸付供給先からみると、農協系統金融機関が全体の6割に当たる1兆3千億円、株式会社日本政策金融公庫が4割の8千億円を占めています(図3-82)。一方、農業者に対する窓口でみると、公庫資金の委託貸付も含め農協系統金融機関が窓口の8割の1兆7千億円と大部分を占めています。

今後は、意欲ある多様な農業者が、その特性に応じて必要な資金の融通が受けやすくなるような環境の整備とともに、農協系統金融機関はもちろんのこと、銀行等一般市中金融機関から農業者に対する資金の円滑な融通が行われるよう、資金調達の円滑化・多様化を図るための方策が必要となっています。



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