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農林水産省

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(1)地域社会・農村地域の現状と課題 ア 農村地域の人口と就業機会の動向

(農村地域の人口は大幅に減少し、高齢化も進行)

我が国の人口は、平成17年(2005年)に戦後初めて前年を下回り、その後ほぼ横ばいとなりましたが、平成20年(2008年)には再び前年より減少し、減少局面に入ったと考えられます。

大都市圏と地方圏の人口移動の状況をみると、第二次世界大戦後、特に昭和30年代には、三大都市圏や太平洋沿岸に資本や産業が集中し、そこに農村の余剰労働力が流入したことから、地方圏から大都市圏への人口移動が多くなっています(図4-1)。オイルショック(*1)以降は地方圏の人口流出と流入が同程度でしたが、バブル期(*2)には再び地方圏から三大都市圏への移動が多くなりました。バブル崩壊後、数年は三大都市圏から地方圏への移動が多くなったものの、その後地方圏から三大都市圏への移動割合がふえ続ける傾向にあります。


*1 1970年代に2度あった原油の供給ひっ迫及び価格の高騰とそれに伴う経済の混乱
*2 1980年代後半から90年代初頭にかけて土地や株が高騰した時期


また、人口集中地区(DIDs)(*3)の人口をみると、昭和45年(1970年)には全人口の54%でしたが、平成17年(2005年)には66%(8400万人)となりました。平成47年(2035年)には69%(7600万人)に達すると推計され(*4)、農村部から都市部への人口集中が今後さらに進むとみられています。人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は、平成17年(2005年)において、DIDsでは18%であるのに対し、DIDs以外の地域(非DIDs)では24%に達しています(図4-2)。非DIDsにおいて高齢化率が18%に達したのは平成7年(1995年)であり、非DIDsではDIDsに比べ10年程度早く高齢化が進行している状況にあります。

さらに、非DIDsでは、平成47年(2035年)において、人口が平成17年(2005年)の8割に減少するなかで、高齢者人口は1.2倍に増加、高齢化率は36%に達すると推計されています。


*3 [用語の解説]を参照
*4 図4-2の注釈参照


農業地域類型区分(*1)別の人口分布をみると、平成17年(2005年)には、都市的地域に全人口の77%が集中する一方、平地農業地域では11%、中間農業地域では9%、山間農業地域では3%となっています(*2)。高齢化率は、都市的地域では18%であるのに対し、平地農業地域では23%、中間農業地域では27%、山間農業地域では32%となっています。また、一般世帯(*3)に占める高齢者世帯(世帯員全員が65歳以上の高齢者である一般世帯)の割合は、都市的地域で15%、平地農業地域で14%であるのに対し、中間農業地域では20%、山間農業地域では25%となっています。このように、都市より農村で、農村のなかでも中山間地域で、より高齢化が進行している状況にあります。

平成17年(2005年)における農村地域(*4)での高齢化率を農業地域(*5)別にみると、関東と沖縄で低くなっていますが、すべての地域で全国平均20%よりも高く、特に、中国と四国で29%、九州で28%に達しています(図4-3)。

また、平成17年(2005年)における農村地域での一般世帯に占める高齢者世帯の割合を農業地域別にみると、北海道を除く東日本で低く、沖縄を除く近畿以西で高い傾向にあります(図4-4)。高齢化率の上昇のみならず、高齢者世帯の増加は、今後の農村における集落機能の維持等に大きく影響すると考えられます。


*1 [用語の解説]を参照
*2 総務省「国勢調査」を基に農林水産省で推計
*3 一般世帯とは、施設等の世帯を除く世帯
*4 農業地域類型の都市的地域を除いた地域
*5 農林水産省「農林業センサス」(平成17年(2005年))の全国農業地域区分。[用語の解説]を参照



(農業就業人口の割合が高い県で農村の高齢化がより進行する傾向)

平成47年(2035年)における非DIDsの人口を都道府県別に推計すると、人口減少率が大きい地域は北海道、北東北、南近畿、西中国、四国、南九州となっています(図4-5)。この推計では、都道府県間の純移動率(*1)を用いていますが、都道府県内の農村部から都市部への人口移動を考慮すれば、農村の人口減少はさらに大きくなると推測されます。

また、高齢化率は、北海道、北東北、南近畿、西中国、四国、南九州で高い傾向にあります。


*1 純移動率=(地域への転入数-地域からの転出数)/地域人口


平成17年(2005年)の総人口に占める農業就業人口(販売農家(*1))の割合と、平成47年(2035年)までの非DIDsの人口減少率、平成47年(2035年)の高齢化率との関係をみると、農業就業人口の割合の高い県において人口減少率や高齢化率が高いという傾向にあり、将来の我が国の農業生産への影響が懸念されます(図4-6)。


*1 [用語の解説]を参照


(近年の景気悪化により地方圏で活力低下が懸念)

既にみたように、我が国の経済は着実に持ち直してきてはいますが、厳しい状況が続いています。地域別にみても、各地域で鉱工業生産指数が大きく減少するとともに、雇用者の給与水準や有効求人倍率が低下するなど雇用環境も悪化しています(表4-1)。

有効求人倍率の動向を地域別にみると、大都市圏を含む地域、それ以外の地方圏ともに大きく低下していますが、農村地域を多く含む地方圏においては、もともと有効求人倍率が低いなかで、さらに状況が悪化しています。このように、地方圏における就業機会は厳しい状況にあり、雇用者1人当たりの現金給与総額の減少の影響も加わり、地域の活力低下が懸念されます。



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