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農林水産省

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(2)集落機能の維持と多様な地域資源・環境の保全 イ 集落機能の低下を補完する取組

(小規模・高齢化集落の多い地域で集落機能を補完する動き)

近年、小規模・高齢化集落の多い地域において、集落を支援する人材の配置や、集落型特定非営利活動法人(*1)の設立等により集落機能を補完する動きがあります。平成20年度(2008年度)より、集落の巡回や状況把握等を行う集落支援員の設置をはじめとする、過疎地域等における集落対策がはじまりました。初年度の平成20年度(2008年度)には、都道府県としては11府県、市町村としては26道府県の66市町村が取り組み、専任の集落支援員が199人、自治会長等と兼務の集落支援員が2千人程度設置されています。

他方、このような集落をかかえる過疎市町村では、人口減少、高齢化により、税収不足の一方で経常支出が増大し、集落機能を補完するなどの施策を講じるための財源が乏しくなっています。そこで、今後は、資源管理や生産補完、生活扶助といった集落機能を、地域住民と地方公共団体以外の新たな主体で補完していくことが必要になります。また、生活支援・環境保全・資源活用の活動を複合的に実施している一部地域の取組に着目し、今後の農山漁村コミュニティの維持・再生について、国と地方の役割分担を踏まえて政府一体となって検討していくことも必要です。

さらに、集落が無住化した場合でも、そこに存在する森林や農地、道水路といった地域資源を適切に管理していくことが必要です。元住民による通作や、近隣の集落等の住民による管理等が考えられますが、森林や農地等の資源の所有者は、適切に管理がなされるように必要な手段を講じる必要があります。


*1 [用語の解説]を参照

事例:元住民による地域資源の保全管理や資源を活用したエコツーリズム等の取組
福井県勝山市(かつやまし)

福井県勝山市小原(かつやましおはら)地区は、明治24年(1891年)には93戸、535人が居住し、林業と養蚕業が営まれ、白山参詣道(はくさんさんけいみち)の要所として賑わっていました。しかし、林業や養蚕業の低迷、豪雪等により、人口が昭和25年(1950年)には163人となり、その後は10年ごとに半減し、現在では2人となっています。元住民の5割ほどは勝山市内に移住していますが、元住民の一部は移住後も小原地区に通って耕作等の生産活動を行っています。

地区内の人口が減少するなかで、地区出身者等で構成される小原生産森林組合では、平成17年(2005年)に、寺、神社を地区内に残すこととし、集落の存続を決めました。しかし、同年12月から翌年にかけての豪雪により、地区の15棟の家屋が損壊・倒壊したことから、福井工業大学建設工学科の教授に相談して家屋の修復をすることとしました。これをきっかけとして、平成18年(2006年)に、同組合、小原地区の住民、環白山保護利用管理協会、福井工業大学が構成員となって、小原ECO(エコ)プロジェクトが立ち上がりました。

林業体験ツアー
林業体験ツアー

このプロジェクトでは、地域資源を活用した体験ツアー等を行っています。体験ツアーは、(1)林業と森の体験、(2)古民家修復・地域景観づくりと炭焼き体験、(3)豪雪体験、(4)山菜やきのこ等の採取、(5)ミチノクフクジュソウ保全活動等を内容としており、年間を通じて体験ができるよう工夫しています。また、福井工業大学の教授・学生と地元の大工が中心になって、平成20年(2008年)までに5棟の古民家を修復しています。うち1軒は、小原生産森林組合が農家民宿を開業し、平成20年度(2008年度)にツアー参加者等300人を超える利用客がありました。

この地域では、かつて米に混ぜて食べられていたとうもろこしや、山間部特有のつる性の茶等、他の地域には残っていない農産物が生産されており、小原地区の生活の体験に活用されています。このような取組が各地で行われ、住民が減少しても、集落の資源や生活様式等を元住民や訪れる人が引き継ぎ、次の世代に伝え、将来にわたって残していくことが期待されます。

 

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