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農林水産省

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(2)集落機能の維持と多様な地域資源・環境の保全 ウ 中山間地域等における取組

(中山間地域は国土の7割)

平野の外縁から山間に至る中山間地域は、我が国の国土面積の7割を占めており、我が国の農家戸数や経営耕地面積の4割、農産物販売額の3割を占める重要な農業生産地域です。また、都市や平地農業地域の上流部に当たり、中山間地域において発揮される国土の保全をはじめとする農業の多面的機能は、多くの国民が享受しています。

農業地域別に中山間地域の割合をみると、東山、四国、中国、東北、北陸で8割となっていますが、中山間地域のなかでも、山間農業地域と中間農業地域の比率に相当な差があり、それぞれの地形や気象の条件に応じた様々な農業が展開されています(図4-24)。



(中山間地域の多くが過疎や振興山村等条件不利地域)

中山間地域の農業集落(72,300集落)の67%は特定農山村法(*1)に基づく特定農山村地域にあり、53%は過疎法(*2)に基づく過疎地域、39%は山村振興法に基づく振興山村地域にあります(図4-25)。これらの指定がいずれもない地域の集落は、都市的地域では90%、平地農業地域では75%になっている一方、中山間地域では21%にとどまっています。また、中山間地域にある農業集落はDIDsまでの所要時間30分以上が5割、1時間以上が1割となっています。

さらに、中山間地域では、その立地条件から傾斜や小区画・不整形等農地の制約があり、経営規模や経営コストの点で平地と格差があるため、営農を継続するためには、この格差を補正することが必要です。これら中山間地域では、農業就業者の減少・高齢化が続くなか、耕作放棄の拡大のおそれがあり、農業の多面的機能の低下が懸念されています。


*1 正式名称は「特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律」
*2 正式名称は「過疎地域自立促進特別措置法」


(条件不利の補正を目的に中山間地域等直接支払制度が実施)

平地に比べ農業生産条件が不利である中山間地域を中心に、農業生産の維持を図りつつ多面的機能を確保する観点から、平成12年度(2000年度)より中山間地域等直接支払制度が実施されています。この制度のもと、地域振興立法等の指定地域(*3)の急傾斜や小区画・不整形といった条件不利な農地において、集落協定または個別協定に基づき5年以上継続して行われる農業生産活動に対して直接支払いが行われています。平成20年度(2008年度)までに28,757協定が締結され、66万4千haの農用地で実施されています(図4-26)。


*3 「特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律」(特定農山村法)、「山村振興法」、「過疎地域自立促進特別措置法」(過疎法)、「半島振興法」、「離島振興法」、「沖縄振興特別措置法」、「奄美群島振興開発特別措置法」、「小笠原諸島振興開発特別措置法」の指定地域及び都道府県知事が指定する地域。主な地域の具体的な定義は[用語の解説]を参照


事例:11集落を1つとする広域的な集落協定締結の取組
新潟県十日町市(とおかまちし)
農業生産法人
農業生産法人

新潟県十日町市千手(とおかまちしせんじゅ)地区は、十日町市の市街地から5kmの信濃川左岸に位置し、信濃川沿いの平坦地から河岸段丘の緩傾斜地、標高300mの山間に至る地域です。

地区内では、水田のほとんどが30a区画に整備され、1つの機械施設利用組合と、農作業を受託する5つの生産組合を中心に農業が営まれ、平成12年度(2000年度)より、地区内の2つの集落が中山間地域等直接支払を受け農地の保全等に取り組んでいました。しかし、高齢化の進行のなか、担い手不足や山間農地の荒廃等の課題が生じていました。

このような課題に対応するため、平成17年(2005年)3月に、千手地区の345戸の農家が出資して、機械施設利用組合を核に、地区全体の営農をカバーする株式会社形態の農業生産法人を設立しました。平成17年度(2005年度)より、この株式会社が核となって、地区の11集落の農業者102人、農業生産法人のほか、有機栽培農家の支援等を目的とした特定非営利活動法人や、直売施設管理組合が参加した広域的な集落協定が締結され、中山間地域等直接支払制度が活用されています。

協定により、各集落は、それぞれ道路・水路の農業用施設や農地に隣接する林地の維持管理を行い、特定非営利活動法人は、有機栽培農家の指導等の支援やたい肥の製造、直売施設管理組合は、地元農産物の直売と地元農産物を原料とした加工品の開発を行っています。中核である農業生産法人は、農作業の受託や農地集積により、地区内の耕作放棄地の発生を抑止するとともに、集落や農家で行うことが困難な農業用施設・ほ場の管理作業、耕作放棄地の復旧等を行っています。また、荒廃桑園を農地に復旧してそばを栽培し、地域の飲食店に提供するとともに、傾斜がきつく、そばや野菜の作付けが困難な農地では、ブルーベリーを栽培しています。

なお、農業生産法人が設立されたことにより、20人の正職員等の雇用が創出されています。冬季で農作業や農産加工の作業のない時期は、職員をスキー場等に派遣するなどの工夫をしています。また、中山間地域等直接支払制度の活用によって、客土等集落や農家が困難な土木工事や耕作放棄地の復旧等、農業生産法人としては採算のとれない作業も行うことができ、職員の安定雇用も可能となっています。

 

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