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農林水産省

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(4)都市と農村の交流・人材の育成 ア 都市と農村の交流の取組

(農業・農村とのかかわりをもちたい都市住民は多数)

平成21年(2009年)12月に行われたアンケート調査により、「今後、農業・農村とどのようにかかわっていきたいか」についての都市住民の意識をみると、「地域農産物の積極的な購入等により、農業・農村を応援したい」、「市民農園等で農作業を楽しみたい」という者が多いほか、「グリーン・ツーリズム等、積極的に農村に出向いて農業・農村を応援したい」、「援農ボランティア等、農村に出向いて農業・農村を応援したい」といった農村との積極的な交流を望む者も多くみられます(図4-38)。



このようなニーズに対応し、都市と農山漁村がお互いの地域の魅力をわかちあい、「人・もの・情報」の行き来を活発にしていくという観点から、都市と農村を双方向で行き交う新たなライフスタイルの実現を進めていくことが大切です。近年、「体験型・交流型」旅行に対するニーズが高まっていますが、グリーン・ツーリズムを含む「新たな旅(ニューツーリズム(*1))」への参加に当たっては、自然、食文化、祭りや伝統芸能等、農山漁村に関係するものに多くの期待が寄せられています(図4-39)。また、旅行者が農山漁村に旅行にいく場合に望む過ごし方についても、「おいしい食を楽しむ」こと、「美しい農山村風景を訪ねる」こと、「里山をのんびり歩く」こと等が主なものとしてあげられており、地域資源への期待が大きいことがうかがえます(図4-40)。なお、平成19年(2007年)に政府全体で策定された「観光立国推進基本計画(*2)」でも、グリーン・ツーリズムが「ニューツーリズム」という新たな観光分野として位置付けられています。


*1 ニューツーリズムについては、厳密な定義はなされていませんが、従来の物見遊山的な観光旅行に対して、テーマ性が強く、体験型・交流型の要素を取り入れた新しいタイプの旅行を指します。テーマとしては産業観光、エコツーリズム、グリーン・ツーリズム、ヘルスツーリズム、ロングステイ等があげられます。旅行商品化としても地域の立場から特性を活かすことが必要で、その意味でニューツーリズムは地域活性化につながる新しい旅行の仕組み全体を指すともいえます。
*2 平成19年(2007年)1月より施行された「観光立国推進基本法」に基づき、政府は、観光立国の実現に関する諸施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、観光立国の実現に関するマスタープランとして「観光立国推進基本計画」を策定しました。基本計画には、観光立国の実現に関する施策についての基本的な方針や目標とともに、「観光立国推進基本法」で政府が総合的かつ計画的に講ずべきと示された施策等について定めています。政府はこの計画に基づいて、観光立国の実現に関する施策を推進しています。



(グリーン・ツーリズムの取組)

農山漁村地域において自然、文化、人々との直接的な交流を楽しむグリーン・ツーリズムは、やすらぎ、いやし、農作業等の体験を通じた教育、健康の維持・増進、食育等、都市住民の様々な期待にこたえることができるものです。このグリーン・ツーリズムには、日帰りから長期的または定期的・反復的な滞在である二地域居住まで様々なものがありますが、関連施設への宿泊者数は年々増加し、平成20年(2008年)には800万人を超えています(図4-41)。



グリーン・ツーリズムについては、平成22年度(2010年度)から開始される「ようこそ!農村へ」プロジェクト(*1)と同様、今後、関係者で連携して、裾野を広げる取組を進める必要があります。その際、農山漁村地域の受入体制の整備、体験内容の充実や、地域資源の差別化に向けた広報宣伝等に取り組むことが重要です。


*1 農林水産省と観光庁等との緊密な連携・協力により、観光関係者と農村地域が連携した、グリーン・ツーリズム等の取組を推進することにより、都市と農村の交流の拡大及び観光を通じた地域振興を図るプロジェクト

コラム:農林漁家民宿おかあさん100選

「農林漁家民宿おかあさん」は、農山漁村を舞台に、ゆとりとやすらぎを提供し、都市との交流の担い手として期待されている方々です。農林水産省と観光庁が主体となり、農林漁家民宿経営の安定に成功し、地域の活性化にも影響力を発揮している女性を「農林漁家民宿おかあさん」として認定しています。平成21年度(2009年度)には52人が認定され、今後、地域のオピニオンリーダーとして地域の資源や人材の魅力を伝え、安全・安心な滞在の提供等を通じて、広く国民に農山漁村の実態を理解していただくことが期待されています。

「農林漁家民宿おかあさん」を活用して、全国の農林漁家民宿における品質(安全管理を含む)の維持・向上の普及を図るため、農林漁家民宿おかあさんサミットの開催や、認定された方等をパネラーにした意見交換会の開催等、積極的な活動が行われています。


また、近年、「ようこそ!農村へ」プロジェクトでも対象としている、外国人を対象とした国際グリーン・ツーリズムが注目されています。この取組は、日本らしい自然・文化を残す農山漁村での滞在を通じ、我が国独自の農村の風土や文化、ひいては食料・農業・農村を理解してもらう点で大変有益であると考えられます。


事例:国際グリーン・ツーリズム
米国学生の地域の料理づくり体験
米国学生の地域の料理づくり体験
長崎県小値賀町(おぢかちょう)

長崎県小値賀町(おぢかちょう)の「特定非営利活動法人おぢかアイランドツーリズム協会」は、自然や島の暮らしをそのまま活かした体験型・滞在型観光による地域振興を目指して設立されました。

同協会がコーディネートする「おぢかの旅」は、国内外の個人・団体を対象としており、その集客数は年々増加しています。このため、島内の民宿は10軒から現在では50軒にふえ、島の若者が体験インストラクターとして活動するなど、島全域に社会的・経済的効果が現れています。

また、平成19年(2007年)から平成20年(2008年)には、米国の民間団体による国際親善大使派遣プログラムに協力し、住民、行政機関等全島あげて受入体制を整え、米国の高校生約170人を3泊4日で受け入れ、民泊、自然体験、学校交流等のプログラムを実施しました。このように、島全体が一体となってグリーン・ツーリズムを推進することにより、地域の活性化に大きくつながっています。

 

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