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農林水産省

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(4)都市と農村の交流・人材の育成 イ 子どもの農業・農村体験の取組

(子どもの農業・農村体験は重要であり、多くの学校で農業体験学習)

都市と農村の交流を進めるうえでは、グリーン・ツーリズムと並んで、子どもの農業・農村体験の取組が重要です。また、子どもに農業・農村体験をさせることは、農業への理解と関心を深めさせるのに大きな効果があるだけでなく、食や食生活にも興味をもたせたり、様々な人たちと出会い、交流していくなかで、人間関係を構築する力を身につけ、人間性を向上させたりするのに効果があるといわれています。

これら取組のうち、学校における農業体験学習は、近年広がりをみせており、小学校の80%、中学校の36%で行われています。農作業体験では、稲やいも類、野菜等の農作物を扱うことが多く、これらの収穫や、種まき、施肥・除草等の栽培管理等を行うことが多くなっています。また、農畜産加工体験に関しては、もちの加工や豆腐づくり等が多くなっています(*1)。


*1 (社)全国農村青少年教育振興会「農業体験学習に関するアンケート結果等」(平成22年(2010年)3月公表)

(子ども農山漁村交流プロジェクトの取組)

図4-42 子ども農山漁村交流プロジェクト

農山漁村地域での生活体験を推進するための「子ども農山漁村交流プロジェクト」が平成20年度(2008年度)より開始されていますが、平成21年度(2009年度)の受入モデル地区は、前年度より3県37地域増加し36道県90地域となりました(図4-42)。このプロジェクトで子どもを受け入れた農林漁家の評価によれば、参加した子どもが、「挨拶をするようになった」、「食欲が増した」等、日常生活面で大きな効果があったとの報告があります(図4-43)。また、引率教員等の評価を用いた分析からは、動物に直接触れる畜産農家の体験では、生命への関心、協力・連帯感、コミュニケーション力等において、収穫の喜びを実感できる野菜農家の体験では、生命への関心、挨拶や感謝の心、チャレンジ精神等において、それぞれ高い教育効果が発現したとされています(*2)。その他、「子ども農山漁村交流プロジェクト」や教育旅行等による子どもの農業・農村体験をきっかけにして、再び家族や友人等とその地を訪れるなどの事例もみられ、今後これらの子どもや家族等が地域の良き理解者となることが期待されています。


*2 農林水産政策研究所「小学生の農林漁家宿泊体験が子どもに与える効果と課題」(平成22年(2010年)1月公表)

しかし一方で、このプロジェクトを実施している学校からは、「教員の人手不足」、「時間不足」、「準備に時間がかかる」、「経費がかかる」等、負担が大きいとの指摘がなされています(*1)。今後は、このような負担を軽減するために、学校と受入れ先を結び、円滑にプロジェクトを実施するコーディネーターの役割を担う組織の育成が重要となります。


*1 (社)全国農村青少年教育振興会「農業体験学習に関するアンケート結果等」(平成22年(2010年)3月公表)
 

事例:子ども農業体験の取組
子ども農業体験
子ども農業体験
大阪府高槻市(たかつきし)

大阪府高槻市(たかつきし)の特定非営利活動法人「ノート(旧名アダージョ)」は、市街地から自動車で20分ほどの距離にあり今でも里山の環境が残されている地区において、市内の小学校から募集した50人を対象に、農業体験プログラムを実施しています。この取組は、不登校の児童・生徒へのサポートの一環として、子どもに農業体験の機会を与えたいと考えていた特定非営利活動法人代表者と受入地区の農家が、高槻市景観ワークショップを縁に知り合ったことから、平成20年(2008年)より始まりました。

このプログラムは、地区内の協力農家の農地での田植、草取り、稲刈り等の一連の農作業と川遊びや山歩き等、四季を通じた様々な自然体験とを連動させるとともに、収穫された農産物を市内の商店街で販売体験させるといった内容になっています。

この取組に参加した子どもには、自然や里山、農業に対する愛着が高まるとともに、受入地域でも、毎月1回程度村に訪れる子どもとの会話を通じて活気が生じるなどの効果が生まれています。

今後も、特定非営利活動法人は、受入地区・農家、市内の小学校と連携して、この取組を続けていくこととしています。

 

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