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農林水産省

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(4)都市と農村の交流・人材の育成 ウ 農村の活性化に向けた多様な人材の確保

(都市住民の農村地域への移住・交流は増加)

農村の活性化を図るためには、二地域居住や定住、UJIターン(*1)等を通じた人材の確保が必要です。都市からの移住・交流者を受け入れた地域の住民の意識をみても、「人口減少に歯止めがかかった」ことはもちろんのこと、「産業・経済が活性化した」こと、「コミュニティが活性化した」こと等が地域に与えたプラス面の影響としてあげられています(図4-44)。

近年、豊かな自然や気候等、農山漁村の魅力に惹かれて、都市部から移住する願望をもつ若者や団塊の世代(*2)が増加し、また受入れを希望する地域も増加しています。

一方、都市部の住民が、移住・交流先を選択するうえで重要視したこととしては、「豊かな自然環境があること」、「接しやすい雰囲気の地元の方が多いこと」、「気候が良いこと」、「交通アクセスが良いこと」等があげられています(*3)。また、情報の収集方法に関しては、現地で実践している人から情報を得たり、田舎暮らし雑誌やインターネットを通じて情報収集した者が多くなっています。

このような声があるなかで、今後、都市から農村への定住等の一層の促進を図るためには、地方自治体等による受入体制、交通アクセス、教育や居住面の環境整備等を推進するとともに、都市部の住民への十分な情報発信も重要となっています。


*1 UJIターンとは、大都市圏の居住者が地方に移住する動きの総称。Uターンは出身地に戻る形態、Jターンは出身地の近くの地方都市に移住する形態、Iターンは出身地以外の地方へ移住する形態を指します。
*2 昭和22(1947)~昭和24年(1949年)生まれの世代で、人口は平成17年(2005年)9月30日現在、683万人
*3 総務省「平成20年度都市から地方への移住・交流の促進に関する調査」(平成21年(2009年)3月公表)


(「田舎で働き隊!」事業は定住に効果)

農村地域の活性化のための活動促進や人材育成を目的に、平成20年度(2008年度)から「田舎で働き隊!」事業(*4)が始められています。平成20年度(2008年度)においては、2,479人が参加した1週間程度の短期研修を42道府県、69の機関で受け入れました。参加者の内訳をみると、学生38%、無職(求職者)21%、正社員・正職員16%であり、年齢別にみると、20歳代と20歳未満の若者が合わせて過半数を超えています(図4-45)。研修内容は、「農作業の体験」が最も多く、次いで「地元農林水産物の加工・販売等」等地域ビジネスに関連するものや、「農村景観・伝統的家屋等の維持・保全」、「棚田・里山・用水路等の管理・保全等」等地域資源の保全に関連するものが多くなっています。


*4 正式名称は「農村活性化人材育成派遣支援モデル事業」

これら研修は、約1週間程度の短期研修であったにもかかわらず、83人(うち39歳以下が59人)の研修者が農山漁村へ定住し、就農したり、地域の農業団体やNPO(*1)等に就職するなどの効果がありました。なお、平成21年度(2009年度)「田舎で働き隊!」事業では、最長10か月の長期研修を行っており、さらなる定住、就農・就職効果が期待されます。


*1 [用語の解説](特定非営利活動法人/非営利団体(NPO))を参照
 
事例:「田舎で働き隊!」事業を通じた人材育成
女性部加工組合員と研修生
女性部加工組合員と研修生
長崎県雲仙市(うんぜんし)

長崎県雲仙市(うんぜんし)のM農事組合法人女性部加工組合は、地元農産物を活かした故郷の味づくりを目指し、組合員の相互協力のもと活動を展開しています。地元の伝統野菜である「雲仙こぶ高菜」が日本で初めてスローフードとして認定されたことにより、スローフードワークショップの展開を図り、伝統野菜を守り育て、さらなる加工品の開発に努めています。また、平成20年度(2008年度)からは、特に若い人に組合活動や地域の実情等について知ってほしいとの思いから「田舎で働き隊!」事業の研修生受入れを行っています。

平成20年度(2008年度)は、学生や主婦、農家等(10~60歳代)6人の研修生が参加し、平成21年度(2009年度)はそのうち1人が継続して参加しています。研修生は、農作業の体験や、地元食材の加工・販売等の研修を通じて、情報発信の大切さに気付き、自らチラシを作成したり、ブログやメールマガジンによる情報発信を始めました。研修終了後は、大学で食文化を研究したり、移住して地域活性化関連の会社(コーディネート団体)に就職したり、将来は農村地域と都市をつなぐ仕事がしたいと考えたりする研修生が出てくるなど、人材育成にも大きな効果が出てきています。

 

(農村活性化のためには関係機関による人材のマッチング等が必要)

農村が人材不足の問題をかかえる一方、都市においては、農業・農村への関心をもつ者が多く存在します。また、社会的な貢献活動は一層活発化していくものと考えられます。このようななか、今後、都市にいる人材を一層活用するとともに、農業・農村の関係機関と、企業や大学、NPO、都市住民等、様々な団体との協働・連携を進めることがますます必要になってきます。

このため、都市側・農山漁村側双方のニーズを的確に捉え、農村地域での活動を希望する都市部の人材の募集、農村地域と人材のマッチング、農村地域への人材派遣等に取り組むコーディネーターを育てていくことが重要となっています。


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