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農林水産省

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むすび


本報告書では、食料・農業・農村をめぐる動向について様々な観点から分析、整理を行いました。そのうえで、新たな食料・農業・農村基本計画のもとでの農政の展開方向と課題を明らかにすることに力点をおきました。それらの主な内容は以下のとおりです。


第一に、低迷する食料自給率を向上させ、平成32年度(2020年度)における食料自給率50%(供給熱量ベース)等の目標を達成するための取組を進めていくことです。このため、今後、生産面においては、水田を最大限に活用して麦、大豆、米粉用米、飼料用米等の作付けの増大を図ること、消費面では、従来以上に消費者の理解を得ながら潜在的需要の掘り起こし等を進め、消費者や食品産業事業者に国産農産物が選択されるような環境を形成することが必要となります。


第二に、食の安全と消費者の信頼を確保する取組を進めていくことです。特に、食品の安全性向上のためには「後始末より未然防止」の考え方を基本に、国産農林水産物や食品の安全性向上のための科学的知見に基づく施策の推進に加え、農場から食卓にわたる取組を拡大させることが必要です。


第三に、農業所得が半減するなかで、食料自給率の向上と多面的機能の維持を図るため、意欲あるすべての農業者が将来にわたって農業を継続し、経営発展に取り組むことができる環境を整え、農業の産業としての持続性を維持していくための取組を進めていくことです。このため、戸別所得補償制度の本格的な実施に向けて、平成22年度(2010年度)から戸別所得補償モデル対策が実施されていますが、今後、その効果を検証しつつ制度の検討を行っていく必要があります。また、農業を通じた新たな付加価値の創出、意欲ある農業者による農業経営の育成・確保、農業生産の基盤となる優良農地の確保と有効活用等の取組を進めていくことが必要となります。


第四に、活力ある農村の再生・活性化を図るための取組を進めていくことです。このため、農業者による生産・加工・販売の一体化や、農業と2次、3次産業の融合等により、農林水産物をはじめ農村に存在する「資源」と、「産業」とを結び付け、地域ビジネスの展開と新たな業態の創出を促す「農業・農村の6次産業化」を進め、雇用機会の増大、所得の確保等を図ることが重要です。また、集落機能の維持と農地・水等の地域資源・環境の保全を推進していく必要があります。


農業・農村は食料供給のほか、国土や自然環境の保全を通じ国民全体の生命、身体、財産の保全に貢献するとともに、日本の文化・伝統の維持・継承にも役割を果たしています。これらの機能については、国民全体が直接的・間接的にその利益を享受しています。

しかし、このような機能は農産物価格に反映されておらず、農産物価格が低迷するなかで、今の状況が続けば、食料自給率の向上や多面的機能の発揮が脅かされ、国民全体が不利益を被るおそれがあります。このため、消費者をはじめとする多様な主体が農業・農村の有する魅力を深く理解し、大切に思う価値観を共有して、国民全体で農業・農村を支援することにより、「食」と「地域」の早急な再生を図っていくことが重要です。


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