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農林水産省

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(1)これまでの食料・農業・農村施策 ウ 食料、農業、農村分野をめぐる主な状況


これまでみてきたように、新基本法制定後、様々な施策を実施するなど改革努力を続けてきましたが、我が国の食料、農業、農村に関する主要指標の動向等をみると、次のように厳しく、平成17年(2005年)3月に策定された基本計画で掲げた目標に大きく及ばない状況にあります。


(食料自給率は低迷)

供給熱量ベースの食料自給率は、昭和40年度(1965年度)に73%でしたが、食生活が大きく変化し、国内で自給可能な米の消費が減少する一方、国内生産では供給困難なとうもろこし等の飼料穀物を必要とする畜産物や、大豆やなたね等の油糧種子を使用する油脂類の消費が増加したこと、農産物価格の低下や農業所得の減少を主な要因として、基幹的農業従事者(*1)数、耕地面積が大きく減少し、耕地利用率(*2)も低下するなど、国内の食料供給力がぜい弱化したこと等から大きく低下しました。平成12年度(2000年度)では40%、その後もほぼ同水準で推移しています。生産額ベースの食料自給率も低下傾向で推移しています。また、飼料自給率(*3)に関しても、肉類や牛乳・乳製品の消費の増大に伴い、多くの濃厚飼料(*4)を海外に依存してきたため、昭和40年度(1965年度)に比べると大きく低下し、平成12年度(2000年度)では26%、その後もほぼ同水準で推移しています。

世界の食料需給は今後もひっ迫基調で推移することが予測され、また、燃油・肥料等の資材に関連する資源問題が世界的に深刻化するなか、我が国の食料自給率について、国民の多くが低いと思っており、今後高めるべきと考えています(*5)。


(食生活の問題は継続するとともに、食に対する信頼は低下)

経済成長に伴う所得の向上等を背景として、食料消費にも大きな変化がみられます。1人1年当たりの供給純食料(*6)をみると、昭和40年度(1965年度)に比べ、米は半減する一方、肉類は約3倍、牛乳・乳製品、油脂類は約2倍に増加するなど、品目ごとに大きく変化しました。また、食料消費のうち中食(*7)・外食の比率が高まるなど「食の外部化(*8)」が進展しています。

このような食生活の大きな変化のなかで、栄養摂取バランスが崩れるなどの問題が続いています。総供給熱量に占める脂質の割合は大きく増加し、平成12年度(2000年度)には29%に達し、健康の観点から適切な水準とされる25%(*9)を上回っている状況が現在まで続いています。また、朝食の欠食率については、男女ともに増加傾向にありますが、特に20歳代の女性では、昭和50年(1975年)の12%から平成12年(2000年)には16%、平成20年(2008年)には26%まで増加しています。

消費者の食に対する信頼については、近年発生した一連の表示偽装事件等を受け、例えば、食品表示110番(*10)の問合せ件数が増加するなど、消費者の不安が沈静化しているとは言い難い状況です。


*1 、3、7、8、10 [用語の解説]を参照
*2 耕地面積を100とした作付延べ面積の割合。耕地利用率(%)=作付延べ面積÷耕地面積×100
*4 とうもろこし、油かす、ぬか類等からなる飼料で、イネ科、マメ科の牧草類、わら類等の粗飼料に比べ栄養価が高く、炭水化物やたんぱく質を多く含みます。
*5 内閣府「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」(平成20年(2008年)11月公表)
*6 人間の消費に直接利用可能な食料の形態の数量を表します。
*9 厚生労働省が策定した「健康日本21」(平成12年)では、摂取ベースでの成人の脂質熱量割合を25%以下にするとの目標が示されています。

食料・農業・農村関係主要指標の推移

(農業生産・農業所得が大きく減少するとともに、農業経営体・就業者、農地も減少)

農業生産額(*1)は、平成2年度(1990年度)をピークに米を中心に減少傾向で推移しています。農業所得に当たる農業純生産(*2)も、平成2年度(1990年度)をピークに大きく減少し、平成12年度(2000年度)にはピーク時の3分の2に減少し、平成19年度(2007年度)には半減しています。

販売農家(*3)数については、長期的に減少が続いていますが、平成21年(2009年)は170万戸で、平成12年(2000年)より約60万戸減少しています。この減少率は平成12年(2000年)以前と比べ大きくなっており、農家数の減少が加速化しています。また、主業農家(*4)数は、平成2年(1990年)の82万戸から平成21年(2009年)には35万戸にまで減少しています。

基幹的農業従事者も、長期的に減少・高齢化が続いています。平成12年(2000年)は240万人でしたが、平成20年(2008年)に200万人を下回り、平成21年(2009年)には191万人となっています。また、65歳以上の者の占める割合が大幅に増加し続け、平成21年(2009年)には6割を占めるようになっています。この結果、基幹的農業従事者の平均年齢は平成21年(2009年)に65.7歳となっています。

一方、新規就農者(*5)数は、平成2年(1990年)以降増加傾向にありますが、この10年は6万~8万人で推移しています。このうち、将来の農業生産を担う者として期待される新規就農青年(*6)は1万2千~1万5千人で推移しています。

耕地面積については、旧基本法が制定された昭和36年(1961年)をピークに長期的に減少しており、平成12年(2000年)に483万ha、平成21年(2009年)には461万haとなっています。一方、離農等による耕作放棄地(*7)面積は増加が続き、平成12年(2000年)に30万haを超え、平成17年(2005年)においては39万haになっています。耕地利用率も、二毛作の減少や夏期の不作付地の増加等により大きく低下しています。


(農村では人口減少・高齢化が進行し、活力が低下)

農村では、若年人口の都市への流出等により人口減少と高齢化が進んでいます。農村人口(*8)は、昭和40年(1965年)に5,100万人でしたが、平成12年(2000年)は4,400万人、平成17年(2005年)には4,300万人まで減少しています。総人口に占める農村人口の割合も、昭和40年(1965年)には52%を占めていましたが、平成12年(2000年)は35%、平成17年(2005年)には34%まで低下しています。

また、農村における65歳以上の者の割合も、昭和40年(1965年)には8%でしたが、平成12年(2000年)は21%、平成17年(2005年)には24%まで上昇しました。

このようななか、農業集落(*9)も相当数減少しています。さらに、近年は、景気の悪化を受け兼業機会も減少し、人口減少・高齢化の進行とも相まって、農村地域は非常に厳しい状況にあるといえます。


*1 ~5、7、9 [用語の解説]を参照
*6 39歳以下の新規就農者
*8 DIDs(人口集中地区)以外の地域の人口。DIDsは[用語の解説]を参照

食料・農業・農村関係主要指標の推移(つづき)

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