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農林水産省

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第7節 農業生産を支える農地、資金、研究・技術開発、関連団体をめぐる状況


(耕作放棄地は引き続き増加)

耕作放棄地(*1)面積については、近年その増加率は鈍化しているものの、平成22(2010)年においては、平成17(2005)年と比べて3%増加し40万haと、滋賀県に匹敵する面積になっています(図2-98)。これを農家等区分別にみると、販売農家では減少傾向にある一方、自給的農家と土地持ち非農家では増加し、全体の7割を占める状況となっています。

耕作放棄地については、その発生要因は、農業者の高齢化の進行、農作物価格の低迷、地域内に引き受け手がいないなど様々です。また、その荒廃度合いも各地域や農地で異なります。このため、耕作放棄地解消に向けては、市町村や農業委員会が把握した耕作放棄地の状況を踏まえて、再生作業を支援するとともに、再生された農地について、どのような引き受け手(周辺農家や企業等)により利用を図っていくのか、どのような作物を作付けるのかなど、地域の実情に応じたきめ細かい対応を行うことが重要です。

このようななか、耕作放棄地の解消に関係者が一体となって取り組む地域の体制として、耕作放棄地対策協議会(都道府県協議会・地域協議会)が設置されていますが、このうち、地域協議会は、平成22(2010)年12月現在、農用地区域内に農地として利用すべき耕作放棄地がある1,450市町村の8割に当たる1,149市町村で設置されています。また、平成21(2009)年の農地法改正により、農業委員会は、毎年1回、耕作放棄地化のおそれのある農地も含めすべての農地についての利用状況を調査することになりました。今後は、遊休農地の所有者等に対して、自ら耕作するか、誰かに貸し付けるかを指導するなど、新たな耕作放棄地の発生を未然に防止することが期待されています。


*1 [用語の解説]を参照


事例:地域が一体となった耕作放棄地解消の取組
(1) オリーブを基軸とした地域産業再生と耕作放棄地解消
オリーブ畑
オリーブ畑
香川県小豆島町

香川県小豆島町(しょうどしまちょう)では、オリーブを活用した地域活性化を図るため、平成10(1998)年度から町役場・農業委員会等が連携してオリーブ栽培に着手し、栽培希望者に通常単価の4分の1の価格で苗木の配布を始めました。さらに、平成13(2001)年度からは耕作放棄地の再整備にかかる費用も町独自で助成し、栽培面積の拡大を図っています。

その後、地元企業がオリーブ栽培を希望したことや、平成17 (2005)年9月の改正農業経営基盤強化促進法施行による構造改革特区の全国展開を受け、同町はいち早く町内全域を一般企業の 農業参入区域に設定しました。近年は、参入企業も9社に増加し、耕作放棄地も積極的に活用されています。

このように、農業者や一般企業が一体となってオリーブ栽培による耕作放棄地解消の取組を推進したことにより、平成21(2009)年度においては、7ha の耕作放棄地が解消されています。


(2) 多様な手法により耕作放棄地を解消
再生された畑
再生された畑
大分県臼杵市

大分県臼杵市(うすきし)では、平成18(2006)年から耕作放棄地の実態調査を行っており、その結果を地図等に整理するだけでなく、解消計画作成の際の土地所有者等との協議用資料としても活用しています。

平成20(2008)年には耕作放棄地全体調査において、より精度の高い調査活動を実施し、その調査データについて集計の効率化を図るとともに、市独自の農地地図情報システムを活用し、視覚化ができるようすべての情報をデジタル化しています。現在も、農地所有者全員に意向調査票を配布し、情報の更新に努めています。

同市における耕作放棄地解消の基本は、地元農業者への農地集積ですが、市では農業生産法人の立ち上げや企業の農業参入への支援にも積極的に取り組んでいます。

また、農業委員自らも耕作放棄地の解消に率先して取り組むとともに、戸別訪問等により利用権設定の推進活動を行い、農地の有効利用を図っています。

このような市をあげた取組により、平成21(2009) 年度においては、20ha の耕作放棄地が解消されています。



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