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農林水産省

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(2)食料自給率の向上に向けた取組 イ 米粉用米・飼料用米


基本計画においては、米粉用米の生産量を平成20(2008)年産の1千tから平成32(2020)年産の50万tへ、飼料用米の生産量を9千tから70万tへ増加させる目標を定めています。

また、米粉用米・飼料用米についての克服すべき課題として、(1)実需者ニーズに対応した安定供給体制の構築、(2)多収米品種・栽培技術の普及による単収向上、(3)生産者と加工事業者、配合飼料メーカーのマッチング等が掲げられています。


(農業者戸別所得補償制度により、米粉用米・飼料用米の生産量は大幅に拡大)

平成23(2011)年産の米粉用米の作付面積は7千haで、平成20(2008)年産に比べて7千ha増加し、生産量は4万tで、平成20(2008)年産に比べて3万9千t増加しました(表1-2)。また、平成23(2011)年産の飼料用米の作付面積は3万4千haで、平成20(2008)年に比べて3万3千ha増加し、生産量は18万3千tで、平成20(2008)年産に比べて17万5千tの大幅な増産となりました。


 

このように、平成23(2011)年産の米粉用米と飼料用米の生産量は、それぞれ平成20(2008)年産の40倍、20倍まで増加しました(図1-13)が、その背景には、平成22(2010)年度の戸別所得補償モデル対策(水田利活用自給力向上事業)や、平成23(2011)年度から本格実施されている農業者戸別所得補償制度(水田活用の所得補償交付金)において、米粉用米及び飼料用米に対する助成措置(8万円/10a)が講じられたことがあげられます。



基本計画においては、米粉用米と飼料用米について、平成32(2020)年度の生産数量目標をそれぞれ50万t、70万tと高い水準に設定しています。この目標の達成のためには、以下のような取組をさらに推進することが必要です。


(実需者ニーズに対応した安定供給体制の構築)

米粉用米・飼料用米の生産を拡大するためには、実需者ニーズに対応した安定供給体制を構築する必要があります。このため、農林水産省では、生産者と製造事業者等の双方から、聞き取りにより把握したニーズ情報をマッチングする活動を展開しています。

また、安定的な米粉用米・飼料用米の供給体制を構築するため、「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」に基づき、生産者と製造事業者等が共同して作成した生産製造連携事業に関する計画に対して、農林水産大臣による認定を行っています。この認定を受けることを前提に、農業生産機械の導入、加工施設の整備、乾燥調製・出荷貯蔵施設の整備等に必要な支援を活用することができます。


事例:生産製造連携事業を活用した地域の米粉利用の拡大
大分県(大分市)
米粉パン給食の様子
米粉パン給食の様子

大分県大分市(おおいたし)のライスアルバ(株)は、平成21(2009)年に解散した大分市内の米穀店からなる中央米穀協業組合の事業を引き継いで設立されました。

同社は平成22(2010)年に、JA全農大分や(財)大分県学校給食会との間で生産製造連携事業計画を策定し、農林水産大臣の認定を受けた後、国、県、市の交付金等を活用して、平成23(2011)年3月に年間200~300tの米粉製造能力をもつ、大型の米粉生産施設を導入した工場を整備しました。

同社は、この工場完成以前にも小型の米粉生産施設や加工施設等を活用することにより、地域の米粉用米から米粉の生産を行うとともに、米粉ロールケーキや米粉パン等の加工品の製造・販売に取り組んできました。

米粉の生産実績は、平成21(2009)年の37tから23(2011)年の103tまで大きく増加しており、米粉が県内大手菓子メーカーや学校給食に提供されているほか、米粉の加工品が道の駅等で販売されています。

これまで、大分県内には大規模な米粉生産施設がありませんでしたが、同社の取組により、県産米粉を安定供給する体制が構築でき、地域の米粉用米の生産拡大や米粉の消費拡大を通じた自給率の向上に貢献しています。

 

(多収米品種・栽培技術の開発と米粉の特徴を活かした商品開発の取組)

新規需要米の生産拡大に向けて、実需者ニーズに対応した品質の生産物を供給するため、米粉用・飼料用に適した低コストで生産できる専用の品種の育成が進められています。

米粉用米では、米粉パンへの利用に適した多収米品種として「ミズホチカラ」等が開発されています。これらの品種は、よく膨らみ、焼き上げ後の変形が少ない等の製パン性に優れ、収量が主食用米に比べて2割程度多いため、普及が期待されています(図1-14)。また、米めん用の品種としては、めんのほぐれが良く、製めん性に優れる「越(こし)のかおり」が育成されています。

さらに、多収で直播栽培(*1)等による低コスト生産が可能な「モミロマン」や「北陸193号」等の飼料用米・WCS(*2)用稲に適した品種が開発されており、これらの品種の普及による水田の有効利用の進展が期待されています(図1-15)。


*1 〔用語の解説〕を参照
*2 〔用語の解説〕の稲発酵粗飼料を参照

図1 - 14 米粉用品種「ミズホチカラ」 の製パン特性
図1-15 飼料向け多収米品種の単収
 

このような多収米品種の開発と併せて、米粉の特徴を活かした商品開発の取組も進められています。

中でも、食料自給率の向上に向けた国民運動であるフード・アクション・ニッポンの取組の一つである「米粉倶楽部」では、米粉にかかわる様々な関係者が一体となって、米粉使用メニューや米粉を用いた新商品の開発等を通じて、米粉の普及に取り組んでいます。


事例:米粉倶楽部における官民連携による米粉普及の取組
(1)高速道路サービスエリアでの米粉使用メニュー等の提供
高速道路サービスエリアでの「米粉グルメ」のポスター
高速道路サービスエリアでの「米粉グルメ」のポスター

東日本高速道路(株)新潟支社及びネクセリア東日本(株)新潟支店は、平成23(2011)年7月から平成24(2012)年3月まで、国内産米粉の普及と消費拡大を図るため、支社管内のサービスエリア・パーキングエリアにおいて、米粉使用メニューの提供と米粉(使用)商品の販売促進のキャンペーンを実施しました。具体的には、レストランやスナックコーナーにおいて、「米粉グルメ」(米粉を使用したオリジナルメニュー)や米粉を用いためん類、ベーカリー、スイーツ等を提供しています。また、ショッピングコーナーにおいても、米粉及び米粉使用商品を取り揃え、販売促進活動を展開しました。


(2)米粉本来の味と可能性を追求した製品の開発
小麦を一切使用しない米粉のケーキ等
小麦を一切使用しない米粉のケーキ等

愛知県豊橋市(とよはしし)のお米のケーキ屋さんリトルバードは、平成13(2001)年以降、国産の米粉100%にこだわった米粉製品の開発と販売に取り組んでいます。

同店では、店内・製造工程において、小麦を一切使用しないケーキやクレープ等を商品化しており、小麦アレルギーがある消費者に喜ばれています。また、これらの商品は、お米本来の香り、食感、甘みを最大限に引き出すことで、小麦の代用品ではなく国産食材を活用した新たなスイーツとして認知されつつあります。


(3)米粉製「即席袋めん」の開発
米粉製即席めんの調理例
米粉製即席めんの調理例

エースコック(株)は、平成22(2010)年9月に新潟産コシヒカリ(米粉)を小麦粉に練り込んだ即席袋めんを発売しました。この商品は、新潟県が食料自給率向上に向けて展開している「R10プロジェクト」(小麦粉消費量の10%以上を米粉に置き換える運動)の一環として、開発されました。

 

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