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農林水産省

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概説


1 施策の背景

東日本大震災から3年を迎える25年度においては、日本の食料基地である東北地方を一刻も早く復興するため、復興庁との連携の下、農地等の復旧をおおむね25年度までに実現するという目標を達成するとともに、農地の大区画化や先進的技術の導入など、より良い復興のための施策に全力で取り組む必要があります。また、東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「東電福島第一原発」という。)事故の対応については、安全な農林水産物を安定的に供給することを最優先とし、生産現場における放射性物質の吸収抑制対策を徹底しつつ、除染や放射性物質検査を支援していく必要があります。

「農は国の基」という言葉があるように、農林水産業は食料生産のみならず、国土や自然環境の保全、集落機能の維持といった多面的機能の発揮を通じ、国民の暮らしに重要な役割を担っています。しかしながら、我が国の食料・農業・農村をめぐる情勢は、第1部「平成24年度食料・農業・農村の動向」で詳しく述べているように、農業生産額の減少や担い手の高齢化など課題が山積している状況にあります。

一方で、農林水産業は潜在的に非常に大きな可能性を持っている産業であり、その潜在力を最大限に引き出すためには、生産現場自らが需要の動向を敏感につかんで高付加価値化等を積極的に進めるなど、「攻めの農林水産業」を推進することが必要です。このため、25年1月に「攻めの農林水産業推進本部」を農林水産省に設置し、需要サイドのニーズや生産現場の声を徹底的に吸い上げ、施策の具体化を加速していくこととしています。

また、農地を農地として維持するための「日本型直接支払」及び「担い手総合支援」の制度検討を関係各方面の議論と連携して進めていくこととしています。

このような中、経済連携の推進に当たっては、情報を国民に提供し、議論をしていただき、理解を得ながら進めていくことが重要です。総理大臣が交渉参加を決断した環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については、国益を守り抜き、農林水産分野の聖域を確保するよう全力を尽くします。

本篇は、以上の基本認識の下、24年度における食料・農業・農村の動向を考慮して、25年度において講じようとする施策を取りまとめたものです。


2 施策の重点

東日本大震災及び東電福島第一原発事故からの復旧・復興に復興庁と連携しながら全力で取り組みます。

また、食料自給率向上に向けた施策、食料の安定供給の確保に関する施策、農業の持続的な発展に関する施策、農村の振興に関する施策及び食料・農業・農村に横断的に関係する施策等を総合的かつ計画的に展開します。

特に、攻めの農業の展開として、担い手及び農地等の生産現場の強化、農山漁村の6次産業化等を通じたバリューチェーンの構築、都市と農山漁村の共生・対流の拡大、農林水産物・食品の輸出促進、地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入拡大等を推進します。さらに、農場から食卓にわたり科学的根拠に基づいた取組を推進すること等により食品の安全性の向上と消費者の信頼の確保に努める等以下の諸施策に重点的に取り組むこととしています。


(1)東日本大震災対策

日本の食料基地である東北地方を一刻も早く復興するため、農業・農村の本格的復興に向けた対策、農地等の生産基盤の復旧・整備、経営の継続・再編、東日本大震災農業生産対策交付金による生産手段の回復、再生可能エネルギーの導入、農山漁村対策、東電福島第一原発の事故への対策、東日本大震災復興交付金による生産手段の回復等に全力で取り組みます。


(2)食料自給率向上に向けた施策

国際情勢、農業・農村の状況、課題克服のための関係者の最大限の努力を前提として定められた食料自給率目標の達成に向け、国内農産物の消費拡大及び主要品目ごとの生産目標の実現に向けた施策を推進します。


(3)食料の安定供給の確保に関する施策

国民生活にとって最も重要な食品の安全性を向上し、消費者の信頼を得ていくことは、全ての施策の基本となる重要な課題です。このため東電福島第一原発の事故対応のための食品・農林水産物の検査体制の強化を行うことはもとより、農場から食卓にわたり科学的根拠に基づいた取組を推進し、食の安全と消費者の信頼の確保に努めます。

また、食育及び地産地消等の推進、食品産業の持続的な発展、総合的な食料安全保障の確立、国際交渉への対応等の施策を推進します。


(4)農業の持続的な発展に関する施策

農林水産業の潜在力を最大限に引き出すため、「攻めの農業の展開」を推進します。

また、競争力強化・国土強靱化に向けた農業生産基盤等の整備・保全、担い手・農地総合対策の実施、優良農地の確保と有効利用の促進、農業の高付加価値化等の推進、経営所得安定対策の実施、生産振興対策の実施、農業災害による損失補填、農作業安全対策の推進及び持続可能な農業生産を支える取組等を推進します。


(5)農村の振興に関する施策

国土や自然環境の保全、集落機能の維持といった農業の多面的機能の維持・向上に向けた対策を推進します。

また、地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入拡大、都市と農村の共生・対流、都市農業の保全と振興、農村の集落機能の維持と地域資源・環境の保全等の施策を推進します。


(6)食料・農業・農村に横断的に関係する施策

生産コストの低減や6次産業化の基礎となる革新的技術の開発を推進するとともに、研究開発から普及・産業化までの一貫支援、地球環境問題への貢献及び知的財産の保護・活用を内容とする技術・環境政策を総合的に推進します。


3 財政措置

(1)
25年度農林水産関係予算額は、2兆2,976億円を計上しました。本予算は、生産現場自らが需要の動向を敏感につかみ、高付加価値化等を積極的に進めることにより、農林水産業の潜在力を引き出す「攻めの農林水産業」の第一歩となる施策に重点化を図ったところです。具体的には、(1)国土強靱化・競争力強化、(2)経営所得安定対策等、(3)担い手・農地総合対策、(4)国産農林水産物の消費・輸出対策、(5)生産振興対策、(6)再生可能エネルギーの大々的な展開、(7)食の安全・安心、都市と農山漁村の共生・対流等、(8)森林・林業・山村振興対策、(9)水産業・漁村振興対策を推進します。
(2)
25年度の農林水産関連の財政投融資計画額は、2,256億円を計上しています。このうち主要なものは、(株)日本政策金融公庫への1,800億円及び(株)農林漁業成長産業化支援機構への350億円となっています。

4 立法措置

重点施策をはじめとする施策の総合的な推進を図るため、第183回国会に以下の法案を提出しました。

  • 「外国政府に対して有する米穀の売渡しに係る債権の免除に関する特別措置法案」
  • 「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法の一部を改正する法律案」

5 税制上の措置

重点施策をはじめとする施策の総合的な推進を図るため、以下をはじめとする税制措置を講じます。


(1)農業経営の安定化

農業経営基盤強化準備金制度の適用期限を2年延長します(所得税・法人税)。
利用権設定等促進事業により農用地等を取得した場合の所有権の移転登記の税率の軽減措置を2年延長します(登録免許税)。
農用地利用集積計画に基づき取得する農用地区域内にある土地に係る特例措置を2年延長します(不動産取得税)。
農地等を贈与した場合の贈与税の納税猶予及び農地等についての相続税の納税猶予等における営農困難時貸付けの要件を緩和します(贈与税・相続税・不動産取得税)。

(2)農林水産関連産業の振興

新用途米穀加工品等製造設備の特別償却の適用期限を2年延長します(所得税・法人税)。


(3)農山漁村の活性化・環境対策の推進

特定地域において工業用機械等を取得した場合の特別償却制度(振興山村として指定された地区)を2年延長します(所得税・法人税)。


(4)消費税率の引上げに備えた税制上の特例措置の創設

商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業・農業協同組合等の経営改善のための設備投資を促進するための税制を創設(2年間の措置)します(所得税・法人税)。


6 金融措置

政策と一体となった長期・低利資金等の融通による担い手の育成・確保等の観点から、農業経営の特性に応じた資金調達の円滑化を図るための支援措置である農業制度金融の充実を図ります。


7 政策評価

効果的かつ効率的な行政の推進、行政の説明責任の徹底を図る観点から、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(14年4月施行)に基づき、22年8月に定めた政策評価基本計画(5年間計画)及び実施計画(単年度計画)により、事前評価(政策を決定する前に行う政策評価)、事後評価(政策を決定した後に行う政策評価)を推進します。



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