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農林水産省

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5 農村の集落機能の維持と地域資源・環境の保全


(1)鳥獣被害対策の推進

「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」(20年2月施行)に基づき市町村による被害防止計画の作成及び鳥獣被害対策実施隊の設置を推進します。
市町村が作成する被害防止計画に基づく、鳥獣の捕獲体制の整備、箱わなの導入、侵入防止柵の設置、鳥獣の捕獲・追い払い、緩衝帯の設置、捕獲獣を地域資源として利用するための処理加工施設の整備等の取組を推進します。
東日本大震災や東電福島第一原発の事故に伴う捕獲活動の低下による鳥獣被害の拡大を抑制するための侵入防止柵の整備等を推進します。
鳥獣の生息環境にも配慮した森林の整備・保全活動等を推進します。
地域における技術指導者の育成を図るため、普及指導員、市町村職員、農林漁業団体職員等を対象とする研修を実施します。
鳥獣を誘引しない営農管理手法など、鳥獣被害を防止する技術の開発を推進します。
地域ブロック単位の連絡協議会の積極的な運営や、鳥獣被害対策のアドバイザーを登録・紹介する取組を推進します。

(2)農村コミュニティの維持・再生

ア 良好な農村景観の形成等

(ア)
良好な農村景観の再生・保全を図るため、コンクリート水路沿いの植栽等、土地改良施設の改修等を推進します。
(イ)
河川湿地の保全・再生や河川本来のレキ河原の復元等、自然再生事業を推進します。
(ウ)
魚類等の生息環境改善や人と自然がふれあえる地域整備を図るため、河川やため池等の水路結合部の段差解消による水域の連続性の確保、生物の生息・生育環境を整備・改善する魚のすみやすい川づくりを推進します。

イ 経済の活性化を支える基盤の整備

(ア)
日常生活の基盤としての市町村道から国土構造の骨格を形成する高規格幹線道路に至る道路ネットワークの整備を推進します。また、地方道については、各地域の事業等の計画と整合をとり計画的に整備を支援します。
(イ)
農産物の海上輸送の効率化を図るため、船舶の大型化等に対応した複合一貫輸送ターミナルの整備を推進します。
(ウ)
「道の駅」の整備により、休憩施設と地域振興施設を一体的に整備し、地域の情報発信と連携・交流の拠点形成を支援します。
(エ)
都市と農村地域を連絡するなど、地域間の交流を促進し、地域の活性化に資する道路の整備を推進します。

ウ 農村コミュニティの維持・再生のための取組

地域活性化や地域コミュニティ再生の取組の拡大を図るため、「都市農村共生・対流総合対策交付金」を軸として、集落が多様な主体と連携し、農山漁村の持つ豊かな自然や「食」を観光、教育、健康等に活用する地域の手づくり活動等を支援します。


(3)快適で安全・安心な農村の暮らしの実現

ア 生活環境の整備

(ア)農村における効率的・効果的な生活環境の整備

a
地域再生等の取組を支援する観点から、地方公共団体が策定する「地域再生計画」に基づき、関係府省が連携して道路や汚水処理施設の整備を効率的・効果的に推進します。
b
農業の持続的な発展を図るとともに、地域の創造力を活かした個性的で魅力あるむらづくり等を推進するため、関係府省が連携しつつ、農業生産基盤と農村の集落基盤の一体的な整備を推進します。
c
農山漁村における定住や都市と農山漁村の二地域居住を促進する観点から、関係府省が連携しつつ、計画的な生活環境の整備を推進します。

(イ)交通

a
交通事故の防止、交通の円滑化を確保するため、歩道の整備や交差点改良等を推進します。
b
生活の利便性向上や地域交流に必要な道路、都市まで安全かつ快適な移動を確保するための道路の整備を推進します。
c
生活交通の存続が危機に瀕している地域等において、地域の特性・実情に最適な移動手段が提供され、また、バリアフリー化やより制約の少ないシステムの導入等移動に当たっての様々な障害(バリア)の解消等がされるよう、地域公共交通の確保・維持・改善を支援します。
d
地域住民の日常生活に不可欠な交通サービスの維持・活性化、輸送の安定性の確保等のため、島しょ部等における港湾整備を推進します。

(ウ)衛生

a
下水道、農業集落排水施設及び浄化槽等について、未整備地域の整備とともに、より一層の効率的な汚水処理施設整備のために、社会情勢の変化を踏まえた都道府県構想の徹底的な見直しを加速することが必要であり、都道府県構想策定のためのマニュアルを作成するなど、関係府省が密接に連携して支援します。
b
下水道、農業集落排水施設においては、既存施設について、長寿命化や老朽化対策を適時・適切に進めるための地方公共団体による更新整備を支援します。
c
農村における汚水処理施設整備を効率的に推進するため、農業集落排水施設と下水道との連携及び農業集落排水施設と浄化槽との一体的な整備を推進します。
d
農村地域における適切な資源循環を確保するため、農業集落排水施設から発生する汚泥や処理水の循環利用を推進します。
e
下水道や農業集落排水施設等複数の汚水処理施設が共同で利用できる施設の整備を図る汚水処理施設共同整備事業(MICS)や従来の技術基準にとらわれず地域の実情に応じた低コスト、早期かつ機動的な整備が可能な新たな整備手法の導入を図る「下水道クイックプロジェクト」(18年11月策定)等により、効率的な汚水処理施設の整備を推進します。
f
人口の少ない地域においてより効率的な汚水処理施設である浄化槽の整備を推進します。特に、地球温暖化対策の促進を図るとともに、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を促進するため、低炭素社会対応型浄化槽(省エネルギータイプ)の整備を推進します。

(エ)情報通信

高度情報通信ネットワーク社会の実現に向けて、河川、道路、下水道において公共施設管理の高度化を図るため、光ファイバ及びその収容空間を整備するとともに、民間事業者等のネットワーク整備のさらなる円滑化を図るため、施設管理に支障のない範囲で国の管理する河川・道路管理用光ファイバやその収容空間を開放します。

(オ)住宅・宅地

a
優良田園住宅による良質な住宅・宅地供給を促進し、質の高い居住環境整備を推進します。
b
地方定住促進に資する地域優良賃貸住宅の供給を促進します。

(カ)文化

a
「文化財保護法」(昭和25年8月施行)に基づき、農村に継承されてきた民俗文化財に関して、特に重要なものを重要有形民俗文化財や重要無形民俗文化財に指定するとともに、その修理・防災や伝承事業等に対する補助を行います。
b
重要有形民俗文化財以外の有形の民俗文化財に関しても、その文化財としての価値にかんがみ保存及び活用のための措置が特に必要とされるものについて登録有形民俗文化財に登録するとともに、保存箱等の修理・新調、資料整備に対する補助を行います。
c
棚田や里山等の文化的景観や歴史的集落等の伝統的建造物群のうち、特に重要なものをそれぞれ重要文化的景観、重要伝統的建造物群保存地区として選定し、修理・防災等の保存及び活用に対して支援します。

(キ)公園

都市計画区域の定めのない町村において、スポーツ、文化、地域交流活動の拠点となり、生活環境の改善を図る特定地区公園の整備を推進します。


イ 医療・福祉等のサービスの充実

(ア)医療

「第11次へき地保健医療計画」(23~27年度)に基づき、へき地診療所等による住民への医療提供等農村を含めたへき地における医療の確保を推進します。

(イ)福祉

介護・福祉サービスについて、地域密着型サービス拠点等の整備等を推進します。


ウ 安全な生活の確保

(ア)
山腹崩壊、土石流等の山地災害等を防止するため、復旧治山等の事業により治山施設を整備するとともに、農地や居住地を潮害、飛砂、風害から守るなど重要な役割を果たす海岸防災林の整備等を通じて地域住民の生命・財産及び生活環境の安全を確保します。
(イ)
山地災害危険地区における治山事業について、地域における避難体制の整備等との連携により、減災に向けた効果的な事業を実施します。
(ウ)
自力避難の困難な障害者等災害時要援護者関連施設に隣接する山地災害危険地区等において治山事業を計画的に実施します。
(エ)
床上浸水被害が頻発するなどの度重なる水害が発生し、生活に大きな支障がもたらされている地域において、被害の防止・軽減を目的として、治水事業を実施します。
(オ)
近年、死者を出すなど甚大な土砂災害が発生した地域の再度災害防止対策を重点的に推進します。
(カ)
人命の保護を図るため、将来起こり得る大規模地震等に起因するがけ崩れ等により地域に甚大な被害を起こすおそれのある箇所において、施設整備を推進します。
(キ)
病院、老人ホーム等の災害時要援護者関連施設を保全対象に含む危険箇所にかかる砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業等を実施します。
(ク)
地域の防災拠点等を保全する施設の整備や「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(13年4月施行、以下「土砂災害防止法」という。)に基づく警戒避難体制の整備を実施し、ハード・ソフト一体となった効率的な土砂災害対策を実施します。
(ケ)
「土砂災害防止法」に基づく土地利用規制や、土砂災害警戒情報の提供等を実施し、ソフト対策の強化を推進します。また、大規模な土砂災害が急迫している状況において、市町村が適切に住民の避難指示の判断等を行えるよう、「土砂災害防止法」に基づき、緊急調査を実施し、被害が想定される区域・時期の情報を関係市町村へ通知するとともに一般に周知します。
(コ)
農地災害等を防止するため、ハード整備に加え、防災情報を関係者が共有するシステムの構築や減災のための指針づくり等のソフト対策を推進し、地域住民の安全な生活の確保を図ります。
(サ)
橋梁(きょうりょう)の耐震対策、道路斜面や盛土等の防災対策、災害のおそれのある区間を回避する道路整備を推進します。
また、冬期の道路ネットワークを確保するため、道路の除雪、防雪、凍雪害防止を推進します。


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