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農林水産省

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(3)東日本大震災による国民の行動等への影響


(食品の備蓄に対する国民の行動への影響)

東日本大震災の発生直後、食品製造業の生産ラインの停止や流通経路の分断等により、被災地とその近隣地域、首都圏等を中心に米や加工食品、弁当・飲料水等の飲食料品が品薄になる事態が生じました。食品の備蓄については、東日本大震災の発生以前から各方面で進められていましたが、東日本大震災を契機として、食品に対する備蓄の意識は一層高まる状況にあります。

このような中、東日本大震災の前後における非常食の準備の状況をみると、非常食を準備している人の割合は、平成22(2010)年9月の61%(水+食料37%、水のみ14%、食料のみ10%)から、東日本大震災から1年半が経過した平成24(2012)年9月の78%(水+食料52%、水のみ16%、食料のみ10%)まで17ポイント上昇しました(図1-1-14)。



また、非常食を準備している人の割合を震災の経験別にみると、「被災して被害が長期に出た」人では87%、「地震は経験したが被害はなかった」人では83%、「被災しなかった」人では69%となっており、被災の経験が大きくなるにつれて非常食を準備する割合が高くなる傾向があります(図1-1-15)。



一方、非常時に備えた飲食料品として長期保存が可能な乾パンとミネラルウォーターについて、東日本大震災発生前後の販売額(*1)の変化をみると、乾パンについては、平成22(2010)年は、1年間を通してほぼ一定の販売額で推移していましたが、東日本大震災が発生した平成23(2011)年3月に、前年(350万円)の2.4倍となる827万円まで販売額が急増しました(図1-1-16)。その後減少し、7月には東日本大震災の発生以前と同程度の水準まで低下しましたが、8月と9月、そして平成24(2012)年3月には再び販売額が大きく増加しており、防災の日(9月1日)や東日本大震災が発生した3月前後に乾パンの販売額が増加する傾向がみられます。

また、ミネラルウォーターについては、東日本大震災が発生した平成23(2011)年3月に、前年(1億2,200万円)の2.6倍となる3億1,500万円まで販売額が急増しました。その後減少し、7月から8月の夏季期間には例年と同様に販売額が増加し、9月以降は減少していますが、3月以降、全ての月の販売額が前年を上回っています。一方、平成24(2012)年の販売額は、年間を通して平成22(2010)年の販売額を上回る水準で推移しています。


*1 (株)KSP-SPにPOSデータを提供している食品小売店舗813店(平成25(2013)年1月15日現在)の販売額の総計。


このような食品の備蓄に対する意識の高まりを受け、一部の食品メーカーでは、容器の密閉包装や包装資材の変更等による既存商品の賞味期限の延長や、長期保存可能な非常食向けの新商品の販売に取り組んでいます。このうち一部の商品では、パッケージに災害用伝言ダイヤルを記載するなど、非常時に役立つ工夫も施されています。

(食品企業での事業継続計画(BCP)の策定に向けた取組)

国民の食生活に欠かせない食品の生産や流通・販売を担う各事業者は、地震等の災害発生時においても事業を継続し、食品の安定的な供給等を行うことが求められます。東日本大震災においては、事業再開に時間を要した例が多くみられましたが、今後も大規模災害等の緊急事態の発生が懸念される中、各事業者が事業継続計画(BCP(*1))を策定し、緊急時に備えることが重要となっています。

平成23(2011)年8月から11月にかけて、農林水産省は、委託事業により、BCPを策定していない事業者を主な対象として、大規模地震等をテーマとしたBCP策定セミナー(基礎編)を全国47都道府県で開催しました。また、BCPを策定済み又は策定中の事業者を対象として、BCPの課題や事業者の取組状況を共有するBCP策定セミナー(応用編)を開催しました。

基礎編のセミナー参加者を対象に行われた調査をみると、地震に関するBCPを「未策定」の事業者が7割を占めるものの、「未策定」のうち「今後策定する予定あり」との回答が多くなっています(図1-1-17)。

また、BCPをより有効に機能させるために必要な取組については、「取引先との協定の締結」と回答した事業者が455人と最も多く、次いで「同業他社とのBCPの共有・協同」が380人となっており、BCPの実効性を確保する観点から、各事業者におけるBCP策定のみならず、企業間でのBCPに関する情報の共有や災害発生時にどのような取引や協力を行うかあらかじめ協定を結んでおくなど、事業者間の連携を推進することが求められています(図1-1-18)。


*1 BCPは、Business Continuity Plan の略。企業が被災しても重要事業を中断させず、中断しても可能な限り短期間で再開させ、中断に伴う顧客取引の競合他社への流出、マーケットシェアの低下、企業評価の低下等から企業を守るための経営戦略のこと。

このような状況を踏まえ、平成24(2012)年12月から平成25(2013)年2月にかけて、農林水産省は、委託事業により、緊急時における企業間連携の考え方に関する説明会及びBCP情報共有会を開催しました。説明会及び情報共有会参加者を対象に行われた調査をみると、「協定などを締結している」又は「企業間で連携について協議中」と回答した事業者は23%、「社内で連携を検討中」又は「連携検討の予定あり」と回答した事業者は34%となっており、連携に対する関心度が高いことがうかがえます。



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