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農林水産省

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(1)世界の食料等の需給動向 ア 食料需給に影響を与える構造的な要因と今後の見通し


(食料需給に影響を与える構造的な要因)

国際的な食料需給は様々な要因によって影響を受けます(図2-1-1)。例えば、需要面においては、(1)世界人口の増加、(2)所得の向上に伴う畜産物等の需要増加に加え、近年では、(3)中国等の急激な経済発展、(4)バイオ燃料向け等農産物の需要増加等が挙げられます。一方、供給面においては、(1)収穫面積の動向、(2)単位面積当たり収量の増加に加え、近年では、(3)異常気象の頻発(図2-1-2)、(4)砂漠化の進行や水資源の制約、(5)家畜伝染病の発生等が挙げられます。

このうち、需要面における要因である世界人口の増加については、平成23(2011)年の70億人から平成62(2050)年には92億人を超えると推計されています(*1)。また、中国やインド等では国民の所得水準の向上に伴い、食生活が変化し、畜産物や油脂類の消費が増えることによって、飼料作物や油糧種子の需要増加が見込まれています。さらに、エネルギー需要の増加に伴いバイオ燃料用の需要が増加しており、大きな変動要因となっています。

これまで、単収の向上により生産量の増加が支えられてきましたが、近年、単収は伸び悩んでいます。さらに、地球温暖化、資源の枯渇、土壌劣化、水資源の制約等不安要素も多く存在しています。

このように、世界の農産物需給は不安定性を有しており、場合によっては逼迫(ひっぱく)する可能性もあります。このため、今後ともこれらの需給変動要因の影響を十分に注視していく必要があります。


*1 国連人口基金「State of World Population 2011」

図2-1-1 食料需給に影響を与える構造的な要因

図2-1-2 食料需給に影響を与えた気象状況(2012/13年度)

(開発途上国を中心に今後も世界の人口は増加する見通し)

国連の推計によると、平成62(2050)年の世界の総人口は、開発途上国、中間国において大幅な増加が見込まれており、平成12(2000)年の60億人から53%増加し92億人に達するとしています(*1)(図2-1-3)。農林水産省が予測した「2050年における世界の食料需給見通し」(世界の超長期食料需給予測システムによるベースライン予測結果)では、この92億人の食料消費を賄うためには、食料生産量を平成12(2000)年の45億tから平成62(2050)年の69億tまで55%引き上げる必要があり、このうち穀物は平成12(2000)年に比べて12億t(65%)生産量を増加させる必要があるとしています。


*1 IPCC「第4次評価報告書」におけるSRESB2シナリオにおける中位推計(平成10(1998)年国連公表)

(新興国における肉類等の需要の増加に伴い穀物等の輸入も増加する見込み)

中国やインドをはじめとする新興国においては、所得水準の向上等に伴う畜産物や油脂類の需要の増加により、飼料作物や油糧種子の需要増加が見込まれています。特に中国における1人当たりの肉類消費量は、豚肉を中心として、日本や韓国を上回る水準で推移しています(図2-1-4)

このような畜産物や油脂類の需要増加を背景として、中国においては、穀物等の輸入が増大しています。中国の大豆の輸入量は、平成16(2004)年度以降、一貫して増加しており、平成24(2012)年度の輸入量は6千万tを超える見込みであり、世界における輸入シェアのおおよそ3分の2を占めています(図2-1-5)。


(食料需要とバイオ燃料需要の競合)

米国、ブラジル、EU等においては、原油価格の高騰、国際的な地球温暖化対策、エネルギー安全保障への意識の高まり等を背景に、バイオ燃料の生産が拡大し、近年、原料としての穀物、さとうきび、油糧種子等の需要が増大しています。特に米国においては、とうもろこしのエタノール向け需要は、とうもろこし需要の4割を占めるまで増加しています(*1)。

バイオ燃料の生産量については、バイオエタノール(*2)、バイオディーゼル(*3)ともに今後10年間引き続き増加すると見込まれており、平成23(2011)年から平成33(2021)年の間で、バイオエタノールで2.0倍、バイオディーゼルで2.3倍まで増加することが見込まれています(図2-1-6)。


*1 USDA「World Agricultural Supply and Demand Estimates」を基に農林水産省で作成
*2 植物等のバイオマスを原料として製造されるため、燃焼しても大気中のCO2を増加させない特性を持った燃料。ガソリンと混合して利用することにより、ガソリンの燃焼時に発生するCO2の排出を減少させる効果を有する。
*3 油糧作物(なたね、ひまわり、パーム)や廃食用油といった油脂を原料として製造する軽油代替燃料。化石燃料由来の燃料に比べ、大気中のCO2を増加させないカーボンニュートラルの特性を持った燃料。



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