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農林水産省

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(3)食育の推進


(食生活をめぐる現状)

我が国の食生活は、戦後の炭水化物を中心としたものから徐々に変化し、昭和55(1980)年頃には、米を中心として水産物、畜産物、野菜等多様な副食から構成され、栄養バランスに優れた「日本型食生活」を実現しました。しかしながら、その後、社会経済構造の変化や国民の価値観の多様化等を背景とした食生活の変化に伴い、脂質の過剰摂取と野菜等の摂取不足といった栄養の偏り、食習慣の乱れによる肥満や生活習慣病の増加等、様々な問題が生じています。

一方、近年、メディア等の発達に伴い、「食」に関する情報が社会に氾濫する中、食品安全の確保や食生活の改善に関する国民の関心は高まっており、情報の受け手である国民が正しい情報を選別し活用できるよう、適切な情報を提供していくことが求められています。

また、食の多様化が進む中、地域の伝統的な食文化が失われつつあり、地域社会の活性化等の観点から、地域の気候風土等と結び付いた伝統ある優れた食文化を継承し、その活用を図ることが重要となっています。

(食生活と食文化に関する国民の意識)

内閣府が平成23(2011)年に20歳以上の男女を対象に行った調査によると、日頃の食生活は、「自然の恵みによって成り立っている」、「生産者をはじめ多くの人々の苦労や努力に支えられている」と「実感することがある」と回答した人の割合は、それぞれ86%、93%を占めています(図2-3-29)。この割合は前回調査(平成20(2008)年)から、それぞれ3ポイント、2ポイント上昇しており、日頃の食生活が「自然の恵みによって成り立っている」等の理解が深まっていることがうかがえます。



また、今後の食生活で特に力を入れたいことについては、「栄養バランスのとれた食事の実践」と回答した人の割合が58%と最も高く、続いて「食品の安全性への理解」(51%)、「食べ残しや食品の廃棄の削減」(47%)、「家族や友人と食卓を囲む機会の増加」(45%)の順となっており、食事の栄養バランスや食品の安全性のみならず、環境問題への配慮や人間関係の形成まで多様な広がりがあることがうかがえます(図2-3-30)。



一方、日本食文化の保護に関する調査をみると、第1位として位置付けられた日本食文化を保護する取組は、「家族が共に食事を取り、子ども達に食の楽しさやマナーを教えるなど、食に関する知識などについて教育する食育」が35%と最も多く、続いて「郷土食のレシピの保存や食に関するイベントの開催など、各地の郷土料理、日本食文化の保全、継承、情報発信の取組」(25%)の順となっています(図2-3-31)。上位3位までを対象とすると、順位は逆転しますが、日本の食文化を保護する取組として食育が重視されている状況がうかがえます。


(食育の推進)

食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付づけられています。様々な経験を通じて食に関する知識や食を選択する力を身に付け、健全な食生活を実践することができる人間を育てる取組として、食育はますます重要となっています。

食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、内閣府に設置された食育推進会議は、平成23(2011)年3月、「「周知」から「実践」へ」をコンセプトに、第2次食育推進基本計画を策定し、食育の推進に関する施策の基本的な方針や「食育に関心を持っている国民の割合」、「栄養バランス等に配慮した食生活を送っている国民の割合」等、平成27(2015)年における11の定量的な目標値を定めました。

農林水産省においては、日本型食生活の実践等を促進するため、広域的、先進的な食育活動や地域の実情に応じた食育活動に対する支援を行っているほか、教育ファーム(*1)等の農林漁業体験の事例等を取りまとめて情報提供しています。

また、安全で健やかな食生活を送るために役立つ情報として、食品の安全性についての正しい知識や食品の適切な選び方、取り扱い方等について、意見交換会やホームページ等で紹介しています。

さらに、都道府県や市町村、各種団体においては、郷土料理教室やシンポジウム、農林漁業体験等、子供から大人まで幅広い層を対象とした食育イベントが、随時開催されており、地域の実情に応じた食育活動の取組が推進されています。



事例:地域における食育の取組
(1)食の甲子園inやまがた全国大会2012(山形県山形市(やまがたし))
山形県山形市
食の甲子園における調理風景
食の甲子園における調理風景

山形県、県農協中央会、やまがた食育ネットワーク等は、官民協働で、食育に取り組む高校生の意識の醸成と地域の食文化の継承を目的として、食の甲子園inやまがた全国大会を開催しています。平成24(2012)年に開催された第3回大会では、全国の予選を勝ち抜いた地区ブロック代表の高校生が、地元の食材や食文化について、地域の生産者や料理人から学んだことを発表し、新しい料理のアイデアを競いました。

 
(2)食育・花育センター等を活用した取組(新潟県新潟市(にいがたし))
新潟県新潟市
新潟市食育・花育センター
新潟市食育・花育センター

新潟市は、平成23(2011)年度に食育推進の拠点として、食育・花育センターを整備し、地場産食材を使った調理実習や小学生等の農業体験等を実施しています。今後、体験ほ場や畜舎、宿泊施設を備え、作物栽培等を体験できるアグリパーク等が順次開設予定で、市内の小学生全員が、これらの施設や学校田等を活用し、様々な教育活動の中で、農業体験に取り組むことを目指しています。

 
(3)小学校と地域ボランティア、大学生が連携した取組(京都府京都市(きょうとし))
京都府京都市
小学生による稲刈りの様子
小学生による稲刈りの様子

京都市立上高野(かみたかの)小学校は、地域の農業ボランティアや同志社女子(どうししゃじょし)大学との連携の下、栽培から収穫・調理までの体験型食育活動を実施しています。学年ごとに異なる年間カリキュラムが作られており、5年生は農業ボランティアの指導の下、農作物の栽培から収穫までの体験や地域の伝統食づくり、しめ縄づくり等を行いました。収穫された野菜は児童自らが値段を考えて地元のバザーで販売し、その収益は次年度の野菜苗の購入等に充てられています。

 
(4)健康づくりに向けた小売店の取組(埼玉県坂戸市(さかどし)、鶴ヶ島市(つるがしまし))
埼玉県坂戸市、鶴ヶ島市
店頭におけるキャンペーン活動
店頭におけるキャンペーン活動

埼玉県は、(株)ヤオコーと女子栄養(じょしえいよう)大学との連携の下、県内スーパーの店頭において、「野菜で健康長寿」をスローガンとする野菜の摂取量増加に向けたキャンペーン活動を展開しました。具体的には、ポスター等を通じた「野菜を毎日プラス1皿」の呼びかけや野菜の栄養成分の表示、県産ブロッコリーを使用した料理の試食等を行うことにより、県民の野菜摂取量の増加を目指しました。今後はブロッコリー以外の品目に対象を広げるなど、取組を継続していく予定です。

 


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