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農林水産省

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(4)野菜


(野菜の消費量、生産量は減少傾向)

平成23(2011)年度における野菜の消費仕向量は、前年度の1,451万tに比べて3%(44万t)増加し1,495万tとなっていますが、平成12(2000)年度の1,683万tから11%(188万t)減少しています(図3-5-23)。

また、平成23(2011)年度における1人当たり供給数量は、前年度の88.1kgに比べて3%(3.0kg)増加し91.1kgとなっていますが、平成12(2000)年度の102.4kgから11%(11.3kg)減少しています。

一方、平成23(2011)年度における生産量は、前年度の1,173万tに比べて1%(13万t)増加し1,186万tとなっていますが、平成12(2000)年度の1,370万tから13%(184万t)減少しています。

なお、平成23(2011)年度における輸入量は、前年度の278万tに比べて11%(31万t)増加し309万tとなっていますが、平成12(2000)年度の312万tから1%(3万t)減少しています。

このような中、平成23(2011)年の作付延べ面積は、前年に比べて7千ha(1%)減少し54万1千haとなっており、平成12(2000)年の62万haに比べて7万9千ha(13%)減少しています(図3-5-24)。

また、平成23(2011)年の作付延べ面積を地域別にみると、平成12(2000)年に比べて全ての地域で減少していますが、平成2(1990)年と比べると、北海道において6万5千haから11万2千haに4万7千ha(72%)増加しています。


(だいこん、はくさい等の生産水準が大幅に低下)

主要野菜の生産量の推移をみると、昭和55(1980)年を100とした場合、レタスはサラダ需要の増加等を背景に平成2(1990)年に136まで上昇し、その後140程度で推移しているほか、にんじん、ねぎ、たまねぎは90から100の水準を維持しています(表3-5-4)。一方、きゅうり、だいこん、はくさい、なす、さといもの生産量は長期的に低下傾向で推移しており、平成23(2011)年には60以下の水準となっています。これらの品目が低下した主な背景としては、漬物を始めとする需要の減退等の影響が考えられます。


(加工・業務用への対応が重要)

近年、女性の社会進出、単身世帯の増加等の生活スタイルの変化により、食の外部化(*1)・簡便化が進行しています。このような中、国内の野菜需要は、家計消費用から加工・業務用に変化しています。野菜需要に占める加工・業務用の需要の割合は、昭和50(1975)年の36%から上昇傾向で推移しており、平成2(1990)年には昭和50(1975)年に比べて15ポイント上昇し51%となっています(図3-5-25)。

加工・業務用需要の割合は平成2(1990)年以降も緩やかに上昇しており、平成22(2010)年の加工・業務用需要の割合は56%となっています。また、加工・業務用需要を加工原料用と業務用別にみると、平成12(2000)年には、加工原料用と業務用がそれぞれ27%でしたが、近年、加工原料用需要の割合が上昇する一方、業務用需要の割合が低下しており、平成22(2010)年には、加工原料用が5ポイント上昇し32%、業務用が3ポイント低下し24%となっています。

さらに、加工・業務用需要に占める輸入野菜の割合をみると、ばれいしょを除く指定野菜(*2)(13品目)は、平成2(1990)年の12%から平成17(2005)年の32%に上昇しています(図3-5-26)。平成22(2010)年は、平成17(2005)年に比べて2ポイント低下したものの平成17(2005)年とほぼ同水準の30%となっています。

一方、家計消費用需要に占める輸入野菜の割合は、平成2(1990)年の0.5%から平成22(2010)年の2%(*3)に上昇しているものの、加工業務用に比べて僅かであることから、野菜の輸入量の増加は加工・業務用需要と結び付いていると考えられます。

このため、国産野菜における加工・業務用需要に向けた供給拡大や安定供給体制の確立が課題となっています。


*1 [用語の解説]を参照。
*2 消費量が多く国民生活にとって重要な野菜で、野菜生産出荷安定法施行令(昭和41年政令第224号)で定めるキャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、たまねぎ、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ばれいしょ、ピーマン、ほうれんそう、レタスの14品目。
*3 農林水産政策研究所「農林水産政策研究所レビューNo.48」


コラム:野菜生産の機械化一貫体系の実用化

加工・業務用野菜の価格は、生鮮用に比べて安価な場合が多く、安定した経営を図るためには、低コスト化・省力化が不可欠です。野菜の生産においては、特に収穫、調製作業に多くの時間が割かれるため、収穫、調製用の新型農業機械の開発・普及を推進しています。

加工用ほうれんそう収穫機(1)
加工用ほうれんそう収穫機(2)
○加工用ほうれんそう収穫機 【平成23(2011)年実用化】
  • 地上部のみを刈り取り、加工用で不要な株もとは収穫しない。
  • 収穫作業時間が手作業の10分の1に短縮され、全作業時間は28時間/10aと、慣行(177時間/10a)の16%に短縮。
  • 同じ軟弱野菜であるこまつな(栽培期間:6~8月)と組み合わせた利用が可能(ほうれんそうの栽培期間:9~5月)。
 
加工用・業務用キャベツ収穫機(1)
加工用・業務用キャベツ収穫機(2)
○加工用・業務用キャベツ収穫機 【平成25(2013)年実用化予定】
  • 高精度の刈り取り機構でキャベツを一斉収穫。
  • 機上で選別、調製作業を行い、大型コンテナに直接収容することで調製・出荷作業を省力化。
  • 大型コンテナに収容した後、そのままトラックやJR貨物に積み込めるため、流通経費も節減可能。
 
たまねぎ調整装置(1)
たまねぎ調整装置(2)
○たまねぎ調製装置 【平成25(2013)年実用化予定】
  • 貯蔵乾燥させたたまねぎの根と葉切りを1時間当たり3,500個処理可能(人力の2倍速)。
  • コンテナ単位で投入されたたまねぎを1玉ずつ分離し、向きを揃えながら自動で処理。
 

(経営の安定に向け価格の安定が重要)

露地野菜作経営における農業粗収益の推移をみると、平成16(2004)年以降、53万円/10aから58万円/10aの間で推移しています(図3-5-27)。農業経営費は平成20(2008)年に減価償却の算出方法が変更されたこと等により前年に比べて3万円/10a増加し36万円/10aとなり、その後は35万円/10a程度で推移しています。農業所得については、20万円/10aから25万円/10aの間で推移していますが、平成23(2011)年は、野菜価格の低下等により前年を下回っています。

施設野菜作経営における農業粗収益の推移をみると、平成16(2004)年以降、おおむね増加傾向にあり、平成23(2011)年は25万5千円/100m2と近年で最も高くなっています(図3-5-28)。農業経営費については、光熱動力費の割合が高いことから、燃料価格の変動に伴い平成16(2004)年から平成20(2008)年にかけて増加し、その後やや減少しますが、平成23(2011)年には再び増加に転じています。農業粗収益、農業経営費共に増加傾向で推移していることから、農業所得はおおむね9万円/100m2から10万円/100m2の間で推移しています。

野菜は、気象条件の影響を受けて作柄が変動しやすい上に保存性も乏しいため、国が主要野菜について計画的な生産・出荷を進めていても価格が変動しやすい特性があります。このため、価格変動が野菜農家の経営に及ぼす影響を緩和し、次期作の確保と消費者への安定的な供給を図るため、著しく価格が下落したときには生産者に補給金を交付する価格安定対策を実施しています。




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