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(2)耕作放棄地の現状と解消に向けた取組


(耕作放棄地の現状)

平成22(2010)年における耕作放棄地(*1)の面積は、39万6千haであり、これを農業地域類型別にみると、いずれの地域においても、耕作放棄地面積は増加していますが、近年、その増加率は鈍化傾向にあります(表4-1-5)。

一方、平成22(2010)年における耕作放棄地面積率を農業地域類型別にみると、平成22(2010)年では、山間農業地域(15.8%)、中間農業地域(14.1%)に加え、都市的地域(13.7%)においても高くなっています(表4-1-6)。


*1 [用語の解説]を参照。

(耕作放棄地の解消に向けた取組)

耕作放棄地の増加は、国土の保全や水源の涵(かん)養等農業の有する多面的機能の低下はもとより、病虫害・鳥獣被害の発生、農地利用集積の阻害にも結び付くおそれがあることから、その発生防止を図るとともに、耕作放棄地の解消を目指していくことが必要です。

耕作放棄地の解消に向けた取組は、その荒廃状況、権利関係、土地条件といった地域の実情に応じてきめ細かく対応していくことが重要です。

このような中、農用地区域内に農地として利用すべき荒廃農地(*1)を有する1,400市町村の9割(1,248市町村、平成24(2012)年12月現在)に設置されている耕作放棄地対策協議会(地域協議会)を実施主体として、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金の交付を通じた荒廃農地の再生・利用に向けた取組や必要な施設の整備等に対する支援が進められています。この支援は、平成21(2009)年度から実施されており、平成23(2011)年度は466市町村で1,180haの荒廃農地の再生が図られています(図4-1-8)。

また、平成23(2011)年度からは、戸別所得補償制度の再生利用加算において、地域農業再生協議会が作成する地域の耕作放棄地の再生利用計画に従って、畑の耕作放棄地に自給率向上の効果の高い麦、大豆、そば、なたねの作付けを行い、営農を継続した場合、平地では10a当たり2万円、条件不利地域(*2)では10a当たり3万円の交付が行われています。平成23(2011)年度は、278ha(190件)に対して交付されました。

さらに、平成21(2009)年の農地法改正により、農業委員会は、毎年1回、管内にある全ての農地の利用状況を調査することとなりました。調査の結果、1年以上耕作されておらず、かつ、今後も耕作される見込みがない農地等(遊休農地(*3))があるときは、その所有者等に対して、自ら耕作するか、誰かに貸し付けるか等を指導することとしており、新たな耕作放棄地の発生を未然に防止することが期待されています。平成23(2011)年における農業委員会による指導は、全国で21,620haを対象に139,947件の指導が行われました。

これらの取組を含めて、耕作放棄地の解消に向け、国と地方が一体となった各種取組の着実な実施により、平成23(2011)年において再生利用された荒廃農地の面積(*4)は、12,153haとなっています。


*1 [用語の解説]を参照。
*2 中山間地域等直接支払制度の集落協定又は個別協定に位置付けられた農地。
*3 [用語の解説]を参照。
*4 農林水産省「平成23年の荒廃農地に関する調査の結果」

図4-1-8 耕作放棄地の解消に向けた主な取組

事例:荒廃農地の再生とそばの地域特産物化
沖縄県大宜味村
満開のそば畑
満開のそば畑

沖縄県大宜味村(おおぎみそん)は、かつてはパインアップルの産地でしたが、パイン缶詰の輸入増大に伴う価格の低迷等による離農者の増加や農業者の高齢化・後継者不足の進行によって村内の耕作放棄地が増加していました。

平成20(2008)年に耕作放棄地の荒廃の状況等を把握する「耕作放棄地全体調査」が全国で実施されたことを契機に、村の農業委員会が中心となって、行政、農家等で組織する地域耕作放棄地協議会を立ち上げ、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金を活用して、荒廃農地(70ha)を再生する取組を開始し、平成23(2011)年度までに21haを再生しました。

一方、沖縄県では海洋環境保全の観点から、農地から海への赤土(国頭(くにがみ)マージ)流出を防止することが課題となっていました。このため、大宜味村では平成20(2008)年から収穫後のさとうきび畑を全面被覆し、赤土流出を防止するための対策として、強酸性の国頭マージ土壌でも栽培可能で生育期間が短いそばを導入し、試験的な栽培を開始しました。

このような中、沖縄県内でそばの生産が珍しかったこともあり、日本一早くそばを収穫できることやそばの開花の様子が新聞等で報じられ、取組に注目が集まるようになりました。これを受け、村はそばを農家所得の向上を目的とした新規作物としてだけではなく、村おこしや観光資源にも活用し得る作物と捉え、再生した農地におけるそばの本格的な作付けを始めました。

平成22(2010)年には、村内の農家3戸によって大宜味村蕎麦(そば)生産組合が設立され、戸別所得補償制度の再生利用加算を活用して、荒廃農地を再生し、そばの生産に取り組んでいます。

沖縄では、元々和そばを食べる習慣はありませんでしたが、収穫されたそばは、村内の3つの食堂で提供され、地元だけでなく、沖縄本島中南部の人々や観光客にも好評を得ています。

大宜味村におけるそばの栽培は、沖縄県では先駆的な取組であることから、農業研究機関と連携して、今後は栽培技術の向上を図り、高品質化、ブランド化を目指すこととしています。また、将来的には、同村におけるそばの収穫期が本土の端境期に当たる1月と5月であることを活かして、本土への出荷も検討しています。

 


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