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農林水産省

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(1)農林水産業・地域の活力創造プランの策定と政策の展開方向


(農林水産業・地域の活力創造プランの策定)

平成25(2013)年1月、農林水産省は農業の生産現場の潜在力を引き出し、その活性化を図るとともに、中期的な展望を切り開く観点から、攻めの農業政策を構築する「攻めの農林水産業推進本部」を立ち上げました。

また、同年5月、政府は農林水産省のみならず関係府省が連携し、我が国の農林水産業・地域が将来にわたって国の活力の源となり、持続的に発展するための方策を地域の視点に立って幅広く検討することを目的として、内閣総理大臣を本部長とする「農林水産業・地域の活力創造本部」を設置しました。

一方、与党である自由民主党が同年4月に「農業・農村所得倍増目標10カ年戦略」を策定するとともに、党の組織として「農林水産業・地域の活力創造本部」を6月に設置しました。

このような中、政府本部においては合計11回の会合を開催し、「攻めの農林水産業推進本部」とも連携して具体的施策の検討を進め、日本経済再生本部の下に設置された「産業競争力会議」や内閣総理大臣の諮問に応じて既存の制度や規制の在り方を検討する「規制改革会議」等の議論に加えて、与党における議論も踏まえながら、今後の政策改革のグランドデザインとなる「農林水産業・地域の活力創造プラン」(以下「プラン」という。)を同年12月10日に決定しました(図2-1)。


図2-1 「攻めの農林水産業」の推進組織と体制の概念図

(プランの基本的な考え方)

このプランは、我が国の農林水産業・地域の活力創造に向けた政策改革のグランドデザインとして、新たな農業・農村政策の方向性を示すものです(図2-2)。

このプランでは、我が国の農林水産業・農山漁村は、国民に食料を安定的に供給するとともに、地域経済を支えているほか、持続性に優れた生産装置である水田や、世界に評価される和食、美しい農山漁村の風景等の素晴らしい潜在力を有するとしています。今後のアジアを中心とした世界の食市場の拡大や国内人口の高齢化等に伴う新たな国内ニーズの拡大、多様な主体による農業参入等、農山漁村には新たな風が吹きつつあることから、これらの機会を捉え、その潜在力を活かし、施策を大胆に展開していくとしています。農林水産業を産業として強くしていく「産業政策」と国土保全といった多面的機能を発揮する「地域政策」を車の両輪として推進することにより、農業・農村の所得を今後10年間で倍増させることを目指しています。

具体的には、①国内外における新たな需要(需要フロンティア)の拡大、そして、②需要と供給をつなぐ付加価値の向上のための連鎖(バリューチェーン(*1))の構築等の収入を増大させる取組を推進するとともに、③農地中間管理機構を通じた農地の集約化等生産コストの削減の取組や、経営所得安定対策と米の生産調整の見直し等の取組を通じた生産現場の強化を図ることに加えて、④高齢化が進行する農村の構造改革を後押ししつつ、棚田等の良好な景観を将来世代に継承するため、農村の多面的機能の維持・発揮を促進する取組を掲げ、この4本の柱を軸として政策を再構築することにより、若者たちが希望を持てる「強い農林水産業」と「美しく活力ある農山漁村」を創り上げていくこととしています。

また、この取組による成果を国民全体で実感できるものとするため、農林水産業の成長産業化を我が国全体の成長に結び付けるとともに、美しく伝統のある農山漁村を将来にわたって継承していくことを目指しています。

*1[用語の解説]を参照。

図2-2 農林水産業・地域の活力創造プランの概要

(プランに基づく政策の展開方向)

①「需要フロンティアの拡大」では、世界の食市場がアジアを中心として今後10年間で倍増すると見込まれることを踏まえ、これを積極的に取り込むため、世界の料理界における日本食材の活用や日本の食文化・食産業の海外展開等を推進することとしています。また、国内における需要についても、少子高齢化や生活スタイルの変化等の新たなニーズに対応した介護食品の開発・普及、薬用作物や加工・業務用野菜の生産、地産地消(*1)、食育等を通じた新規需要の掘り起こしを行うことを目指しています。

また、②「需要と供給をつなぐバリューチェーンの構築」では、消費者の需要に応じて農林水産物を生産・供給するという発想(マーケットインの発想)に基づいて付加価値の向上を図るとともに、女性や若者を含めた多様な人材を活用し、農業と商工業の連携や、農業と医療・福祉・食品分野との連携等の6次産業化を進めることとしています。また、農山漁村における地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入の促進や、異業種との連携による他産業に蓄積された技術・知見の活用、新たな品種や技術の開発・保護・普及、知的財産の総合的な活用、生産・流通システムの高度化等農業に革新を起こすことを目指しています。

加えて、③「生産現場の強化」では、農地が分散錯綜(さくそう)している状況の解消に向けて、都道府県ごとに農地中間管理機構を整備し、担い手への農地の集積や集約化を推進するとともに、経営感覚にあふれた農業経営体が大宗を占める強い農業を実現することにより、農業構造の改革と生産コストの削減を図ることとしています。また、従来の経営所得安定対策を見直すとともに、需要のある麦、大豆、飼料用米等の戦略作物の本作化を進め、水田のフル活用を図るほか、米の生産調整の見直し等の米政策の改革を進めることや、④「多面的機能の維持・発揮」を促進するため、農業者等が取り組む地域活動や営農活動を支援する日本型直接支払制度を創設することとしています。

*1[用語の解説]を参照。


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