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農林水産省

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(3)農産物貿易交渉の状況


(EPA/FTA交渉等の取組)

我が国は、平成26(2014)年3月末現在で13の国・地域とEPAを締結しています。WTO(*1)ドーハ・ラウンド交渉の行方が不透明な中、世界的にEPA/FTA網が拡大を続けています(図1-1-17)。

このような中、平成25(2013)年6月14日に閣議決定された「日本再興戦略」では、「グローバルな経済活動のベースとなる経済連携を推進し、貿易のFTA比率(*2)を現在の19%から、2018年までに70%に高める」こととしています。このため、特に、TPP協定交渉に積極的に取り組むことにより、アジア太平洋地域の新たなルールを作り上げていくとともに、RCEP(*3)(東アジア地域包括的経済連携)や日中韓FTAといった広域経済連携と併せ、その先にあるより大きな構想であるFTAAP(*4)(アジア太平洋自由貿易圏)のルールづくりのたたき台としていくことが重要です。また、上記の取組に加え日EU・EPA等に同時並行で取り組むこととし、「各経済連携が相互に刺激し合い、活性化することにより、世界全体の貿易・投資のルールづくりが前進するよう、重要なプレーヤーとして貢献していく」こととされており、我が国は、このような方針の下、複数のEPA/FTA交渉に同時並行で取り組んでいるところです(図1-1-18)。

具体的には、豪州とは平成26(2014)年4月の日豪首脳会談でEPA交渉の大筋合意が確認されました。モンゴルとは平成25(2013)年4月に第3回、7月に第4回、12月には第5回の交渉会合を行いました。カナダとは平成25(2013)年4月に第2回、7月に第3回、11月に第4回、平成26(2014)年3月には第5回の交渉会合を行いました。コロンビアとは、平成25(2013)年5月に第2回、10月に第3回、平成26(2014)年2月には第4回の交渉会合を行いました。日中韓FTAについては、平成25(2013)年7月に第2回、11月に第3回、平成26(2014)年3月には第4回の交渉会合を行いました。

EUとは、平成25(2013)年4月にEPA交渉が開始され(第1回会合)、6月に第2回、10月に第3回、平成26(2014)年1月に第4回、3月には第5回会合を行いました。

さらに、RCEPについて、平成25(2013)年5月に交渉が開始され(第1回会合)、9月に第2回、平成26(2014)年1月に第3回、3月には第4回会合を行いました。

トルコとは、平成25(2013)年7月に共同研究報告書を公表し、平成26(2014)年1月の日トルコ首脳会談でEPA交渉の開始に合意しました。

*1 [用語の解説]を参照。
*2 FTA 比率は、FTA 相手国(発効国及び署名済国)との貿易額が貿易総額に占める割合。
*3 RCEP は、Regional Comprehensive Economic Partnership の略。ASEAN とFTA パートナー諸国によるEPA を目指すもの。FTA パートナー諸国は、日本、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランドの6か国。
*4 FTAAP は、Free Trade Area of the Asia-Pacifi c の略。平成22(2010)年11 月に横浜で開催されたAPEC 首脳会議で、「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)への道筋」が合意され、「FTAAP は、中でもASEAN+3、ASEAN+6 及び、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉といった現在進行している地域的な取組を基礎として更に発展させることにより、包括的な自由貿易協定として追求されるべき」とされた。

図1-1-18 EPA/FTAの現状(全体像)

(TPP協定交渉の状況)

TPP協定交渉は、平成18(2006)年に発効した環太平洋戦略的経済連携協定(通称P4)の締約国であるシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイに加えて、米国、豪州、ペルー、ベトナムの8か国により、平成22(2010)年3月に開始されました。その後、マレーシア、カナダ、メキシコ、日本が交渉に参加し、平成26(2014)年3月末現在12か国で協議を行っています。

TPP協定交渉は、平成23(2011)年11月のAPEC首脳会議で発表された「TPPの輪郭」において「関税並びに物品・サービスの貿易及び投資に対するその他の障壁を撤廃する」とされており、包括的で高い水準の協定を達成すべく、21の分野で交渉が行われてきました(図1-1-19)。平成25(2013)年10月には、「TPP貿易閣僚による首脳への報告書」において、「相互の物品市場に包括的で関税のないアクセスを与え、同時に、サービス、投資、金融サービス、一時的入国及び政府調達に関する制限を除去する、高い水準の市場アクセスのパッケージの目標を達成することに集中している」ことが報告されました。

我が国のTPP協定交渉参加については、平成25(2013)年2月22日に日米首脳会談が開催され、日米共同声明において「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP協定交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないこと」等が確認されました。

また、3月13日には自由民主党外交・経済連携本部において、「農林水産分野の重要5品目等」「の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする」との決議がなされました。

これらを踏まえ、3月15日、安倍内閣総理大臣はTPP協定交渉への参加を決断し、交渉参加国にその旨を通知しました。TPP協定交渉参加の表明において、安倍内閣総理大臣は、TPP協定交渉については「国益にかなう最善の道を追求」するとしており、農林水産分野においては、「あらゆる努力によって、日本の「農」を守り、「食」を守る」と述べました。これを受けて、農林水産大臣は、交渉参加に当たっては、国益を守り抜き、農林水産分野の聖域を確保するよう全力を尽くすことを表明しました。

その後、我が国はTPP協定交渉参加に向けた関係国との協議を行い、平成25(2013)年4月12日には、日米協議が合意に至りました。そして4月20日、インドネシアで行われたTPP閣僚会合において、TPP協定交渉参加国各国と我が国の二国間協議が終了したことが確認されました。

これらの二国間の協議に前後して、4月18日に参議院、19日に衆議院の農林水産委員会においてTPP協定交渉参加に関して、「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること」、「10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと」等が決議されました。

7月23日、我が国はマレーシアで開催された第18回会合から交渉に参加し、8月にブルネイで開催された第19回会合でも引き続き交渉を行いました。10月にはインドネシアでTPP首脳・閣僚会合、12月及び平成26(2014)年2月にはシンガポールでTPP閣僚会合が開催されました。2月の閣僚会合では、12月の閣僚会合で特定されたテキストの着地点の大部分について合意し、包括的でバランスの取れた成果を目指す観点から、残された課題を解決するための道筋が示されました。市場アクセスについても、二国間会合を通じて精力的に交渉を進め、今後も作業を継続することとされました。

TPP協定交渉では、高い水準の市場アクセスを達成することが目標とされており、交渉参加国の間で厳しい交渉が続いていますが、我が国は、二国間会合や全体会合の場で、衆参両院の農林水産委員会決議を踏まえる必要があることや、農林水産物にセンシティビティが存在することを粘り強く説明し、各国の理解を求めています。

引き続き重要5品目等の聖域の確保について、衆参両院の農林水産委員会決議も踏まえ、国益を守り抜くよう、全力で交渉に取り組むこととしています。

TPP協定交渉に当たっては、経済再生担当大臣を本部長とする「TPP政府対策本部」の下、複数の分野にわたって関係省庁が情報を共有しながら、一体的に対応しています。国民への情報提供についても、交渉会合の前後に与野党の会合で交渉の状況を説明し、また、関係団体や地方公共団体に随時説明会を開くなど、できる限りの情報提供に政府全体で取り組んでいます。


図1-1-19 TPP協定交渉で扱われる分野
 

(WTO農業交渉の状況)

平成13(2001)年、カタールのドーハにおいて、農業、鉱工業、サービスの自由化、アンチダンピング、補助金等のルールの策定、強化等を含む包括的な貿易交渉であるWTOドーハ・ラウンドが開始されました。このうち、農業交渉は、関税削減等を目指す市場アクセス、貿易に歪曲的な影響を及ぼす施策の実質的な削減を目指す国内支持、輸出の競争力に歪曲的な影響を及ぼす補助金の撤廃を目指す輸出競争の3つの分野で行われ、平成16(2004)年7月末には交渉の大枠となる「枠組み合意」が成立しました。その後、関税削減等の方式を決めるモダリティ交渉が行われ、平成19(2007)年7月以降、議長が提示したモダリティ・テキストに基づく議論が続けられ、平成20(2008)年7月の非公式閣僚会合ではモダリティ合意に接近したものの、先進国と新興国との対立により会合は決裂し、モダリティ・テキストは同年12月の提示以降改訂されていません。

しかしながら、平成23(2011)年12月に開催された第8回WTO閣僚会議の議長総括文書において、ドーハ・ラウンド交渉が近い将来に一括合意することは難しいと認めつつ、部分合意も含めた新たな手法により打開の道を探ることとされました。

これを受け、平成25(2013)年12月、インドネシアのバリ島で開催された第9回WTO閣僚会議において、農業分野の一部、貿易円滑化、開発など3分野からなる「バリ・パッケージ」が合意されました。農業分野では、①途上国の食料安全保障目的の公的備蓄に関する暫定措置、②関税割当に係る透明性向上及び消化率の低い品目の運用改善、③輸出補助金の最大限の抑制等について合意されました。また、閣僚会議では、今後1年以内に、ドーハ・ラウンド交渉の残された課題について作業計画を作成することも合意されました。

WTO農業交渉において、我が国は、今後もドーハ・ラウンド交渉の前進に向け、引き続き「多様な農業の共存」を主張し各国の農業が発展可能となるルールの確立を目指していくこととしています。



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