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第2節 我が国の食料自給率の動向


我が国では、国内の食料消費が国内の農業生産でどの程度賄えているのかを示す指標として食料自給率(*1)を算出しています。以下では、食料消費の変化と供給熱量(*2)ベースや生産額ベースの食料自給率の推移について記述します。また、国内農業生産による食料の潜在的な供給能力を示す食料自給力の考え方についても紹介します。

*1、2 [用語の解説]を参照。

(我が国の食料自給率は近年横ばい)

我が国の供給熱量ベースの食料自給率は、長期的に低下傾向にありますが、平成12(2000)年度以降は40%前後の水準で推移しています(図1-2-1)。平成24(2012)年度の供給熱量ベースの食料自給率は、自給可能な米の需要量が減少した一方で、天候に恵まれ、小麦と大豆の生産量が増加したこと等により、前年度と同率の39%となりました。

また、生産額ベースの食料自給率も長期的に低下傾向にありますが、近年は70%前後で推移しています。平成24(2012)年度の生産額ベースの食料自給率は、米と牛肉の生産額が増加したこと等により、前年度に比べて1ポイント上昇し68%となりました。

さらに、穀物自給率(重量ベース)、米や麦等の主食用穀物自給率(重量ベース)についても、長期的に低下傾向にありますが、平成12(2000)年度以降はそれぞれ28%、60%前後で推移しています。




(米の消費量は減少傾向、畜産物の消費量は増加傾向)

平成24(2012)年度の1人・1日当たりの供給熱量は2,430kcalとなっており、昭和55(1980)年度の2,562kcalから133kcal(5.2%)減少しています(図1-2-2)。

この供給熱量の推移を品目別にみると、自給可能な米による供給熱量が221kcal(29%)減少する一方で、輸入飼料に依存する傾向が高い畜産物による供給熱量は93kcal(30%)増加しています。


図1-2-2 食料自給率(供給熱量ベース)の品目ごとの推移

さらに、これらの品目について、1人当たりの年間消費量の推移をみると、米の消費量は減少傾向にありますが、肉類は増加傾向で推移しています(図1-2-3)。また、野菜と砂糖類はおおむね減少傾向で推移しているほか、魚介類と油脂類は平成12(2000)年度以降減少傾向で推移しています。牛乳及び乳製品については、平成7(1995)年度頃まで増加傾向で推移してきましたが、以降はおおむね横ばいとなっています。

このような我が国の食料消費の変化は、食料自給率の推移に影響を与えてきたところであり、供給熱量ベースの食料自給率は、米の消費量の減少と肉類等の畜産物の消費量の増加等によって長期的に低下してきました。一方、近年、供給熱量ベースの食料自給率が40%前後で推移している要因の一つとして、高齢化の進行等による1人当たりの供給熱量の減少が考えられます。



(供給熱量ベースと生産額ベースの食料自給率の品目別構成割合の違い)

図1-2-4 品目ごとの生産額ベースの食料自給率(平成24(2012)年度)

供給熱量ベースの食料自給率は、食料のエネルギーが生命と健康の維持に不可欠なものであるという観点から、栄養学的熱量(カロリー)に着目して計算したものです。一方、生産額ベースの食料自給率は、熱量の比較的少ない野菜・果実、輸入飼料によって生産されるため国産供給熱量が低く算出される畜産物の生産活動を反映させる観点から、経済的価値である生産額に着目して計算したものです。

このため、米と野菜について、品目別の構成割合をみると、米の割合は供給熱量ベースで22.6%、生産額ベースで13.7%、野菜の割合は供給熱量ベースで3.0%、生産額ベースで20.5%となっています(図1-2-2、図1-2-4)。

このように、供給熱量ベースの食料自給率と生産額ベースの食料自給率は、それぞれの観点の違いから、異なる意味合いを有する指標となっています。

(食料自給率とともに食料自給力の維持向上も重要)

供給熱量ベース及び生産額ベースの食料自給率が横ばいで推移する中、平成22(2010)年3月に策定された「食料・農業・農村基本計画」(以下「基本計画」という。)においては、関係者の最大限の努力を前提に、我が国の持てる資源を全て投入した時に初めて可能となる高い目標として、食料自給率を平成32(2020)年度までに供給熱量ベースで50%、生産額ベースで70%にそれぞれ引き上げることを掲げています。

また、基本計画では、主要な品目の平成32(2020)年度における生産数量目標を設定しており、米粉用米、飼料用米、小麦、大豆、飼料作物について大幅な生産拡大を図ることとしています(表1-2-1)。これらの品目について平成20(2008)年度と平成24(2012)年度の生産量をみると、米粉用米や飼料用米は一定の増加がみられるものの、小麦や大豆等では作付面積が思うように拡大していないため、生産量が減少傾向にあります。

今後の食料自給率向上に向け、生産面では、作付けられていない水田の有効利用、技術開発とその普及を通じた単収・品質の向上、耕作放棄地(*1)の解消等を通じた農地の確保等を推進する必要があります。

また、消費面では、健康志向等に対応した潜在的需要の掘り起こしを進め、消費者や食品産業事業者に国産農産物が選択される環境を形成することが必要です。

一方、食料自給率の水準は、緊急時における国内農業の食料供給力の程度を示すものではありません。このため、緊急時における安全保障を確保するため、農地・農業用水等の農業資源、農業者(担い手)、農業技術から成る国内農業生産による食料の潜在的な供給能力を示す「食料自給力」の維持向上を図ることも重要です(図1-2-5)。

*1 [用語の解説]を参照。

(食料自給率向上に向けた取組の展開)

食料自給率の向上に向けた取組「フード・アクション・ニッポン(FAN)」では、平成20(2008)年から、国、民間企業、団体、消費者が一体となって国産農林水産物・食品の消費拡大に向けた取組を推進しています。

この取組の趣旨に賛同する企業・団体等は、「推進パートナー」として取組に参加し、国産食材の販売促進やイベントの開催等国産農林水産物・食品の消費拡大に向けた活動を行っています(図1-2-6)。

フード・アクション・ニッポンでは、そのほかにも、国産食品等にポイントを付与して消費者の購入を図る取組(国産食品等ポイント事業)や、食料自給率向上に寄与する優れた取組の顕彰(フード・アクション・ニッポン アワード)、食品産業以外の異業種分野と連携した国産農林水産物・食品の消費拡大に向けた取組を推進しています。




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