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農林水産省

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(2)新たな食料・農業・農村基本計画 イ 新たな食料・農業・農村基本計画


新たな基本計画は、我が国が人口減少社会となって初めての計画であり、以下のような食料・農業・農村をめぐる情勢や施策の評価と課題を踏まえて策定されました。


(食料・農業・農村をめぐる情勢)

今後、農村の高齢化や集落人口の減少等が一層進行し、地域によっては集落の共同活動による地域資源の維持管理等の継続に支障を来すことのほか、高齢化や人口減少の進行により、国内の食市場の縮小や担い手不足といった様々な問題が顕在化することが懸念されています(図2-3)。

一方、世界的には中長期的に食料等の需給の逼迫(ひっぱく)が懸念されるなど、今後の我が国の食料供給の在り方に関わる環境変化も進んでいます。

女性の社会進出や単身・高齢者世帯の増加等の社会構造、ライフスタイル等の変化を反映し、食品の質、サービス形態等の多様化や高度化が進展していますが、国内の農業生産が十分に対応できていない状況です。

このような情勢の中、利用権の設定等による農地集積が一定程度進展し、認定農業者(*1)や集落営農(*2)等が農地を利用する面積は全体の約半分を占めるなど、農業構造は変化してきています。しかしながら、農業就業者の高齢化が進み、60歳以上が7割、50歳未満が1割という著しくアンバランスな年齢構成となっています。加えて、農地集積により経営の規模が拡大する一方、集積された農地は小さな区画のまま分散錯綜(さくそう)している場合も多く、生産性向上の大きな阻害要因となっています。

農業・農村の多様な可能性の観点からは、海外における日本食への関心の高まりや、国内における高齢化など社会構造等の変化に伴う介護食品や食に関連した健康ビジネスなど新たな分野の市場が拡大すると見込まれています。また、農村の多様な地域資源の有効活用も始まり、女性ならではのアイデアと感性も活かしながら新たな可能性を切り開いていく取組が徐々に増え始めています。加えて、ロボット技術やICT(*3)といった最先端の技術を農業・農村分野でも活用することにより、生産性等を大幅に向上させる可能性があります。


*1、2 [用語の解説]を参照
*3 Information and Communication Technologyの略。情報や通信に関する技術の総称

図2-3 食料・農業・農村をめぐる情勢

平成23(2011)年3月11日に発生した東日本大震災からの復旧・復興においては、津波被災農地は、平成27(2015)年3月時点で7割が営農再開可能となっており、津波被害のあった農業経営体は、平成26(2014)年2月時点で55%が経営を再開しています。しかし、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に伴う風評被害は依然として払拭されたとは言えない状況です。


(施策推進の基本的な視点)

これまでの施策展開の前提としていた食料・農業・農村の実態等が大きく変化しつつあり、現在は食料・農業・農村施策の展開に当たっての大きな転換点にあります。

今後、基本法に掲げられた基本理念の実現を図っていくためには、農地の集積・集約化等による農業の構造改革や、新分野への積極的なチャレンジを通じた国内外の需要の取り込み等を進め、農業や食品産業の競争力の強化を図っていくことが必要です。また、農業・農村の有する多面的機能は、その発揮により国民に多くの恵沢をもたらすものであり、食料の供給の機能と一体のものとして生ずる極めて重要な機能であることから、その発揮を促進することが必要です。

このため、農業の構造改革や新たな需要の取り込み等を通じて、農業や食品産業の成長産業化を促進するための産業政策と、農業の構造改革を後押しつつ農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮を促進するための地域政策を車の両輪として進めるという観点に立ち、食料・農業・農村施策の改革を推進していくことが必要です。

その際、短期的に取り組むべき課題と中長期的な変化への対応という観点にも留意しつつ、(1)基本法の基本理念の実現に向けた施策の安定性の確保、(2)食料の安定供給の確保に向けた国民的な議論の深化、(3)需要や消費者視点に立脚した施策の展開、(4)農業の担い手が活躍できる環境の整備、(5)持続可能な農業・農村の実現に向けた施策展開、(6)新たな可能性を切り拓く技術革新、(7)農業者の所得の向上と農村のにぎわいの創出という視点に立って、施策を展開することとしています(図2-4)。


図2-4 施策推進に当たっての基本的な視点


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